127 / 247
帝都の大学
秋分に覗くもの
しおりを挟む
「__横になっていなくて大丈夫か?」
ぼんやり、と手元のお茶を眺めていると、リュディガーが尋ねてきてキルシェは我に返る。
「ぼうっとしているから」
キルシェは微かに笑みを作って、首を振りお茶を飲む。
「……そう、そう言えば、落馬事故はあったが、チリン様は、君の矢馳せ馬、褒めていらっしゃった」
__チリン……。
先程も話題に出た名前。
「ねぇ、リュディガー。チリン、様というのは……?」
聞きそびれていた質問を、キルシェは改めて投げかけてみる。
「龍帝御一門の護法神。麒麟という神性の獣だ。天の麒と地の麟とそれぞれ書いて、天麒と地麟と号す。天麒が雄で地麟が雌」
「お、雄と雌……」
「ヒトというよりも、神獣__獣だからな。もともとは一体なんだ。任意に一対の霊獣になることができる。天麒は高天原__龍帝の傍に、地麟は地上にいて共に連絡を取り合うんだ」
「それは……任意に別れているというときは、子供の姿?」
「そうだ。御髪は鬣なんだが、色が__」
「白銀」
リュディガーは驚きに目をわずかに見開く。
「ああ」
「蓬莱の民族衣装を着ていて、胸元に鏡を提げている……?」
「そうだが……そこまで知っているとは。まるで見てきたように、詳しいな」
「私、目が覚める前……夢を見ていたの」
「夢?」
こくり、とキルシェは頷いて、衝立の向こうを思い描くように遠い視線で見つめた。
「見慣れない建物の回廊に座って、半透明の羽虫が飛び交う景色を眺めていたの。虫だとおもうのだけど……見たことのない姿ばかりで、獣のようなものもいて……そうしていたら、声を掛けられて。__チリン、と名乗っていた。装いは、さっき話したとおりの子供で……」
「額に、角があったか?」
「角?」
「地麟様には、麒麟の一本角があるんだ。すっと整った角ではなく、枯れ枝のような印象の独特な」
「どうだったかしら__ぁ……」
キルシェが思い出そうとしていると、いつの間にそこに居たのか、衝立の間に少女が佇んでいた。
白銀の髪の毛の少女は蓬莱の民族衣装を纏い、胸には鏡を提げている。真珠のような輝きの瞳が柔らかく細められ、衣擦れの音と軽やかな鈴のような音を立てて、キルシェの方へと歩み寄ってくる。その少女は間違いなく夢でみたあの少女。
その額には、白銀の一本角を戴いていた。
__枯れ枝のような……角。
それは荒彫りの木工細工に見られるような、無秩序な面取りがされている角だった。
「地麟様」
リュディガーはつぶさに椅子を降りて跪礼をするが、対してキルシェは驚きのあまりに動けずにいた。
「楽に。様子を見に来ただけですので」
リュディガーはしかし跪礼のまま、顔だけをあげるに留める。
それに笑ってから、地麟はキルシェへと穏やかな顔を向けて口を開く。
「__貴女がご覧になったのは、不可知の領分です。ちょうど秋分に近いので、覗きやすかったのでしょう」
「不可知の……」
「夢として見ることもある世界です。__目が醒めなかったのは、不可知に踏み入って覗いていたからだろうと。貴女を探しておりまして、それで見つけた貴女の手を引いたのです」
「角が……」
「それは、貴女を驚かさないためです。子供の姿なのに角がある。角はヒトによっては異形の象徴でしょう。見えないようにしておりました」
「そうでしたか。……なんとも、思い出すと変な心地がします。夢だったように思うのですが、鮮明で……」
「夢でもありますし、現実でもあります。不可知とは、曖昧と言えば曖昧で、厳格と言えば厳格ありますから、ヒトの感覚で説明するのは難しいのです。__魔穴という事象も似たようなものです」
え、とキルシェはリュディガーを見ると、視線を感じ取ってリュディガーが見つめてきて小さく頷く。
「不可知、ということには違いない」
「そうなの……」
少しばかり、ひやり、としたキルシェの内心を見透かすように、くすり、と地麟が笑った。
「貴女が見たのはそうした恐ろしい領域ではありません」
「そうなのですか……」
「まだふわふわ、とした心地なのは不可知をそこそこに長く覗いていたから。こちらの食べ物を食べて、寝て、朝日を浴びれば大丈夫です」
地麟は言って、リュディガーへと顔を向ける。
「ところで貴方は、彼女が目覚めるまでなら、という私との約束をお忘れですか? リュディガー・ナハトリンデン」
__約束……そういえば、そんなことを言っていたわね。地麟様との約束だったの。
リュディガーは今一度、頭を垂れた。
「いえ、覚えてございます。ただ、彼女の夕餉の支度ができるまでは構わない、とこちらの典医がおっしゃいましたのでそのように。__何卒、ご容赦を」
「よろしい。許します」
「地麟様、度重なるご温情、お気遣い、ありがとう存じます」
地麟は薄く笑むと、衣を翻すように身を返した。
それが帰る素振りだと察したリュディガーが立ち上がる動きを見せれば、手をかざして制する。
「見送りはいりません。彼女の傍に居るように」
「御意」
立ち上がったまま、姿勢を正して深く頭を垂れるリュディガーに笑う地麟。
せめて寝台から降りて挨拶を、と思ったキルシェに対しても彼女は首を振って制した。
「不要です。__貴女の矢馳せ馬、見事でした。これからも精進できるようなら、したほうがよい」
精進できるようなら__という言い方に、キルシェはぎくり、とした。
__まさか、気づかれている……?
この少女は神性の獣である。であれば、真実を拾い上げることなど、造作もないことなのではないだろうか。
「ありがとう、ございます」
出来得る限り心を込めての感謝とともに、頭を垂れる。衣擦れの音と鈴のような飾りの音が、完全に聞こえなくなるまで、キルシェは、リュディガー共々頭をさげ続けた。
「__あれが、麒麟の半身。地麟様だ。……やはり、緊張するな」
肩をすくめて、一気にため息とともに虚脱するリュディガーは、後頭をかいて苦笑を浮かべた。
「帰れとラエティティエルに__彼女も、シュタウフェンベルク卿に呼ばれて駆けつけていて、さっきまでは居たんだが……その彼女に、お前は邪魔になるから帰れ、と言われていたんだ。落馬から目覚めないから、渋っていたところに地麟様が現れて……」
「それなら……その場面なら、私見ていました」
キルシェは鮮明にその場面を思い出し、ぽつり、とつぶやいた。
「見て……?」
「地麟様に手を引かれて、ここにきて……皆に囲まれている私を見ました。そこで何が起きたのか、話を聞いて状況は理解したのですが……現実味がない景色の延長だったので、夢だと」
__すごく、心配をかけてしまっていた……。
思い出したからには、彼のあの顔は忘れられないだろう。
「そうだったのか。見ていたか」
「……信じるの?」
「武官とは申せ、伊達に不可知の領分と接する生業をしていたわけではないからな」
椅子に改めて腰掛けて、キルシェの持ったままのカップに茶を継ぎ足して自分も新たにカップに注いで手に持った。
ぼんやり、と手元のお茶を眺めていると、リュディガーが尋ねてきてキルシェは我に返る。
「ぼうっとしているから」
キルシェは微かに笑みを作って、首を振りお茶を飲む。
「……そう、そう言えば、落馬事故はあったが、チリン様は、君の矢馳せ馬、褒めていらっしゃった」
__チリン……。
先程も話題に出た名前。
「ねぇ、リュディガー。チリン、様というのは……?」
聞きそびれていた質問を、キルシェは改めて投げかけてみる。
「龍帝御一門の護法神。麒麟という神性の獣だ。天の麒と地の麟とそれぞれ書いて、天麒と地麟と号す。天麒が雄で地麟が雌」
「お、雄と雌……」
「ヒトというよりも、神獣__獣だからな。もともとは一体なんだ。任意に一対の霊獣になることができる。天麒は高天原__龍帝の傍に、地麟は地上にいて共に連絡を取り合うんだ」
「それは……任意に別れているというときは、子供の姿?」
「そうだ。御髪は鬣なんだが、色が__」
「白銀」
リュディガーは驚きに目をわずかに見開く。
「ああ」
「蓬莱の民族衣装を着ていて、胸元に鏡を提げている……?」
「そうだが……そこまで知っているとは。まるで見てきたように、詳しいな」
「私、目が覚める前……夢を見ていたの」
「夢?」
こくり、とキルシェは頷いて、衝立の向こうを思い描くように遠い視線で見つめた。
「見慣れない建物の回廊に座って、半透明の羽虫が飛び交う景色を眺めていたの。虫だとおもうのだけど……見たことのない姿ばかりで、獣のようなものもいて……そうしていたら、声を掛けられて。__チリン、と名乗っていた。装いは、さっき話したとおりの子供で……」
「額に、角があったか?」
「角?」
「地麟様には、麒麟の一本角があるんだ。すっと整った角ではなく、枯れ枝のような印象の独特な」
「どうだったかしら__ぁ……」
キルシェが思い出そうとしていると、いつの間にそこに居たのか、衝立の間に少女が佇んでいた。
白銀の髪の毛の少女は蓬莱の民族衣装を纏い、胸には鏡を提げている。真珠のような輝きの瞳が柔らかく細められ、衣擦れの音と軽やかな鈴のような音を立てて、キルシェの方へと歩み寄ってくる。その少女は間違いなく夢でみたあの少女。
その額には、白銀の一本角を戴いていた。
__枯れ枝のような……角。
それは荒彫りの木工細工に見られるような、無秩序な面取りがされている角だった。
「地麟様」
リュディガーはつぶさに椅子を降りて跪礼をするが、対してキルシェは驚きのあまりに動けずにいた。
「楽に。様子を見に来ただけですので」
リュディガーはしかし跪礼のまま、顔だけをあげるに留める。
それに笑ってから、地麟はキルシェへと穏やかな顔を向けて口を開く。
「__貴女がご覧になったのは、不可知の領分です。ちょうど秋分に近いので、覗きやすかったのでしょう」
「不可知の……」
「夢として見ることもある世界です。__目が醒めなかったのは、不可知に踏み入って覗いていたからだろうと。貴女を探しておりまして、それで見つけた貴女の手を引いたのです」
「角が……」
「それは、貴女を驚かさないためです。子供の姿なのに角がある。角はヒトによっては異形の象徴でしょう。見えないようにしておりました」
「そうでしたか。……なんとも、思い出すと変な心地がします。夢だったように思うのですが、鮮明で……」
「夢でもありますし、現実でもあります。不可知とは、曖昧と言えば曖昧で、厳格と言えば厳格ありますから、ヒトの感覚で説明するのは難しいのです。__魔穴という事象も似たようなものです」
え、とキルシェはリュディガーを見ると、視線を感じ取ってリュディガーが見つめてきて小さく頷く。
「不可知、ということには違いない」
「そうなの……」
少しばかり、ひやり、としたキルシェの内心を見透かすように、くすり、と地麟が笑った。
「貴女が見たのはそうした恐ろしい領域ではありません」
「そうなのですか……」
「まだふわふわ、とした心地なのは不可知をそこそこに長く覗いていたから。こちらの食べ物を食べて、寝て、朝日を浴びれば大丈夫です」
地麟は言って、リュディガーへと顔を向ける。
「ところで貴方は、彼女が目覚めるまでなら、という私との約束をお忘れですか? リュディガー・ナハトリンデン」
__約束……そういえば、そんなことを言っていたわね。地麟様との約束だったの。
リュディガーは今一度、頭を垂れた。
「いえ、覚えてございます。ただ、彼女の夕餉の支度ができるまでは構わない、とこちらの典医がおっしゃいましたのでそのように。__何卒、ご容赦を」
「よろしい。許します」
「地麟様、度重なるご温情、お気遣い、ありがとう存じます」
地麟は薄く笑むと、衣を翻すように身を返した。
それが帰る素振りだと察したリュディガーが立ち上がる動きを見せれば、手をかざして制する。
「見送りはいりません。彼女の傍に居るように」
「御意」
立ち上がったまま、姿勢を正して深く頭を垂れるリュディガーに笑う地麟。
せめて寝台から降りて挨拶を、と思ったキルシェに対しても彼女は首を振って制した。
「不要です。__貴女の矢馳せ馬、見事でした。これからも精進できるようなら、したほうがよい」
精進できるようなら__という言い方に、キルシェはぎくり、とした。
__まさか、気づかれている……?
この少女は神性の獣である。であれば、真実を拾い上げることなど、造作もないことなのではないだろうか。
「ありがとう、ございます」
出来得る限り心を込めての感謝とともに、頭を垂れる。衣擦れの音と鈴のような飾りの音が、完全に聞こえなくなるまで、キルシェは、リュディガー共々頭をさげ続けた。
「__あれが、麒麟の半身。地麟様だ。……やはり、緊張するな」
肩をすくめて、一気にため息とともに虚脱するリュディガーは、後頭をかいて苦笑を浮かべた。
「帰れとラエティティエルに__彼女も、シュタウフェンベルク卿に呼ばれて駆けつけていて、さっきまでは居たんだが……その彼女に、お前は邪魔になるから帰れ、と言われていたんだ。落馬から目覚めないから、渋っていたところに地麟様が現れて……」
「それなら……その場面なら、私見ていました」
キルシェは鮮明にその場面を思い出し、ぽつり、とつぶやいた。
「見て……?」
「地麟様に手を引かれて、ここにきて……皆に囲まれている私を見ました。そこで何が起きたのか、話を聞いて状況は理解したのですが……現実味がない景色の延長だったので、夢だと」
__すごく、心配をかけてしまっていた……。
思い出したからには、彼のあの顔は忘れられないだろう。
「そうだったのか。見ていたか」
「……信じるの?」
「武官とは申せ、伊達に不可知の領分と接する生業をしていたわけではないからな」
椅子に改めて腰掛けて、キルシェの持ったままのカップに茶を継ぎ足して自分も新たにカップに注いで手に持った。
0
お気に入りに追加
164
あなたにおすすめの小説
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
つかぬことをお伺いいたしますが、私はお飾りの妻ですよね?
蓮
恋愛
少しネガティブな天然鈍感辺境伯令嬢と目つきが悪く恋愛に関してはポンコツコミュ障公爵令息のコミュニケーションエラー必至の爆笑(?)すれ違いラブコメ!
ランツベルク辺境伯令嬢ローザリンデは優秀な兄弟姉妹に囲まれて少し自信を持てずにいた。そんなローザリンデを夜会でエスコートしたいと申し出たのはオルデンブルク公爵令息ルートヴィヒ。そして複数回のエスコートを経て、ルートヴィヒとの結婚が決まるローザリンデ。しかし、ルートヴィヒには身分違いだが恋仲の女性がいる噂をローザリンデは知っていた。
エーベルシュタイン女男爵であるハイデマリー。彼女こそ、ルートヴィヒの恋人である。しかし上級貴族と下級貴族の結婚は許されていない上、ハイデマリーは既婚者である。
ローザリンデは自分がお飾りの妻だと理解した。その上でルートヴィヒとの結婚を受け入れる。ランツベルク家としても、筆頭公爵家であるオルデンブルク家と繋がりを持てることは有益なのだ。
しかし結婚後、ルートヴィヒの様子が明らかにおかしい。ローザリンデはルートヴィヒからお菓子、花、アクセサリー、更にはドレスまでことあるごとにプレゼントされる。プレゼントの量はどんどん増える。流石にこれはおかしいと思ったローザリンデはある日の夜会で聞いてみる。
「つかぬことをお伺いいたしますが、私はお飾りの妻ですよね?」
するとルートヴィヒからは予想外の返事があった。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ
悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。
残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。
そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。
だがーー
月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。
やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。
それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる