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バグ爺自滅
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多数決でリーダー決めるもノコタンと爺さんが納得しない。
一体どこまで自分勝手で負けず嫌いなのか?
確かにアトリは常に俺の味方だけどさ。
多数決ではさすがに俺に有利過ぎたか?
仕方なくここは食糧対決することに。
遭難生活二日目。
今が何時かも分からない。
もう朝ではないと言うことぐらい。
二人と別れて島の奥に進む。
食糧は…… ラッキー! ヤシの実がある。
ヤシの木発見! これは幸先がいいぞ。
さっそく木を登ることに。
昔から木登りは得意な方。
ただそれは登りに限るけれどね。
ヤシの実を切り落として一個ゲット。
続けて三個。
多過ぎても持ち運び出来ないのでこれくらいにしておこう。
まずは一つを豪快に半分にしてエネルギー補給。
残り三つを持って次の場所へ。
うん誰か来る?
急いで草むらに隠れる。
「おーここじゃここじゃ」
爺さんも考えることは同じらしい。
ヤシの木に登る。
そこで俺同様にヤシの実を三つ落とす。
爺さんが降りるのに目を離した隙に急いで回収。
三個全部自分のものに。悪い気もするがこれも食糧対決に勝つため。
俺がリーダーでなくてもいいがこの爺さんだけは絶対リーダーにしてはいけない。
人間性に問題がある。爺さんは俺たちを無理矢理従わせるだろう。
それに金にもがめついしケチでもある。ついて行けない。
「うおおお! なぜ? なぜないんじゃ? 」
爺さんが怒り狂っている。だが証拠はない。このまま放置しよう。
おっと気づかれては厄介。急いで違う場所へ移る。
素人は海で楽々食糧探し出来ると考えてるのだろうがそれは大きな間違い。
釣りをするには時間もかかるし雑魚しか釣れなければ時間の無駄。
素潜りするにしても初心者では上手く行きようがない。
せめてモリ等の突き道具でもあれば別だが自作してる時間もない。
網だっているだろう。だから釣りはリスクがある。
ほら泳いでるよノコタン。
馬鹿だな。そんな簡単なはずないだろ? 仮に気づいてももう遅い。
リーダーは俺だ。他の者に譲れるか!
あれ…… 何か様子が変だな?
ノコタンが消えた。
どこに行った? ノコタン?
見回してると急に海面から浮上。
まさか素人だから大丈夫だよな……
ノコタンは両角を使って中型サイズの魚を二匹釣り上げる。刺してるんだけどね。
忘れていた。奴はシカの耳と言うか角を装着していたんだ。
恐ろしい攻撃だな。俺も突き刺されないように気をつけなくちゃ。
これで魚二匹ゲット。
まずいな。このままだと負ける。
ではとっておきのを捕まえるとしますか。
日が暮れタイムアップ。
「皆さん集まってください! 時間です! 」
判定役のアトリが張り切る。
「はあはあ…… 疲れたの」
爺さんはもう体力の限界らしい。
「楽勝でしょう」
ノコタンは自信満々。
ライバル二人が戻って来た。
怖気づいて逃げ出さなかっただけでも褒めてやるとしよう。
「アトリ。俺はこれだけだ。公正に頼む」
本当は俺に味方してもらいたいが一応は形だけでも不正のないように。
正々堂々と勝負したい。後はアトリの判断次第。
ご主人様に恥を掻かせるような真似はしないはずだ。
「分かりました。ご主人様は自信がおありのようですね。ではまず年の順から」
「うむ。儂じゃな。悪いのう二人とも」
そう言って持ってきたのはヤシの実二つとヤシガニ一匹。
その辺の草。最後にカタツムリと何らかの幼虫。
うわ…… 大丈夫かこの爺? 草と虫を喰わせる気か。
さすがはバグ爺さんだぜ。
「おい何を嫌がっておる。これも貴重なたんぱく質だ。
ヤシガニの鍋はそれは美味いぞ」
「ちょっと爺さん! 食べたことあるんでしょうね? 」
ノコタンが拒絶する。俺もお腹壊しそうなんで嫌だな。
「妖精さんどうじゃ? 」
はいヤシの実は美味しそうですね。ただヤシガニは鍋と調味料が必要と判断。
カタツムリは生で食せません。肝炎になってしまいます。
最後に幼虫ですが…… これは煮ても焼いても食えた代物ではありません。
結果。マイナス評価となります。残念ですが…… でも大丈夫です。
まだ暫定一位ですのでお二方が上回らなければあなたの勝ちです」
アトリも大変だ。いかにして爺さんを怒らせずに納得させるかに気を使っている。
いい子だけど甘やかし過ぎ。後でつけあがるから爺さんには気をつけるべき。
こうして一人脱落。
ノコタンと俺の一騎打ちに。
続く
一体どこまで自分勝手で負けず嫌いなのか?
確かにアトリは常に俺の味方だけどさ。
多数決ではさすがに俺に有利過ぎたか?
仕方なくここは食糧対決することに。
遭難生活二日目。
今が何時かも分からない。
もう朝ではないと言うことぐらい。
二人と別れて島の奥に進む。
食糧は…… ラッキー! ヤシの実がある。
ヤシの木発見! これは幸先がいいぞ。
さっそく木を登ることに。
昔から木登りは得意な方。
ただそれは登りに限るけれどね。
ヤシの実を切り落として一個ゲット。
続けて三個。
多過ぎても持ち運び出来ないのでこれくらいにしておこう。
まずは一つを豪快に半分にしてエネルギー補給。
残り三つを持って次の場所へ。
うん誰か来る?
急いで草むらに隠れる。
「おーここじゃここじゃ」
爺さんも考えることは同じらしい。
ヤシの木に登る。
そこで俺同様にヤシの実を三つ落とす。
爺さんが降りるのに目を離した隙に急いで回収。
三個全部自分のものに。悪い気もするがこれも食糧対決に勝つため。
俺がリーダーでなくてもいいがこの爺さんだけは絶対リーダーにしてはいけない。
人間性に問題がある。爺さんは俺たちを無理矢理従わせるだろう。
それに金にもがめついしケチでもある。ついて行けない。
「うおおお! なぜ? なぜないんじゃ? 」
爺さんが怒り狂っている。だが証拠はない。このまま放置しよう。
おっと気づかれては厄介。急いで違う場所へ移る。
素人は海で楽々食糧探し出来ると考えてるのだろうがそれは大きな間違い。
釣りをするには時間もかかるし雑魚しか釣れなければ時間の無駄。
素潜りするにしても初心者では上手く行きようがない。
せめてモリ等の突き道具でもあれば別だが自作してる時間もない。
網だっているだろう。だから釣りはリスクがある。
ほら泳いでるよノコタン。
馬鹿だな。そんな簡単なはずないだろ? 仮に気づいてももう遅い。
リーダーは俺だ。他の者に譲れるか!
あれ…… 何か様子が変だな?
ノコタンが消えた。
どこに行った? ノコタン?
見回してると急に海面から浮上。
まさか素人だから大丈夫だよな……
ノコタンは両角を使って中型サイズの魚を二匹釣り上げる。刺してるんだけどね。
忘れていた。奴はシカの耳と言うか角を装着していたんだ。
恐ろしい攻撃だな。俺も突き刺されないように気をつけなくちゃ。
これで魚二匹ゲット。
まずいな。このままだと負ける。
ではとっておきのを捕まえるとしますか。
日が暮れタイムアップ。
「皆さん集まってください! 時間です! 」
判定役のアトリが張り切る。
「はあはあ…… 疲れたの」
爺さんはもう体力の限界らしい。
「楽勝でしょう」
ノコタンは自信満々。
ライバル二人が戻って来た。
怖気づいて逃げ出さなかっただけでも褒めてやるとしよう。
「アトリ。俺はこれだけだ。公正に頼む」
本当は俺に味方してもらいたいが一応は形だけでも不正のないように。
正々堂々と勝負したい。後はアトリの判断次第。
ご主人様に恥を掻かせるような真似はしないはずだ。
「分かりました。ご主人様は自信がおありのようですね。ではまず年の順から」
「うむ。儂じゃな。悪いのう二人とも」
そう言って持ってきたのはヤシの実二つとヤシガニ一匹。
その辺の草。最後にカタツムリと何らかの幼虫。
うわ…… 大丈夫かこの爺? 草と虫を喰わせる気か。
さすがはバグ爺さんだぜ。
「おい何を嫌がっておる。これも貴重なたんぱく質だ。
ヤシガニの鍋はそれは美味いぞ」
「ちょっと爺さん! 食べたことあるんでしょうね? 」
ノコタンが拒絶する。俺もお腹壊しそうなんで嫌だな。
「妖精さんどうじゃ? 」
はいヤシの実は美味しそうですね。ただヤシガニは鍋と調味料が必要と判断。
カタツムリは生で食せません。肝炎になってしまいます。
最後に幼虫ですが…… これは煮ても焼いても食えた代物ではありません。
結果。マイナス評価となります。残念ですが…… でも大丈夫です。
まだ暫定一位ですのでお二方が上回らなければあなたの勝ちです」
アトリも大変だ。いかにして爺さんを怒らせずに納得させるかに気を使っている。
いい子だけど甘やかし過ぎ。後でつけあがるから爺さんには気をつけるべき。
こうして一人脱落。
ノコタンと俺の一騎打ちに。
続く
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