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とある人物達が歩んできた道 ~ 振り払えぬ心 ~ ②
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封印術式を施した影響によって肉体の成長が遅い、彼女が傍にいて見守り続けていると、勘違いを起こしてしまいそうになる。
今この瞬間は永遠に、変わらない、悠久なる安らぎを感じ、普遍なる久遠の中に居るのかと勘違いしそうになるのよね。
でもね、視線を下に下げると、否が応でも現実を理解してしまうわよ!
そうよ!お腹を見て時間が経過しているのだと、ふとした弾みでヒシヒシと!感じているけどね!!っく、運動しない私が悪い!!
あの女将でさえ、下っ腹がでてきたって嘆いていたくらい、年を重ねる、老化っていうのは残酷よね。
あーだめね、集中できない…思考がすぐにズレてしまう。
書類を手に取り、書かれている文字を見るが…駄目だ、頭に何も入ってこない。文字を眺めているだけ!中身が何も入ってこない!
駄目!うん、駄目!こんな状態で書類を読んだところで読み間違いが起きる!読解力が低下していたら当然、不備が出る!…ちょっと息抜きでもしにいきましょう。
建物から外に出ると外は真っ暗…すっかりお日様もお休み、みたいね。
外が真っ暗になっているのを見て、お腹が空いている感覚に襲われる…そういえば、起きてから何も食べていなかったわね。飲み物だけ健康に良くない、ダイエットといえど、食事は大事大事!
…外は真っ暗、ここは王都ではないのでご飯を食べれる場所は食堂か女将の店のみ!
腹が減っている、かといって、女将のとこはカロリーがきっついので行く気にはなれない!っとなると、怒られるというか、呆れた顔で悪態をもって出迎えてくれる食堂のおばちゃんのとこにいくとしましょう!…当然の如く、嫌そうな顔をされてしまう。
こんな遅くにくるなといいたそうね。それもそう、流石に遅すぎるってのは私も理解しております、毎度毎度、昔から我儘ばっかり言っているのも重々承知しております。
さらには、どう見ても明日の仕込みをしている最中、今?って嫌そうな顔…当然よね?明日の支度をしているのに今日の用意しろだなんてね、我儘しすぎじゃない?
背に腹は代えられないのでいつもの如く、何度かお願いすると、ムスっとした顔で、ささっとパンに卵を焼いたやつとかを挟んだやつを出してくれる、ありがたやありがたや
皿は明日にでも返してくれたらいいから外で食えと追い出される。
いったん、自室に戻ってタンブラーに紅茶を淹れて、外のベンチでお月様に照らされながら優雅な一時を堪能する…あれ?私、朝もここにいなかったかしら?
気のせいよね…つい、今の服装を見る…服装も今朝と変わらず…
あれ?私ってダメ人間みたいな感じになっていないかしら?客観的に見て街の人と碌な会話もせず、ただただ、己のしたいことをしているだけの人?
第三者から見たらそう見えるでしょうけれど、当事者としては内情はそんな生易しいモノじゃないのにね…
世間的にっというか、この街では医療班団長という肩書がる手前、もっと気を付けないといけないわね…気が緩んでいるわけじゃないけれど、新しくる新人達に世捨て人みたいに思われないようにしないとね?
そんな事を考えながら、お月様の柔らかい光に包まれながら雲の流れを見つめ、時間の流れを感じる…
うん、ぱぱっと手短に作られた料理と思えない、美味しいじゃない。それもこれも、材料が年々、良いモノになっているからでしょうね。
用意してもらった食事を食べ終え、もう一度、自分の着ている服を見て、今後に備えて日々の生活を見直す…反省しないとね。
本当に気を付けないといけない、こんな生活を続けてばかりだと騎士様の息子さんになんて思われてしまうのか悩んでいると
「おう、今朝ぶりだな」声のした方向に視線を向けると先輩の姿が月明りの下で手を振って此方に向かって歩いてくる。
仕事上がりの先輩に失礼が無いように「お疲れ様です」と、挨拶を返し立ち上がろうとしたが手で制止される
「いいって、立たなくても、俺だって用事があるわけじゃねぇからな、見かけたから声を掛けただけだからな」
遠慮せずにベンチに座る、そういえば、今朝方、遠くでお見掛けしましたけれど、やっぱり気が付いていらっしゃったんですね。
「そういやーよ、姫ちゃん帰ってたんだな」姫ちゃんの話題?先輩はぶっきらぼうに見えて子煩悩なところがあるのよね。
「あ、はい、先ほどまで一緒に居てましたよ」
普段から姫ちゃんの事をしっかりと見て気に留めているけれど、こうやって声を掛けるってことは何か用事でもあったのかしら?…健康診断とかかしら?
「久しぶりに帰ってきたのなら挨拶でもしようかと思っていたんだがよ、こういう時に限ってよ俺の方が忙しくてな~、会いに行く時間を割けなくてな~…その、なんだ?特に用事があるわけじゃねぇんだがよ、その、ほれ、あれだよ、あれ…」
何か言いたげな感じね、まぁ、先輩からすれば姫ちゃんなんて孫みたいなものだから、会いたいのかしらね?会いたいだけって言いづらいのでしょうね。
「先輩は子煩悩ですものね」
冷やかすつもりはなく、ストレートに言うと照れくさそうにしている、自覚あるのね。
っていうか、先輩の事をとやかく言う人なんていないでしょう?何を気にされているのやら?
「っだ、ばっかやろ、あんま外でいうなよ?実の娘が街に来てんだからよ…やきもちとか、やかれんだろ?」明後日の方向を見ながら照れくさそうにしているけれど…
あー…ぁー…そ、うですねー…実の娘よりも他の娘を気にしてるなんて、よくないですよねー…娘さんはお父さんの事、話題に出したこと一度も無いですけどね。
「あー、そうそう!用事!用事あったは!今思い出した!そのよ?気になっていたことがあんだけどよ、この間、血液取って王都で検査するっていうやつ、あれの結果見たのか?」
別に取り繕う必要なんて無いのに…ぇ?結果?届いているの?詳しい内容は医療班含め全員に説明していないけれど、全職員の血液を王都に送って健康診断的な感じとして提出してもらって、検査しているのよ、私達の研究の為に。
「ん?不思議そうな顔をしているってことは知らないってことか?見間違いじゃ無ければよ、王都から姫ちゃん宛てに荷物が届いているぜ」
そうなのね…そんな話は今日は一度もしていなかったわよね?
あの子が共同研究者である私に、書類が届いたことを秘密にする理由も無いし、きっと、それが届く前に行動していたんでしょう。
街に帰ってきて早々に渡された書類が気になったから話に来て、寝ている間に届いたって感じでしょうね。
先ほどまで一緒にいたけれど、何をしていたのか先輩に話しても問題ない内容ですし、包み隠さずが一番よね。
「実は、お恥ずかしながら、先刻まで二人仲良くお昼寝してまして」
「ああ、それは仕方がねぇよな、お互い大忙しだからな~、多少休んだくらい、誰も咎める奴なんていねぇよ。俺達だってしっかりと休みをもらってるってのにお前さんたちは休めてないだろ?休日っていう制度を作ったお前たちが休めていないのが、この間の会議でも問題だと言われてるんだからな?同調圧力ってやつか?上が休めてないのに下が休んでもいいのか?って考えちまうやつもいるってやつだ。だからよ、下のやつらに示しを付ける為にも、いや、ちげぇな、純粋に心配だな。休めれる時にしっかりと体も心も休めるんだぞ?飯もちゃんと食えよ?」
耳が痛いお言葉ですー…先輩が色んなところで色んな人の不平不満を聞いて宥めてくれているっていうのは、本当に頭が上がらないですー。
これ以上、ここにいると更なるお小言が始まりそうなので、それでは、お言葉に甘えて今日はねますーっと愛想笑いを浮かべながらお休みの挨拶をして姫ちゃんの部屋に向かって歩いていく。
部屋に向かって行くときに先ほどの先輩の言葉が胸に刺さって抜けないわね…
忙しい自分達に休みという日を設ける為に造った制度なんだけど…私達だけ、それが機能していないのよね…
昔と比べると戦士達や騎士達の数も増えてきたからこそ、彼らも無理なスケジュールではなく、万全な状態で任務にあたれるように休むときは休む!っていう建前で私達が各々の体を健康を趣味を楽しむ為に休めれるように!こういった制度を作ったのよ。
私は純粋に疲労が限界だから休みが欲しいだけで、姫ちゃんは自分の趣味である研究に時間を設けたいからって感じね。
姫ちゃんのねちゃんとしているところが、仕事としての研究と、趣味としての研究はしっかりと分けて考えているところなのよね。
興味のない研究に関しては仕事として割り切って研究して、自分が個人的に気になる研究は趣味の時間って感じらしいけれど…
第三者からしたら、研究ばっかりしていて休んでいませんよね?って感じに見えてるのよね。後、片付けしないから、研究室に籠りっぱなしの時が続くと、研究所全体がどえらいことになってたりするのよね…
清掃とかきっちりとしないと、後々大災害に繋がる恐れがあるから、研究所から定期的に追い休め!って、研究塔から放り出されているのを何度も目撃しているもの。
そうなると、すっごく機嫌が悪くなってこっちに飛び火するのよ…そうなると私の仕事が完全に停止するのよね!一人でじっとしてられないのよ、あの子は…
どうやって宥めているのかって?一緒にお風呂入ったり、一緒にストレッチしたりした後は、寝ることが多いわね?
休みって言う制度を作った方が良いって理由はほかにもあってね。
何時からの流れなのかわからないけれど、気が付くと、この街では、頑張れば頑張る程、お金も稼げる!武勲も上げれる!って、噂が王都どころか大陸全土で広がっている。
その影響もあってね…
この街にやってくる志願兵の殆どが、武勲をあげたい、金稼ぎしたいっていう人達が増えてきてしまったのよね。
やっぱり、武勲を挙げたい人からすれば平和な状況が続くと焦ってしまうみたいで、ついつい、前に出過ぎてしまって、他の部隊を危険に晒してしまうっていう問題行動を起こしてしまうのよ。
こういった、自分の事しか考えない周りに迷惑をかける行為が、幾度となく発生したのよね。それをしても問題ないくらい安全な場所だったら別にいいのよ?
相手は此方を殺す事しか考えてない獣だっていうのがわかっていない馬鹿がそういうことをするから、誰かが死にそうになることも多々あるのよ。
ついつい己の欲求を満たしたいがために、自己の判断によって許可なく理由もなく勝手に奥地に赴いて他の部隊を危険に晒すなんてね、してはいけないのよ、まったく!
奥地に行くのは偵察部隊だけでいいのよ…
偵察部隊の働きによって脅威を発見した場合は、念入りに殲滅部隊を組んで!被害が出ないように、しっかりと入念に打ち合わせして誰も怪我することが無いように万全の準備をしてから攻めるべきなのよ!敵はまだ此方を見つけていないっていうアドバンテージを最大限に活用するための偵察部隊の仕事を舐め腐ってる馬鹿がいるのよ!
偵察部隊のおかげで!こちらは突発的な戦いではなく策を練って準備しているからこそ!全戦全勝となる!
敵が弱いわけじゃない!馬鹿ってのは、前準備の大切さを理解していないのか、敵を雑魚だと見下し過ぎなのよ…己を鼓舞するために、心が負けないために相手を下に見るのは許せるけれど、心の底から取るに足らない相手だと思っている馬鹿がいるのよ!
ほんっと、何時如何なる時でも、あいつらは、決して、油断してはいけない相手だってのを、努々忘れないようにして欲しいものね。
医療班が忙しいのは主に、その馬鹿たちのしりぬぐいの時が多いのよね!!
身の丈っていうのを学んで欲しい…
血気盛んに敵を仕留めに行くって考えは捨てて欲しいのよ!
功を焦って全を乱す行為っていうのは規律を重んじる騎士団だったら懲罰房行きよ?
そりゃぁ、私達は軍では無いけれど~同じ目的、志を共にする群だということを忘れないで欲しいのにね…
何度か…何度も…何回も!!問題になったのよ!一人、いや、複数人いるのよ愚か者がね!!
その中でとびっきり、面倒な奴がいるのよ…功績を求めまくって失敗しまくって、色んな場所に迷惑をかけ続けている…
追放したいけれど!けれど!出自が、出自だから追い出せない困ったやつがね…いるのよ。
ついこの間っていっても、一年以上も前ね。
偵察部隊が発見した人型に、あの馬鹿たちは無暗に特攻したと思ったら他の部隊がいる場所に真っすぐに撤退してきたせいで、阿鼻叫喚よ!!
折角偵察部隊が人型に見つかることなく発見できたのに!人型が此方を見つけてしまったせいで直ぐに戦いが始まったのよね!
碌な迎撃準備が出来ていなくて、確実に誰か死ぬ!?って状況だったけれど!
偵察部隊が去り際に映像を残せる魔道具、えっと、カメラだったかしら?それを使って映像を残してくれたのよ。
人型が、身に着けてるように持っていた魔道具の映像を偶々、姫ちゃんが街にいたお陰で、直ぐにどんな魔道具なのか、見抜いてくれたっていう幸運が重なったおかげで!難を逃れたけれど!一歩間違えたら、姫ちゃんを含む全部隊が死ぬところだったのよ!それくらい脅威的な魔道具を持っていた相手に無策突っ込みやがって!お前たちを治すのにどれ程の費用がふっとんだと思ってるのよ!火傷した組織を復元するために培養して、培養した組織を定着させるためん浸透水式を使ったりしたのよ…
培養って、想像以上にお金かかるのよ!?浸透水式だってとんでもない費用掛かるんだからね!?一昔前だったら確実に死んでたでしょうね…むしろ、死んでくれた方が良かったんじゃないかって呟く人が居るほどよ…
まったく、追い出したいけれど追い出せない疫病神って感じなのよね、いっちょ前に反省は凄くするのよ、反省はね!!
本人も反省として給料の一部をカットをして、費用に回してくださいって言うけれど、全額給料カットして早急に払えよ!って言いたくなるわよ…
あーだめ、思い出すとストレスでどうにかなっちゃいそうになるから、忘れましょう忘れましょう!はぁーふぅーぁあぁぁー!今度会ったらぶん殴ろうかしら?
ああー連鎖的に思い出したじゃないのよー!
あんのバカが、無謀に突っ込んだせいで、庇った人が敵に噛まれて毒によって全身麻痺になった人がいるわ!
あんのバカが、隠蔽部隊の範囲外にふらっと理由は知らないけれど外に出て、帰ってきたら敵の洗脳攻撃によって操られて認識阻害の魔道具一式を壊すわ!
あんのバカが、負傷した際に、医療部隊が陣を構えている場所に痕跡を消さずに現れ寄ってからに!!!敵が医療班のテントに押し寄せてきたわよ!!!
あーだめ、馬鹿の顔を見たら全力で拳を握りしめて殴り飛ばしてしまいそう…
…昔だとね、そんな欲を出すというか、規律とか、そんなのは無かった、全員が手を取り合ってお互いを尊重して、お互いを支えあって、不憫を共有し、不条理を呪い、理不尽を笑って乗り越えてきた。
時代って変わっていくものなのね…かといって前の方が良かったなんて思わないけどね!
そりゃぁ、欲望丸出しの馬鹿もいたけれど馬鹿程の悪行はしてないわね…
仮に、もしも、過去にあの馬鹿が同じことしたら、昔だったらもっと多くの人が怪我をして、復帰できない程の深手から帰ってきてたでしょうね!…
そうなるとね、悲惨なモノなのよ、後遺症が残る状態では満足に戦えないから、戦士としての居場所が無く、かといって他に何が出来るのか?知識も知恵もない…そんな自分自身に、この街に居ても良いっという、存在価値を見いだせず、絶望の中、死に場所を求めて戦場へと足を運ぼうとする…
一度でも絶望という沼に浸かってしまったら出れなかった、嘆き苦しみ…甘き死を願う人をみるのはもう、嫌よ。
今は医療の技術が向上してきているし設備も充実しているから、後遺症が残るなんてことはないようにしている、怪我をしても大丈夫って油断しているのかもしれないって考えもあるけれど、治せない怪我だってあるのよ?脳だけは守ってよね…
慎重になり過ぎず、大胆に動けるくらい、欲望に向かってぎらついている方が生存確率は上がるのでしょうね、きっと、その方が良いのでしょうね…いや、それも限度があるか。周りに被害が出るのは良くないでしょ!
姫ちゃんも、あの馬鹿をどうにかこうにか、実家に帰ってほしいみたいだけど…
あの馬鹿は実家に帰りたくないのみたいで、全力で反省するのよ!涙を流し鼻水を垂らしながら必死に、しがみ付いて離さない様に懇願してくるのよ…
周りに誰がいようと必死に食らいついてくる、駄々をこねるのよ全力で!
…情に絆されるわけでもないけれど、その状況が永遠と続くのよ、絶対の折れないのよ、死に物狂いでこの街に留まろうとするのよ…
それが半日以上続けば、あの馬鹿を叱るために集まっていた人達も、だんだんとめんどくさくなって、条件付きで許しちゃうのよね…
でもね、皆がそんなこともあったねって忘れてきたころに!定期的にやらかすのよ!あの馬鹿は!!!
あーだめ、けっつあつがあがるぅ!ふぅ!
今この瞬間は永遠に、変わらない、悠久なる安らぎを感じ、普遍なる久遠の中に居るのかと勘違いしそうになるのよね。
でもね、視線を下に下げると、否が応でも現実を理解してしまうわよ!
そうよ!お腹を見て時間が経過しているのだと、ふとした弾みでヒシヒシと!感じているけどね!!っく、運動しない私が悪い!!
あの女将でさえ、下っ腹がでてきたって嘆いていたくらい、年を重ねる、老化っていうのは残酷よね。
あーだめね、集中できない…思考がすぐにズレてしまう。
書類を手に取り、書かれている文字を見るが…駄目だ、頭に何も入ってこない。文字を眺めているだけ!中身が何も入ってこない!
駄目!うん、駄目!こんな状態で書類を読んだところで読み間違いが起きる!読解力が低下していたら当然、不備が出る!…ちょっと息抜きでもしにいきましょう。
建物から外に出ると外は真っ暗…すっかりお日様もお休み、みたいね。
外が真っ暗になっているのを見て、お腹が空いている感覚に襲われる…そういえば、起きてから何も食べていなかったわね。飲み物だけ健康に良くない、ダイエットといえど、食事は大事大事!
…外は真っ暗、ここは王都ではないのでご飯を食べれる場所は食堂か女将の店のみ!
腹が減っている、かといって、女将のとこはカロリーがきっついので行く気にはなれない!っとなると、怒られるというか、呆れた顔で悪態をもって出迎えてくれる食堂のおばちゃんのとこにいくとしましょう!…当然の如く、嫌そうな顔をされてしまう。
こんな遅くにくるなといいたそうね。それもそう、流石に遅すぎるってのは私も理解しております、毎度毎度、昔から我儘ばっかり言っているのも重々承知しております。
さらには、どう見ても明日の仕込みをしている最中、今?って嫌そうな顔…当然よね?明日の支度をしているのに今日の用意しろだなんてね、我儘しすぎじゃない?
背に腹は代えられないのでいつもの如く、何度かお願いすると、ムスっとした顔で、ささっとパンに卵を焼いたやつとかを挟んだやつを出してくれる、ありがたやありがたや
皿は明日にでも返してくれたらいいから外で食えと追い出される。
いったん、自室に戻ってタンブラーに紅茶を淹れて、外のベンチでお月様に照らされながら優雅な一時を堪能する…あれ?私、朝もここにいなかったかしら?
気のせいよね…つい、今の服装を見る…服装も今朝と変わらず…
あれ?私ってダメ人間みたいな感じになっていないかしら?客観的に見て街の人と碌な会話もせず、ただただ、己のしたいことをしているだけの人?
第三者から見たらそう見えるでしょうけれど、当事者としては内情はそんな生易しいモノじゃないのにね…
世間的にっというか、この街では医療班団長という肩書がる手前、もっと気を付けないといけないわね…気が緩んでいるわけじゃないけれど、新しくる新人達に世捨て人みたいに思われないようにしないとね?
そんな事を考えながら、お月様の柔らかい光に包まれながら雲の流れを見つめ、時間の流れを感じる…
うん、ぱぱっと手短に作られた料理と思えない、美味しいじゃない。それもこれも、材料が年々、良いモノになっているからでしょうね。
用意してもらった食事を食べ終え、もう一度、自分の着ている服を見て、今後に備えて日々の生活を見直す…反省しないとね。
本当に気を付けないといけない、こんな生活を続けてばかりだと騎士様の息子さんになんて思われてしまうのか悩んでいると
「おう、今朝ぶりだな」声のした方向に視線を向けると先輩の姿が月明りの下で手を振って此方に向かって歩いてくる。
仕事上がりの先輩に失礼が無いように「お疲れ様です」と、挨拶を返し立ち上がろうとしたが手で制止される
「いいって、立たなくても、俺だって用事があるわけじゃねぇからな、見かけたから声を掛けただけだからな」
遠慮せずにベンチに座る、そういえば、今朝方、遠くでお見掛けしましたけれど、やっぱり気が付いていらっしゃったんですね。
「そういやーよ、姫ちゃん帰ってたんだな」姫ちゃんの話題?先輩はぶっきらぼうに見えて子煩悩なところがあるのよね。
「あ、はい、先ほどまで一緒に居てましたよ」
普段から姫ちゃんの事をしっかりと見て気に留めているけれど、こうやって声を掛けるってことは何か用事でもあったのかしら?…健康診断とかかしら?
「久しぶりに帰ってきたのなら挨拶でもしようかと思っていたんだがよ、こういう時に限ってよ俺の方が忙しくてな~、会いに行く時間を割けなくてな~…その、なんだ?特に用事があるわけじゃねぇんだがよ、その、ほれ、あれだよ、あれ…」
何か言いたげな感じね、まぁ、先輩からすれば姫ちゃんなんて孫みたいなものだから、会いたいのかしらね?会いたいだけって言いづらいのでしょうね。
「先輩は子煩悩ですものね」
冷やかすつもりはなく、ストレートに言うと照れくさそうにしている、自覚あるのね。
っていうか、先輩の事をとやかく言う人なんていないでしょう?何を気にされているのやら?
「っだ、ばっかやろ、あんま外でいうなよ?実の娘が街に来てんだからよ…やきもちとか、やかれんだろ?」明後日の方向を見ながら照れくさそうにしているけれど…
あー…ぁー…そ、うですねー…実の娘よりも他の娘を気にしてるなんて、よくないですよねー…娘さんはお父さんの事、話題に出したこと一度も無いですけどね。
「あー、そうそう!用事!用事あったは!今思い出した!そのよ?気になっていたことがあんだけどよ、この間、血液取って王都で検査するっていうやつ、あれの結果見たのか?」
別に取り繕う必要なんて無いのに…ぇ?結果?届いているの?詳しい内容は医療班含め全員に説明していないけれど、全職員の血液を王都に送って健康診断的な感じとして提出してもらって、検査しているのよ、私達の研究の為に。
「ん?不思議そうな顔をしているってことは知らないってことか?見間違いじゃ無ければよ、王都から姫ちゃん宛てに荷物が届いているぜ」
そうなのね…そんな話は今日は一度もしていなかったわよね?
あの子が共同研究者である私に、書類が届いたことを秘密にする理由も無いし、きっと、それが届く前に行動していたんでしょう。
街に帰ってきて早々に渡された書類が気になったから話に来て、寝ている間に届いたって感じでしょうね。
先ほどまで一緒にいたけれど、何をしていたのか先輩に話しても問題ない内容ですし、包み隠さずが一番よね。
「実は、お恥ずかしながら、先刻まで二人仲良くお昼寝してまして」
「ああ、それは仕方がねぇよな、お互い大忙しだからな~、多少休んだくらい、誰も咎める奴なんていねぇよ。俺達だってしっかりと休みをもらってるってのにお前さんたちは休めてないだろ?休日っていう制度を作ったお前たちが休めていないのが、この間の会議でも問題だと言われてるんだからな?同調圧力ってやつか?上が休めてないのに下が休んでもいいのか?って考えちまうやつもいるってやつだ。だからよ、下のやつらに示しを付ける為にも、いや、ちげぇな、純粋に心配だな。休めれる時にしっかりと体も心も休めるんだぞ?飯もちゃんと食えよ?」
耳が痛いお言葉ですー…先輩が色んなところで色んな人の不平不満を聞いて宥めてくれているっていうのは、本当に頭が上がらないですー。
これ以上、ここにいると更なるお小言が始まりそうなので、それでは、お言葉に甘えて今日はねますーっと愛想笑いを浮かべながらお休みの挨拶をして姫ちゃんの部屋に向かって歩いていく。
部屋に向かって行くときに先ほどの先輩の言葉が胸に刺さって抜けないわね…
忙しい自分達に休みという日を設ける為に造った制度なんだけど…私達だけ、それが機能していないのよね…
昔と比べると戦士達や騎士達の数も増えてきたからこそ、彼らも無理なスケジュールではなく、万全な状態で任務にあたれるように休むときは休む!っていう建前で私達が各々の体を健康を趣味を楽しむ為に休めれるように!こういった制度を作ったのよ。
私は純粋に疲労が限界だから休みが欲しいだけで、姫ちゃんは自分の趣味である研究に時間を設けたいからって感じね。
姫ちゃんのねちゃんとしているところが、仕事としての研究と、趣味としての研究はしっかりと分けて考えているところなのよね。
興味のない研究に関しては仕事として割り切って研究して、自分が個人的に気になる研究は趣味の時間って感じらしいけれど…
第三者からしたら、研究ばっかりしていて休んでいませんよね?って感じに見えてるのよね。後、片付けしないから、研究室に籠りっぱなしの時が続くと、研究所全体がどえらいことになってたりするのよね…
清掃とかきっちりとしないと、後々大災害に繋がる恐れがあるから、研究所から定期的に追い休め!って、研究塔から放り出されているのを何度も目撃しているもの。
そうなると、すっごく機嫌が悪くなってこっちに飛び火するのよ…そうなると私の仕事が完全に停止するのよね!一人でじっとしてられないのよ、あの子は…
どうやって宥めているのかって?一緒にお風呂入ったり、一緒にストレッチしたりした後は、寝ることが多いわね?
休みって言う制度を作った方が良いって理由はほかにもあってね。
何時からの流れなのかわからないけれど、気が付くと、この街では、頑張れば頑張る程、お金も稼げる!武勲も上げれる!って、噂が王都どころか大陸全土で広がっている。
その影響もあってね…
この街にやってくる志願兵の殆どが、武勲をあげたい、金稼ぎしたいっていう人達が増えてきてしまったのよね。
やっぱり、武勲を挙げたい人からすれば平和な状況が続くと焦ってしまうみたいで、ついつい、前に出過ぎてしまって、他の部隊を危険に晒してしまうっていう問題行動を起こしてしまうのよ。
こういった、自分の事しか考えない周りに迷惑をかける行為が、幾度となく発生したのよね。それをしても問題ないくらい安全な場所だったら別にいいのよ?
相手は此方を殺す事しか考えてない獣だっていうのがわかっていない馬鹿がそういうことをするから、誰かが死にそうになることも多々あるのよ。
ついつい己の欲求を満たしたいがために、自己の判断によって許可なく理由もなく勝手に奥地に赴いて他の部隊を危険に晒すなんてね、してはいけないのよ、まったく!
奥地に行くのは偵察部隊だけでいいのよ…
偵察部隊の働きによって脅威を発見した場合は、念入りに殲滅部隊を組んで!被害が出ないように、しっかりと入念に打ち合わせして誰も怪我することが無いように万全の準備をしてから攻めるべきなのよ!敵はまだ此方を見つけていないっていうアドバンテージを最大限に活用するための偵察部隊の仕事を舐め腐ってる馬鹿がいるのよ!
偵察部隊のおかげで!こちらは突発的な戦いではなく策を練って準備しているからこそ!全戦全勝となる!
敵が弱いわけじゃない!馬鹿ってのは、前準備の大切さを理解していないのか、敵を雑魚だと見下し過ぎなのよ…己を鼓舞するために、心が負けないために相手を下に見るのは許せるけれど、心の底から取るに足らない相手だと思っている馬鹿がいるのよ!
ほんっと、何時如何なる時でも、あいつらは、決して、油断してはいけない相手だってのを、努々忘れないようにして欲しいものね。
医療班が忙しいのは主に、その馬鹿たちのしりぬぐいの時が多いのよね!!
身の丈っていうのを学んで欲しい…
血気盛んに敵を仕留めに行くって考えは捨てて欲しいのよ!
功を焦って全を乱す行為っていうのは規律を重んじる騎士団だったら懲罰房行きよ?
そりゃぁ、私達は軍では無いけれど~同じ目的、志を共にする群だということを忘れないで欲しいのにね…
何度か…何度も…何回も!!問題になったのよ!一人、いや、複数人いるのよ愚か者がね!!
その中でとびっきり、面倒な奴がいるのよ…功績を求めまくって失敗しまくって、色んな場所に迷惑をかけ続けている…
追放したいけれど!けれど!出自が、出自だから追い出せない困ったやつがね…いるのよ。
ついこの間っていっても、一年以上も前ね。
偵察部隊が発見した人型に、あの馬鹿たちは無暗に特攻したと思ったら他の部隊がいる場所に真っすぐに撤退してきたせいで、阿鼻叫喚よ!!
折角偵察部隊が人型に見つかることなく発見できたのに!人型が此方を見つけてしまったせいで直ぐに戦いが始まったのよね!
碌な迎撃準備が出来ていなくて、確実に誰か死ぬ!?って状況だったけれど!
偵察部隊が去り際に映像を残せる魔道具、えっと、カメラだったかしら?それを使って映像を残してくれたのよ。
人型が、身に着けてるように持っていた魔道具の映像を偶々、姫ちゃんが街にいたお陰で、直ぐにどんな魔道具なのか、見抜いてくれたっていう幸運が重なったおかげで!難を逃れたけれど!一歩間違えたら、姫ちゃんを含む全部隊が死ぬところだったのよ!それくらい脅威的な魔道具を持っていた相手に無策突っ込みやがって!お前たちを治すのにどれ程の費用がふっとんだと思ってるのよ!火傷した組織を復元するために培養して、培養した組織を定着させるためん浸透水式を使ったりしたのよ…
培養って、想像以上にお金かかるのよ!?浸透水式だってとんでもない費用掛かるんだからね!?一昔前だったら確実に死んでたでしょうね…むしろ、死んでくれた方が良かったんじゃないかって呟く人が居るほどよ…
まったく、追い出したいけれど追い出せない疫病神って感じなのよね、いっちょ前に反省は凄くするのよ、反省はね!!
本人も反省として給料の一部をカットをして、費用に回してくださいって言うけれど、全額給料カットして早急に払えよ!って言いたくなるわよ…
あーだめ、思い出すとストレスでどうにかなっちゃいそうになるから、忘れましょう忘れましょう!はぁーふぅーぁあぁぁー!今度会ったらぶん殴ろうかしら?
ああー連鎖的に思い出したじゃないのよー!
あんのバカが、無謀に突っ込んだせいで、庇った人が敵に噛まれて毒によって全身麻痺になった人がいるわ!
あんのバカが、隠蔽部隊の範囲外にふらっと理由は知らないけれど外に出て、帰ってきたら敵の洗脳攻撃によって操られて認識阻害の魔道具一式を壊すわ!
あんのバカが、負傷した際に、医療部隊が陣を構えている場所に痕跡を消さずに現れ寄ってからに!!!敵が医療班のテントに押し寄せてきたわよ!!!
あーだめ、馬鹿の顔を見たら全力で拳を握りしめて殴り飛ばしてしまいそう…
…昔だとね、そんな欲を出すというか、規律とか、そんなのは無かった、全員が手を取り合ってお互いを尊重して、お互いを支えあって、不憫を共有し、不条理を呪い、理不尽を笑って乗り越えてきた。
時代って変わっていくものなのね…かといって前の方が良かったなんて思わないけどね!
そりゃぁ、欲望丸出しの馬鹿もいたけれど馬鹿程の悪行はしてないわね…
仮に、もしも、過去にあの馬鹿が同じことしたら、昔だったらもっと多くの人が怪我をして、復帰できない程の深手から帰ってきてたでしょうね!…
そうなるとね、悲惨なモノなのよ、後遺症が残る状態では満足に戦えないから、戦士としての居場所が無く、かといって他に何が出来るのか?知識も知恵もない…そんな自分自身に、この街に居ても良いっという、存在価値を見いだせず、絶望の中、死に場所を求めて戦場へと足を運ぼうとする…
一度でも絶望という沼に浸かってしまったら出れなかった、嘆き苦しみ…甘き死を願う人をみるのはもう、嫌よ。
今は医療の技術が向上してきているし設備も充実しているから、後遺症が残るなんてことはないようにしている、怪我をしても大丈夫って油断しているのかもしれないって考えもあるけれど、治せない怪我だってあるのよ?脳だけは守ってよね…
慎重になり過ぎず、大胆に動けるくらい、欲望に向かってぎらついている方が生存確率は上がるのでしょうね、きっと、その方が良いのでしょうね…いや、それも限度があるか。周りに被害が出るのは良くないでしょ!
姫ちゃんも、あの馬鹿をどうにかこうにか、実家に帰ってほしいみたいだけど…
あの馬鹿は実家に帰りたくないのみたいで、全力で反省するのよ!涙を流し鼻水を垂らしながら必死に、しがみ付いて離さない様に懇願してくるのよ…
周りに誰がいようと必死に食らいついてくる、駄々をこねるのよ全力で!
…情に絆されるわけでもないけれど、その状況が永遠と続くのよ、絶対の折れないのよ、死に物狂いでこの街に留まろうとするのよ…
それが半日以上続けば、あの馬鹿を叱るために集まっていた人達も、だんだんとめんどくさくなって、条件付きで許しちゃうのよね…
でもね、皆がそんなこともあったねって忘れてきたころに!定期的にやらかすのよ!あの馬鹿は!!!
あーだめ、けっつあつがあがるぅ!ふぅ!
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