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106.ベストパートナーⅠ
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「恭吾がいなかったら俺と陽子ちゃんはたぶん出会ってないだろうね」
二条さんのお宅の夕食に招かれた。水曜の夜だ。ラヴィの定休日。瀬名さんの部屋に二条さんが逃げ込むという事件が少し前にもまたあったため、お騒がせしたお詫びも兼ねてと陽子さんからご提案をいただいた。
瀬名さんはまだ仕事中のはず。俺がお詫びされる理由はないけどお前一人で行ってこいと言われたのでやって来た。
先日も夫婦喧嘩の仲裁に入ったのは瀬名さんであって俺はただの見物人だった。しかし遠慮しないでと二人にも言われたし、お言葉に甘えて二条家の食卓についている。
ハッシュドビーフが最高だ。切り刻まれた肉の旨味がしっかり出ている。とろとろのデミグラスソースとともにパクパクと口に運び、仲良しなご夫婦とのお喋りもずっと尽きない。そんな和やかな夕食の最中に俺が何気なく聞いたのは、二人が知り合ったきっかけについて。
陽子さんは最初お店のお客さんだったんですか。問いかけて返ってきたのが二条さんの笑い交じりの答えだ。隣で陽子さんもうなずいた。
「用でもなければあんな路地には入らないもん。瀬名くんに連れていってもらわなかったら一生知らないままだったよ」
「ほんと店の場所は怒られたよなぁ」
「路地裏が悪いってわけじゃないけどね。ヘタに一等地なんか借りちゃうとバカみたいに賃料取られるし。だからってしょっちゅう飲食店が潰れてる場所で飲食店開こうってのは実質ただのギャンブルでしょ。計画も戦略も何もないくせにそういう人ってなぜか自信だけはある。他の人はできなかったけど自分はできると思い上がっちゃう事業者のまあ多いこと」
「これをね、延々言われたんだよ」
居抜き物件だったそうだ。前にあった店は一年ほどで閉店したらしく、そこをそのまま二条さんが買い取った。ちなみにその前もさらにその前もずっと飲食店だったようだが、やはり長くは続かなかったそう。
とは言え元が飲食店であり設備もろもろが残っているのなら飲食店を始めるにはちょうどいい。二条さんはそう考えたらしく一般的にはそう思えそうなものだが、陽子さんは真逆の見解だった。
飲食店が閉店し続けてきた場所で飲食店を継続させていくのは極めて困難。むしろ無謀。言われてみれば確かにだ。
事実ラヴィはかつて潰れる寸前まで陥ったことがあったらしい。瀬名さんから以前チラッと聞いた。
閉店寸前だった二条さんの店を陽子さんが立て直したという話もその時に瀬名さんが言っていた。今あの店が繁盛しているのは九割九分陽子さんのおかげだと。
「そろそろ店閉めるかもって、恭吾の前で言ったことがあったんだ。そしたら少しして陽子ちゃん連れてきてくれてさ」
「その日たまたま飲みに誘ったの。あたしと瀬名くんだけ最後まで事務所に残ってたから。適当に飲めればどこでも良かったんだけど、近いうちに食い納めになるかもしれない知り合いのレストランがあるって言われて」
「二人来た時ほかにお客さんいなかったんだよね」
「ガラッガラ。ああ、なるほどって思った。食い納めってこういうことかと」
「陽子ちゃんの顔ドン引きだったもん。何この店って思ってんの丸分かりだった」
「混み合っててもいい時間帯に人が一人もいないんだよ? 確実に入る店間違えたって思うじゃん。瀬名くんの友達のお店じゃなかったら入った瞬間に出ていってたよ」
現在のラヴィでは想像もつかない。あの店は毎日大忙しだ。予約なしでも入れてくれるが予約した方が確実に入れる。
潰れかけていた過去と繁盛している今の両方ともを知っている陽子さんは、かつての方を思い出したのかふふっとおかしそうに笑った。
「正直なとこ味も期待してなかった。お酒だけ飲めればいいかと思って適当に頼んで」
「ハンバーグね」
「あれが一番無難そうだったから」
「ワインどれにするか悩む時間の方が長かったのは俺も気づいてたよ」
「本当にそれくらい期待してなかったんだって。なのに出てきた料理見たらすごく綺麗だし美味しそうだし、実際食べたら逆の意味でガッツリ期待裏切ってくるし」
分かる。二条さんの料理って本当にすごい。見た瞬間に一発で、これは絶対に美味いと分かる。
見栄えが良く匂いも良く食べる前の食欲を刺激され、食ってみればこの上なく極上の満足感。料理が好きな人が作った料理なんだろうなと自然に思える手作りのゴハンだ。
それでいて押しつけがましさはミクロレベルですら感じない。こんなの作れるんだよスゴイでしょ、ではなく。こんなのを作ってみたからもしよければ食べてみて。そうとでも言われているような気になってくる。これはもしや自分のためだけに考案された料理ではないかと。
「それから店に行くようになったんですか?」
「そう。その日からは常連。全メニュー制覇してやった」
胸を張って言う陽子さんの隣で二条さんも懐かしそうに笑った。
「陽子ちゃん以外にお客さんほぼ来ないからいつも貸し切りみたいな状態だったよ。他にすることもないし陽子ちゃん来るとずっと喋ってて、お互いに慣れてきた頃にはもう毎回のようにダメ出しくらってた」
「集客力ゼロのくせして利益出そうって意識もないから価格設定なんかめちゃくちゃもいいとこで味は文句ないのに経営ヘタすぎて料理以外は全部ダメなんだもん。原価聞いた時が一番びっくりした。常連としては口出しくらいしたくなるでしょ? 晩ご飯食べる場所なくなって困るのはあたしなんだから」
「働く場所なくなって人生詰むのは俺だけどね」
「そう言ってた割に危機感なかったよ」
のんきそうに困ったと言う二条さんの姿が浮かぶ。しかし瀬名さんの前でポロッと弱音を零してしまうくらいなのだから、相当に参ってはいたのだろう。
そんな時に来たのが陽子さん。将来その店を立て直す人。人間はどうやって繋がるか分からない。このご夫婦がまさにそうだ。
「店主がこうもふんわりしてるから、ほんとにラヴィなくなっちゃうのかなって毎日とにかく気がかりで気がかりで」
「あたしを雇えって迫られた時はさすがに俺も動揺した。その場でプレゼンまで始まったもんだから思わずハイって言っちゃったけど。あの時突き付けられた改善計画の資料まだ取ってあるよ」
「さっさと捨てなって。あんなのもうただの資源ゴミじゃない」
「やだよ捨てないよ、記念だもん」
昔話の延長のように二人は和やかに話しているが、聞かされている俺はついキョトンとしてパンをちぎっていた手が途中で止まった。
「え……ご結婚で退職したのでは……?」
「ううん、その時点ではそんなつもりなかった。隆仁にお店続けさせたかっただけで」
「……会社辞めてまで……?」
「お気に入りの店がなくなったら悲しくならない?」
なるけど。だからってまさかそんな理由で。
人生の一大事に該当するような出来事を、なんでもないような顔をしながら陽子さんは小ざっぱりと話した。動揺したと言う二条さんも今はのほほんとパンをちぎっている。
陽子さんは瀬名さんの元上司であり、瀬名さんの勤め先は医療機器関係の会社。飲食とは業界が全く異なる。だいぶ勇気のいる転職に思えるが、それでも陽子さんはラヴィを守るために会社を辞めると決意した。
半ば呆けつつ、俺も今度こそパンをちぎった。二条さんはにこやかに一言。
「うちの陽子ちゃんカッコイイでしょ?」
まったくもって同意しかできない。
二条さんのお宅の夕食に招かれた。水曜の夜だ。ラヴィの定休日。瀬名さんの部屋に二条さんが逃げ込むという事件が少し前にもまたあったため、お騒がせしたお詫びも兼ねてと陽子さんからご提案をいただいた。
瀬名さんはまだ仕事中のはず。俺がお詫びされる理由はないけどお前一人で行ってこいと言われたのでやって来た。
先日も夫婦喧嘩の仲裁に入ったのは瀬名さんであって俺はただの見物人だった。しかし遠慮しないでと二人にも言われたし、お言葉に甘えて二条家の食卓についている。
ハッシュドビーフが最高だ。切り刻まれた肉の旨味がしっかり出ている。とろとろのデミグラスソースとともにパクパクと口に運び、仲良しなご夫婦とのお喋りもずっと尽きない。そんな和やかな夕食の最中に俺が何気なく聞いたのは、二人が知り合ったきっかけについて。
陽子さんは最初お店のお客さんだったんですか。問いかけて返ってきたのが二条さんの笑い交じりの答えだ。隣で陽子さんもうなずいた。
「用でもなければあんな路地には入らないもん。瀬名くんに連れていってもらわなかったら一生知らないままだったよ」
「ほんと店の場所は怒られたよなぁ」
「路地裏が悪いってわけじゃないけどね。ヘタに一等地なんか借りちゃうとバカみたいに賃料取られるし。だからってしょっちゅう飲食店が潰れてる場所で飲食店開こうってのは実質ただのギャンブルでしょ。計画も戦略も何もないくせにそういう人ってなぜか自信だけはある。他の人はできなかったけど自分はできると思い上がっちゃう事業者のまあ多いこと」
「これをね、延々言われたんだよ」
居抜き物件だったそうだ。前にあった店は一年ほどで閉店したらしく、そこをそのまま二条さんが買い取った。ちなみにその前もさらにその前もずっと飲食店だったようだが、やはり長くは続かなかったそう。
とは言え元が飲食店であり設備もろもろが残っているのなら飲食店を始めるにはちょうどいい。二条さんはそう考えたらしく一般的にはそう思えそうなものだが、陽子さんは真逆の見解だった。
飲食店が閉店し続けてきた場所で飲食店を継続させていくのは極めて困難。むしろ無謀。言われてみれば確かにだ。
事実ラヴィはかつて潰れる寸前まで陥ったことがあったらしい。瀬名さんから以前チラッと聞いた。
閉店寸前だった二条さんの店を陽子さんが立て直したという話もその時に瀬名さんが言っていた。今あの店が繁盛しているのは九割九分陽子さんのおかげだと。
「そろそろ店閉めるかもって、恭吾の前で言ったことがあったんだ。そしたら少しして陽子ちゃん連れてきてくれてさ」
「その日たまたま飲みに誘ったの。あたしと瀬名くんだけ最後まで事務所に残ってたから。適当に飲めればどこでも良かったんだけど、近いうちに食い納めになるかもしれない知り合いのレストランがあるって言われて」
「二人来た時ほかにお客さんいなかったんだよね」
「ガラッガラ。ああ、なるほどって思った。食い納めってこういうことかと」
「陽子ちゃんの顔ドン引きだったもん。何この店って思ってんの丸分かりだった」
「混み合っててもいい時間帯に人が一人もいないんだよ? 確実に入る店間違えたって思うじゃん。瀬名くんの友達のお店じゃなかったら入った瞬間に出ていってたよ」
現在のラヴィでは想像もつかない。あの店は毎日大忙しだ。予約なしでも入れてくれるが予約した方が確実に入れる。
潰れかけていた過去と繁盛している今の両方ともを知っている陽子さんは、かつての方を思い出したのかふふっとおかしそうに笑った。
「正直なとこ味も期待してなかった。お酒だけ飲めればいいかと思って適当に頼んで」
「ハンバーグね」
「あれが一番無難そうだったから」
「ワインどれにするか悩む時間の方が長かったのは俺も気づいてたよ」
「本当にそれくらい期待してなかったんだって。なのに出てきた料理見たらすごく綺麗だし美味しそうだし、実際食べたら逆の意味でガッツリ期待裏切ってくるし」
分かる。二条さんの料理って本当にすごい。見た瞬間に一発で、これは絶対に美味いと分かる。
見栄えが良く匂いも良く食べる前の食欲を刺激され、食ってみればこの上なく極上の満足感。料理が好きな人が作った料理なんだろうなと自然に思える手作りのゴハンだ。
それでいて押しつけがましさはミクロレベルですら感じない。こんなの作れるんだよスゴイでしょ、ではなく。こんなのを作ってみたからもしよければ食べてみて。そうとでも言われているような気になってくる。これはもしや自分のためだけに考案された料理ではないかと。
「それから店に行くようになったんですか?」
「そう。その日からは常連。全メニュー制覇してやった」
胸を張って言う陽子さんの隣で二条さんも懐かしそうに笑った。
「陽子ちゃん以外にお客さんほぼ来ないからいつも貸し切りみたいな状態だったよ。他にすることもないし陽子ちゃん来るとずっと喋ってて、お互いに慣れてきた頃にはもう毎回のようにダメ出しくらってた」
「集客力ゼロのくせして利益出そうって意識もないから価格設定なんかめちゃくちゃもいいとこで味は文句ないのに経営ヘタすぎて料理以外は全部ダメなんだもん。原価聞いた時が一番びっくりした。常連としては口出しくらいしたくなるでしょ? 晩ご飯食べる場所なくなって困るのはあたしなんだから」
「働く場所なくなって人生詰むのは俺だけどね」
「そう言ってた割に危機感なかったよ」
のんきそうに困ったと言う二条さんの姿が浮かぶ。しかし瀬名さんの前でポロッと弱音を零してしまうくらいなのだから、相当に参ってはいたのだろう。
そんな時に来たのが陽子さん。将来その店を立て直す人。人間はどうやって繋がるか分からない。このご夫婦がまさにそうだ。
「店主がこうもふんわりしてるから、ほんとにラヴィなくなっちゃうのかなって毎日とにかく気がかりで気がかりで」
「あたしを雇えって迫られた時はさすがに俺も動揺した。その場でプレゼンまで始まったもんだから思わずハイって言っちゃったけど。あの時突き付けられた改善計画の資料まだ取ってあるよ」
「さっさと捨てなって。あんなのもうただの資源ゴミじゃない」
「やだよ捨てないよ、記念だもん」
昔話の延長のように二人は和やかに話しているが、聞かされている俺はついキョトンとしてパンをちぎっていた手が途中で止まった。
「え……ご結婚で退職したのでは……?」
「ううん、その時点ではそんなつもりなかった。隆仁にお店続けさせたかっただけで」
「……会社辞めてまで……?」
「お気に入りの店がなくなったら悲しくならない?」
なるけど。だからってまさかそんな理由で。
人生の一大事に該当するような出来事を、なんでもないような顔をしながら陽子さんは小ざっぱりと話した。動揺したと言う二条さんも今はのほほんとパンをちぎっている。
陽子さんは瀬名さんの元上司であり、瀬名さんの勤め先は医療機器関係の会社。飲食とは業界が全く異なる。だいぶ勇気のいる転職に思えるが、それでも陽子さんはラヴィを守るために会社を辞めると決意した。
半ば呆けつつ、俺も今度こそパンをちぎった。二条さんはにこやかに一言。
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