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26話 寂しい
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「はい。第一段階です。大きな争いにしてはいけないので2、3カ国の争いにするとなると、今度は早く終結してしまう恐れがあります。
そうなっては、またマイナスエネルギーが得られなくなりますから、この争いを長く続けさせる必要があります」
「どうやるんだ?」
「はい、この争いを見ている他の国にけしかけて、武器を売らせます。
そうすると、それが儲かることに気づいた家畜は金銭欲のマイナスエネルギーをたくさん出すでしょう。
そして、その欲は膨らみ続け、どんどん武器を送り込むようになり、争いの地では武器がなくならず、終わりなき戦いを続け、争わない地の家畜は欲のマイナスエネルギーを出し続ける。
これが私の考えるマイナスエネルギー発生の循環の仕組みです」
「……」
「…カーティス様?この計画だめでしょうか?」
「…完璧だ…」
カーティスは急に立ち上がって呆然としながら言った。
「え?」
「すごいぞ!ミラ‼︎やっぱりお前は奇跡の魔女だ‼︎そんなこと今まで誰も思いつかなかった!すごい!お前は魔界の救世主だ‼︎」
そう言いながら、カーティスはソファに座るミラをひょいっと軽々しく持ち上げ、ぐるぐる回す。
「きゃっ!カ、カーティス様⁈おっ、下ろしてください!カーティス様!」
ミラはしがみつきながらカーティスの背中を軽く叩いて止めようとした。
それに気づいたカーティスは、ふわりと下ろしてギュッと抱きしめた。
ミラの肩に顔を埋めたまま、
「…ミラ、ありがとう。よろしく頼む。俺は魔界のことがあるから、そちらには行けないが、困ったことがあれば何でも言え」
さっきまでの嬉しそうな声とは一転して、急にカーティスは寂しそうに言った。
「はい、カーティス様。私カーティス様のその笑顔が大好きです。だから、喜んでもらえるようにがんばりますね」
また笑って欲しくてそう言ったミラだったが、カーティスは肩から顔を離して、そんなミラの顔を覗き込む。
「ミラ…なんか俺おかしいんだが」
「え?」
「ミラの口に俺の口を合わせてみたい」
「えっ⁈」
と、驚いたミラは手で口を塞いだ。
しかし、その手をカーティスはそっと握って退けさせると、
ミラの唇にそっと自分の唇をつけてみた。
すぐに離れて、
「どう?嫌だった?」
と聞くと、ミラは赤くなって俯いているのに、首は横に振った。
「もう一回してもいいか?」
ミラは俯いたまま固まっていた。
カーティスは手でミラの顎を上げると、もう一度、今度はもう少し長く、抱きしめながらキスをした。ミラはカーティスにしがみつくようにギュッと胸の辺りの服を掴んでいた。
「ぅ…ぅぅゔっ」
ミラは息ができなくなって、胸をドンドンと叩いたので、カーティスはやっと離れると
「あー…なんか離れたくない。なんでだ?
やっぱり俺も一緒に行こうかな…」
真っ赤になっているミラを抱きしめたまま、溜息混じりにそう言った。
「ふふっ、ダメですよ、カーティス様。私もお側にいたいですけど、お互い仕事ですから、仕方ないです」
「はぁ…まぁ仕方ないか」
と、暗い顔をするが、急に何か思いついたようで、ミラの顔をキラキラした目で覗き込んだ。
「そうだ!ミラ!毎日ミラの自室じゃなくて、俺のところへ帰って来い!そうしよう!
ゲートは俺の部屋に作っておく!」
「エッ⁈そ、それは、あの、よろしいのですか?」
「もちろんだ」
と、カーティスはまたギュッと抱きしめる。
ミラも嬉しかった。
毎日会えると思うと、人間界に行く不安も少し和らぎ、カーティスの魔界を守りたい思いのためにがんばろうと意気込んだ。
そうなっては、またマイナスエネルギーが得られなくなりますから、この争いを長く続けさせる必要があります」
「どうやるんだ?」
「はい、この争いを見ている他の国にけしかけて、武器を売らせます。
そうすると、それが儲かることに気づいた家畜は金銭欲のマイナスエネルギーをたくさん出すでしょう。
そして、その欲は膨らみ続け、どんどん武器を送り込むようになり、争いの地では武器がなくならず、終わりなき戦いを続け、争わない地の家畜は欲のマイナスエネルギーを出し続ける。
これが私の考えるマイナスエネルギー発生の循環の仕組みです」
「……」
「…カーティス様?この計画だめでしょうか?」
「…完璧だ…」
カーティスは急に立ち上がって呆然としながら言った。
「え?」
「すごいぞ!ミラ‼︎やっぱりお前は奇跡の魔女だ‼︎そんなこと今まで誰も思いつかなかった!すごい!お前は魔界の救世主だ‼︎」
そう言いながら、カーティスはソファに座るミラをひょいっと軽々しく持ち上げ、ぐるぐる回す。
「きゃっ!カ、カーティス様⁈おっ、下ろしてください!カーティス様!」
ミラはしがみつきながらカーティスの背中を軽く叩いて止めようとした。
それに気づいたカーティスは、ふわりと下ろしてギュッと抱きしめた。
ミラの肩に顔を埋めたまま、
「…ミラ、ありがとう。よろしく頼む。俺は魔界のことがあるから、そちらには行けないが、困ったことがあれば何でも言え」
さっきまでの嬉しそうな声とは一転して、急にカーティスは寂しそうに言った。
「はい、カーティス様。私カーティス様のその笑顔が大好きです。だから、喜んでもらえるようにがんばりますね」
また笑って欲しくてそう言ったミラだったが、カーティスは肩から顔を離して、そんなミラの顔を覗き込む。
「ミラ…なんか俺おかしいんだが」
「え?」
「ミラの口に俺の口を合わせてみたい」
「えっ⁈」
と、驚いたミラは手で口を塞いだ。
しかし、その手をカーティスはそっと握って退けさせると、
ミラの唇にそっと自分の唇をつけてみた。
すぐに離れて、
「どう?嫌だった?」
と聞くと、ミラは赤くなって俯いているのに、首は横に振った。
「もう一回してもいいか?」
ミラは俯いたまま固まっていた。
カーティスは手でミラの顎を上げると、もう一度、今度はもう少し長く、抱きしめながらキスをした。ミラはカーティスにしがみつくようにギュッと胸の辺りの服を掴んでいた。
「ぅ…ぅぅゔっ」
ミラは息ができなくなって、胸をドンドンと叩いたので、カーティスはやっと離れると
「あー…なんか離れたくない。なんでだ?
やっぱり俺も一緒に行こうかな…」
真っ赤になっているミラを抱きしめたまま、溜息混じりにそう言った。
「ふふっ、ダメですよ、カーティス様。私もお側にいたいですけど、お互い仕事ですから、仕方ないです」
「はぁ…まぁ仕方ないか」
と、暗い顔をするが、急に何か思いついたようで、ミラの顔をキラキラした目で覗き込んだ。
「そうだ!ミラ!毎日ミラの自室じゃなくて、俺のところへ帰って来い!そうしよう!
ゲートは俺の部屋に作っておく!」
「エッ⁈そ、それは、あの、よろしいのですか?」
「もちろんだ」
と、カーティスはまたギュッと抱きしめる。
ミラも嬉しかった。
毎日会えると思うと、人間界に行く不安も少し和らぎ、カーティスの魔界を守りたい思いのためにがんばろうと意気込んだ。
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