異世界に転生したら?(改)

まさ

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第2章、夢の冒険者になりました。

第3話、テンプレは本の中だけで良い

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ギルドマスタータコオヤジと別れたあと後、パーティーメンバー登録をする為に受付に戻った。


「それでは、マサムネ様とコウ様、そしてハクヨウちゃんでメンバー登録しますね?」


ちゃん……だと?いつの間にそんな仲良く……羨ましくはないんだからね!


「ヨロシクお願いします」


平常心で、悔しさは顔に出すことなく答える。


受付嬢さんがクスクス笑ってるのは気のせいだ。

バレてないハズだ。


「パーティーのリーダーはマサムネ様でよろしいですか?」


「え?リーダーはコu「マサムネ殿で!」えぇ……?」

コウに言葉を遮られた。


「それではリーダーは、マサムネ様で」

拒否権無しですか?

そうですか。


「後はパーティー名ですね」


どんどん話が進む。


あきらめて、パーティーの名前を皆で考えようとハクヨウとコウ裏切り者と話そうと後ろを向いた。

いなかった。

酒場の方でくつろいでいた。


………


色々と諦め一人でパーティー名を考える。

後で嫌だとは言わせないからな!


ウンウン唸りながら悩む。

そして、



「パーティー名は【森林の伊吹】しんりんのいぶきでお願いします!」


我ながら最高だと思う。

自画自賛?

なにか?


「森林の伊吹ですか?素敵だと思います。」

笑顔で言ってくれた。

疲れやストレスも、この笑顔に癒されます。


ハクヨウとコウも気にいったみたいたな。


「分かりました。パーティー名を登録しました。
これからの活躍を願っております。【森林の伊吹】の皆様」


あれ?そう言えば、コイツらいつの間に後ろに?

少々、腑に落ちないが。

まぁ良い。


「「よろしくお願いします」」

『ピッピ~』(よろしく~)



登録が終わり、魔石と肉の鑑定と査定の為に何人か応援を呼び数台の台車に載せカウンターの奥に運んでいった。

お手数かけます。

そして数分後にトレイに布袋を載せ戻って来た。


「鑑定と査定の結果が出ましたので、確認をお願いします。
先ずはオークの魔石1つにつき金貨が1枚、それが8個ですので金貨8枚に。
続いてオークの肉ですが50㎏のブロック肉が1つ銀貨20枚、全部で8個なので銀貨160枚になります。

ただし今回はマスターが大変ご迷惑をお掛けしたので迷惑料込みで銀貨200枚にさせていただきました。

それら全部合わせて金貨8枚銀貨200枚になります。ご確認の上、お受け取り下さい」

袋から出しながら貨幣を並べていくので分かりやすかった。

それに金貨だけだと使いにくいと思って銀貨も用意してくれたのはありがたい。


「見ていたので確認は大丈夫です。
それに多く貰えた事は普通にありがたいです」

早めにクソハゲギルドマスターの事は忘れるにかぎる。


「レフィー……」


「はい?」


「私の名前はレフィーナ・ノリスと申します。親しい人はレフィーと呼ぶので、どうぞレフィーとお呼びください」


ニッコリと笑顔で言われた。


「れ、レフィーさんですか、素敵な名前ですね!そ、それなら俺も『様』はいりませんから、マサムネと呼んでください」


『様』なんてがらじゃない。

そんな大層な人間では無いと自分でも思ってるし。


「いいえ私は受付と言う仕事に誇りをもっております。それに冒険者の方々は、時には命がけで戦っておられます。私はそんな皆様に心から敬意を持ち対応させてもらっております。
マサムネ様も例外ではございません」


そこまで言われれば、さすがにやめてくれとは言えない。


「ですが、もし仲良くなって、プライベートでお会いする事があれば、その時はマサムネさんと呼ぶかも知れないですね」

ふふふと笑いながら話す。

その笑顔に思わず見惚れてしまった。

おそらく俺の顔は真っ赤になってるだろうな、顔から火が出そうなくらい熱くなってる自覚があるし。


「その時は、もちろん俺がエスコートしますね」

せめてもの抵抗とばかりに(自称)イケメンフェイスでキザったらしく言ってみたが……

余裕の笑みをうかべてるし。


俺ってこんなに女性の免疫力低かったっけ?

身体の年齢に精神が引っ張られてるのかな?


前世では、それなりに経験してたんだけど。


何はともあれレフィーさんの受付カウンターから離れ、宿に戻る為に入口へ向かった。

からかうハクヨウとコウは無視する事にした。


「オイ!待てやゴラァ!」


ん?叫んでるヤツがいるな。

頭悪そうだけど。

俺に関係ないなら無視だ無視。


「聞いてるのかゴラァ!」


早く宿に戻って休みたいし。

……さっきからうるせーな。

周りの人に迷惑だろうし。


「なにシカトこいてんじゃワレェ!」


肩に手を置かれ動きを止められた。

え?俺?

振り返ると。

そこには世紀末な人達がいた。



頭はモヒカン。

顔には独創的なペインティング。

トゲトゲが沢山付いた黒の革のベストと革のズボン。

もちろんシャツは着てない。

足元を見れば、服に合わせた様な黒の革のブーツ。

手には棍棒?どう見ても釘バットにしか見えんが。

ヒャッハーな人がいた。

実際にヒャッハーって言ってるし。

しかも3人同じ格好だ。

どこで売ってるんだろ?着ないけど。


「シカトするなゴラァ!」

おっと、どうでも良いこと考えてたな。


「何か俺に用ですか?プッ」

どうしても独創的な髪型や先進的な服装に目が行き、堪えきれず吹き出してしまうのは仕方ないと思う。

3人同じだし。

三つ子に見えなくも無い。


俺が笑った事に怒ったのか、俺の肩に手を置いた奴が顔を真っ赤にさせ怒りで震えている。

「何笑ってんだテメェ!」

今怒鳴ったのは右の奴だ。

左の奴は何かオロオロしてる。

判別する為に真ん中がA、左がB、右がCとしておこう。

「いや、その見た目……思わず笑っちゃうのは仕方ないだろ?それで何の用?疲れたから宿に行きたいし、用が無いなら行くよ?」


色々あって疲れてるのは本当だ。

言葉もついキツくなる。

あの裏切り者どもは、いつの間にか野次馬達と一緒になって見てるし。

アイツら……後で少し話し会わないとな(拳で)


「こっち見ろ!なめてんのかテメェ!」

おっと、またコイツらの事を忘れてた。

肩にのっていた手首をつかみ、肩から手をどかし、俺から距離をとる様にモヒカン(A)を突き放す。


「良いから早く用件を言え」

「オメェがよそ見してたんだろうが!」

モヒカンBが叫ぶが、野次馬もいるしいい加減終わらせたい。

コイツらは俺達が金を受け取った所を目撃した。

登録してた時も見てたから新人なのはわかってたし、それなら少し脅せば金をよこすとか思って俺達に声をかけたんだろう。


「クソガキが!テメェらさっき金のつまった袋を受け取ってたろ!俺らに寄越せや!」

アホか。こんだけ人が集まってるのに金を寄越せとか、ギルドだってルールがあるだろうし、コイツらもペナルティー受けるんじゃないのか?

頭が悪いのか?

それとも頭に血がのぼりすぎて考えてないのか?

まぁ、間違いなく頭は良くは無いな。


「何で知らない相手に金をやらないといけないんだ?ことわる」

「ああ!?黙って寄越せゴラァ!」

「だから、ことわるって言ったでしょ?頭だけじゃなく耳も悪いのか?」

周りで聞いてる奴等は俺の言葉を聞きゲラゲラ笑っている。

モヒカンズは更に激怒。

3人とも頭の血管が切れそうだ。

「クソガキが!素直に金をよこさねぇなら力ずくで奪うまでだ!」

「力ずく?お前らが出来るのか?」

「この野郎……とことん俺達をナメやがって!俺達はランクDのパーティー血濡れの狂犬ブラッディドックだ!テメェらみたいな駆け出しのFランクのパーティーなんぞ、簡単にぶっ殺してやる!」


モヒカンAが、背中に背負った大斧を手に持ち、頭上から降り下ろしてくる。

それを体を横にしてヒラリとかわす。

その後も立て続けに攻撃されるが、俺は最小限の動きで全てをかわす。

んな大降りの攻撃にあたるわけが無い。

そのまま、攻撃を避け続けてたら直ぐに息を切らし攻撃が止まった。

その重そうな斧を振り回せる事は凄いなとは思う。

使いたいとは思わないけど。

モヒカンBとCも危なくて近付けてないし。


「クソが!なんで当たらねーんだ!」


「そんな遅い大降りの攻撃にあたるわけが無いでしょ?それと勘違いしてるみたいだけど、俺達のランクはCだぞ?」

「はぁ?お前なに言って……」

「イヤ、だからCランクだって言ってるんだけど?」


「嘘を言うなぁ!今日登録したのにCランクになれるわけが無いだろ!」


「あのさ、俺達の持ってきた魔石、あれって『オーク』の魔石なんだけど?お前らにオークを倒せるの?それも20体を」

「お、オークが20体!?嘘を言うな!」

「ギルドカードを見せようか?ほら」

ちなみにギルドカードには、自分の名前とパーティー名そしてランクの【C】の文字がある。

「特例らしいけど、それがCランクになれた理由、納得した?」


ギルドカードを見せても納得出来ないみたいだな。

俺達の実力を見るか自分の身体で?

って言ったら3人とも顔を青くしてギルドから飛び出して行った。

裏切り者AとBハクヨウとコウを残して野次馬達もいなくなっていた。


何かもうどうでも良くなってた俺は宿に戻る事にした。


テンプレって、面倒くさい。


後日、モヒカンズは自主的にギルドカードを返納して町を出たらしい。


    
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