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8.欲しいもの
しおりを挟む俺がもっと大人でカッコよくて、紳士的な男だったら、こんなことはしなかっただろう。
何も見なかったことにして帰ってやるのが本当の優しさだけど、それからユキがリープを出てくるまで、俺は外をウロウロしながら一人で待っていた。
「よっ」
「…………」
ガラス張りのドアから出てきた瞬間を狙って、ユキの前へとノコノコ現れた。たぶん失敗。
俺の登場に最初のうちだけは驚いていたみたいだけど、今やその顔つきは無表情に近い。ついつい怯みそうになるものの、こうして出ちゃったもんは仕方がないと言うもの。
「お疲れ! もう、ユキちゃん水くさいんだからさあ。一人で頑張っちゃってズルイよー」
「…………」
「やるんならいつでも言ってよ。いつでもどこでも何時間でも、俺がユキに付き合うから!」
明るく口を叩きながら、内心では項垂れる。ホント情けない。こんな事しか言えない自分を恨んだ。
俺自身のエゴの下で忠実に動いて、一番ショックを受けているユキにこうも追い打ちをかけている。そこまで分かってんのに、俺は一体何がしたいんだろう。
「ほら、そんなとこ突っ立ってないで帰ろう寒いから。あー、そうだ俺んち来る? ロールキャベツ作れるようになったんだよー」
今から帰って作っていたら、出来上がりは明日だ。その辺のことを突っ込んでほしかったんだけど、生憎ユキは無言のまま。
俺はちょっと困って、ユキはちょっと鬱陶しそうで、初めて話をした時の感覚になんだか似ている。気まずさを笑ってやり過ごそうとすると、そこでユキは俺を避けてスッと歩き出した。
「え、……あっ、ユキ!!」
余りの無関心にビックリだ。慌てて後を追いかけようと足を踏み出した。
ところがすぐさま振り向いてきたユキと、正面衝突しそうになって急ブレーキ。
「っエ……」
良く分かんないけど、真っ向から顔を見つめられる。不意打ちみたいな動作に戸惑う俺を目にして、無表情だったユキの顔が穏やかに和らいだ。
「ユ……」
「あほ面サラしてんなよ」
「…………」
なんとなく笑顔だと思ったらそんなこと言うの?
微妙な展開に言葉を詰まらせたけど、ユキは俺を促すようにして再び歩きだした。俺が大人しくその隣を歩いていても、ユキの横顔はいくらかゆったり気味。
付いてくんな、じゃなくて。来いよ、って感じ。
珍しいこともあるもんだ。
だけどその不自然さが、不安定なユキを表しているようで怖かった。それからロクに話もせず、ユキと一緒に帰ってきたのは俺の部屋。
ロールキャベツなんか作っている暇はないから、適当につまめるもんだけ用意して。たった十日間の同居生活が戻ってきたみたいに、グダグダ話しながら無駄に時間をやり過ごしていた。
練習していたのを覗いていたことは、怒りもしなければ責めもしない。俺の前ではそんなに笑わないはずのこいつが、この時に限っては終始穏やかな笑顔。
そんなのユキらしくない。なんでもないような振りをして、ジッと堪えているのが分かる。
やっぱりさっき、俺はユキの前に出ていくべきじゃなかったんだ。何もしてやれないどころか、俺のしたことがユキを苦しめている。
「……ユキ」
「んー?」
酒は入っていないけど、例えるならそんな感じ。どこか浮わついたような目が、いつものユキとは程遠い。
何の用もないくせに呼びかけちゃったから、真っすぐ見られて困る。何か言わなきゃと焦るものの、毎回毎回こういう時に限って言葉が出てこない。
しどろもどろになっている俺を目の前に、ユキはここでも不審な顔一つせず、クスッと小さく笑った。
「陸はさ」
「……え?」
「何考えてステージ立ってる?」
「ぇ……え?」
なんだいそりゃ。ムチャ振り質問にも限度があるよ。
何考えてって……。なんだろう。
俺は何考えながら踊ってんのかな。意識的なもんはほとんどないような気がする。
返答に躓いてあれこれ悩み中。ユキは変わらず和やかな雰囲気だけど、俺の答えは待たなかった。
「この前のコンテスト。何考えてた?」
「コン……」
って、コケたやつ?この前圭吾に蒸し返されて、さっきも修二さんに蒸し返されて、トドメの一発はユキちゃん?
「黙ってたけど、あの日見に行ってた。俺も。陸が馬鹿みたいにすっ転んだトコもちゃんと見てた」
「…………」
トドメ、刺された。
気まずく口を閉ざしてみるけど、ユキの目が容赦なく突き刺さってくる。
「なんか余計なこと考えてた?」
静かに、だけど強く。その言葉と一緒に見据えられた。
そんな目で見られたら、俺も落ち込んでいる場合じゃいられなくなる。ユキに全部知ってるって顔をされて、何も言えずにその目を見つめ返した。
あの時、俺が足を取られた箇所は、レベル的にはまあまあ無難易度の高い箇所。言ってみればキメ技だ。
何年もやってきたけど、あれでコケた試しなんかない。言い訳してもいいんなら、あの時は例外中の例外で…。
「……余計なこと、っていうか……」
こんな事、ユキにはとても告白できない。誰にも打ち明けなかった、ささやかな個人的事情。
「なに?」
「…………」
じーっと見られて敗北。耐え切れずに目線をずらした。
これももうずいぶん前の話。リープに来たばかりのユキが、よく練習していたワザがあった。
鋭いのに動きが軽くて、足捌きがハンパ無く綺麗で、悔しさと同時に一発でオトされた。
俺がユキを追い求めるようになった原因はまさにアレ。この前のコンテストで、見事にすっ転んだのもソレ。
何度でも見たくなるから、昔はよくユキにせがんだ。極めたいからレッスン付けてー、なんて白々しく頼み込んでは、一番近くで綺麗な姿を目に写していた。
そんなこともあったなあ、と。ふと思い出したのは、よりにもよってコンテストでのステージ上。
来る日も来る日も、強くて綺麗なユキに見惚れていた。そんな気色悪い自分までついでに思い出しちゃう俺は、きっと最強に頭が悪い。
優勝争いをしている真っ最中にだ。ユキに対するこの気持ちの在り方は、もしかしたら今に始まったものじゃないのかもって気づいた。
そしてそれと同時に時思った。何をどうしてココに繋がったかは謎だけど、またもう一度、ユキと一緒にここに立てたらいいと。
このステージじゃなくてもどこでもいいから、ずっと近くでユキのことを見ていられればいい。
ぼんやりとそんな感じのことを考えていたら……
取られた。足を。そして思いっきりズッコケた。
事の顛末を語ればこうなる。本人を目の前にして言えたもんじゃない。
「なに?」
「…………」
なんですか、その強要。しぶとい。てか、しつこいよ。
普段は俺になんか興味も示さないくせに、できれば言いたくない内容のときはしつこく食いついてくる。
「何考えてた?」
「そんな前の話、今になってされても……」
「忘れるようなもんでもねえだろ。いつだろうと関係ない」
「珍しく絡むね……」
「イヤ?」
本望です。
待て待て待て。違うよ、何が本望さ。困ってんでしょ俺は今。
窺い立てるような上目遣いで、「イヤ?」なんて言われちゃう衝撃ときたら。無意識系小悪魔に当てられた俺は、遠のきそうな意識の中でユキから目を逸らした。
これ以上見ていたらマズイ。いけないコト仕出かしそう。むしろ仕出かしたい。
どうしようもない葛藤で苦しむのは、何かと元気な若い男が背負う宿命だ。
それを知ってか知らずか。おそらくほぼ百パー知らないんだろうユキは、すでに困窮している俺をさらに追い詰めた。
「言わないんなら勝手に自惚れるからな」
「へ?」
何が。
「あれ、よく一緒に練習してたよな?」
「…………え?」
「俺のこと考えてた?」
「…………」
俺のこと、って……。
ストレートに打ちのめされて唖然。何言ってんだろう。ユキは今、何を言っているんだろう。
さすがに理解できる範疇を超えて、言葉は出ないし、まばたきの仕方も忘れた。毒気を抜かれたような状態にある俺が、唯一できることと言えば目の前の小悪魔をガン見。
「俺のこと考えてて、足取られてコケた……。そう思っていい?」
まだ言うか。思うもなにも、まんまその通り。
……なんだけど。これは認めちゃっていいのか?
絶句しているとユキが笑った。
「まあ、ナイよな……ちょっと思っただけ。あの時お前の集中切らせた原因が何かあったんなら、その原因は俺だったらいいなって」
「何言って……」
「途切れたろ? 一瞬。コケる寸前、何かに気い取られてた」
えー。嘘でしょ。なんでそこまで分かんの。
実はこれも修二さんにはバレていた事だ。大会終了後に皆に貶されてショボくれていたら、客席にイイ女でもいたのかって笑われた。
いつぞやのデジャヴ。どうやらユキの洞察力は、トップクラスの現役ダンサーにも劣らないようだ。
感心なんだか落胆なんだか、微妙な気分になってくる。どこまで俺の心の中を覗き込む気だろう。声には出さず思っていたら、またもや通じてしまったらしい。
ユキは当然とでも言うように続けた。
「今までずっと同じトコでやってきて、適当にお前のこと見てた訳じゃない。あんなしょうもないミスする程、陸は抜けてないだろ。余程のことでもない限りあそこまで無様にコケない」
「……褒めてんの?」
「分かんねえ? すげえ褒めてるよ」
分かりづらい。どういう意味で言ってんだかも理解ができない。
今日のユキは何かが変だ。その目は真っ直ぐ俺を捉えてくるけど、時折ふと、悲しそうに歪んでは揺れる。
リープではさっき、ユキの練習風景を見てきたばかり。倒れても起き上がって懸命に耐えている姿を見せられれば、辛いと思うのは仕方ないし、当然の事だと察してやることもできる。
だけどその感情をこうも易々と、他人の前で表すような奴じゃないって事も知っているから。今のユキは俺の知っているユキとは別の人みたいで、どんな言葉をどう返せばいいのかまるで見当もつかなかった。
「……俺さ」
「え、ぁ……なに?」
なんかダメだ、俺。一言返すだけで精一杯。
ただの友達とか、話を聞いてやれば満足してくれる女の子とか、落ち込んでいるのがそういう奴らだったら適当に肩でも叩いて励ましてやれる。
でも目の前で繰り広げられる百面相の主は、残念ながら他の誰でもなくユキだ。笑って見せたり、悲しそうにしたりと忙しい。
今はすぐにでも泣きそうな顔をしている。俺はそれを慰めてやる方法も思いつかず、シドロモドロに本物のアホ面を晒すだけ。
そんな使えない俺を、ユキは虚ろに見つめた。
「リープ入ってからずっと……絶対に追い抜いてやろうって、そればっか思ってた」
聞き取れるかなってくらいの、そんな消え入りそうな声で。
「陸のこと……」
「…………」
「抜かしてやろうと思って必死だった」
「……ユキ」
やっぱりおかしい。こんなこと、他人にそうそう言う奴なんかじゃないのに。
辛うじて名前だけは呼べたけど、その後は付いていかない。見たこともないほど弱っているユキは、本当にすぐにでも涙を流しそうだ。
「俺は、ホントはずっと……」
「…………」
言わなくていいと、言ってやることはできなかった。
その先に続くものがなんなのかは分からないけど、ユキは自分を傷つけたくて言葉を紡いでいるように見えた。
ユキが、じっと自分だけのものにしていた感情。それを外に出すって事は、今まで築いてきた自分のスタイルを崩すという事になる。
たった一言だ。その言葉一つで、ユキは自分を壊した。
「陸みたいに……なりたかった……」
初めて聞かされた告白。それに驚く暇もなく、ユキの手は俺の腕に伸びてきた。
俺達の間にあった距離が縮んで、弱々しくしがみつくように服を掴まれる。
予想外の言葉にも、通常は起こりえないこの行動にも、慌てそうな内心はあるけど俺は冷静でいられた。俺の服をつかんだまま、俯いているユキの手は微かに震えている。
他人に弱みを見せない奴が一気に折れて、それでも最後のほんの一線でプライドは立つ。俯かせた顔に片手を当てて、無理に笑う目的は自分への嘲りだ。
「……ダセェ」
「…………」
響いた声の後に、パタっと。床に落ちた雫。
それを認識できたのは、頭の中のどこか遠い所。ユキを見下ろしていたはずが、気づいた時には体が動いていた。
手を引いて、こんな状態で泣いているユキを見てしまわないように、思うままに抱き寄せて。
抱きしめた後にどうするかなんて考えもなく、ここに来ても尚耐え抜こうとしているユキを腕の中に閉じ込めた。
声を上げて泣きじゃくってみれば、誰でも少しくらいはスッキリする。でもこいつは絶対にそんな事はしない。
きつく抱き締めて、肩の下に顔を埋めさせているのに。俺からは見えないのに。
ユキは嗚咽の一つだろうと決して漏らさず、泣くと言うよりはホントにただ涙を流しているという感じだった。
ユキにとってみれば、これは譲れない最後の意地。一人で立てなければ意味がないとでも言うように、心の一番奥底までは近付けさせてくれない。
だけどそれも、この時ばかりは長く続かなかった。俺の腕の中にいるユキはもう、張りつめた糸が限界。
「……ごめん」
俺はいつからこんな弱腰になったんだか。
少しするとユキが僅かに身じろいだ事に気付いて、抱え込むように回していた腕を緩めた。
拒絶とも違うけど、きっとそれに近い。意外なこと続きだったあまり、勢いに任せて抱きしめた事を今更ながら悔んだ。
ただでさえユキは辛い時なのに、これ以上俺が不本意な思いにさせてどうするんだ。
やる事なす事裏目に出ていく。胸に付かれた控え目な手は、放せと言いたいユキの気持ちの表れだろう。落ち込む余裕もない中でそう悟って、ゆっくりと腕を離した。
ところがここでも予想に反し、拒絶だと思っていたユキの手がそれを阻んだ。
「…………」
「…………」
引いた腕を反対に掴まれて、俺の動きはそこで停止。お互い無言でお互い不動だから、流れる空気はそこそこ重い。
ユキの行動が何を意味しているかなんて俺には理解できそうにない。小悪魔だ小悪魔だと思ってはきたものの、今日ほど訳が分からなくなった試しもない。
落としていた目線が静かに上げられたことで、俺の目に触れるその顔。頬に残る涙の跡に戸惑うけど、濡れたままのユキの目には呼吸が止まった。
「リク……」
そう言ったユキは、俺のことだけを呼んでいた。腕を掴む手にはほとんど力が入っていないけど必死で、実直に突き刺さってくる目は離れていくことがなかった。
捕えられたまま見合っているうちに、堰き止められていた何かが衝動的に湧きあがってくる。
何考えてんだって思う。こんな時に。
それでも捨てられた動物みたいな目で切なく見つめられれば、あるんだかないんだか分らないような俺の理性が切れるのも一瞬だった。
掴まれた腕をそのまま引いて、再び抱き留めたユキの体。そこまでしたって何も言ってこないユキはやっぱり普通じゃないんだと思った。
強く抱きしめながら顔に片手を添えてみたって、ヤメロの一言もないユキはいつものユキじゃない。
どこか一方では拒んでくれるのを待っていた。だけどユキは、一切の抵抗もしてこない。
無気力に俺を眺めて、治まったと思った涙を、一滴だけつッと流した。
「っ……」
見たくない。見せてほしくなんかなかった。
弱くてもいいと、泣いてもいいと言ってやりたいのに、それを受け止められるほど俺は強くない。
音にはできず、ユキの名前を叫んだ。思わず手に入った力もそのままに、抱きしめたユキの体をきつく締め付ける。
片手では頬を包んで、こうも至近距離で見合って。こんな時でさえ、俺の目には綺麗なユキしか映らない。
この泣き顔を自分の中に刻みつけ、誰にともなく言い訳を連ねた。
想像しないように。変な夢なんか見ないように。毎日どうにかギリギリのところで堪えてきた。
現実にしようとも出来るとも思ってはこなかったそれが、今ここで自分の身に起きている。
あってはならない事。重ねたのはお互いの影だった。
無抵抗の相手に、醜い欲を押し付ける俺は最低以外の何者でもない。
逃げもしないユキがどんな顔をしているのかが気になって、ゆっくり唇を離したのはすぐ後。たった数秒間の出来事だろうと、本当だったらこれは起きてはいけない事態だ。
頭ではそう分かっているのに動作は付いていかず、抱きしめた腕だけはどうしても解けない。
「……ユキ」
見つめた先で目が合って、今度こそ小さく呼んだ。
返事はない。だけど、目を逸らされることもない。
どこまで腕の力を強めても、ユキは逃げる素振りすら見せなかった。
窺い立てるように見つめても、ユキの反応は変わらない。許してくれているのか、どうでも良くなっているのかは半々といった所か。
それでも、晒された泣き顔を相手に俺の理性は到底適わない。弱々しく、服を握りしめられるたび。声には出さず口の形だけで、この名前を呼ばれるたび。
無抵抗のユキと何度も唇を重ねた。
受け入れられているはずなのに、気持ち的にはキョヒられているのと同じ。ここまで虚しい話もないけど、俺はどうしたって最低な人間でしかなかった。
こんなの、慰めでも何でもない。自分の欲に従っているだけだ。啄んだ唇を舌で割り裂けば、後はもう夢中になって貪り尽くすだけ。
有り得ない行動を現実に起こして、傷ついているユキを更に傷つけると知りながら。こんなコト、したかった訳じゃないのに。
俺とユキがするべきじゃない事を、当たり前のようにシテいる自分達が異様なまでに滑稽に思える。
「ユキ……」
人に屈するってことを何よりも嫌っていたはずが、俺の下でこいつはあっさり身を投げ出した。
なんで今。なんでココで。なんでこの状況で。
投げ遣りなユキを目の前に、自分に問い質したところで愚問にすぎない。なんでと思う必要が、今の俺達にはなかった。
少なくとも、俺には。
「……ユキ」
何度呼んだって、応えてなんかくれない。この数十分で俺が聴いたのは、生産性とは無縁な欲の音と、噛み殺したような喘ぎ声。
予想だにしていなかった展開には、頭だけが置き去りだ。
望んでいなかったと言えばそれは大ウソ。かと言って、嬉しいはずもない。
満足するのはカラダだけ。心の中には虚しさのみが膨らんで、無感情に俺から目を逸らしているユキの髪に触れた。
「……ユキ」
どんなに触れても、薄汚く欲望をぶつけても、ユキは決して俺を拒まなかった。
驚きを通り越してむしろ実感が湧かない。今はまだ熱の残る身体だけが、俺達の間にあった事実を証明していた。
男同士で寝たって、そんなの所詮は単なる一つの出来事に過ぎない。起こるはずのなかった現実は、数日もすれば痕跡さえなくなる。
だけど絶対に、消せないものもある。多分それが、真実ってヤツ。
この夜だった。
こうして俺はユキをよごした。
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