異世界に転生したら?(改)

まさ

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~第1部~第1章、異世界に転生しました。

第6話、命懸けの激闘!

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「ファイヤーアロー!!」

『ピッピー!』

ハクヨウもそれに合わせ風魔法レベル3の風の矢ウィンドアローを放つ、そのまま可能な限り連射していく。


一斉にスピードを上げ俺達に近付いて来たブラックウルフ達に火と風の矢が次々と直撃していく、最早作戦なんてあって無いようなものだ。


そんな余裕は無い。


今までこんな数相手に戦ったこと無い。

とにかく当たれば良い。


それでも魔法の攻撃で4匹のブラックウルフが光になった。

これでだいぶ余裕が出来たハズだ。

油断しなければ、倒しきれるだろう。


「残りは3匹!ハクヨウ気を抜くなよ!」

『ピー!』


相棒の頼もしい雄叫び(?)を聞きつつ、次の攻撃を待つ。


だが、マップを見ると少し離れた所で3匹が合流した様だ。

囲む作戦は止めたのか、3匹でまとまって近付いてくる。

警戒してるのか、スピードはそれほど早くない。



「ハクヨウ気を付けろ、嫌な感じがする」

『ピッ!』

明らかにゴブリンと違い、考えて行動している印象を受ける。

バラバラに数をいかして攻めるより厄介な気がする。

戦闘に対しては素人だが、それくらいは分かる。

出来ればコッチに来ないで逃げ帰って欲しかったが、そう上手くはいかなかったみたいだな。



少し待つと、目の前には2匹のブラックウルフと、その後ろにブラックウルフと明らかに大きさの違うヤツが威圧感を出しながら姿を現した。


思わず息をのむ。

少し震える自分の手を感じながら、意識を無理にでも変える為にスキルを使う。



「鑑定」


【ブラックウルフリーダー】レア度C♂10才


ブラックウルフが進化した固体。

レア度はCだが思考能力が高く、配下のブラックウルフと連係して攻撃をしてくる。

その為に複数いる場合はレア度B相当の危険度になる。




「リーダーか……最初に数を減らせて良かったな……あのままの数で攻められていたら、そうとう厳しかったかな」


そう考えると変な汗が出てくる。


ウルフ達の距離が俺達にまで残り5メートルくらいにまで近付く。

だがウルフ達が足を止める。


数秒か数分か、たぶん数秒なんだろうが長く感じる。

だが、このままにらめっこしてても仕方ないと動く事にした。

あまりウルフ達に考える時間を与えない方が良い気がしたからだ。


息を大きく吸い込むと動き出す。


「ハクヨウいくぞ!」

『ピピ!』


俺は、3匹の周りに火魔法レベル3のファイヤーウォールを展開して動きを封じる。

空いてるのは俺達の正面だけだ。

そこにハクヨウが風魔法レベル4のウィンドカッターを放つ。

ウィンドカッターよりも範囲が広く複数の敵に攻撃が出来る魔法だ。


『ギャン』の鳴き声と共にブラックウルフ2匹が倒れる。

炎の壁に驚きリーダー以外は動けずにいたから以外にアッサリと倒せた。


だが、ブラックウルフリーダーはさすがだった。

魔法をかわし、更にジャンプしてファイヤーウォールから抜け出す。

「チッ!やっぱアイツつえーな!そう簡単には倒されてくれないか!」


ファイヤーアローを放ちながらキングに近付くと同時に足を狙い切りつける。


それをジャンプでかわすリーダー。

だがそれは俺の狙いだ。

空中なら簡単にはかわせないだろ!




「ハクヨウ打て!」

『ピーー!!』

空中で動きが取れないウルフリーダーにハクヨウのウィンドアローが1、2、3発と次々に突き刺さる。

ウルフリーダーは何とか着地するが、大ダメージで足が止まる。


ここだ!


俺は剣に魔力を流し身体強化を使い剣を振る。


「ハァ~!!」

魔力を流し切れ味が増しているハズなのに重い感触が手に伝わってくる。


『グガァアアアァァ!!!』


そのまま力ずくで振り抜くとウルフリーダーの最期の咆哮とともに首が身体から離れウルフリーダーは光の粒となった。


「ハァハァハァ」


息を切らす俺をハクヨウが心配そうに見つめる。

さすがに体力も魔力もギリギリだった。

いや、精神的な方がギリギリだったんだろう。

身体が重く感じる。


「フゥ~~~さすがに駄目かと思った」


深く息を吐き、剣を腰の鞘に納めながらマップを見て他にモンスターがいない事を確認して地面に座り込んだ。


「ハクヨウ大丈夫?ケガは無いか?」


「ピー♪」

と肩に止り俺の頬にすり寄ってくるハクヨウに癒され、やっと緊張感を解く。


「………何とかなったな。でも思ったより戦えた。強く…なってるのかな?」


自分の両手を見つめ呟く。


「鑑定」




マサムネ

テイマー(レベル3)

HP950/800

MP950/480

◇スキル

【剣術】レベル3

【亜空間】レベル3

【身体強化】レベル3

【自動マッピング】 レベル4

【鑑定】レベル3

◇魔法

【火魔法】レベル4

【光魔法】レベル2




「うん、確かに強くなってるな」

レベルや数値が全てでは無いだろうけど、確実に強くなった実感を感じながらハクヨウも鑑定してみる。


「ハクヨウ、鑑定するからな?」

『ピー♪』


「鑑定」



ハクヨウ

HP150/85

MP320/175

◇魔法

【風魔法】レベル5

【土魔法】レベル3






「………ハクヨウ、強くなりすぎじゃない?2倍以上数値が上がっとる」

『ピッピー♪』

ドヤ顔のハクヨウに苦笑いしながら頭を撫でる。



「この世界は命の価値が低いのがわかる。モンスターにいつ襲われたり、盗賊とか魔族とかいるんだろうし、それを考えるとどれだけ日本が恵まれて安全な環境だったのぎわかるな」


命をかけた戦いを経験し実感する。

まだ少し手が震えている。


その後、ブラックウルフの素材を集める。

その時に気付いたんだけど、火魔法を使って森に火がついたんじゃないかと見回したが、火がついた様子は無かった。

試しに草にファイヤーアロー(極小)を撃ってみたが当たった後に霧散した。

最初に試しておけば良かった。

恐らく火を付ける意識を向ければ付くんだろう。

焚き火に使った時は火が付いたしな。



話を戻すが。

ウルフの素材を鑑定してみた。






【ブラックウルフの毛皮】×7


ブラックウルフの毛皮、水弾きも良く丈夫な為、防具や服、ブーツ等に幅広く使われる。


【ブラックウルフの牙】×8


ブラックウルフの牙、加工すれば、力アップ(小)の効果があるアクセサリーになる為、需要がある。


【ブラックウルフリーダーの牙】×2

ブラックウルフリーダーの牙、加工すれば力アップ(中)の効果があるアクセサリーになる為、高く売れる。


【ブラックウルフリーダーの毛皮】


通常のブラックウルフの毛皮の倍近い丈夫さを持つ為、上位ランクの冒険者も愛用する程の貴重な素材、高く売れる。





「数的に必ずドロップするわけじゃ無いんだな、ちょっと残念」


素材を無限収納に入れ休憩がてら昼食を取る。


「ハクヨウ、いっぱい食べろよ~」

モンスターのエサを取り出し与え自分の分も出し食べる。

まだ肉(ウサギ)が残ってたのをパンと一緒に食べた。


最後に水で流し込むと一息つく。

ハクヨウはすでに頭の上で寝てるし……


「さ、もう少し歩くか」


ハクヨウを起こさない様に立ち上がり歩き出す。


「しかし、何時になったら道に出れるのかね?」


少しウンザリしながら歩き続ける。


後で分かる事だが、この森は今いる大陸の中でも上位の危険さと広さを持つ森だった。


ちょっと~女神さん!少し考えて送ってくれよ!と思った俺は悪くないと思う。

今さらだけどさ。





その後、更に3時間ほど歩いた所で暗くなり始めていたので、亜空間のゲートを出して休む事にした。


「さすがに疲れたな、今日は早目に寝よう」


集めた枝に火をつけ1人呟く。


「こんな疲れてる時に地べたに寝たくないし、そろそろ家的な物を作ってみようかな?」

MPは大分、回復してるし。


設定のボードを出し、家、小屋、作業場等の項目を出し、調べていく。


「え~と、ログハウス風の建物がMP消費800っと、えーと、俺のMPは950だから行けるな!」



ログハウスの間取りを見てみる。


___________________


『ログハウス風(2階建て)』

【1F】
リビング20畳、キッチン6畳、風呂、脱衣室、トイレ、寝室10畳、物置

【2F】
寝室8畳×3、物置4畳、トイレ1畳


___________________

「スゲーな、結構なレベルの家なのに……魔法って万能過ぎる。それに俺に分かりやすく何畳って表示だから助かる」

さてと、と気を取り直して実行。


地鳴りと共に、地面が隆起し少しづつ形を形成していく、その振動でハクヨウも目が覚め。

家が出来ていくのを見ている。

そしてだいたい10分後。


俺の大量の魔力を消費した疲労感と共に完成したログハウスを見て、俺とハクヨウは驚き過ぎてしばらく呆然としていのだった。
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