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神官の力
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「マーガレット様。大丈夫ですか」
町から離れ湖の近くまで移動する。
「はい。助けていただきありがとうございます」
お礼を言い降りようとするが、抱き抱える手に力が込められ降りるのを拒否された。
何故か、と目で訴えヘリオトロープを見た瞬間、横に飛びマーガレットの視界に炎が映る。
ヘルマンがマーガレットを殺そうと襲いかかったのだ。
「危ないのでしっかりつかまっていてください。すぐに終わらせますので」
そう言うと神聖力を使って攻撃する。
だが、このヘルマンは普通のヘルマンと違い動きが速く攻撃が当たらない。
それに動きがおかしいというか操られているような、奇妙な動き方をする。
ヘルマンはヘリオトロープの攻撃が自分に当たらないので気をよしたのかニターッと不気味な笑みを浮かべ襲いかかる。
その瞬間ヘリオトロープは高く跳び湖の真ん中に立つ。
ヘルマンは水が弱点なので追いかけることができない。
もし水に触れれば触れたところが消えてしまうから。
あくまでヘルマンの目的はマーガレットを殺すことなので、その場から攻撃を仕掛ける。
だが神聖力で湖の水を使って龍を作り攻撃したヘリオトロープによって届く前に消され、そのまま散りとなって消えた。
あっという間の出来事にマーガレットは夢でも見ていたのかと思う。
マーガレットがボーッとしてる間に湖から大地へと移動する。
「マーガレット様。もう大丈夫です」
「あ、ありがとうございます。助かりました」
お礼を言い今度こそヘリオトロープの腕の中から降りようとするがまたも降りられない。
「あの、そろそろ降ろして下さい」
「駄目です。汚れます」
ヘルマンのせいで地面は瘴気に満ちていた。
そんなところにマーガレットを降すわけにはいかない。
地面を見てここで降りると言って瘴気にあてられたら治療をしてもらわないといけなくなる。
余計に迷惑をかけることになるので素直に抱き抱えられておく。
「どうかしましたか?」
急に後ろを振り抜き怖い顔をするヘリオトロープに声をかける。
「何かこちらに近づいてきています」
またヘルマンかもしれないと身構える。
「ん?あれは……さっきの子か?」
目を凝らし近づいてくるのを見る。
「どうしてここに……」
そう言って気づいた。
カラントが心配でここまで追いかけて来たのだと。
マーガレットはヘリオトロープが間にいるので何も見えていない。
どうしたのですか、と尋ねる前にヘリオトロープが先に口を開く。
「マーガレット様。移動します」
マーガレットの返事も待たずにカラントの前まで飛んで移動する。
「マ、マーガ、レット、様」
二人がカラントの前に現れる。
マーガレットが無事だとわかると安心して泣きそうになる。
「貴方どうしてここに」
カラントは口をパクパクさせて何か言おうとするが何を思ったのかやめた。
「きっと、マーガレット様のことが心配で追いかけてきたのかと」
一人だけわかっていないマーガレットにコソッと教える。
ーー心配?誰が?誰を?
そう言われてもマーガレットには信じられなかった。
昔のマーガレットならそう言われたら信じていたかもしれないが、二度も人に裏切られて殺されたため誰のことも信じられなくなっていた。
マーガレットの心はとっくに壊れていたのだ。
「そう。それは申し訳ないことしたわね」
自分のせいでカラントがここまでくる羽目になったのを申し訳なさそうな表情をして謝る。
「クラーク様。降ろして下さい」
これ以上、ヘリオトロープに抱かれるのは気分がよくない。
ヘリオトロープもマーガレットを抱き抱える意味がなくなったので優しく降ろす。
本当は抱き抱えて守れるのが一番いいが、降ろして欲しいと言われれば従うしかない。
「ありがとうございます」
「気にしないでください」
マーガレットはヘリオトロープにお礼を言うとカラントの方へ近づく。
「怪我をしているわ。手当てをしないと」
手の平と膝から血が出ているのが見えた。
来た道を戻ろうとカラントに歩けるか尋ねる。
無理なら抱えると言うと、カラントは首をこれでもかと横に降り、自分で歩けると断固抱えられるのを拒否した。
ーーそんなに私に抱えられるのは嫌なのか。
カラントはマーガレットのことを助けたいのに逆に迷惑をかけるのが嫌で断っただけなのに、マーガレットは勘違いして嫌われているのではと思い始める。
これではせっかく立てた計画が無駄になってしまう、と内心焦る。
「私が治しましょうか」
二人のやり取りを黙って見ていたが、マーガレットがカラントを抱えようとした瞬間それは駄目だと話しかけた。
ヘリオトロープは神官なのでその程度の傷を治すのはお手の物。
「いいのですか」
「はい」
そう言うと神聖力をカラントに向けておくる。
怪我した場所が神聖力でどんどん治っていく。
カラントの体から神聖力が消えると古傷も含めて全て綺麗に治った。
「まだ痛むか」
そんなはずは無いと誰よりもわかっているのが一応確認する。
「だ、だい、じょうぶ、です。ありが、とう、ござ、います」
ペコッと頭を下げお礼を言う。
「そうか」
「クラーク様。私からもお礼を言わせてください。彼の傷を治していただき感謝いたします。ありがとうございます」
手を揃え美しい礼をする。
ーーやっぱりこの人の翼として生きていきたい。
誰かの為にそれも身分の低い者の為に頭を下げるマーガレットが、ヘリオトロープの目にはこの世の何よりも美しいものに見えた。
「お嬢様!大丈夫ですか!」
町に戻るなりマーガレットを見つけると物凄い勢いで向かってくる。
ヘルマンがマーガレットに襲いかかったと。
一緒にヘリオトロープがいたので被害が出ないようどこかへ行ったと聞いて慌てて捜しに行こうとしたが、何処にいるのかわからず仕方ないので町で帰ってくるのを待っていた。
「ええ、大丈夫よ。どこも怪我はしていないわ」
クルッとその場で回りどこも怪我していないことを教える。
「マクス達は何もなかった?」
ヘルマンは一体現れると百体はいると考えた方がいいので、何もなかったのか尋ねる。
町にはヘリオトロープの部下がいるので大丈夫だろうし、マンクスフド達も強いので問題はないだろうと。
「はい。まだヘルマンはお嬢様を襲った一体しか確認されていません。クラーク様の部下達がいま町を調べていますが、何の報告も受けていません」
その言葉で漸く府に落ちる。
ヘルマンが現れたのに町は静かだし綺麗なままだ。
どこも燃えていない。
ヘルマンがいないのならそうだろな、と納得する。
でも、そのせいで他の疑問が生まれる。
では、さっきのヘルマンは一体誰の死体だったのか。
どこで生まれたのか。
「それならあのヘルマンは一体誰だったの?」
跡形もなく消え去ったので調べることができない。
誰かもわからないのでこれ以上調べようがない。
「さっきのヘルマンの正体が知りたいのですか?」
ヘリオトロープが話に入る。
「ええ。でも、もうどうしようもないので」
「私わかりますよ」
「「えっ」」
わかる、発言にマーガレットとマンクスフドは無意識に声がでて間抜け面になる。
二人のことなどお構いなしに神聖力でヘルマンになる前の人間だった頃の姿を作りだす。
神官はこんなこともできるのかと。
ヘリオトロープが神聖力で作った顔は知らない人物で二人はお互いを見合わし知っているか尋ねる。
念のためカラントにも尋ねるが知らないと。
顔がわかっても知らない人ではどうしようもない。
これ以上は無理かと諦めた、そのとき悲鳴がどこからか聞こえた。
「きゃあああああああ」
町から離れ湖の近くまで移動する。
「はい。助けていただきありがとうございます」
お礼を言い降りようとするが、抱き抱える手に力が込められ降りるのを拒否された。
何故か、と目で訴えヘリオトロープを見た瞬間、横に飛びマーガレットの視界に炎が映る。
ヘルマンがマーガレットを殺そうと襲いかかったのだ。
「危ないのでしっかりつかまっていてください。すぐに終わらせますので」
そう言うと神聖力を使って攻撃する。
だが、このヘルマンは普通のヘルマンと違い動きが速く攻撃が当たらない。
それに動きがおかしいというか操られているような、奇妙な動き方をする。
ヘルマンはヘリオトロープの攻撃が自分に当たらないので気をよしたのかニターッと不気味な笑みを浮かべ襲いかかる。
その瞬間ヘリオトロープは高く跳び湖の真ん中に立つ。
ヘルマンは水が弱点なので追いかけることができない。
もし水に触れれば触れたところが消えてしまうから。
あくまでヘルマンの目的はマーガレットを殺すことなので、その場から攻撃を仕掛ける。
だが神聖力で湖の水を使って龍を作り攻撃したヘリオトロープによって届く前に消され、そのまま散りとなって消えた。
あっという間の出来事にマーガレットは夢でも見ていたのかと思う。
マーガレットがボーッとしてる間に湖から大地へと移動する。
「マーガレット様。もう大丈夫です」
「あ、ありがとうございます。助かりました」
お礼を言い今度こそヘリオトロープの腕の中から降りようとするがまたも降りられない。
「あの、そろそろ降ろして下さい」
「駄目です。汚れます」
ヘルマンのせいで地面は瘴気に満ちていた。
そんなところにマーガレットを降すわけにはいかない。
地面を見てここで降りると言って瘴気にあてられたら治療をしてもらわないといけなくなる。
余計に迷惑をかけることになるので素直に抱き抱えられておく。
「どうかしましたか?」
急に後ろを振り抜き怖い顔をするヘリオトロープに声をかける。
「何かこちらに近づいてきています」
またヘルマンかもしれないと身構える。
「ん?あれは……さっきの子か?」
目を凝らし近づいてくるのを見る。
「どうしてここに……」
そう言って気づいた。
カラントが心配でここまで追いかけて来たのだと。
マーガレットはヘリオトロープが間にいるので何も見えていない。
どうしたのですか、と尋ねる前にヘリオトロープが先に口を開く。
「マーガレット様。移動します」
マーガレットの返事も待たずにカラントの前まで飛んで移動する。
「マ、マーガ、レット、様」
二人がカラントの前に現れる。
マーガレットが無事だとわかると安心して泣きそうになる。
「貴方どうしてここに」
カラントは口をパクパクさせて何か言おうとするが何を思ったのかやめた。
「きっと、マーガレット様のことが心配で追いかけてきたのかと」
一人だけわかっていないマーガレットにコソッと教える。
ーー心配?誰が?誰を?
そう言われてもマーガレットには信じられなかった。
昔のマーガレットならそう言われたら信じていたかもしれないが、二度も人に裏切られて殺されたため誰のことも信じられなくなっていた。
マーガレットの心はとっくに壊れていたのだ。
「そう。それは申し訳ないことしたわね」
自分のせいでカラントがここまでくる羽目になったのを申し訳なさそうな表情をして謝る。
「クラーク様。降ろして下さい」
これ以上、ヘリオトロープに抱かれるのは気分がよくない。
ヘリオトロープもマーガレットを抱き抱える意味がなくなったので優しく降ろす。
本当は抱き抱えて守れるのが一番いいが、降ろして欲しいと言われれば従うしかない。
「ありがとうございます」
「気にしないでください」
マーガレットはヘリオトロープにお礼を言うとカラントの方へ近づく。
「怪我をしているわ。手当てをしないと」
手の平と膝から血が出ているのが見えた。
来た道を戻ろうとカラントに歩けるか尋ねる。
無理なら抱えると言うと、カラントは首をこれでもかと横に降り、自分で歩けると断固抱えられるのを拒否した。
ーーそんなに私に抱えられるのは嫌なのか。
カラントはマーガレットのことを助けたいのに逆に迷惑をかけるのが嫌で断っただけなのに、マーガレットは勘違いして嫌われているのではと思い始める。
これではせっかく立てた計画が無駄になってしまう、と内心焦る。
「私が治しましょうか」
二人のやり取りを黙って見ていたが、マーガレットがカラントを抱えようとした瞬間それは駄目だと話しかけた。
ヘリオトロープは神官なのでその程度の傷を治すのはお手の物。
「いいのですか」
「はい」
そう言うと神聖力をカラントに向けておくる。
怪我した場所が神聖力でどんどん治っていく。
カラントの体から神聖力が消えると古傷も含めて全て綺麗に治った。
「まだ痛むか」
そんなはずは無いと誰よりもわかっているのが一応確認する。
「だ、だい、じょうぶ、です。ありが、とう、ござ、います」
ペコッと頭を下げお礼を言う。
「そうか」
「クラーク様。私からもお礼を言わせてください。彼の傷を治していただき感謝いたします。ありがとうございます」
手を揃え美しい礼をする。
ーーやっぱりこの人の翼として生きていきたい。
誰かの為にそれも身分の低い者の為に頭を下げるマーガレットが、ヘリオトロープの目にはこの世の何よりも美しいものに見えた。
「お嬢様!大丈夫ですか!」
町に戻るなりマーガレットを見つけると物凄い勢いで向かってくる。
ヘルマンがマーガレットに襲いかかったと。
一緒にヘリオトロープがいたので被害が出ないようどこかへ行ったと聞いて慌てて捜しに行こうとしたが、何処にいるのかわからず仕方ないので町で帰ってくるのを待っていた。
「ええ、大丈夫よ。どこも怪我はしていないわ」
クルッとその場で回りどこも怪我していないことを教える。
「マクス達は何もなかった?」
ヘルマンは一体現れると百体はいると考えた方がいいので、何もなかったのか尋ねる。
町にはヘリオトロープの部下がいるので大丈夫だろうし、マンクスフド達も強いので問題はないだろうと。
「はい。まだヘルマンはお嬢様を襲った一体しか確認されていません。クラーク様の部下達がいま町を調べていますが、何の報告も受けていません」
その言葉で漸く府に落ちる。
ヘルマンが現れたのに町は静かだし綺麗なままだ。
どこも燃えていない。
ヘルマンがいないのならそうだろな、と納得する。
でも、そのせいで他の疑問が生まれる。
では、さっきのヘルマンは一体誰の死体だったのか。
どこで生まれたのか。
「それならあのヘルマンは一体誰だったの?」
跡形もなく消え去ったので調べることができない。
誰かもわからないのでこれ以上調べようがない。
「さっきのヘルマンの正体が知りたいのですか?」
ヘリオトロープが話に入る。
「ええ。でも、もうどうしようもないので」
「私わかりますよ」
「「えっ」」
わかる、発言にマーガレットとマンクスフドは無意識に声がでて間抜け面になる。
二人のことなどお構いなしに神聖力でヘルマンになる前の人間だった頃の姿を作りだす。
神官はこんなこともできるのかと。
ヘリオトロープが神聖力で作った顔は知らない人物で二人はお互いを見合わし知っているか尋ねる。
念のためカラントにも尋ねるが知らないと。
顔がわかっても知らない人ではどうしようもない。
これ以上は無理かと諦めた、そのとき悲鳴がどこからか聞こえた。
「きゃあああああああ」
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