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Dead End ■■■■■儀式 D●y ●日目 ( )

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全員で、大衆浴場に出向くのだけれど王子が普通に平民達と一緒にお風呂に入ってもいいのだろうか?
そのことを確認すると、護衛の騎士を信じているし、僕自身も鍛えているので問題ない?お風呂場で帯剣している人なんていない?…そういうものかしら?昔に比べて物腰が柔らかくなったのね、偉いわねっと、ついつい頭を撫でてしまう。

無意識の行動に慌てて腕を引っ込める。

誰にも咎められないので私の行動は不敬罪と見なされないからって、王族の方に気軽に触れていいわけじゃないわよ。
気を付けないといけないのだろうけれど、つい、ね?彼を見ていると出来の悪い弟のような気分になるのよね、いや、出来の悪い息子なのかもしれないわね。

訪れた大衆浴場は混浴ではない、場所によっては混浴の場所もあるのよね、混浴でないことに少しほっとする。
男三人と分かれて、私と侍女は女性側の浴場に赴く、こういった大衆浴場というものには、学生の頃に何度かお邪魔しているので、懐かしい気分になる。
上流階級の貴族様であればこういった場所には縁遠いだろうけれど、私のような側室の娘は何度か利用することがあるのよね、お母様も良い経験になるので、一度くらいは足を運びなさいとおっしゃっておりましたし。

なので、侍女さん?大丈夫よ、しっかりと作法は心得ておりますので、そんな熱心に奉仕の精神をぶつけてこなくてもよろしくてよ?
浴場の作法とか使い方とかをレクチャーしたいみたいね、奉仕の心が豊かな侍女さんと一緒に大衆浴場を堪能する。

隙あらば説明をしてくれる侍女さんに私も何度か利用していると作法は心得ていますと言わんばかりに、ちゃんと体を洗ってから湯船に浸かる。
この程度は当然のマナーよ、ちゃんと体を洗う道具も石鹸もレンタルしています、昔と作法が変わっていないのだったら問題は無いと思うわ。
あ、体も自身で洗えるので大丈夫よ?仕事柄、そういった部分が気になるのかもしれないけれど、大丈夫よ?
奉仕の心が豊かな侍女さんの申し入れを断ると…残念そうな顔をされる。
その表情を見てしまうとこちら側としても、ちょっと申し訳ない気持ちになるので、背中だけお願いすると喜んで引き受けてくれる辺り、仕事熱心な方なのね。

綺麗になった体で湯船に浸かる、侍女の方も隣ではぁぁっと心地よいという感情を零れだしながら笑みを浮かべている。

湯船に浸かっていると、というか、じっとしていると、先ほどの迂闊な行動が思い浮かんでしまう、相手は王族というかその前に一人の男性なのよね…
侍女も司祭様も騎士も暖かい目で見守るだけで、誰も止めないのがいけないのよね、相手は王族なのだから、親しい間柄っというか、そういった流れで調子に乗って距離を詰めすぎないようにしないとね。
あの街で過ごす時間が長いせいか、若い人達を育てて導いて来てしまった影響もあってか、どうしてもね、若い子は応援したくなっちゃうのよね。年かしらね~…

自分の迂闊な行動を反省しているとお隣さんから視線を感じる

侍女さんがずっと此方を見ているので、どうしたのか、話を聞いてみると肌が綺麗だと褒めてくれる、ご年齢の割にっという言葉さえ無かったら満点だったわよ?
王都に住んでいる人達の常識で考えれば、私の年齢なんて子供を育て終わるくらいの年齢って感じだものね、あと少ししたらお祖母ちゃんなんて言われてもおかしくない年齢なのよね~…
侍女さんのご年齢は18歳か、いいわねー若くて、貰い手が居なくて焦っている?大丈夫よ18なんて、まだまだこれか…ら、って言いたいけれど、私が18の時、周りの状況を思い返せば、18歳なんて行き遅れ扱いだったわね…

学生の頃の同級生というか、お近くの席で話をしていた知り合い…友人たちも早い人で14歳で側室に迎え入れられて子供が出来ている人もいたものね…

知る限りでは11歳で結婚した人もいるものね~…そういう話ばっかり耳に入ってくるから、あの時期ってどうしても周りの目が気になってしまって、焦りを感じるのは仕方が無いわよね。
16を過ぎたころに何も相手がいないという状況になると、ちょっと諦めそうになるもの。近くの席で世間話をしている友人達もそんなことを話していたわね。

お互い美を磨くことを頑張りましょうねと声を掛けてから浴槽を出ると一瞬、え?っと言う顔をされるけれど、年を重ねてからが本番よ?美意識は常に持っていなさい、胸に秘めるだけじゃなく日々実行よ、美意識が欠落した瞬間に一気に老けるわよ?

私だって、気が付くと肌の張りが悪くなってきているし、胸も垂れてきている様な気がするし、小じわが目立つようになってきているし、油断すると二の腕や太ももが太くなって…ふと視線を下げるとぽっこりと出てこようとするお腹を見て溜息が漏れてしまう。
このままじゃダメね!帰ったらきっちりと運動をしましょう!騎士様がいた時はもっときっちり、きっち…して。無かったからこうなったのかしら?っふ、そうね、うん、明日から頑張ろう!!

お互い若さを保ち美意識を常に持ちましょうねと腕をとるが納得していない表情は見なかったことにするわね。
親睦を深め合った二人で仲良く、お風呂を出ると男性連中はまだ出てきていない。

大衆浴場の外に設置されているベンチが目に留まったので私は立って待っているよりも座って待っていたいのでベンチに向かって歩いていく。

お風呂でよく温まった体を冷ます様に近くのベンチに座っていると、シスター服を着ているせいか、色んな人に声を掛けられてしまう。
そのせいで、お風呂上がりでゆったりしたいのにだらしない恰好が出来ない、背筋を伸ばして、話しかけてくれる人たちに愛想よくして、接しないといけない、大変なのねシスターって。

一人一人丁寧に接していたらいつの間にか人だかりが出来ているけれど、何事?シスターってだけでそんなに人が集まって来るものなのかしら?

人だかりの奥から侍女の方が声を掛けてくれるので、申し訳ないですけれど、呼ばれておりますのでとお淑やかにお辞儀をしてから、集まってきた人達の間をかき分けて、その場から解放される。

解放された先には全員がほっこりとした表情で出迎えてくれる。

どうやら、人だかりが解消されるのを待っていてくれたみたい、司祭様に至ってはシスターでもないのにシスターとして活動してくださいありがとうございますと手を握ってくるけれど、今は止めてもらってもいいかしら?司祭という肩書の人がシスターの手を取って感謝の言葉を捧げるのって要らぬ誤解を生むじゃない?王子も王子で便乗して私に感謝の言葉を述べるのは良くないわよ?貴方の服装を今一度、見直してみなさい?着ている服装は王族だと主張している大層な服装なのよ?

まったく、この二人って何処となく似ているのよね、年齢は少し離れている程度かしら?司祭様っておいくつなのかしら?若そうな感じがするのよね。
役職がある方に年齢をお聞きするのって、失礼な気がするのよね~。だから聞くことが出来ない、まぁ、年齢を聞いたところでって感じだから聞く必要性はないのでしょうけれどね。

お偉い人なのだと分かっている、なのに、どうしてかわからないけれど、この二人には気さくに接することが出来るのよね、どうしてかしら?

司祭様の事は、なぜか昔から知っている様な弟?みたいな感じがするし、王子も、私を慕ってくれるのが当たり前のような、守るのが当然のような、不思議な信頼感覚があるのよね、それに、私って誰かれかまわず頭を撫でるようなことをしていたかしら?

独り考え事をしながら歩いていると後ろをから付いて来てくれている警護の騎士の方に背を優しく叩かれる、隊列を崩すなってことね。守るべき対象から離れるのは騎士として良くないわね、ごめんなさいね。
少し駆け足で離されないように近寄る、一旦、教会に戻って今後の方針を軽く話し合ったりするのかしら?

教会に戻ると王子は、王子で色々と根回しとか投票戦に向けて活動を続けていく予定があるのでそちらに向かい、司祭様も司祭様で予定があるみたいで席を外すみたい
…どうして私を呼んだのだろうか?何か手伝って欲しいことがあるのでは?っと説明を求めたら今日の夜に戻ってくるので、その時にお伝えしますと用意されていた馬車に乗り込んで何処かに行ってしまう。

司祭様も司祭様でいつの間に居なくなっているじゃない。

教会に残された私は、明日の炊き出しに備えて支度をしているシスター達の手伝いでもしようかと声を掛けるが、手伝いは不要みたいなので、することがない!

することが無いので、教会の周囲をうろついていると色んな人が通りがかりに挨拶をしてくれるので、話しかけられたついでに街の情勢とか、ついでに王政の件で話を聞いてみる、民衆は誰を支持するのか話を聞いてみるのだけれど、平民の殆ど、いいえ、貴族の殆どがアレを支持しているみたい。

理由は単純に怖い話を聞くけれど、他で私達を守ってくれそうな王様が居ないからっか、つまりは妥協案ってことじゃない、そもそも、王様を選ぶなんて恐れ多いから、自分たちと関りがある貴族の方が支持している人に投票するってこと、らしい。

つまり、現状では貴族も平民も9割近くがアレを支持しているってことなのね、それも、選びたくて選んだわけではない、もっと安心して自分達を守って導いてくれるような大いなる王族が居れば、貴族の意志なんて関係なく投票はしたい、恐れ多いけれども、自分たちが信じた王様に未来を託したいっといった意志はあるみたい。

平民だからといって何もできないから考えることを放棄してただただ、力のある人たちに流されるだけじゃないのね、偉いじゃない。

今回の投票戦に詳しい人がいたので色々と話を聞かせて貰ったら、どうやら、この王都以外にもこの大陸に住む人達であれば、投票権はあるみたい。
だけれど、わざわざ、遠方からこの為に駆けつけるような人達はいないんじゃないかって感じなのね。
駆けつけたところで王都にはその人たち全員を受け入れるだけ宿が豊富にあるわけじゃないから、わざわざ遠方から足を運んで、投票して直ぐに帰るという状況になるのは辛いものね。
地方の貴族であれば、王都に知り合いがいるから投票には馳せ参じるみたいだけれど、地方に住んでいる王都への伝手が無い人達からすると今の状況って近寄りがたいのね、それに、最近は色んな街道で盗賊とかが活発に活動しているみたいで護衛を雇って迄、王都に行くのは馬鹿らしく、近寄りがたいのが現状らしい…

こういった意味のない内容かもしれないけれど、私からすれば有力な情報だと感じ取れる、この情報によってもしかしたらまだまだ末席の王子が勝つための勝ち筋って意外と残されているような気がするのよ。

まず、王都以外に住まれている地方の方でも投票が可能、これが大きいのよね、私達の街の人達も投票権があるってことで間違いないと思うのよ。
だったら、私達の街に住んでいる人達、親戚一同、全部!全員の票を集めることができたら、それだけで100票は固いでしょ?
貧困エリアにいる人達、たぶんだけど、軽く100人以上は居ると思うのよね、無駄に広大なエリアが彼らによって占拠されているのだから100名以上は居ると仮定してもいいと思うのよ。

そして、地方の平民達を騎士団や傭兵たち、または、私達の戦士達を使って護衛して、王都に誘導する。
泊まる宿が無いのであれば、寝る場所などは、教会の無駄に広いこの広場を使えば500人は軽く収容できるでしょ?ちょ~っと寝心地最悪かもしれないけれど、夜通しパーティーみたいな感じで楽しめれる様にすれば、気にしないでしょ?

皮算用だけれども、地方の票などを含めることが出来るのであれば、700票は頑張れば狙えるってことじゃない?
後は、貴族と平民達の票を何とか獲得することが出来れば1000票は狙えそうじゃない?

あれ?これって名案じゃないの?投票予定日もまだまだ先みたいだし、いける気がするわね。逆転の目って意外と身近に転がっているものね、まさに神の采配って感じかしら?教会の祈りが届いているのでしょうね。

勝ち筋という光明が見えてくると自然とやる気という活力が湧いて出てくる!そうと決まれば、暇を持て余して呆けている場合じゃないわね、私でも出来る事なんて決まっているじゃない、きまっているわよね、わたしの力、受け継がれし目覚めし能力をおもいだして、初代様には及ばないけれど、私が目覚めた力は癒しの力、たしょうのけがくらいなおして…みみなりがする…

…そうね、一瞬良くわからない理論が脳内に響き渡ったけれど、多少の怪我くらいなら、姫様が持たしてくれた術式で対応は出来るわね。
うん、そうと決まれば私の戦場を用意しますか!!
そうと決まれば直ぐに動き出す、何事も思い立って直ぐに行動するのが一番よ。

手が空いているシスターにこういう事がしたいのだけれど、ご協力願えるか声を掛けてみると快く快諾してくれた。

急遽、教会の玄関、そのすぐ横に医療相談窓口が開設される。
看板も用意して無料診断(寄付は受け付けています)と書いてあるので、祈りを捧げに来た人たちがちらちらと看板を見ているので客引きってわけではないけれど、誰が診察をするのかって意外と重要なファクターだと思うのよね、だって、私が顔を出すと私よりも年上の人達は嬉しそうな表情で応じてくれるけれど、何かあるのかしら?

無料診断を開始するけれど、相談内容も専門的な薬や道具が必要な内容が殆どなく、膝が痛いとか、腰が痛いとか、歯が痛いとかそういった内容が主だった。
幸いにも姫様が作ってくれた回復力を底上げする術式を使えば対処可能なことが多かった、歯が痛いに関しては口腔ケアの仕方を伝えて専門の道具が無いと処置できなかったのが心残りだけれど、最低限のアドバイスは出来たと思うわね。

無料相談っと言うか、教会主催の相談所って感じで相談される悩みも難しい物が殆ど無いけれど、色んな人が来るものだから思っていた以上に休憩をとる暇もなく、外での活動が長いこと続く。
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