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悲しみの連鎖
大切なものが17
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病院は朝から女性スタッフの異常な熱気で盛り上がっていた。開業前のスピーカーから院長の声が流れてきた。
「おはようございます もう皆さんご存知でしょうが今日から息子の秀行がスタッフの仲間入りをします 本人より一言あいさつがあるそうですので聞いてやってください」
「みなさんおはようございます 院長からご紹介いただきました秀行です 皆さんと一緒に患者さんを救うべく頑張りますので宜しくお願いします」
秀行の声にそこかしこから歓声があがっていた
「さっちゃんはいいなぁ~」
「そういえばさっちんの顔まだ見てないね」
「さっちゃんなら秀行先生の部屋に入っていくの見たけど」
「そっか、今日から秀行先生のお側付きか、羨ましいな」
「ねぇさっちゃんがいない受付ってなんか変じゃない」
「うん、すごくさみしい」
「さぁ皆さん仕事仕事、口じゃなく体を動かして 待合室はもう患者さんでいっぱいよ」
佐知はドクター秀行と書かれた部屋で主の秀行を待っていた。緊張と寝不足であくびが止まらなかった。大きく口を開けた瞬間ドアが開いた。
「おはよう、初日の朝から豪快なあくびで迎えてくれるなんて嬉しいな」
「お、おはようございます すみません」
「別に誤らなくていいよ 今日から宜しく皆井さん」
「こちらこそ宜しくお願いします」
「今日から佐知さんと呼ばせてもらいます まず佐知さんにやってもらう仕事は前の病院で施術した資料整理と机に置いておいた医学誌の付箋のページを全てコピーして30部綴じておいて欲しい、緊急の要件は脳神経科のほうにまわしてくれればいいよ あとの余った時間は君の自由に使っていいよ」
「自由にと言っても・・先生この仕事ぜんぶ今日中にですか 昼休み取らないで頑張っても一日では終わらないかと」
「うん確かに僕にも無理だな 明後日までなら出来るかな」
「はい、厳しいですが頑張ります」
「あ、それから僕を先生と呼ぶのはやめてほしいな 二人の時は名前で呼んでくれていいよ」
「わかりました」
「ところで昨日は徹夜でもしたの」
「あっ、あのあくび・・本当に失礼しました」
「初日からあくび顔で歓迎されて緊張していた僕にとっては実に愉快だった 大口開けた佐知さんもわるくないよ、とても可愛いかったし」
「朝から私をからかって楽しいですか先生」
「あぁ君の大きなあくび顔、大変楽しませてもらったよ」
「あぁ~もう診察が始まる時間です 先生急いでください 患者さんが待っていますから早く行ってください」
「あっ内線コールが鳴ってる」
「外来からの催促電話ですから先生は出ないで下さい 私がうまく伝えておきます この病院は時間厳守ですから先生急いで、早く走って行って下さい」
「さっきも言ったけど二人の時は先生でなく名前で、ね佐知さん」
「時間厳守出来ないなら院長婦人に電話して叱ってもらいますよ もぉ~先生お願いだからさっさと行動開始してください 何かあれば叱られるのは私なんですから・・」
穏やかな性格の秀行は佐知に被害があったらまずいとばかり襟をただした
「おはようございます もう皆さんご存知でしょうが今日から息子の秀行がスタッフの仲間入りをします 本人より一言あいさつがあるそうですので聞いてやってください」
「みなさんおはようございます 院長からご紹介いただきました秀行です 皆さんと一緒に患者さんを救うべく頑張りますので宜しくお願いします」
秀行の声にそこかしこから歓声があがっていた
「さっちゃんはいいなぁ~」
「そういえばさっちんの顔まだ見てないね」
「さっちゃんなら秀行先生の部屋に入っていくの見たけど」
「そっか、今日から秀行先生のお側付きか、羨ましいな」
「ねぇさっちゃんがいない受付ってなんか変じゃない」
「うん、すごくさみしい」
「さぁ皆さん仕事仕事、口じゃなく体を動かして 待合室はもう患者さんでいっぱいよ」
佐知はドクター秀行と書かれた部屋で主の秀行を待っていた。緊張と寝不足であくびが止まらなかった。大きく口を開けた瞬間ドアが開いた。
「おはよう、初日の朝から豪快なあくびで迎えてくれるなんて嬉しいな」
「お、おはようございます すみません」
「別に誤らなくていいよ 今日から宜しく皆井さん」
「こちらこそ宜しくお願いします」
「今日から佐知さんと呼ばせてもらいます まず佐知さんにやってもらう仕事は前の病院で施術した資料整理と机に置いておいた医学誌の付箋のページを全てコピーして30部綴じておいて欲しい、緊急の要件は脳神経科のほうにまわしてくれればいいよ あとの余った時間は君の自由に使っていいよ」
「自由にと言っても・・先生この仕事ぜんぶ今日中にですか 昼休み取らないで頑張っても一日では終わらないかと」
「うん確かに僕にも無理だな 明後日までなら出来るかな」
「はい、厳しいですが頑張ります」
「あ、それから僕を先生と呼ぶのはやめてほしいな 二人の時は名前で呼んでくれていいよ」
「わかりました」
「ところで昨日は徹夜でもしたの」
「あっ、あのあくび・・本当に失礼しました」
「初日からあくび顔で歓迎されて緊張していた僕にとっては実に愉快だった 大口開けた佐知さんもわるくないよ、とても可愛いかったし」
「朝から私をからかって楽しいですか先生」
「あぁ君の大きなあくび顔、大変楽しませてもらったよ」
「あぁ~もう診察が始まる時間です 先生急いでください 患者さんが待っていますから早く行ってください」
「あっ内線コールが鳴ってる」
「外来からの催促電話ですから先生は出ないで下さい 私がうまく伝えておきます この病院は時間厳守ですから先生急いで、早く走って行って下さい」
「さっきも言ったけど二人の時は先生でなく名前で、ね佐知さん」
「時間厳守出来ないなら院長婦人に電話して叱ってもらいますよ もぉ~先生お願いだからさっさと行動開始してください 何かあれば叱られるのは私なんですから・・」
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