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41話 王の願い
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「どうか、貴女のことを、この国の守り神として、聖女として国民に知らしめたい。
そして、願わくば、我が愚息の婚約者となって頂き、いずれは王妃となって頂けないだろうか?
この国の宝である貴女に、どうか息子のそばで助けてやって欲しい。どうか、考えてみては貰えまいか」
突然降って湧いた聖女の話に内心大喜びのミラは、その話にすぐ飛び付こうと思ったが、一瞬冷静になって返事をしかかる前に口をつぐんだ。
婚約と王妃の話はややこしいですね…
エネルギーの供給が上手く回るようになれば、また違うところへ行ったりと、仕事をしなければならないため、一つの場所に長く留まるというのは、仕事がやりにくくなるので、面倒だと思ったのだ。
「聖女のお話は別に構いません。多くの方に知って貰えれば、もっとたくさんの人を救えますから。
それに、陛下から言ってくださるのであれば、胡散臭がって私の薬を飲みたがらなかった方にも受け入れて貰い易くなるでしょうし…」
…そう、家畜は生かさず殺さずエネルギーを頂かないといけませんから。数を減らしたくないので、私の薬でどんどん生きながらえて貰わないと…
ミラはそう思っていたが、王は違った。
「なんと!そなたはまだもっともっと多くの人間を救いたいと仰るか‼︎…とんでもない方だ…では、婚約と王妃の件も良いのか?」
「いえ、それはちょっと…私などには荷が重すぎるかと…」
それを横で聞いていたアレスが悲しそうに聞いてくる。
「ミリア?…僕じゃダメ?こんなんでも、割と女性からは人気ある方なんだけどなぁ?」
「いえ、アレス様がどうというわけではありません。私はせっかく頂いた聖女としての活動を主にしたいと思っております。
殿下の婚約者や、さらには王妃などという立場を頂いてしまっては、どちらかの役目が疎かになるかと思います。
でしたら、私は聖女としてのお役目を全うしたいと思いますので、どうかご容赦くださいませ」
「それなら、僕も助けるし、他の者を付けて仕事は分担させてもいい。君が聖女として活動する限り、そうすることは誰もが認め、誰もが助けようとするだろう。何も心配いらないよ」
「その通りだ。聖女殿には聖女殿にしかできないことをして頂くのだから、誰にも何にも文句は言わせない。どうか、貴女にこの国を息子と一緒に守って頂きたい!」
アレスに続いて王の応戦にミラは怯んでしまった。
そして、願わくば、我が愚息の婚約者となって頂き、いずれは王妃となって頂けないだろうか?
この国の宝である貴女に、どうか息子のそばで助けてやって欲しい。どうか、考えてみては貰えまいか」
突然降って湧いた聖女の話に内心大喜びのミラは、その話にすぐ飛び付こうと思ったが、一瞬冷静になって返事をしかかる前に口をつぐんだ。
婚約と王妃の話はややこしいですね…
エネルギーの供給が上手く回るようになれば、また違うところへ行ったりと、仕事をしなければならないため、一つの場所に長く留まるというのは、仕事がやりにくくなるので、面倒だと思ったのだ。
「聖女のお話は別に構いません。多くの方に知って貰えれば、もっとたくさんの人を救えますから。
それに、陛下から言ってくださるのであれば、胡散臭がって私の薬を飲みたがらなかった方にも受け入れて貰い易くなるでしょうし…」
…そう、家畜は生かさず殺さずエネルギーを頂かないといけませんから。数を減らしたくないので、私の薬でどんどん生きながらえて貰わないと…
ミラはそう思っていたが、王は違った。
「なんと!そなたはまだもっともっと多くの人間を救いたいと仰るか‼︎…とんでもない方だ…では、婚約と王妃の件も良いのか?」
「いえ、それはちょっと…私などには荷が重すぎるかと…」
それを横で聞いていたアレスが悲しそうに聞いてくる。
「ミリア?…僕じゃダメ?こんなんでも、割と女性からは人気ある方なんだけどなぁ?」
「いえ、アレス様がどうというわけではありません。私はせっかく頂いた聖女としての活動を主にしたいと思っております。
殿下の婚約者や、さらには王妃などという立場を頂いてしまっては、どちらかの役目が疎かになるかと思います。
でしたら、私は聖女としてのお役目を全うしたいと思いますので、どうかご容赦くださいませ」
「それなら、僕も助けるし、他の者を付けて仕事は分担させてもいい。君が聖女として活動する限り、そうすることは誰もが認め、誰もが助けようとするだろう。何も心配いらないよ」
「その通りだ。聖女殿には聖女殿にしかできないことをして頂くのだから、誰にも何にも文句は言わせない。どうか、貴女にこの国を息子と一緒に守って頂きたい!」
アレスに続いて王の応戦にミラは怯んでしまった。
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