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予期せぬ巡り合わせ

こんなことって8

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美香のマンションに泊まった雅和は仕事に向う支度をしていた。美香は雅和のハンカチにアイロンをかけていた。


「先週忘れていったハンカチ洗ってアイロンかけておいたから忘れないで持っていってね」


「うんありがとう、あっ美香さんそのハンカチバッグに入れておいてくれるかな」


「わかった この仕事のカバンでいいのね」


カバンを開けた美香は淡い桜色した封筒を見つけた。仕事用のカバンに似つかない封筒に美香の目は釘付けになった。洗面所の雅和を気にかけながら封をそっと手にとって見た。裏返してみると名前があった。


「皆井佐知・・女性の名前」


封筒から微かに香水の香りがした。フルーティーな香りとほのかな石鹸の匂いだった。この香水は雅和が恋人だった佐知への贈った物だった。愛らしいの意味がついたこの香水は雅和が迷うことなく選んだ逸品。出会った佐知の印象ぴったりの香水だった。


美香の顔は青ざめていた。


仕事関係の人が香水をかけたりするかしら なんでもない人が自分の匂いをつけたりはしないわ この香水の匂いはプチサンボン・・きっと若い女の子雅和と同年代の子ね この子と雅和はどんな関係なのかしら


「美香さ~ん」


名前を呼ばれた美香はビクッと体を硬直させた。


「は~い、どうしたの」


「歯磨きが無くなりそうなんだ」


「新しいの買ってあるから右上の扉を開けて出してくれる」


「了解」


初めて見る女性の名前、皆井佐知その文字に動揺した美香の心臓は激しく脈打ちはじめていた。


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