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第2章、破滅に向かう世界。
第5話、戦場を駆け抜ける。
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次の日、俺達が泊まっている宿屋に緊急の知らせが届いた。
朝早く宿屋の扉を勢いよく開けて入ってきた若者、ここのギルドの冒険者だと言う。
そして丁度、朝食を一階の食堂で食べていた俺達を見て、慌てた様子で話し掛けてきた。
「あ、あの!【森林の伊吹】の皆さんですよね!?」
俺がそうだと言うと。
「ギルドマスターに言われて来ました!この町に向かってモンスターの大軍が迫っている後、二時間ほどで到着するだろうとの事です!」
その場に戦慄が走る、伝言を終えた若者は、その場を後にしてギルドへと戻っていった。
俺達は、残った朝食を食べきり装備を装着するとギルドへと走って向かう。
そしてギルドに着き扉を開けると中は冒険者でごった返していた。
そんな中、ギルドマスターは冒険者に指示を出している。
「お前は教会の方に行って……うん?お前達、来たか!」
俺達の姿を見て気か付くと、俺達に手招きをして呼び寄せる。
「伝言は聞いたな?」
「ハイ、聞きました」
「現在、この都市に向かって、数千のモンスターの軍勢が向かっていると偵察に出ていた者が知らせてきた。報告によると恐らく一時間もすれば此方に到着するらしい」
「ここの守りはどうなってますか?」
「現在、まともには動けるのは、この都市の守備隊を含めて冒険者と合わせると、二千が精一杯だな。最初は四千を超すほどの人数が居たんだが、この前の戦闘でな……」
「分かりました。俺達は直ぐに出発して、モンスターの足止めをします。ギルドマスターは、兵力をまとめて守備隊と迎撃部隊を編成して後を追って来てください」
「な!?それだとお主らの負担が大きくなるではないか!」
「大丈夫です。慣れてますから」
ギルドマスターは他のメンバーを見るとコウやリリムも苦笑いしながらも「いつもなので、このリーダーといると」とか言ってたけど……そうかな?
確かに突っ込む事があったけど……ありすぎたかな?
何かスイマセン。
何とか精神的ダメージを回復した俺は、メンバーと一緒にギルドを出る。
防壁の門に到着すると、俺は亜空間からレツガを呼び、熊車を走らせた。
20分ほど走らせた。
前の方にモンスター達の姿が見えてくる。
見渡す限りのモンスター、土埃が舞い異様な光景に見える。
熊車を無限収納に仕舞うと一つ大きく息を吐く、そしてモンスター達をを見据え。
「皆、お客さんを丁重にお迎えしてあげようぜ!」
「おう!」
「はい!」
『早く倒してごはん食べる!』
『グルアアァ!』(殲滅します!)
俺の声に皆も気合いの入った返事が響く。
「良し!俺とリリム、ハクヨウとレツガで、土壁を展開!一歩もここから町に進ませるな!コウは、土壁が出来るまで護衛を頼む!行くぞ!」
「「『了解!』」」
『グルアアァァ!』(いきます!)
コウ以外のメンバーが一斉に魔力練り土壁を作り上げていく、それは数キロに渡り、凄まじい音と振動を出しながらドンドン高く長くなっていく。
さながら万里の長城だな、俺しか分からんだろうけど。
町を拡張する時に散々作ってきた土壁だ。
慣れたもんだな我ながら!(ドヤァ
次々に出来ていく土壁を見ていたモンスター達も、さすがに不味いと思ったのか、土壁を作るのを阻止しようと慌てて足の早い獣魔タイプのモンスターが駆けてくる。
だが、近付く事も出来ずに次々にコウによって瞬殺されている。
数分後、壁の厚さ2メートル、高さは5メートル、そしてその距離は10キロに及ぶ、圧倒的な存在感を出すマジで万里の長城の様な防壁が完成した。
そして、全員がマジックポーションを飲み干し、いつもの配置につく。
俺とコウが前衛、リリムとハクヨウは後衛で、今回は防壁の上に陣取り魔法を放つ。
そしてレツガは、壁に貼り付くモンスターの迎撃にあたる。
俺達の目の前には数えるのも嫌になる位のモンスターが犇めきあっている。
一瞬の静けさが戦場を支配する。
『グルアアァァ!!』
レツガの咆哮が合図となり、戦場が動いた。
レツガの咆哮を受けたモンスターは弱いものは咆哮に耐えきれず気絶して倒れる。
倒れなかったモンスターも結構な数が硬直して動けずにいる。
動けないモンスター達を目掛けてリリムとハクヨウが広域魔法を放っていく。
魔法を掻い潜り接近するモンスターに俺とコウが迎撃に出る。
5対(多分)8000の戦闘が始まった。
数の違いと広さをカバーする為にリリムとハクヨウはわざと両サイドから攻撃を仕掛け真ん中に手を出さない事で、モンスターの進軍を中央に集めている。
そして俺とコウ、レツガは、それから溢れ出してくるモンスターを各個撃破していく。
高ランクのモンスターが今のところいないので、今のところは問題なく迎撃出来ている。
俺とコウは剣に魔力を流し、斬撃をウインドカッターの様に飛ばして一度に複数のモンスターを切り飛ばしていく。
開始して15分、モンスターの数はまだまだ多いが確実に減ってきている。
このまま順調に倒していくと思っていたけど、そうは上手くいかないか。
モンスター達の後方、少し離れた所から明らかにレベルが違う大きな魔力を感じた。
皆も気付いてるみたいだな。
数は『4』恐らく悪魔か下位の魔族だと思う。
ゆっくりと近付いてくる。
俺とコウは迎撃する為に走り出す。
俺は直進しながら斬り倒し進む。
コウを見るとスピードを活かし縦横無尽に駆けている。
モンスターを倒しつつ一番近かった反応に接近すると、そこには前に見た悪魔族の『インプ』がモンスターに指示を出していた。
最早、鑑定するまでも無い。
悪魔族の中でも下位の存在の『レア度A』程しかない。
俺は一瞬でインプへと駆け寄り剣の一閃を放つ。
インプがそれに反応し何かしようとしていたが、もう斬った後だ。
そのまま今回も一瞬で倒れる。
どうやらコウも1体倒したみたいだな、魔力が一つ消えている。
残り2体。
その内の1体に向け俺は再び走り出す。
こうして城塞都市『ウェストレイド』の攻防、第二戦が始まったのだった。
朝早く宿屋の扉を勢いよく開けて入ってきた若者、ここのギルドの冒険者だと言う。
そして丁度、朝食を一階の食堂で食べていた俺達を見て、慌てた様子で話し掛けてきた。
「あ、あの!【森林の伊吹】の皆さんですよね!?」
俺がそうだと言うと。
「ギルドマスターに言われて来ました!この町に向かってモンスターの大軍が迫っている後、二時間ほどで到着するだろうとの事です!」
その場に戦慄が走る、伝言を終えた若者は、その場を後にしてギルドへと戻っていった。
俺達は、残った朝食を食べきり装備を装着するとギルドへと走って向かう。
そしてギルドに着き扉を開けると中は冒険者でごった返していた。
そんな中、ギルドマスターは冒険者に指示を出している。
「お前は教会の方に行って……うん?お前達、来たか!」
俺達の姿を見て気か付くと、俺達に手招きをして呼び寄せる。
「伝言は聞いたな?」
「ハイ、聞きました」
「現在、この都市に向かって、数千のモンスターの軍勢が向かっていると偵察に出ていた者が知らせてきた。報告によると恐らく一時間もすれば此方に到着するらしい」
「ここの守りはどうなってますか?」
「現在、まともには動けるのは、この都市の守備隊を含めて冒険者と合わせると、二千が精一杯だな。最初は四千を超すほどの人数が居たんだが、この前の戦闘でな……」
「分かりました。俺達は直ぐに出発して、モンスターの足止めをします。ギルドマスターは、兵力をまとめて守備隊と迎撃部隊を編成して後を追って来てください」
「な!?それだとお主らの負担が大きくなるではないか!」
「大丈夫です。慣れてますから」
ギルドマスターは他のメンバーを見るとコウやリリムも苦笑いしながらも「いつもなので、このリーダーといると」とか言ってたけど……そうかな?
確かに突っ込む事があったけど……ありすぎたかな?
何かスイマセン。
何とか精神的ダメージを回復した俺は、メンバーと一緒にギルドを出る。
防壁の門に到着すると、俺は亜空間からレツガを呼び、熊車を走らせた。
20分ほど走らせた。
前の方にモンスター達の姿が見えてくる。
見渡す限りのモンスター、土埃が舞い異様な光景に見える。
熊車を無限収納に仕舞うと一つ大きく息を吐く、そしてモンスター達をを見据え。
「皆、お客さんを丁重にお迎えしてあげようぜ!」
「おう!」
「はい!」
『早く倒してごはん食べる!』
『グルアアァ!』(殲滅します!)
俺の声に皆も気合いの入った返事が響く。
「良し!俺とリリム、ハクヨウとレツガで、土壁を展開!一歩もここから町に進ませるな!コウは、土壁が出来るまで護衛を頼む!行くぞ!」
「「『了解!』」」
『グルアアァァ!』(いきます!)
コウ以外のメンバーが一斉に魔力練り土壁を作り上げていく、それは数キロに渡り、凄まじい音と振動を出しながらドンドン高く長くなっていく。
さながら万里の長城だな、俺しか分からんだろうけど。
町を拡張する時に散々作ってきた土壁だ。
慣れたもんだな我ながら!(ドヤァ
次々に出来ていく土壁を見ていたモンスター達も、さすがに不味いと思ったのか、土壁を作るのを阻止しようと慌てて足の早い獣魔タイプのモンスターが駆けてくる。
だが、近付く事も出来ずに次々にコウによって瞬殺されている。
数分後、壁の厚さ2メートル、高さは5メートル、そしてその距離は10キロに及ぶ、圧倒的な存在感を出すマジで万里の長城の様な防壁が完成した。
そして、全員がマジックポーションを飲み干し、いつもの配置につく。
俺とコウが前衛、リリムとハクヨウは後衛で、今回は防壁の上に陣取り魔法を放つ。
そしてレツガは、壁に貼り付くモンスターの迎撃にあたる。
俺達の目の前には数えるのも嫌になる位のモンスターが犇めきあっている。
一瞬の静けさが戦場を支配する。
『グルアアァァ!!』
レツガの咆哮が合図となり、戦場が動いた。
レツガの咆哮を受けたモンスターは弱いものは咆哮に耐えきれず気絶して倒れる。
倒れなかったモンスターも結構な数が硬直して動けずにいる。
動けないモンスター達を目掛けてリリムとハクヨウが広域魔法を放っていく。
魔法を掻い潜り接近するモンスターに俺とコウが迎撃に出る。
5対(多分)8000の戦闘が始まった。
数の違いと広さをカバーする為にリリムとハクヨウはわざと両サイドから攻撃を仕掛け真ん中に手を出さない事で、モンスターの進軍を中央に集めている。
そして俺とコウ、レツガは、それから溢れ出してくるモンスターを各個撃破していく。
高ランクのモンスターが今のところいないので、今のところは問題なく迎撃出来ている。
俺とコウは剣に魔力を流し、斬撃をウインドカッターの様に飛ばして一度に複数のモンスターを切り飛ばしていく。
開始して15分、モンスターの数はまだまだ多いが確実に減ってきている。
このまま順調に倒していくと思っていたけど、そうは上手くいかないか。
モンスター達の後方、少し離れた所から明らかにレベルが違う大きな魔力を感じた。
皆も気付いてるみたいだな。
数は『4』恐らく悪魔か下位の魔族だと思う。
ゆっくりと近付いてくる。
俺とコウは迎撃する為に走り出す。
俺は直進しながら斬り倒し進む。
コウを見るとスピードを活かし縦横無尽に駆けている。
モンスターを倒しつつ一番近かった反応に接近すると、そこには前に見た悪魔族の『インプ』がモンスターに指示を出していた。
最早、鑑定するまでも無い。
悪魔族の中でも下位の存在の『レア度A』程しかない。
俺は一瞬でインプへと駆け寄り剣の一閃を放つ。
インプがそれに反応し何かしようとしていたが、もう斬った後だ。
そのまま今回も一瞬で倒れる。
どうやらコウも1体倒したみたいだな、魔力が一つ消えている。
残り2体。
その内の1体に向け俺は再び走り出す。
こうして城塞都市『ウェストレイド』の攻防、第二戦が始まったのだった。
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