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~第2部~第1章、加速する敵意
第15話、世界の終わりの始まり。
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亜空間に籠る事、二週間。俺達はやっとオッサン相手に一本とれる様になっていた。
まぁ五回闘っての一本だけど………
改めてオッサンと訓練して分かったが、前にも言ったけど俺達はステータスその物は高いのだが技術がそれに伴っていなかった。
例えば俺は、剣術のスキルは持っているが体が剣術の動きに適していなかった。
だから素人に毛が生えた程度の剣術でしかなくスキルに頼っていただけだった。
だから本当に強い相手には通用しなかったしな。
この二週間、オッサンの指導を受け体も剣術に適応する様になって、自分が思っている様な動きをスムーズに出来るようになった。
前は剣術のスキルに振り回されていたと言う事が身に染みて感じた。
何事も基本は大事、と言うことだな
その日も、いつもの通りオッサンとの訓練をして休憩をしていた時だった。
オッサンが、何かに反応する。
『ん?何かが町に向かって移動しておるな……しかも数が多い……モンスターかの?』
「オッサン本当か!?」
相変わらず亜空間の中からの索敵、ブッ壊れてる性能だな。
俺は直ぐに亜空間から飛び出るとマップを展開して反応を見る。
「これは……………」
反応は既に町まで2㎞まで迫っている、しかも敵反応の赤、数は少なくても数百程が……違う!まだまだ増えている!
そこにコウ、リリム、ハクヨウ、レツガが俺を追いかけて来た。
「マサムネさんどうしたんですか?」
リリムが聞いてきたのでライオウから聞いた事。
俺がマップで確認した事を皆に話していく。
「本当でゴザルか!?」
「マサムネさんどうしますか?」
『マスター僕が町に知らせてくるね!』
「ハクヨウ頼む!残りはこのまま迎撃に向かう。行くぞ!」
ハクヨウはすぐに飛び立っていった。
それを見送ると俺達は、モンスターが来る方向に向かう。
しばらく走って移動していると、その姿が 見えて来た。
「あれか?」
辺り一面、モンスターで埋め尽くされて土煙も広範囲で舞っていた。
モンスターを見回すと、ゴブリンやオーク、そしてオーガやゴーレム等の低ランクから中ランクのモンスターが殆んどを占めている。
「これは………壮観だな」
俺が呟くと、皆もモンスターを呆気に取られながら見ている。
「さぁ、このまま見てるわけにもいかないし、お仕事しますか!大掃除のな!」
「「了解!」」
『グルアアア!!』(殲滅します!!)
俺とコウが前線に突っこみ、レツガはリリムを守りながらの迎撃になる。
先制とばかりに全員で範囲魔法を広範囲に放つ。
どこに撃っても当たる位にモンスターで溢れ返っているから、いつも以上に魔法を撃つのが楽しく感じる。
不謹慎かもだけど。
そこら中から轟音と衝撃波が鳴り響き、モンスターが木っ端微塵になっていく。
目の前は魔法の影響で結構高い位置まで土煙が舞って、視界は殆ど無い。
土煙が晴れるのを待つわけには行かないので、俺とリリムが風魔法で土煙を吹き飛ばすと、そこには魔法で吹き飛ばしたはずなのに依然としてモンスターがひしめき合っていた。
「マジかよ?どんだけ居るんだ?」
「強いモンスターは居ないでゴザルが、数が数だけに、やっかいでゴザルな!」
「マサムネさん!どんどん行きましょう!」
リリムさんが、好戦的になっとります。
そこからは、俺とコウが剣で敵を斬り飛ばし、そこから抜けたモンスターは、レツガが粉砕していく。
そしてリリムは、後方のモンスターから爆撃している。
手前のゴブリン達、雑魚モンスターが減ってくると今度は、サイクロプスやオーガの上位種のオーガジェネラルやオーガキング等の大型モンスターが打ち寄せてくる。
俺とコウは、武器に魔力を流し、広範囲の魔力刃を打ち出し片っ端から切り刻んで行く。
「えーーーーい!」とリリムは可愛い声を出しながらドゴーン!ドゴーン!とモンスターを吹っ飛ばしている……声とや(殺)っている事が合ってません。
その時、レツガの脇を抜けリリムに接近するオーガジェネラル、突然の事で誰も反応出来ずにリリムにオーガジェネラルの3メートルはありそうな大剣が降り下ろされた。
「リリム!!」
俺は身体強化とウィンドアクセルでブーストをかけ、リリムの元へと急ぐが、もう間に合わない。
リリムも目を瞑りしゃがみ込む。
もう駄目か!?と思った時。
『ピーーー!』
と声が響き渡りオーガジェネラルが強風によって吹き飛ばされていった。
そうハクヨウが町から戻ってきたのだ。
相変わらず、良いところを持っていくヤツだな。
毎回、助かってるけども。
遅れてきた鬱憤を晴らすように、ハクヨウは次々にモンスターを風魔法で斬り刻んでいく。
それまで均衡状態だった戦局から、俺達が押し戻すまでに好転しだした。
「ハクヨウ、良くリリムを守った!後で御馳走を用意してやるからな!」
『マスター本当に?やった~♪』
「とっとと済まして、亜空間で宴会するぞ!」
『ワーーイ♪よーーし!だったら早くアイツらを追い返さないとね!』
遠足にでも行きそうなテンションで、モンスターの方に飛び出すハクヨウ、右に左にとモンスター達を翻弄していく。
俺はそれを見ながらリリムの元へと行き声を掛ける。
「リリム大丈夫か?怪我は?」
少し恐怖で震えているが怪我は無いようで安心した。
少し後方に下がるように言うがリリムは首を横に振り。
「もう大丈夫です!行きます!」
俺は胸の前に両手を握り気合いを入れるリリムを見て思わず笑ってしまう。
「無理するなよ?」
そう言ってリリムの頭をポンポン軽く叩き、再び前線に向かった。
コウの話だと、その時リリムは顔を真っ赤にしてニヤニヤしていたとか。
まぁ、セクハラとか言われなくて安心したけどね。
その後、暫く俺達は戦線を維持してはいたが、まったく減らないモンスターにジリジリと押され出していた。
「いくらなんでも数が多いな」
「体が幾らあっても足りないでゴザル」
「魔力が残り少ないです~」
『マスター!どーしよお腹すいた!』
『グルルル!』(まだまだいけます!)
モンスターは、それほど強くないにしても、数が違いすぎてどうしても一人一人の負担は大きくなる。
既に俺達は肉体だけでは無く、精神的にも疲労が溜まっていた。
だが、俺達がここを通してしまうと町が襲われる。
この数に襲われたら、いくら冒険者や領主の守備隊がいても被害は大きくなるだろう。
全滅だってありえる。
ここでの戦闘で、すでに1000体は余裕で超える位は倒しているが、まだまだモンスターは押し寄せてくる。
そんな中、遂に俺達の防衛戦を突破するグループが出てきてしまった。
「しまった!」
何とか防ごうと動こうとするものの、モンスターに囲まれ思うようには進めない。
他のメンバーもそうだった。
「どけぇー!」
剣を横凪ぎで振り、モンスターを断ち切って道を作ろうとしても、後続が来てまた塞がれると言う悪循環に陥っている。
町が襲われる。と焦る気持ちが逸り思うように戦えていない。
その時、モンスターのグループが向かった先の方から争うような音が聞こえた。
俺は何が起こったのかと視線を向けると、そこにはガーディッシュの冒険者達がモンスターを相手に戦闘を行っていたのだ。
「え?まさか……」俺は少し戸惑うも幻覚とかでは無い、確かに多くの姿が見える。
この数ヵ月間、強くなろうと足掻いていたのは俺達だけでは無かった。
自分の町を自分の手で守る!と冒険者達は必死に強くなる為に頑張ってきた。
その戦う姿を見て疲れが吹っ飛び、力が溢れている気がする。
想いが力になる!
◇
こうして始まったモンスターの侵略は、この町だけでは無く世界中で同時に始まっていた。
そしてその後、約1ヶ月で世界の1/3が魔王軍によって蹂躙されてしまう。
この日、この世界『オルファリア』で歴史上、過去最大規模になる魔王軍による戦乱の幕開けとなるのだった。
~第二部、第一章、『完』~
まぁ五回闘っての一本だけど………
改めてオッサンと訓練して分かったが、前にも言ったけど俺達はステータスその物は高いのだが技術がそれに伴っていなかった。
例えば俺は、剣術のスキルは持っているが体が剣術の動きに適していなかった。
だから素人に毛が生えた程度の剣術でしかなくスキルに頼っていただけだった。
だから本当に強い相手には通用しなかったしな。
この二週間、オッサンの指導を受け体も剣術に適応する様になって、自分が思っている様な動きをスムーズに出来るようになった。
前は剣術のスキルに振り回されていたと言う事が身に染みて感じた。
何事も基本は大事、と言うことだな
その日も、いつもの通りオッサンとの訓練をして休憩をしていた時だった。
オッサンが、何かに反応する。
『ん?何かが町に向かって移動しておるな……しかも数が多い……モンスターかの?』
「オッサン本当か!?」
相変わらず亜空間の中からの索敵、ブッ壊れてる性能だな。
俺は直ぐに亜空間から飛び出るとマップを展開して反応を見る。
「これは……………」
反応は既に町まで2㎞まで迫っている、しかも敵反応の赤、数は少なくても数百程が……違う!まだまだ増えている!
そこにコウ、リリム、ハクヨウ、レツガが俺を追いかけて来た。
「マサムネさんどうしたんですか?」
リリムが聞いてきたのでライオウから聞いた事。
俺がマップで確認した事を皆に話していく。
「本当でゴザルか!?」
「マサムネさんどうしますか?」
『マスター僕が町に知らせてくるね!』
「ハクヨウ頼む!残りはこのまま迎撃に向かう。行くぞ!」
ハクヨウはすぐに飛び立っていった。
それを見送ると俺達は、モンスターが来る方向に向かう。
しばらく走って移動していると、その姿が 見えて来た。
「あれか?」
辺り一面、モンスターで埋め尽くされて土煙も広範囲で舞っていた。
モンスターを見回すと、ゴブリンやオーク、そしてオーガやゴーレム等の低ランクから中ランクのモンスターが殆んどを占めている。
「これは………壮観だな」
俺が呟くと、皆もモンスターを呆気に取られながら見ている。
「さぁ、このまま見てるわけにもいかないし、お仕事しますか!大掃除のな!」
「「了解!」」
『グルアアア!!』(殲滅します!!)
俺とコウが前線に突っこみ、レツガはリリムを守りながらの迎撃になる。
先制とばかりに全員で範囲魔法を広範囲に放つ。
どこに撃っても当たる位にモンスターで溢れ返っているから、いつも以上に魔法を撃つのが楽しく感じる。
不謹慎かもだけど。
そこら中から轟音と衝撃波が鳴り響き、モンスターが木っ端微塵になっていく。
目の前は魔法の影響で結構高い位置まで土煙が舞って、視界は殆ど無い。
土煙が晴れるのを待つわけには行かないので、俺とリリムが風魔法で土煙を吹き飛ばすと、そこには魔法で吹き飛ばしたはずなのに依然としてモンスターがひしめき合っていた。
「マジかよ?どんだけ居るんだ?」
「強いモンスターは居ないでゴザルが、数が数だけに、やっかいでゴザルな!」
「マサムネさん!どんどん行きましょう!」
リリムさんが、好戦的になっとります。
そこからは、俺とコウが剣で敵を斬り飛ばし、そこから抜けたモンスターは、レツガが粉砕していく。
そしてリリムは、後方のモンスターから爆撃している。
手前のゴブリン達、雑魚モンスターが減ってくると今度は、サイクロプスやオーガの上位種のオーガジェネラルやオーガキング等の大型モンスターが打ち寄せてくる。
俺とコウは、武器に魔力を流し、広範囲の魔力刃を打ち出し片っ端から切り刻んで行く。
「えーーーーい!」とリリムは可愛い声を出しながらドゴーン!ドゴーン!とモンスターを吹っ飛ばしている……声とや(殺)っている事が合ってません。
その時、レツガの脇を抜けリリムに接近するオーガジェネラル、突然の事で誰も反応出来ずにリリムにオーガジェネラルの3メートルはありそうな大剣が降り下ろされた。
「リリム!!」
俺は身体強化とウィンドアクセルでブーストをかけ、リリムの元へと急ぐが、もう間に合わない。
リリムも目を瞑りしゃがみ込む。
もう駄目か!?と思った時。
『ピーーー!』
と声が響き渡りオーガジェネラルが強風によって吹き飛ばされていった。
そうハクヨウが町から戻ってきたのだ。
相変わらず、良いところを持っていくヤツだな。
毎回、助かってるけども。
遅れてきた鬱憤を晴らすように、ハクヨウは次々にモンスターを風魔法で斬り刻んでいく。
それまで均衡状態だった戦局から、俺達が押し戻すまでに好転しだした。
「ハクヨウ、良くリリムを守った!後で御馳走を用意してやるからな!」
『マスター本当に?やった~♪』
「とっとと済まして、亜空間で宴会するぞ!」
『ワーーイ♪よーーし!だったら早くアイツらを追い返さないとね!』
遠足にでも行きそうなテンションで、モンスターの方に飛び出すハクヨウ、右に左にとモンスター達を翻弄していく。
俺はそれを見ながらリリムの元へと行き声を掛ける。
「リリム大丈夫か?怪我は?」
少し恐怖で震えているが怪我は無いようで安心した。
少し後方に下がるように言うがリリムは首を横に振り。
「もう大丈夫です!行きます!」
俺は胸の前に両手を握り気合いを入れるリリムを見て思わず笑ってしまう。
「無理するなよ?」
そう言ってリリムの頭をポンポン軽く叩き、再び前線に向かった。
コウの話だと、その時リリムは顔を真っ赤にしてニヤニヤしていたとか。
まぁ、セクハラとか言われなくて安心したけどね。
その後、暫く俺達は戦線を維持してはいたが、まったく減らないモンスターにジリジリと押され出していた。
「いくらなんでも数が多いな」
「体が幾らあっても足りないでゴザル」
「魔力が残り少ないです~」
『マスター!どーしよお腹すいた!』
『グルルル!』(まだまだいけます!)
モンスターは、それほど強くないにしても、数が違いすぎてどうしても一人一人の負担は大きくなる。
既に俺達は肉体だけでは無く、精神的にも疲労が溜まっていた。
だが、俺達がここを通してしまうと町が襲われる。
この数に襲われたら、いくら冒険者や領主の守備隊がいても被害は大きくなるだろう。
全滅だってありえる。
ここでの戦闘で、すでに1000体は余裕で超える位は倒しているが、まだまだモンスターは押し寄せてくる。
そんな中、遂に俺達の防衛戦を突破するグループが出てきてしまった。
「しまった!」
何とか防ごうと動こうとするものの、モンスターに囲まれ思うようには進めない。
他のメンバーもそうだった。
「どけぇー!」
剣を横凪ぎで振り、モンスターを断ち切って道を作ろうとしても、後続が来てまた塞がれると言う悪循環に陥っている。
町が襲われる。と焦る気持ちが逸り思うように戦えていない。
その時、モンスターのグループが向かった先の方から争うような音が聞こえた。
俺は何が起こったのかと視線を向けると、そこにはガーディッシュの冒険者達がモンスターを相手に戦闘を行っていたのだ。
「え?まさか……」俺は少し戸惑うも幻覚とかでは無い、確かに多くの姿が見える。
この数ヵ月間、強くなろうと足掻いていたのは俺達だけでは無かった。
自分の町を自分の手で守る!と冒険者達は必死に強くなる為に頑張ってきた。
その戦う姿を見て疲れが吹っ飛び、力が溢れている気がする。
想いが力になる!
◇
こうして始まったモンスターの侵略は、この町だけでは無く世界中で同時に始まっていた。
そしてその後、約1ヶ月で世界の1/3が魔王軍によって蹂躙されてしまう。
この日、この世界『オルファリア』で歴史上、過去最大規模になる魔王軍による戦乱の幕開けとなるのだった。
~第二部、第一章、『完』~
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