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第三章、冒険者として成すべき事!
第1話、待ちに待った成人!
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「いよいよか……」
ダイタロスから村に戻って数ヶ月たった。
明日、俺は誕生日を迎えて成人となる。
レイナはまだ成人まで少し時間があるので、それまでは村で依頼を受ける。
レイナが成人して村を出るかは、まだ決めきれていない。
成人するとレイナは俺の家に住むと断言してるので、すぐに村を出るとは言えないしな。
そうなると、いよいよ俺の独り身生活は終わりを向かえる。
俺の両親もレイナの両親も完全に俺達の結婚に乗り気なので、逃げ道が無いのだ。
まぁ、レイナを嫌いじゃないし、寧ろ好き…ゴホン。
部屋も俺の部屋で一緒に寝る!って鼻息を荒くしてるから、色々と怖い。
朝になって誕生日になった俺は、とーとゃんとかーちゃんに育ててもらったお礼をして家を出た。
物凄く恥ずかしかったし、とーとゃんもかーちゃんも泣き出しちゃったから、とても家にいられなかった。
少し早く家を出たけど、待ち合わせの十字路に到着するとレイナが待っていた。
「よう、早いな」
「アンアン!」
「うん、もちろん妻としてあたりまえ」
フンス!と気合いを入れるレイナさん。
いつも通りの受け答えをする。
コウもレイナの頭の上で甲羅から顔だけ出して挨拶していた。
「さて、今日はどんな依頼を受けようかな?」
「オークを潰す」
「いや、さすがに1週間、同じオークの討伐は飽きてくるから却下!」
そんな感じで、レイナは相変わらずのオークキラーを発揮しまくっている。
何がそんなに彼女を動かすのか分からない。
怖くて聞けないけど。
「ん?フォレストウルフの討伐?」
ランク【D】の依頼を見ていくと、初めてのモンスターの依頼があった。
名前は知ってるけど、見た事はない。
この辺のモンスターは、ゴブリン、コボルト、オーク、ホーンラビット、猪のモンスターのビックボアがいる。
ゴブリン、コボルト、ホーンラビットはランク【E】のモンスターで、オークとビックボアはランク【D】のモンスターだ。
見ての通り、低ランクのモンスターばかりなので、この村は初心者の修行を兼ねた狩り場となっていた。
ちなみにフォレストウルフは、ランク【D】だけど、連携が物凄く上手いらしく複数体いればランクが【C】や【B】にまで上がる事もあるらしい。
ただ、フォレストウルフがいるのは、この村からだいぶ西に行った地域なハズ。
何かあったのか、それとも単純に縄張りを拡げて来たのか分からないけど、最近、襲われたり目撃されたりしているらしい。
最近の俺達は、ゴブリン、コボルト、オーク、特にオークだけど……を狩っている。
格下のモンスターなだけあって、ステータスは殆んど上がらない。
それでも、この村だと俺達は高ランクの方だし、安定して数を討伐している為、中々の収入となっております。
気付けば貯金も金貨20枚、もう少し貯めれば家を建てれる金額でもある。
まぁ建てる気は無いけどね。
レイナはともかく……
その中でも、レイナがオーク相手に手加減出来る様になったのが大きい。
オークは捨てる所が無いくらいに旨味のある獲物だからな。
肉、骨、睾丸、全て買取金額が高い。
ある程度、お金も貯まったし暫くは冒険者は休業して、とーとゃんの畑の手伝いをするつもりだ。
レイナは教会で治療の手伝い。
何も無いとは思うけど、シバとコウはレイナの護衛だ。
てか、アイツら護衛だと張り切ってるけど、実際は教会に来た人達からお菓子とか貰ってるらしい。
虫歯になれば良いのに。
さっきも言ったけど、もうすぐ成人だ。
家から出るつもりだし、暫くは戻らないと思う。
世界を渡り歩きたいってのが、取り敢えずの目標だ。
だから、それまでは家にいて、とーとゃんの手伝いやかーちゃんの手伝いをして、少しでも親孝行しときたい。
とーとゃんもかーちゃんも、気にしないで好きな様にやれって言ってるけど、今んとこ手伝いがやりたい事だ。
レイナが成人するまで、あと少し。
この家とも暫くのお別れだ。
そう考えると、寂しい気持ちが出てくる。
まぁ、高ランクの冒険者になって、沢山稼いで、とーとゃんとかーちゃんを驚かせてやる!なんて違う事を考えて寂しさを消していく。
すっかり日も隠れて、綺麗な星空を眺めていると、いつの間にか結構遅い時間になってたみたいだ。
明日からの畑の手伝いを感張るぞ!と気合いを入れつつ布団に潜り込んだ。
◇
「おりゃりゃりゃりゃ!!」
おはようございます。
現在、畑に来ております。
下手に畑を耕すと、とーとゃんに「余計なことをするな!」って怒られるので、必要な道具とかを配ったり、採れた野菜を箱につめる仕事をしています。
それと、箱につめた野菜はアイテムボックスに入れて倉庫に運ぶ。
アイテムボックスさんが、大活躍しております。
「ふぇ~腰がいてぇ~」
モンスター相手に激しく動き回っている身体なのに畑仕事でガタガタになってる。
アイテムボックスを使って運ぶ事に関してはだいぶ楽をしてるハズなんだけどなぁ。
何年も何年も続けてきた、とーとゃん達の凄さが身に染みて分かったぜ。
昼になると、レイナ達が弁当を持って来た。
シバは、とーとゃんに甘えている。
以外にシバは、とーとゃん大好きっ子なのだ。
今もとーとゃんの膝の上に寝転び、腹とか喉とかを撫でられている。
いや、犬になってんぞ?
コウ?コウは売り物にならない野菜を集めた山にダイブして、モリモリ食べまくつてます。
何か凄い良い笑顔をしてる様に見えなくもない。
あんなに動きが早いコウを初めての見た気がする。
ちなみにとーとゃん達は「処分の手間が省けるぜ!」って喜んでいた。
基本的に野菜は、売り物にならない物は、家に持って帰って食べたりしてるけど、たまに小さいまま育たなくなったり、小さい動物とかに食べられて捨てるしかない物も多少は出てくるんだけど、畑の規模が規模だけに廃棄する量もそれなりに出てしまう。
結構な山だったんだけどなぁ……
凄い勢いで無くなってる~。
あ、レイナさん?張り合わないで?
俺達の食べるものが無くなるから。
コウを見て対抗意識を燃やしたのか、ヒュン!ヒュン!と消えるように昼飯が無くなっていく。
何か昼飯にありつけた俺達は、少しの休憩を終わらせると、また夕方まで働いていく。
とにかく、とーとゃんのスキルの影響もあって、野菜が育つのが早いから、収穫もある意味戦争だ。
ローテーションを組んで、①耕す②種をまく③世話をしながら必要ない部分を選定する④収穫する①耕す。
の繰り返しだ。
本当は一度植えたら、土の栄養が減って、次に植えるまでやらなきゃいけない事が色々とあるらしいけど、とーとゃん達が魔力を込めて耕すと、その色々やる事が省略出来るんだってさ。
良く分かんないけど、凄いってのは分かる。
「疲れないの?」って聞いたら「作った野菜を食えば疲れなんて無くなる!」って言われた。
とーとゃん達は、畑の英雄だな。
ちがうな……国の皆に野菜を食べさせてるから、国の英雄だ!
織れも絶対、英雄になる!と改めて心に刻んだ。
ダイタロスから村に戻って数ヶ月たった。
明日、俺は誕生日を迎えて成人となる。
レイナはまだ成人まで少し時間があるので、それまでは村で依頼を受ける。
レイナが成人して村を出るかは、まだ決めきれていない。
成人するとレイナは俺の家に住むと断言してるので、すぐに村を出るとは言えないしな。
そうなると、いよいよ俺の独り身生活は終わりを向かえる。
俺の両親もレイナの両親も完全に俺達の結婚に乗り気なので、逃げ道が無いのだ。
まぁ、レイナを嫌いじゃないし、寧ろ好き…ゴホン。
部屋も俺の部屋で一緒に寝る!って鼻息を荒くしてるから、色々と怖い。
朝になって誕生日になった俺は、とーとゃんとかーちゃんに育ててもらったお礼をして家を出た。
物凄く恥ずかしかったし、とーとゃんもかーちゃんも泣き出しちゃったから、とても家にいられなかった。
少し早く家を出たけど、待ち合わせの十字路に到着するとレイナが待っていた。
「よう、早いな」
「アンアン!」
「うん、もちろん妻としてあたりまえ」
フンス!と気合いを入れるレイナさん。
いつも通りの受け答えをする。
コウもレイナの頭の上で甲羅から顔だけ出して挨拶していた。
「さて、今日はどんな依頼を受けようかな?」
「オークを潰す」
「いや、さすがに1週間、同じオークの討伐は飽きてくるから却下!」
そんな感じで、レイナは相変わらずのオークキラーを発揮しまくっている。
何がそんなに彼女を動かすのか分からない。
怖くて聞けないけど。
「ん?フォレストウルフの討伐?」
ランク【D】の依頼を見ていくと、初めてのモンスターの依頼があった。
名前は知ってるけど、見た事はない。
この辺のモンスターは、ゴブリン、コボルト、オーク、ホーンラビット、猪のモンスターのビックボアがいる。
ゴブリン、コボルト、ホーンラビットはランク【E】のモンスターで、オークとビックボアはランク【D】のモンスターだ。
見ての通り、低ランクのモンスターばかりなので、この村は初心者の修行を兼ねた狩り場となっていた。
ちなみにフォレストウルフは、ランク【D】だけど、連携が物凄く上手いらしく複数体いればランクが【C】や【B】にまで上がる事もあるらしい。
ただ、フォレストウルフがいるのは、この村からだいぶ西に行った地域なハズ。
何かあったのか、それとも単純に縄張りを拡げて来たのか分からないけど、最近、襲われたり目撃されたりしているらしい。
最近の俺達は、ゴブリン、コボルト、オーク、特にオークだけど……を狩っている。
格下のモンスターなだけあって、ステータスは殆んど上がらない。
それでも、この村だと俺達は高ランクの方だし、安定して数を討伐している為、中々の収入となっております。
気付けば貯金も金貨20枚、もう少し貯めれば家を建てれる金額でもある。
まぁ建てる気は無いけどね。
レイナはともかく……
その中でも、レイナがオーク相手に手加減出来る様になったのが大きい。
オークは捨てる所が無いくらいに旨味のある獲物だからな。
肉、骨、睾丸、全て買取金額が高い。
ある程度、お金も貯まったし暫くは冒険者は休業して、とーとゃんの畑の手伝いをするつもりだ。
レイナは教会で治療の手伝い。
何も無いとは思うけど、シバとコウはレイナの護衛だ。
てか、アイツら護衛だと張り切ってるけど、実際は教会に来た人達からお菓子とか貰ってるらしい。
虫歯になれば良いのに。
さっきも言ったけど、もうすぐ成人だ。
家から出るつもりだし、暫くは戻らないと思う。
世界を渡り歩きたいってのが、取り敢えずの目標だ。
だから、それまでは家にいて、とーとゃんの手伝いやかーちゃんの手伝いをして、少しでも親孝行しときたい。
とーとゃんもかーちゃんも、気にしないで好きな様にやれって言ってるけど、今んとこ手伝いがやりたい事だ。
レイナが成人するまで、あと少し。
この家とも暫くのお別れだ。
そう考えると、寂しい気持ちが出てくる。
まぁ、高ランクの冒険者になって、沢山稼いで、とーとゃんとかーちゃんを驚かせてやる!なんて違う事を考えて寂しさを消していく。
すっかり日も隠れて、綺麗な星空を眺めていると、いつの間にか結構遅い時間になってたみたいだ。
明日からの畑の手伝いを感張るぞ!と気合いを入れつつ布団に潜り込んだ。
◇
「おりゃりゃりゃりゃ!!」
おはようございます。
現在、畑に来ております。
下手に畑を耕すと、とーとゃんに「余計なことをするな!」って怒られるので、必要な道具とかを配ったり、採れた野菜を箱につめる仕事をしています。
それと、箱につめた野菜はアイテムボックスに入れて倉庫に運ぶ。
アイテムボックスさんが、大活躍しております。
「ふぇ~腰がいてぇ~」
モンスター相手に激しく動き回っている身体なのに畑仕事でガタガタになってる。
アイテムボックスを使って運ぶ事に関してはだいぶ楽をしてるハズなんだけどなぁ。
何年も何年も続けてきた、とーとゃん達の凄さが身に染みて分かったぜ。
昼になると、レイナ達が弁当を持って来た。
シバは、とーとゃんに甘えている。
以外にシバは、とーとゃん大好きっ子なのだ。
今もとーとゃんの膝の上に寝転び、腹とか喉とかを撫でられている。
いや、犬になってんぞ?
コウ?コウは売り物にならない野菜を集めた山にダイブして、モリモリ食べまくつてます。
何か凄い良い笑顔をしてる様に見えなくもない。
あんなに動きが早いコウを初めての見た気がする。
ちなみにとーとゃん達は「処分の手間が省けるぜ!」って喜んでいた。
基本的に野菜は、売り物にならない物は、家に持って帰って食べたりしてるけど、たまに小さいまま育たなくなったり、小さい動物とかに食べられて捨てるしかない物も多少は出てくるんだけど、畑の規模が規模だけに廃棄する量もそれなりに出てしまう。
結構な山だったんだけどなぁ……
凄い勢いで無くなってる~。
あ、レイナさん?張り合わないで?
俺達の食べるものが無くなるから。
コウを見て対抗意識を燃やしたのか、ヒュン!ヒュン!と消えるように昼飯が無くなっていく。
何か昼飯にありつけた俺達は、少しの休憩を終わらせると、また夕方まで働いていく。
とにかく、とーとゃんのスキルの影響もあって、野菜が育つのが早いから、収穫もある意味戦争だ。
ローテーションを組んで、①耕す②種をまく③世話をしながら必要ない部分を選定する④収穫する①耕す。
の繰り返しだ。
本当は一度植えたら、土の栄養が減って、次に植えるまでやらなきゃいけない事が色々とあるらしいけど、とーとゃん達が魔力を込めて耕すと、その色々やる事が省略出来るんだってさ。
良く分かんないけど、凄いってのは分かる。
「疲れないの?」って聞いたら「作った野菜を食えば疲れなんて無くなる!」って言われた。
とーとゃん達は、畑の英雄だな。
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