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人生の機微
我が子と歩む未来は4
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「さち・・」
佐知の頬を流れ落ちた涙を見た雅和は側にあったティッシュをそっと渡した
「佐知さんも秀行さんを思い出されたのでございますね」
「昔話はもうやめよう 佐知の気持ちも考えず悪かったごめん」
「事の発端はわたくしでございます 佐知さん許して下さいませ」
「泉さん私は平気よ 秀行さんは逝ってしまったけれどその悲しみの何倍も何十倍も幸せだった記憶を残していってくれたから 毎日少しずつだけど前に向かってちゃんと未来へ進めているから私は大丈夫」
「俺とは大違い、佐知は強いんだな ひとまわりいやふた回りも手ごわく成長して帰ってきたようだ」
「私は強くなんかない 雅和を筆頭に沢山の人に恵まれ手を差し伸べてもらったおかげで私と秀和は秀行さんと楽しい日々を過ごせたの あの喜びの日々は多くの人に支えられて得られたものだから感謝して決して忘れないわ 雅和わたしね、美香さんが私に言った言葉が忘れられないの
佐知さんにとって雅和は必要な人、別れた後もこうしてまた巡り会えたのだからその縁を大切にして欲しいって何度も繰り返し言ってた
美香さんを介して再会した私たちは今日まで新たな絆を築いてきた いま私は雅和がいてくれなかったらそう思うだけで身体中が震えてくる 美香さんが言ってたように雅和は私の人生に欠かせない大切な人になっていた」
「佐知の助けになれてそれを喜んでもらえたなら俺は嬉しいよ 思えば佐知が笑って幸せでいてくれる事が俺の幸せであるかのように思えたから」
「人の幸せを素直に喜べる方にはご加護があるものでございます 佐知さんの幸せをご自分のことのように感じられた雅和さんにもいつか必ずご加護が降ってまいります せちがない世の中ではございますがご自身の心持ちひとつで物事をどうにでも変化させることは可能でごさいます わたくしはそう信じております
」
「確かに一理有るかも、人生も同じで誰かに与えてもらうものじゃない自分で掴むものだからね 泉さんが言うように自分のポジティブな心、願い、信じる思いが人生すべての結果に繋がっていれのかもしれないな」
佐知は柳木沢と会話した時の人生は心が決めるという言葉を思い出していた。
「佐知さん、秀和ぼっちゃんのミルクはまだよろしいのですか」
「あ~私ったら話に夢中になってしまって、そろそろミルクをあげる時間だわ」
「秀和はまだ一人では何も出来ないんだからママの佐知にしっかりしてもらわないと秀和が可哀想だよ」
「そう言う誰かさんも一緒に話してましたよね~」
「うんたしかに、ごめん」
「遅ればせながらお茶をお持ち致しましたので一息つかれてはいがですか 秀和ぼっちゃんのお世話はわたくしがいたしましょう 佐知さんは少しお休みになってくださいませ」
「とんでもない、泉さんこそ体を休めてください」
「佐知、秀和の世話をしたくてウズウズしている泉さんの気持ちを少しは察してやれよ」
「あっ・・それじゃ甘えちゃおうかな 泉さんお願いしてもいいですか」
「ハイ、わたくしにお任せ下さいませ」
佐知は実家にいるような気持ちになっていた。傷心の佐知を温かく迎え入れてくれるこの家は我が家と同じだった 此処での生活を望んだ佐知の選択が決して正しいものでないことは十分に熟知していた。わかっていながらそれを変えられない自分の弱さに佐知は目を背け続けていた。佐知は自分がなぜ此処に執着するのかを考え始めていた。
佐知の頬を流れ落ちた涙を見た雅和は側にあったティッシュをそっと渡した
「佐知さんも秀行さんを思い出されたのでございますね」
「昔話はもうやめよう 佐知の気持ちも考えず悪かったごめん」
「事の発端はわたくしでございます 佐知さん許して下さいませ」
「泉さん私は平気よ 秀行さんは逝ってしまったけれどその悲しみの何倍も何十倍も幸せだった記憶を残していってくれたから 毎日少しずつだけど前に向かってちゃんと未来へ進めているから私は大丈夫」
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美香さんを介して再会した私たちは今日まで新たな絆を築いてきた いま私は雅和がいてくれなかったらそう思うだけで身体中が震えてくる 美香さんが言ってたように雅和は私の人生に欠かせない大切な人になっていた」
「佐知の助けになれてそれを喜んでもらえたなら俺は嬉しいよ 思えば佐知が笑って幸せでいてくれる事が俺の幸せであるかのように思えたから」
「人の幸せを素直に喜べる方にはご加護があるものでございます 佐知さんの幸せをご自分のことのように感じられた雅和さんにもいつか必ずご加護が降ってまいります せちがない世の中ではございますがご自身の心持ちひとつで物事をどうにでも変化させることは可能でごさいます わたくしはそう信じております
」
「確かに一理有るかも、人生も同じで誰かに与えてもらうものじゃない自分で掴むものだからね 泉さんが言うように自分のポジティブな心、願い、信じる思いが人生すべての結果に繋がっていれのかもしれないな」
佐知は柳木沢と会話した時の人生は心が決めるという言葉を思い出していた。
「佐知さん、秀和ぼっちゃんのミルクはまだよろしいのですか」
「あ~私ったら話に夢中になってしまって、そろそろミルクをあげる時間だわ」
「秀和はまだ一人では何も出来ないんだからママの佐知にしっかりしてもらわないと秀和が可哀想だよ」
「そう言う誰かさんも一緒に話してましたよね~」
「うんたしかに、ごめん」
「遅ればせながらお茶をお持ち致しましたので一息つかれてはいがですか 秀和ぼっちゃんのお世話はわたくしがいたしましょう 佐知さんは少しお休みになってくださいませ」
「とんでもない、泉さんこそ体を休めてください」
「佐知、秀和の世話をしたくてウズウズしている泉さんの気持ちを少しは察してやれよ」
「あっ・・それじゃ甘えちゃおうかな 泉さんお願いしてもいいですか」
「ハイ、わたくしにお任せ下さいませ」
佐知は実家にいるような気持ちになっていた。傷心の佐知を温かく迎え入れてくれるこの家は我が家と同じだった 此処での生活を望んだ佐知の選択が決して正しいものでないことは十分に熟知していた。わかっていながらそれを変えられない自分の弱さに佐知は目を背け続けていた。佐知は自分がなぜ此処に執着するのかを考え始めていた。
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