涙が幸せの泉にかわるまで

トライアングルLOVE

揺れ惑う心5

「井川さんの検査結果が出た　血腫が見つかったそうだ」

「やっぱり血腫があったか」

「もっと早い段階で検査をしていればよかったんだが、今さら言っても始まらないが血腫は脳幹まで達しているそうだ」

「血腫が直接脳幹を圧迫すれば死に至ることもある　しかし脳自体に損傷がなければ脳幹の圧迫が起こったとしても死亡は１０％早期に血腫を取り除けば必ず助かる」

「ああその通り確かに死亡する率は低いな　うちの病院にも腕のいい外科医はいるから十分対処できるが井川さんの関係者が脳外科手術ならここが一番といわれる病院をいま探しているそうだ」

「そうか、それなら僕が叔父に頼んでみようか」

「君の叔父って脳外科では名の知れ渡る西條敏伸先生のことか　あの人の手にかかれば助からない命も助かると言われる名医だ　うちの病院には西條先生と繋がるパイプがないが西條君きみからお願いしてもらえるなら大変ありがたいのだが・・決定したものと受け取って患者に伝えてもいいか」

「あぁ叔父には僕からお願いして転院の受け入れを取り付ける　折り返し日程など諸々は追って連絡させてもらうよ」

「借りを倍に返すといった君の言葉通りになったな」


「僕はまだ君に借りを返してはいないよ　借りは自分の能力で返すものだからな　いつになるかわからないが気長に待っていてくれ」

「律儀な君らしいな」

「斉藤、君には感謝しているよ　早急に叔父から承諾をもらいすぐ連絡する待っててくれ」

「わかったよろしく頼む」