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クビ
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私は自分の目を疑った。
これは何かの見間違いだと。そう信じたくて。
だが念の為、隣にいたアスターに確認すると私と同じ光景が見えていた。
つまり私に見えている景色は紛れもない現実だった。
「クソうじ虫どもが!舐め腐りやがって!仕事もできないくせに!調子にのってんじゃねー!給料泥棒はこの家にいらねんだよ!」
私は怒りのあまり口が悪くなる。
「アスター。ついてきて」
さすがのアスターも今回は騎士達が悪いと思い素直にあとをついていく。
「おい、あれお嬢様じゃないか?」
一人の騎士が私に気づく。
「本当だ。てか、何で使用人が着る服着てんだ?」
「あ?お前知らないのか?お嬢様はドレスと宝石を全部売って借金返済に使うつもりなんだと」
「はぁ?何だそれ?また何か企んでんのか?お嬢様の気まぐれにも困ったもんだぜ。付き合わされる俺たちはたまったもんじゃねーつっのによー」
「確かにな。パフォーマンスのつもりかもしんねーけどやめてくんないかね」
男達は男爵令嬢が見えているのに頭を下げることもなく、寧ろ笑いのタネとして使った。
ようやく私が目の前にくると騎士達は頭を下げて挨拶をした。
「お嬢様。こちらには何のご用でしょうか?」
騎士団長の言葉遣いは丁寧だが話し方で馬鹿にしているのは伝わる。
'いい度胸じゃない。私に喧嘩を売ったこと後悔させてやるわ'
私は内心イラっときながらも笑顔のままでいる。
「私の出した指示をどこまでやれてるか確認しにきたの」
「そうですか。ご覧の通りです」
「アスター。こいつの名前なんだっけ?」
私は小説で騎士団長の名前が何か知っていたが、わざと名をを尋ねた。
「ウィル騎士団長です」
アスターは淡々と答える。
「お嬢様。ご冗談がすぎますよ」
私に馬鹿にされたのが余程気に食わなかったのか、左眉がピクピクと痙攣しだす。
「私が冗談を言う性格にみえる?」
私がそう言うと後ろに控えていたアスターは「いや、あなたいつも冗談しか言わないじゃないですか」と心の中でツッコむ。
何を堂々と嘘をついてるんだとある意味尊敬した。
「……」
騎士団長も騎士達もさすがに私の雰囲気からまずいと感じ取ったのか顔が強張っていく。
「ウィル団長。あなたクビよ。主人を馬鹿にするクズはこの屋敷に必要ないわ」
「なっ……!」
騎士団長は私の言葉を聞き、怒りや恥ずかしさで顔が赤くなっていく。
団長は私を殺すかと一瞬考えるも、すぐ後ろにアスターがいるのを思い出し手を止める。
「申し訳ありません。お嬢様。私が間違っておりました」
団長はとりあえず今は謝って男爵が帰ってから今日のことを報告して私に罰を与えようと考える。
「よかった。わかってくれて」
私は笑顔を向ける。
団長は私の顔を見るなり「チョロいな。たかが男爵令嬢のクソガキが。俺様に恥をかかせやがって。この屈辱は何倍にもして返してやる!」と心の中で復讐を誓う。
「わかったんなら、早く出ていきな」
私は屋敷の外を指差し出ていこう伝える。
「え……?」
団長は混乱する。
だって今の流れはどう考えても許す感じだったじゃん、と。
「それと、お前とお前とお前とお前も。全部出ていきなさい。主人を馬鹿にする飼い犬はいらないのよ」
私は騎士達を見下ろしながら冷たい声で言い放つ。
だが、全員なかなか出ていこうとしない。
突然のことで頭が混乱し動けないのか、それとも私の指示に従うつもりがないのかはわからないが出ていくつもりがないのなら無理矢理出すしかない。
「アスター」
「はい。お嬢様」
「こいつら全員屋敷から追い出して」
「……かしこまりました」
殺せと命じられると思っているいたアスターは驚いて返事が遅れた。
普通の貴族なら自身を馬鹿にした者は容赦なく殺すものも多いのに。
侮辱されたのに彼らに同情でもしているのか?と思ったが、すぐにその考えを否定する。
いや、多分違う。あの顔は何か企んでる顔だ。
アスターはこれ以上考えるのはやめ、言われた通りにする。
団長も騎士達も助けを求めるも、アスターはそれらを無視して屋敷から追い出していく。
アスターは男爵に拾ってもらい育ててもらった恩がある。
だから例え嫌いな娘の監視件護衛係だとしても文句はない。
それに今回は誰が見ても彼らが悪いので同情するつもりはなかった。
「さてと、残りの諸君。困ったわね。非常に困ったよ。君達もクビになりたくないでしょう?」
私はアスターが騎士達を追い出している間に残りの騎士達を強調することにした。
「それはもちろんです!」
騎士達全員、クビにされたら生きていけなくなる。
中には結婚して養わなければならない家族がいるものもいる。
クビにでもされたら路頭に迷ってしまう。
「だよね。私もクビになんて本当はしたくないんだけどね。でもね、言われたこともできない無能はいらないのよ」
私がそう言うと騎士達の顔がみるみると青ざめていく。
「それに貴方達騎士なのに、何その体は?そんなんでどうやって敵からこの領地をまもるわけ?そんなひ弱な腕で倒せる魔物がいるとでも?」
「……」
騎士達は何も言い返せない。事実だから。
騎士達の体に筋肉はない。細い腕に平べったい体。
はっきりいって執事見習いのオリバーより貧相な体だ。
今このとき、彼らが魔物と戦うことになったら確実に死ぬ。それもゴブリン相手にだ。
そんな騎士などいらない。
アスター、一人で充分だ。
この小説の主人公で世界を救う英雄様。
アスターさえいれば余程のことがない限り命の心配をする必要はない。
まぁ、だからといってタダで労働力を確保できる人材をこれ以上減らすのは得策じゃない。
今は貧相な体つきかもしれないが、労働をしていけば筋肉はつく。
騎士として使えるようになるまでには時間はかかるだろうが、今より強くなるのは間違いない。
'なによ?どうしていきなりそんな表情をするのよ?'
私は騎士達の顔色がだんだん悪くなっていくのを見て心配になる。
騎士達はローズの顔がいきなり悪人のような怖い顔つきになり、やっぱりクビにされるのかと思い怖くなったのだ。
ニコッ。
私は騎士達の心配を少しでも和らげようと笑いかけるが、その瞬間騎士達はもっと顔色が悪くなった。
そこでようやく気づいた。
騎士達は私の顔が怖くて顔色が悪くなっているのだと。
「……まぁ、色々いったけど私もそこまで鬼なわけではないから最後に一回だけチャンスをあげるわ。どうする?やる?」
「はい!やります!」
騎士達はこれで助かるならと藁にも縋る思いで返事をする。
「そう、よかったわ。なら、これを私が帰ってくるまでに作りなさい。完璧にね。私は明日からアスターとサイギアードに行くから。もし、帰ってくるまでにできていなかったら……もちろんわかるわよね」
私は右手の親指を突き出し、それを首の左から右へと移動させ、最後に下に向ける。
この世界にこの意味を知るものはいないが、話しの内容的に「クビ」だと表現しているのだとわかる。
騎士達は情けない悲鳴を上げながら「絶対に完成させます!」と宣言し作業を再開させる。
クビ宣告された者たちを屋敷から追い出し戻ってきたアスターはその様子を見て「本物の悪党だな」と思った。
だが、私の言葉が騎士達にやる気を見出したのは紛れもない事実なのでそのことだけは評価した。
「じゃあ、次に行こうか」
「次?どこですか?」
アスターはまだ何かやるのかという顔で私を見る。
'こいつ本当に失礼な奴ね'
主人公じゃなかったらとっくにその顔ぶん殴ってたぞ、と思いながら笑顔で「厨房だけど」と答える。
厨房という言葉を聞いてアスターは朝の出来事を思い出した。
「それより、追い出すだけで良かったんですか?」
侮辱されたのに本当にあの程度で終わらしていいのかと不審に思う。
いつものローズなら絶対今すぐ殺せと命令するはずなのに。
「もちろんよ。お楽しみは最後にとっとかないとね」
私は彼らがこれから何をするのか手に取るようにわかるので問題ない。
「……」
アスターは私の顔を見て碌でもないことを考えてるなと思うも、本人がそれでいいと言うのでこれ以上追及はしないことにした。
それとほんの少しだけクビにされた騎士達に同情した。
自業自得とはいえ悪魔のような顔で笑っている女に喧嘩を売ったのだから、これからの未来はどう考えても悲惨な目に遭う結末しかない。
これは何かの見間違いだと。そう信じたくて。
だが念の為、隣にいたアスターに確認すると私と同じ光景が見えていた。
つまり私に見えている景色は紛れもない現実だった。
「クソうじ虫どもが!舐め腐りやがって!仕事もできないくせに!調子にのってんじゃねー!給料泥棒はこの家にいらねんだよ!」
私は怒りのあまり口が悪くなる。
「アスター。ついてきて」
さすがのアスターも今回は騎士達が悪いと思い素直にあとをついていく。
「おい、あれお嬢様じゃないか?」
一人の騎士が私に気づく。
「本当だ。てか、何で使用人が着る服着てんだ?」
「あ?お前知らないのか?お嬢様はドレスと宝石を全部売って借金返済に使うつもりなんだと」
「はぁ?何だそれ?また何か企んでんのか?お嬢様の気まぐれにも困ったもんだぜ。付き合わされる俺たちはたまったもんじゃねーつっのによー」
「確かにな。パフォーマンスのつもりかもしんねーけどやめてくんないかね」
男達は男爵令嬢が見えているのに頭を下げることもなく、寧ろ笑いのタネとして使った。
ようやく私が目の前にくると騎士達は頭を下げて挨拶をした。
「お嬢様。こちらには何のご用でしょうか?」
騎士団長の言葉遣いは丁寧だが話し方で馬鹿にしているのは伝わる。
'いい度胸じゃない。私に喧嘩を売ったこと後悔させてやるわ'
私は内心イラっときながらも笑顔のままでいる。
「私の出した指示をどこまでやれてるか確認しにきたの」
「そうですか。ご覧の通りです」
「アスター。こいつの名前なんだっけ?」
私は小説で騎士団長の名前が何か知っていたが、わざと名をを尋ねた。
「ウィル騎士団長です」
アスターは淡々と答える。
「お嬢様。ご冗談がすぎますよ」
私に馬鹿にされたのが余程気に食わなかったのか、左眉がピクピクと痙攣しだす。
「私が冗談を言う性格にみえる?」
私がそう言うと後ろに控えていたアスターは「いや、あなたいつも冗談しか言わないじゃないですか」と心の中でツッコむ。
何を堂々と嘘をついてるんだとある意味尊敬した。
「……」
騎士団長も騎士達もさすがに私の雰囲気からまずいと感じ取ったのか顔が強張っていく。
「ウィル団長。あなたクビよ。主人を馬鹿にするクズはこの屋敷に必要ないわ」
「なっ……!」
騎士団長は私の言葉を聞き、怒りや恥ずかしさで顔が赤くなっていく。
団長は私を殺すかと一瞬考えるも、すぐ後ろにアスターがいるのを思い出し手を止める。
「申し訳ありません。お嬢様。私が間違っておりました」
団長はとりあえず今は謝って男爵が帰ってから今日のことを報告して私に罰を与えようと考える。
「よかった。わかってくれて」
私は笑顔を向ける。
団長は私の顔を見るなり「チョロいな。たかが男爵令嬢のクソガキが。俺様に恥をかかせやがって。この屈辱は何倍にもして返してやる!」と心の中で復讐を誓う。
「わかったんなら、早く出ていきな」
私は屋敷の外を指差し出ていこう伝える。
「え……?」
団長は混乱する。
だって今の流れはどう考えても許す感じだったじゃん、と。
「それと、お前とお前とお前とお前も。全部出ていきなさい。主人を馬鹿にする飼い犬はいらないのよ」
私は騎士達を見下ろしながら冷たい声で言い放つ。
だが、全員なかなか出ていこうとしない。
突然のことで頭が混乱し動けないのか、それとも私の指示に従うつもりがないのかはわからないが出ていくつもりがないのなら無理矢理出すしかない。
「アスター」
「はい。お嬢様」
「こいつら全員屋敷から追い出して」
「……かしこまりました」
殺せと命じられると思っているいたアスターは驚いて返事が遅れた。
普通の貴族なら自身を馬鹿にした者は容赦なく殺すものも多いのに。
侮辱されたのに彼らに同情でもしているのか?と思ったが、すぐにその考えを否定する。
いや、多分違う。あの顔は何か企んでる顔だ。
アスターはこれ以上考えるのはやめ、言われた通りにする。
団長も騎士達も助けを求めるも、アスターはそれらを無視して屋敷から追い出していく。
アスターは男爵に拾ってもらい育ててもらった恩がある。
だから例え嫌いな娘の監視件護衛係だとしても文句はない。
それに今回は誰が見ても彼らが悪いので同情するつもりはなかった。
「さてと、残りの諸君。困ったわね。非常に困ったよ。君達もクビになりたくないでしょう?」
私はアスターが騎士達を追い出している間に残りの騎士達を強調することにした。
「それはもちろんです!」
騎士達全員、クビにされたら生きていけなくなる。
中には結婚して養わなければならない家族がいるものもいる。
クビにでもされたら路頭に迷ってしまう。
「だよね。私もクビになんて本当はしたくないんだけどね。でもね、言われたこともできない無能はいらないのよ」
私がそう言うと騎士達の顔がみるみると青ざめていく。
「それに貴方達騎士なのに、何その体は?そんなんでどうやって敵からこの領地をまもるわけ?そんなひ弱な腕で倒せる魔物がいるとでも?」
「……」
騎士達は何も言い返せない。事実だから。
騎士達の体に筋肉はない。細い腕に平べったい体。
はっきりいって執事見習いのオリバーより貧相な体だ。
今このとき、彼らが魔物と戦うことになったら確実に死ぬ。それもゴブリン相手にだ。
そんな騎士などいらない。
アスター、一人で充分だ。
この小説の主人公で世界を救う英雄様。
アスターさえいれば余程のことがない限り命の心配をする必要はない。
まぁ、だからといってタダで労働力を確保できる人材をこれ以上減らすのは得策じゃない。
今は貧相な体つきかもしれないが、労働をしていけば筋肉はつく。
騎士として使えるようになるまでには時間はかかるだろうが、今より強くなるのは間違いない。
'なによ?どうしていきなりそんな表情をするのよ?'
私は騎士達の顔色がだんだん悪くなっていくのを見て心配になる。
騎士達はローズの顔がいきなり悪人のような怖い顔つきになり、やっぱりクビにされるのかと思い怖くなったのだ。
ニコッ。
私は騎士達の心配を少しでも和らげようと笑いかけるが、その瞬間騎士達はもっと顔色が悪くなった。
そこでようやく気づいた。
騎士達は私の顔が怖くて顔色が悪くなっているのだと。
「……まぁ、色々いったけど私もそこまで鬼なわけではないから最後に一回だけチャンスをあげるわ。どうする?やる?」
「はい!やります!」
騎士達はこれで助かるならと藁にも縋る思いで返事をする。
「そう、よかったわ。なら、これを私が帰ってくるまでに作りなさい。完璧にね。私は明日からアスターとサイギアードに行くから。もし、帰ってくるまでにできていなかったら……もちろんわかるわよね」
私は右手の親指を突き出し、それを首の左から右へと移動させ、最後に下に向ける。
この世界にこの意味を知るものはいないが、話しの内容的に「クビ」だと表現しているのだとわかる。
騎士達は情けない悲鳴を上げながら「絶対に完成させます!」と宣言し作業を再開させる。
クビ宣告された者たちを屋敷から追い出し戻ってきたアスターはその様子を見て「本物の悪党だな」と思った。
だが、私の言葉が騎士達にやる気を見出したのは紛れもない事実なのでそのことだけは評価した。
「じゃあ、次に行こうか」
「次?どこですか?」
アスターはまだ何かやるのかという顔で私を見る。
'こいつ本当に失礼な奴ね'
主人公じゃなかったらとっくにその顔ぶん殴ってたぞ、と思いながら笑顔で「厨房だけど」と答える。
厨房という言葉を聞いてアスターは朝の出来事を思い出した。
「それより、追い出すだけで良かったんですか?」
侮辱されたのに本当にあの程度で終わらしていいのかと不審に思う。
いつものローズなら絶対今すぐ殺せと命令するはずなのに。
「もちろんよ。お楽しみは最後にとっとかないとね」
私は彼らがこれから何をするのか手に取るようにわかるので問題ない。
「……」
アスターは私の顔を見て碌でもないことを考えてるなと思うも、本人がそれでいいと言うのでこれ以上追及はしないことにした。
それとほんの少しだけクビにされた騎士達に同情した。
自業自得とはいえ悪魔のような顔で笑っている女に喧嘩を売ったのだから、これからの未来はどう考えても悲惨な目に遭う結末しかない。
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