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67話 地獄絵図

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クロードは、民衆を武装させ、

町全体が埋まるほどの大群を引き連れて押し寄せて来た!

頭のいい知力のアリアには、すぐに悟ることができた。


あれはクーデターの集団だ…

あの初めて来た日の宿で聞いたクーデターの集まり…

こんなに大勢力になっていたのね…

まさか…そのリーダーが…クロード⁇

束ねていたのは、クロードだったなんて…

そんなに王が憎かったのね… 
 
…そうね、あの王を早々に退位させるなんて無理な話。

あなたが王位に就いて統治出来る頃には、

この国はもう存続不可能になっていたかもしれない。

でも、あなたにとって、それでも、あんなヤツでも父なのよ?

父を殺すなんて、あなたにそんな傷負わせたくなかった…


クロードを幸せにしたくてここに生まれ、ここまでやってきたのに、

その全てが水の泡になってしまうようで、

クロードが一生幸せになれない傷を負うのではないかと思って、

アリアは涙が止まらなくなった。

手を縛られていて、拭くこともできず、

ぐしゃぐしゃに顔が涙で濡れていく。


「クロード…様、ごめんなさい…、あなた一人に…こんなこと…させてしまって…ごめんなさい…」


幸せにしにきたはずが、自分のせいで不幸にしてしまうことが堪えられず、

アリアは力の限り叫んだ!


「クロードさまぁ!!やめてください!!

もういいのです!!私が側室になれば、

だれも傷つかずに済むのですから!!」


しかし、その声は届かない。

雪崩のような大群は、馬ごと、怒涛のごとく王宮の中へ押し入って、 

大きな怒鳴り声が飛び交い、

壁や物を破壊する音、馬のいななき、人の叫び声、

全てが混ざり合い、

阿鼻叫喚の地獄絵図が目下で繰り広げられていたのだから。

しかし、その中で、一際大きな怒声が聞こえた!


「私は王を討ちに行く!皆はここを頼んだ!」


そう叫んで、馬から降り、

王宮の中へ走って行ったのは、クロードだった…
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