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第一章
18.思い通りにいかない
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【ミカside】
はぁと溜息を吐きながら危ないと噂されている森へ入る。
なんでこうなったのかと頭痛も止まらない。
「くそっ!」
ガンッと思いっきり近くにあった気を殴るとバサバサと鳥たちが飛び回る。
その音さえも今は煩わしい。
「アイツが言ってる事と違うじゃないか!!」
なんで、なんで、なんで!!
森にいる猛獣達も僕の負のオーラに脅えているのか影で様子を伺っていた。
すると気配がして後ろ見ると目的の人物が立っていた。
「やぁミカちゃん!久しぶり」
ヘラヘラと笑う顔にイラつき胸ぐらを掴んだ。
「わぉ」
「ケイン様が見向きもしてくれないじゃん!!」
ん~と考える素振りをして嫌な笑顔で笑う。
「そりゃあ優しくされて皇子に靡いたせいじゃないの」
「君が言ってた前世の記憶みたいにさぁ」
「っ!!」
頭痛と共に忘れたい前世の記憶が蘇る。
なんでこの世界に来てまで僕は不幸じゃないといけないんだ!!
ーーーーー
僕の前世はつまらなくて不幸だった。
名前は三橋燈 (みつはし ともる)。
今いる世界より更に発展した文明で暮らしていた。
僕は親から兄とは違い見た目も冴えなくて面白味のない出来損ないと毎日罵られていた。
憎むべき自分の兄は性格まで完璧で毎日落ち込んでいる僕を気にかけて傍に居てくれた。
だけど同情される度に劣等感で死にそうだった。
それに今までバレていないが、僕は兄みたいな優しい年上の男性が大好きなゲイだった。
高校受験になり、君はお兄さんと違って頭の良い高校は受けれないからと嘲笑されながら担任に言われて普通の公立高校に行った。
けれど直ぐに陽キャ達に目をつけられて虐められた。
理由は地味でオタクそうで目障りだから。
そんな理不尽な理由だったら僕以外にもう1人だけ居た。
そいつの名前は小高隼人。
何故かいつも陽キャに囲まれながら気にせずにラノベを読んでる異様なオタクだ。
普通だったら陽キャ達はオタクというだけで難癖付けてイジめるけど彼だけは特別だった。
逆に周りの陽キャ達が小高に取り入ろうと必死だったからだ。
だけど鈍感なのか全く気づいてなかったし小高が喋ると、案外口が悪くて周りを笑わせていた。
その光景を遠くから見て羨ましいのと妬ましい感情が織り交ざって吐き気がする。
それなら小高じゃなくて僕でもいいじゃないかと。
気分が悪いまま、昼休みになるとパンを持ってフラフラと誰も居ないトイレに向かい個室に入る。
ブツブツと呟き目が血走ってるのを感じる。
「こんな酷い扱いなんて僕じゃない」
その呪詛みたいな言葉を吐いた瞬間、目の前が真っ暗になり気づいたらこの世界に転生していた。
「は?ここは何処だ??」
ズキズキと頭痛を感じながらボロボロの家の中で目が覚めて急いで鏡を覗いた。
そこにはボロボロだが可愛い顔の美少年の姿が映った。
驚いて鏡を投げて割った時に知らない記憶が一気に流れ込んでくる。
前世の僕はミカと言う市民で、小さい頃にある子爵の男に暴漢から助けられて恋をした。
元から男でも産めるという神からのギフトを利用して皇子の心と権力を手に入れ。
婚約者だった悪役令息を嘲笑して処刑場に送った。
その後、表では王子を愛してるように見せて。
裏では密かに心の底から愛していた子爵のケイン・ロドリゲス様を専属の従者にして自分のモノにした。
でも僕の最後はあっけなく、皇子との子供を産むと直ぐに病気になり最後までケイン様に愛されず無念のまま亡くなった。
「なんだ、これ」
頭が割れそうな程痛いけど、記憶にある暴漢から助けてくれたケイン・ロドリゲ様は本当にカッコよかった。
そして、ふと思い立った。
「前世と違う事すればいいんじゃないか?」
そう呟くと突然違う声が聞こえた。
「へぇ~興味深いなぁ」
バッと後ろを振り向くと、そこには本で見た魔法使いがいた。
「今世では初めまして、かな?【ミカ】くん」
「はぁ…?」
続く…
はぁと溜息を吐きながら危ないと噂されている森へ入る。
なんでこうなったのかと頭痛も止まらない。
「くそっ!」
ガンッと思いっきり近くにあった気を殴るとバサバサと鳥たちが飛び回る。
その音さえも今は煩わしい。
「アイツが言ってる事と違うじゃないか!!」
なんで、なんで、なんで!!
森にいる猛獣達も僕の負のオーラに脅えているのか影で様子を伺っていた。
すると気配がして後ろ見ると目的の人物が立っていた。
「やぁミカちゃん!久しぶり」
ヘラヘラと笑う顔にイラつき胸ぐらを掴んだ。
「わぉ」
「ケイン様が見向きもしてくれないじゃん!!」
ん~と考える素振りをして嫌な笑顔で笑う。
「そりゃあ優しくされて皇子に靡いたせいじゃないの」
「君が言ってた前世の記憶みたいにさぁ」
「っ!!」
頭痛と共に忘れたい前世の記憶が蘇る。
なんでこの世界に来てまで僕は不幸じゃないといけないんだ!!
ーーーーー
僕の前世はつまらなくて不幸だった。
名前は三橋燈 (みつはし ともる)。
今いる世界より更に発展した文明で暮らしていた。
僕は親から兄とは違い見た目も冴えなくて面白味のない出来損ないと毎日罵られていた。
憎むべき自分の兄は性格まで完璧で毎日落ち込んでいる僕を気にかけて傍に居てくれた。
だけど同情される度に劣等感で死にそうだった。
それに今までバレていないが、僕は兄みたいな優しい年上の男性が大好きなゲイだった。
高校受験になり、君はお兄さんと違って頭の良い高校は受けれないからと嘲笑されながら担任に言われて普通の公立高校に行った。
けれど直ぐに陽キャ達に目をつけられて虐められた。
理由は地味でオタクそうで目障りだから。
そんな理不尽な理由だったら僕以外にもう1人だけ居た。
そいつの名前は小高隼人。
何故かいつも陽キャに囲まれながら気にせずにラノベを読んでる異様なオタクだ。
普通だったら陽キャ達はオタクというだけで難癖付けてイジめるけど彼だけは特別だった。
逆に周りの陽キャ達が小高に取り入ろうと必死だったからだ。
だけど鈍感なのか全く気づいてなかったし小高が喋ると、案外口が悪くて周りを笑わせていた。
その光景を遠くから見て羨ましいのと妬ましい感情が織り交ざって吐き気がする。
それなら小高じゃなくて僕でもいいじゃないかと。
気分が悪いまま、昼休みになるとパンを持ってフラフラと誰も居ないトイレに向かい個室に入る。
ブツブツと呟き目が血走ってるのを感じる。
「こんな酷い扱いなんて僕じゃない」
その呪詛みたいな言葉を吐いた瞬間、目の前が真っ暗になり気づいたらこの世界に転生していた。
「は?ここは何処だ??」
ズキズキと頭痛を感じながらボロボロの家の中で目が覚めて急いで鏡を覗いた。
そこにはボロボロだが可愛い顔の美少年の姿が映った。
驚いて鏡を投げて割った時に知らない記憶が一気に流れ込んでくる。
前世の僕はミカと言う市民で、小さい頃にある子爵の男に暴漢から助けられて恋をした。
元から男でも産めるという神からのギフトを利用して皇子の心と権力を手に入れ。
婚約者だった悪役令息を嘲笑して処刑場に送った。
その後、表では王子を愛してるように見せて。
裏では密かに心の底から愛していた子爵のケイン・ロドリゲス様を専属の従者にして自分のモノにした。
でも僕の最後はあっけなく、皇子との子供を産むと直ぐに病気になり最後までケイン様に愛されず無念のまま亡くなった。
「なんだ、これ」
頭が割れそうな程痛いけど、記憶にある暴漢から助けてくれたケイン・ロドリゲ様は本当にカッコよかった。
そして、ふと思い立った。
「前世と違う事すればいいんじゃないか?」
そう呟くと突然違う声が聞こえた。
「へぇ~興味深いなぁ」
バッと後ろを振り向くと、そこには本で見た魔法使いがいた。
「今世では初めまして、かな?【ミカ】くん」
「はぁ…?」
続く…
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