46 / 199
諦めからの現実逃避 ドンテの希望
しおりを挟む
現在地・ドドド…… ドンテ裏。
問題発生!
押し入れ爆発警報。
それを防ぐには押し入れを整理すること。
だが現実問題故郷には戻れない。
そうすると今出来ることと言えばバックの中身の整理ぐらい。
「ちょっと待って! 俺どうしたらいい? 」
もうエクセルに泣きつくしかない。情けないが今は緊急事態。
「仕方ないわね。そのバックの中身を処分しなさい」
ようやくドンテに到着もバックと押し入れ問題で頭が一杯。ちっとも嬉しくない。
あーあやってられない。もうよくない? 俺は充分戦って来たよ。
どうせアンだって俺のこと忘れてるし。おまけの村人だってもう慣れて来たろ?
無理して連れ戻さなくたって……
失敗は誰にでも。今回は運が悪かっただけ。
そろそろ故郷に戻る身支度でもするかな。
「もういいよ。疲れたよエクセル。そろそろ潮時さ」
旅の疲れとバック容量問題でこちらがキャパオーバー。
諦めモードに入る。
「何を言ってるの? 今さら諦める気? もうすぐなのに! 」
「だから面倒臭いんだって。なあハック。その辺でハッキングして金儲けしようぜ」
「おいふざけんな! まだ始まったばかりだろうが! 」
ハックは最後まで面倒見てくれるらしいが今更どうでも良い。
「説得はもういいよ。ここで楽しく暮らそう」
「ダメだわ。この人諦めモードから現実逃避モードに移ったみたい」
「嘘だろ? 勘弁してくれよな! 」
「そうよゲン! あなたが失敗すれば弟さんが行かされるのよ」
エクセルが痛いところを突いて来る。
これはまずい。故郷に戻っても尊敬されるどころか白い眼で見られ続ける。
超面倒臭いから諦めモードに浸っていたのに復活するしかないか。
どうやら過酷な現実を直視し続けるしかないらしい。
「分かったよエクセル。ハックも。俺復活するよ。さあ皆で助け合おう! 」
「いいえ。これはあなたの問題。一人で解決するのよ」
ちくしょう! 友情もここまでか。分かってた気もする。
あーあやっぱり現実逃避してればよかった。
「私たちはこの辺りで話を聞くから一人で行ってきなさい」
他の者がバックの処理を手伝うことは禁じられているとのこと。
本当かな? 面倒臭いだけなんじゃないの?
薄情なハッカーと妖精だ。
ドンテの地下に貴金属買い取り店があったので話を聞く。
「いらっしゃい。ドン・ドン・ドンテ! 」
おかしな呼び込みで油断を誘う。
まさかモンスター?
「あのこれ買い取ってくれませんか? 」
「このカードかい? 」
いくらで買い取ってくれるのか期待に胸が膨らむ。でもなぜかお店の人は苦笑い。
これはあまり良い結果になりそうにないな。
「なるべく高く多くお願いします」
鑑定してもらう。
「悪いね。全部買い取り不可だよ。
ポケットにあるモンカならいいんだけどこれただの音声カードだろ?
無価値だね。もし引き取って欲しいなら一枚一万ドットで引き取るよ」
まさか買い取り不可の上に金を出すことになるとは世も末。
さすがにエンゼルカードは使えないし妖精もいない。
もうどうすることもできない。こうなったら仕方がない。
「すみません。この辺にゴミ箱はありませんか」
「あるよその辺に。でもそのカードは捨てられないよ。
もし捨てたら罰金の上にこの船から降りてもらう」
「はあ…… ならトイレは? 」
「破って捨ててもダメだ。罰金の上にこの船から降りてもらう」
さっきから何を言ってんだろうこのおじさん。
エスポワール号でもあるまいし。
「捨てていいのはメモだけ。ほらメモは破って捨てて良いって歌詞があるだろ? 」
とんでもなくふざけた親父だ。そしてふざけにふざけた展開。
「あの…… 」
六階に謎の爺さんが怪しげな商品を売ってると聞かされた。
そこでならもしかしたら買い取ってくれるかもしれないと。
仕方なく向かうことにした。
まったくこんなことしてる暇ないんだけどな。
アン待ってろよ! 今迎えに行くからな。
はあはあ
はあはあ
階段で六階まではさすがの勇者も疲れる。
居た。あの異様な雰囲気なお店ね。実際は近づきたくないけど。
「いらっしゃい。全部一億ドットだよ。安いよ安いよ」
物凄い値段で売ってやがる。だが品物は間違いなく一級品。
あのワイン以外は本物だろう。
「ああこれはワインじゃないよ。モンスターの血だ。
これを呑めばほらあなたも一瞬でモンスター。
日常で疲れたり嫌なことがあったら呑むといい。
後悔はするがどうにもならない。
もし興味があるなら特別にタダで試飲させてあげるよ。
たぶんゲームオーバーになっちゃうけどね」
とんでもない店主だ。しかも違法店主だ。
ただの全国を回る行商にも見えるが。
「ああ君の悩みを当てたあげよう」
いきなり人生相談を始める年齢不詳気味のお爺さん? おじさん?
どうやらすごく暇で世話好きなのだろう。
迷惑だけどまあ話ぐらい聞いてやるか。
続く
問題発生!
押し入れ爆発警報。
それを防ぐには押し入れを整理すること。
だが現実問題故郷には戻れない。
そうすると今出来ることと言えばバックの中身の整理ぐらい。
「ちょっと待って! 俺どうしたらいい? 」
もうエクセルに泣きつくしかない。情けないが今は緊急事態。
「仕方ないわね。そのバックの中身を処分しなさい」
ようやくドンテに到着もバックと押し入れ問題で頭が一杯。ちっとも嬉しくない。
あーあやってられない。もうよくない? 俺は充分戦って来たよ。
どうせアンだって俺のこと忘れてるし。おまけの村人だってもう慣れて来たろ?
無理して連れ戻さなくたって……
失敗は誰にでも。今回は運が悪かっただけ。
そろそろ故郷に戻る身支度でもするかな。
「もういいよ。疲れたよエクセル。そろそろ潮時さ」
旅の疲れとバック容量問題でこちらがキャパオーバー。
諦めモードに入る。
「何を言ってるの? 今さら諦める気? もうすぐなのに! 」
「だから面倒臭いんだって。なあハック。その辺でハッキングして金儲けしようぜ」
「おいふざけんな! まだ始まったばかりだろうが! 」
ハックは最後まで面倒見てくれるらしいが今更どうでも良い。
「説得はもういいよ。ここで楽しく暮らそう」
「ダメだわ。この人諦めモードから現実逃避モードに移ったみたい」
「嘘だろ? 勘弁してくれよな! 」
「そうよゲン! あなたが失敗すれば弟さんが行かされるのよ」
エクセルが痛いところを突いて来る。
これはまずい。故郷に戻っても尊敬されるどころか白い眼で見られ続ける。
超面倒臭いから諦めモードに浸っていたのに復活するしかないか。
どうやら過酷な現実を直視し続けるしかないらしい。
「分かったよエクセル。ハックも。俺復活するよ。さあ皆で助け合おう! 」
「いいえ。これはあなたの問題。一人で解決するのよ」
ちくしょう! 友情もここまでか。分かってた気もする。
あーあやっぱり現実逃避してればよかった。
「私たちはこの辺りで話を聞くから一人で行ってきなさい」
他の者がバックの処理を手伝うことは禁じられているとのこと。
本当かな? 面倒臭いだけなんじゃないの?
薄情なハッカーと妖精だ。
ドンテの地下に貴金属買い取り店があったので話を聞く。
「いらっしゃい。ドン・ドン・ドンテ! 」
おかしな呼び込みで油断を誘う。
まさかモンスター?
「あのこれ買い取ってくれませんか? 」
「このカードかい? 」
いくらで買い取ってくれるのか期待に胸が膨らむ。でもなぜかお店の人は苦笑い。
これはあまり良い結果になりそうにないな。
「なるべく高く多くお願いします」
鑑定してもらう。
「悪いね。全部買い取り不可だよ。
ポケットにあるモンカならいいんだけどこれただの音声カードだろ?
無価値だね。もし引き取って欲しいなら一枚一万ドットで引き取るよ」
まさか買い取り不可の上に金を出すことになるとは世も末。
さすがにエンゼルカードは使えないし妖精もいない。
もうどうすることもできない。こうなったら仕方がない。
「すみません。この辺にゴミ箱はありませんか」
「あるよその辺に。でもそのカードは捨てられないよ。
もし捨てたら罰金の上にこの船から降りてもらう」
「はあ…… ならトイレは? 」
「破って捨ててもダメだ。罰金の上にこの船から降りてもらう」
さっきから何を言ってんだろうこのおじさん。
エスポワール号でもあるまいし。
「捨てていいのはメモだけ。ほらメモは破って捨てて良いって歌詞があるだろ? 」
とんでもなくふざけた親父だ。そしてふざけにふざけた展開。
「あの…… 」
六階に謎の爺さんが怪しげな商品を売ってると聞かされた。
そこでならもしかしたら買い取ってくれるかもしれないと。
仕方なく向かうことにした。
まったくこんなことしてる暇ないんだけどな。
アン待ってろよ! 今迎えに行くからな。
はあはあ
はあはあ
階段で六階まではさすがの勇者も疲れる。
居た。あの異様な雰囲気なお店ね。実際は近づきたくないけど。
「いらっしゃい。全部一億ドットだよ。安いよ安いよ」
物凄い値段で売ってやがる。だが品物は間違いなく一級品。
あのワイン以外は本物だろう。
「ああこれはワインじゃないよ。モンスターの血だ。
これを呑めばほらあなたも一瞬でモンスター。
日常で疲れたり嫌なことがあったら呑むといい。
後悔はするがどうにもならない。
もし興味があるなら特別にタダで試飲させてあげるよ。
たぶんゲームオーバーになっちゃうけどね」
とんでもない店主だ。しかも違法店主だ。
ただの全国を回る行商にも見えるが。
「ああ君の悩みを当てたあげよう」
いきなり人生相談を始める年齢不詳気味のお爺さん? おじさん?
どうやらすごく暇で世話好きなのだろう。
迷惑だけどまあ話ぐらい聞いてやるか。
続く
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
たいまぶ!
司条 圭
ファンタジー
「私たちが、全人類(みんな)のカルマを守るのよ」
「ハデスゲート」を通じ、異世界より現れる悪魔たち。
悪魔は、生物のあらゆる願いを叶えることが出来るが、
その代償に「カルマ」を汚していく。
それが、自身が望まないような呟くような願いであったとしても……
そうしてカルマを汚された者の末路は、悲惨なものとなってしまう。
数多の生物の「カルマ」を守るため、創設されたのが
「退魔部」だった。
普通の高校1年生だった、朝生一子。
入学式を迎えて間もなく、ひょんなことから退魔部の部員となることに。
人の役に立ちたい。
そう思っていた一子は、退魔部へ入部する。
そんな退魔部を通じ、将来の夢どころか、入部する部活にすら悩んでいた
朝生一子の成長を綴る物語。
学生の貴方はもちろん、社会人の貴方にも……
全ての方々へ送る、青春退魔ファンタジーです!
騎神少女とキングゲーマー
十一屋 翠
ファンタジー
ゲーム好きの少年タカヤは、突然部屋に現れた魔法陣によって異世界に召喚された。
彼を召喚したメカクレ美少女アリシアに「王になってくれたら全てを捧げる」と言われ、スケベ心から王になる事を受け入れる。
だがそこは、人が巨大なロボット『騎士』に変身して戦う戦乱の世界だった。
異世界ハーレムを目指す少年タカヤの世界征服ゲームが今始まる!!
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
召喚されたリビングメイルは女騎士のものでした
think
ファンタジー
ざっくり紹介
バトル!
いちゃいちゃラブコメ!
ちょっとむふふ!
真面目に紹介
召喚獣を繰り出し闘わせる闘技場が盛んな国。
そして召喚師を育てる学園に入学したカイ・グラン。
ある日念願の召喚の儀式をクラスですることになった。
皆が、高ランクの召喚獣を選択していくなか、カイの召喚から出て来たのは
リビングメイルだった。
薄汚れた女性用の鎧で、ランクもDという微妙なものだったので契約をせずに、聖霊界に戻そうとしたが
マモリタイ、コンドコソ、オネガイ
という言葉が聞こえた。
カイは迷ったが契約をする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる