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第一章
14.安心
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ケインが外に出て行ってからかなり時間が経ち、俺は少し不安になりながら食堂で2人と食事を取っていた。
「ケインの奴遅いな」
「きっと指定された場所が遠いんですよ」
「……」
過去にあった記憶がフラッシュバックして好物も余り口に入らない。
俺が実際に体験した訳でもないのに何故か。
もしかしたらカインも。と不安になり、また大事な奴に裏切られるのかと心が痛くなった。
だが2人は俺の表情を見てキョトンとした。
「アベル、カインは絶対に裏切らないぞ」
「……分からないだろ」
「僕達以上にアベルを愛していますよ。
あのゴミ屑に惚れるなんて有り得ないのです」
「認めたくないけどそうだな!!」
ゲラゲラと笑うから呆気を取られる。
「…ケインは確かに俺を優先してくれるけど、ミカみたいな可愛い奴に惚れたら別だろ」
ネガティブな言葉ばかり吐く自分嫌になった。
するとバタバタと音が聞こえて扉が開いた。
そこには、汗だくになりながら息を切らしているケインがいた。
珍しい姿にポカンとしてると俺に膝まづいて手に口付けをする。
「今戻った。遅くなって済まない」
「……」
「あ~ケイン、あのゴミと何の話したんだ?」
「泣きながらアベルの有りもしない事ばかり吐かれて最終的にはミカに愛を囁かれた」
「「はぁ!??」」
「我は生涯全てアベルに捧げている。
取り敢えずバカ皇子の縁を切ってからにしろと言ってやったぞ」
カインは俺に生涯捧げるってどんだけ重いんだよ。
「……本当か?」
「あぁ!!勿論だ!!」
「お前を信じていいのか?」
「我はアベルだけだ、信じてくれ」
暖かい手を力強く握られながら目を見て微笑んだ。
その瞬間に訳も分からずボロボロ涙が出てきた。
「あー!!アベル泣かせましたね!!」
「ケイン!!貴様!!」
「えっ、あっ、アベル!?」
「ぐすっ、私も何で泣いてるか訳分からねぇよ」
恥ずかしくて早く涙を止めたいけど次々と涙が溢れて止まらない。
3人は慌てながらも凝視してイラつく。
「お前ら、ぐすっ、見んな!」
「いや、珍しくてつい」
「可愛いよね」
「愛らしいな」
「うっさい!」
自分でも分かるくらい真っ赤な顔で泣きべそかきながら食堂から出ていって自分の部屋に戻った。
その後3人が部屋に来て砂糖をがぶ飲みするくらい甘やかされて一緒のベットで仲良く寝た。
その日、驚く夢を見た。
前世のアベルが出てきたからだ。
「初めましてだな今世の僕」
「えっ…前世の俺」
「ケインの奴遅いな」
「きっと指定された場所が遠いんですよ」
「……」
過去にあった記憶がフラッシュバックして好物も余り口に入らない。
俺が実際に体験した訳でもないのに何故か。
もしかしたらカインも。と不安になり、また大事な奴に裏切られるのかと心が痛くなった。
だが2人は俺の表情を見てキョトンとした。
「アベル、カインは絶対に裏切らないぞ」
「……分からないだろ」
「僕達以上にアベルを愛していますよ。
あのゴミ屑に惚れるなんて有り得ないのです」
「認めたくないけどそうだな!!」
ゲラゲラと笑うから呆気を取られる。
「…ケインは確かに俺を優先してくれるけど、ミカみたいな可愛い奴に惚れたら別だろ」
ネガティブな言葉ばかり吐く自分嫌になった。
するとバタバタと音が聞こえて扉が開いた。
そこには、汗だくになりながら息を切らしているケインがいた。
珍しい姿にポカンとしてると俺に膝まづいて手に口付けをする。
「今戻った。遅くなって済まない」
「……」
「あ~ケイン、あのゴミと何の話したんだ?」
「泣きながらアベルの有りもしない事ばかり吐かれて最終的にはミカに愛を囁かれた」
「「はぁ!??」」
「我は生涯全てアベルに捧げている。
取り敢えずバカ皇子の縁を切ってからにしろと言ってやったぞ」
カインは俺に生涯捧げるってどんだけ重いんだよ。
「……本当か?」
「あぁ!!勿論だ!!」
「お前を信じていいのか?」
「我はアベルだけだ、信じてくれ」
暖かい手を力強く握られながら目を見て微笑んだ。
その瞬間に訳も分からずボロボロ涙が出てきた。
「あー!!アベル泣かせましたね!!」
「ケイン!!貴様!!」
「えっ、あっ、アベル!?」
「ぐすっ、私も何で泣いてるか訳分からねぇよ」
恥ずかしくて早く涙を止めたいけど次々と涙が溢れて止まらない。
3人は慌てながらも凝視してイラつく。
「お前ら、ぐすっ、見んな!」
「いや、珍しくてつい」
「可愛いよね」
「愛らしいな」
「うっさい!」
自分でも分かるくらい真っ赤な顔で泣きべそかきながら食堂から出ていって自分の部屋に戻った。
その後3人が部屋に来て砂糖をがぶ飲みするくらい甘やかされて一緒のベットで仲良く寝た。
その日、驚く夢を見た。
前世のアベルが出てきたからだ。
「初めましてだな今世の僕」
「えっ…前世の俺」
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