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ー序章ー
-蝶の誘(いざな)い-
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~悪魔なメイド(メニュミ)~私に全て任せなさい。~
No.0001
-序章-
-蝶の誘い-
ここは、ヨーロッパのアルプス。
季節は、春。
湖の湖面にアルプスの山が映っている。
周りには緑の草原の絨毯が引かれている。
そこに少年と老年の紳士がいる。
老年の紳士は、スーツでビシッと決め革靴をはいた白髪の男性である。
登山には、到底向かない服装をしている。
少年は、7歳ぐらい。
紺のジャケットと長ズボンを着ている。
背中に緑の登山用のリックサックを担いで、
手には、昆虫採取用の網を持っている。
日本から持ってきたもので柄が竹で出来ている。
日本でもいろいろな山に蝶を探しに出かけていた。
「ここにあの幻の蝶が現れるって聞いて来たのに。
僕たちはどれくらの時間を探した?
爺。そうとう奥まで来たね。
蝶はいないな」
少年は、悔しそうに老年の男性に話しかける。
少年の名前は、『水口 大和(みずぐち やまと)』日本の隠れた大財閥水口グループの御曹司である。
しかし、表の歴史には、その名前はない。
老年の男は、その少年の執事(セジェス)である。
「そうで御座いますな。
蝶が現れる時間があるのではないですか。
日の光のかげんとかが何かを意味してるとかはございませんか?
冒険小説の読みすぎでしょうか。
もう少し山を登ってみましょう」
少年の探している蝶は、『マゼンタ虚空痣あげ蝶(マゼンタコクウアザアゲチョウ)』。
珍しい蝶で魔力をもつと言われていた。
蝶の羽には、紫のあざがある。
高山に現れるので虚空蝶とも呼ばれる。
アルプスに日が沈かけて、
辺りがピンクに染まる。
夕焼けの中に遠くに蝶の影が浮かんだ。
大和少年は、走り出す。
爺も追いかけ走る。
爺は、済でで追いつき少年の腕を「ガシッ」と掴んだ。
「危のう御座いました」
大和少年は、足元を見た。
切り立った崖に踏み出しかけていた。
もう一歩で崖から落ちるところだった。
蝶は、ひらひらと崖の底に降りてゆく。
底に何かの青い花が見える。
そこにその蝶々はとまった。
「何か横に影が横たわっているように見えるよ」
小年と爺は、目を凝らした。
「誰が倒れている。
爺。どうすればいい。
助けなくては」
「そうしましょう。
降りますよ」
爺は、どこからかロープを出し、
崖に杭で打ち付けた。
そして、ロープをたらし、
靴を崖に突き刺した。
爺の靴は、ただの革靴ではなかった。
靴の底は、スパイク状に鉄の金属の留め金が出ていた。
「大和様は、どうなさいますか?」
「爺。先にいけ。
俺は、後から降りる」
爺は、飛ぶように降りて行った。
大和少年は、ロープを体に回しながらゆっくり降りてゆく。
爺は、崖の底に着いた。
崖の底は、言い過ぎました。(筆者の声)
崖の中腹にある少し出っ張つた棚です。
そこに、蝶と女性の姿がある。
女性は、なぜかメイドの姿である。
詳しい容姿は、次回に述べます。(筆者の声)
その傍らに木の皮で編んだバスケットが置かれている。
蝶は、依然と青い花にとまっていた。
蜜でも吸っているのだろう。
(女性は、どうやって降りたなのか?)
爺は、慎重に観察した。
声が響く。
「生きてるの?」
少年が待ちきれずに大声をだしたのである。
爺は、女性の喉の脈に手の指をあてた。
「脈が御座いません。
心肺が停止しております」
「ぎゃぁう。ぎゃぁう」
バスケットから赤ちゃんの泣き声がする。
泣き声と言うより、何かを話しかけようとしたのかもしれない。
「赤ちゃんが居ります。
生きていらしゃいます」
爺は、喜びのあまり叫んだ。
少年も棚に到着し、駆け寄る。
小年は女性を凝視して、
「ほんとうに死んでいるのですか?」
毅然として敬意を込めて言った。
小年がそう言ったわけは、女性の顔が生きている様に綺麗だったからである。
そして、手を合わせる。
「さようで御座います」
「ぎゃううぅ」
少年は、泣き声のする横のバスケットを開ける。
肌かの赤ちゃんがタオルに包まれている。
「すべすべしたピンクの肌。
髪がくるくる巻いてキュートだね。
胸に何かとまっている」
少し考えて目を凝らしよく見る。
(魔法?)
「あ!蝶のあざ!」
小年は、青い花にとまっていた蝶を見返した。
もう、そこに蝶はいなかった。
「残念。
蝶は、逃げたね」
爺は、励ますように言う。
「坊ちゃま、嘆くことはありません。
一つの命を救ったではありませんか。
安心なさいませ。
蝶の写真は、撮りましたで御座います」
爺は、少年にカメラの画面を見せた。
「そうなのか。
それは、良かった。
一つの誘いだ。
よし」
小年は、得心した。
爺は、携帯を取り出しアルペンの救助隊に連絡した。
つづく。
※この物語はフィクションです。人物、団体名、地名はは実在の名称とは関係ありません。
何か漫画のシナリオ書いてるみたいになりました。ごめんなさい。
No.0001
-序章-
-蝶の誘い-
ここは、ヨーロッパのアルプス。
季節は、春。
湖の湖面にアルプスの山が映っている。
周りには緑の草原の絨毯が引かれている。
そこに少年と老年の紳士がいる。
老年の紳士は、スーツでビシッと決め革靴をはいた白髪の男性である。
登山には、到底向かない服装をしている。
少年は、7歳ぐらい。
紺のジャケットと長ズボンを着ている。
背中に緑の登山用のリックサックを担いで、
手には、昆虫採取用の網を持っている。
日本から持ってきたもので柄が竹で出来ている。
日本でもいろいろな山に蝶を探しに出かけていた。
「ここにあの幻の蝶が現れるって聞いて来たのに。
僕たちはどれくらの時間を探した?
爺。そうとう奥まで来たね。
蝶はいないな」
少年は、悔しそうに老年の男性に話しかける。
少年の名前は、『水口 大和(みずぐち やまと)』日本の隠れた大財閥水口グループの御曹司である。
しかし、表の歴史には、その名前はない。
老年の男は、その少年の執事(セジェス)である。
「そうで御座いますな。
蝶が現れる時間があるのではないですか。
日の光のかげんとかが何かを意味してるとかはございませんか?
冒険小説の読みすぎでしょうか。
もう少し山を登ってみましょう」
少年の探している蝶は、『マゼンタ虚空痣あげ蝶(マゼンタコクウアザアゲチョウ)』。
珍しい蝶で魔力をもつと言われていた。
蝶の羽には、紫のあざがある。
高山に現れるので虚空蝶とも呼ばれる。
アルプスに日が沈かけて、
辺りがピンクに染まる。
夕焼けの中に遠くに蝶の影が浮かんだ。
大和少年は、走り出す。
爺も追いかけ走る。
爺は、済でで追いつき少年の腕を「ガシッ」と掴んだ。
「危のう御座いました」
大和少年は、足元を見た。
切り立った崖に踏み出しかけていた。
もう一歩で崖から落ちるところだった。
蝶は、ひらひらと崖の底に降りてゆく。
底に何かの青い花が見える。
そこにその蝶々はとまった。
「何か横に影が横たわっているように見えるよ」
小年と爺は、目を凝らした。
「誰が倒れている。
爺。どうすればいい。
助けなくては」
「そうしましょう。
降りますよ」
爺は、どこからかロープを出し、
崖に杭で打ち付けた。
そして、ロープをたらし、
靴を崖に突き刺した。
爺の靴は、ただの革靴ではなかった。
靴の底は、スパイク状に鉄の金属の留め金が出ていた。
「大和様は、どうなさいますか?」
「爺。先にいけ。
俺は、後から降りる」
爺は、飛ぶように降りて行った。
大和少年は、ロープを体に回しながらゆっくり降りてゆく。
爺は、崖の底に着いた。
崖の底は、言い過ぎました。(筆者の声)
崖の中腹にある少し出っ張つた棚です。
そこに、蝶と女性の姿がある。
女性は、なぜかメイドの姿である。
詳しい容姿は、次回に述べます。(筆者の声)
その傍らに木の皮で編んだバスケットが置かれている。
蝶は、依然と青い花にとまっていた。
蜜でも吸っているのだろう。
(女性は、どうやって降りたなのか?)
爺は、慎重に観察した。
声が響く。
「生きてるの?」
少年が待ちきれずに大声をだしたのである。
爺は、女性の喉の脈に手の指をあてた。
「脈が御座いません。
心肺が停止しております」
「ぎゃぁう。ぎゃぁう」
バスケットから赤ちゃんの泣き声がする。
泣き声と言うより、何かを話しかけようとしたのかもしれない。
「赤ちゃんが居ります。
生きていらしゃいます」
爺は、喜びのあまり叫んだ。
少年も棚に到着し、駆け寄る。
小年は女性を凝視して、
「ほんとうに死んでいるのですか?」
毅然として敬意を込めて言った。
小年がそう言ったわけは、女性の顔が生きている様に綺麗だったからである。
そして、手を合わせる。
「さようで御座います」
「ぎゃううぅ」
少年は、泣き声のする横のバスケットを開ける。
肌かの赤ちゃんがタオルに包まれている。
「すべすべしたピンクの肌。
髪がくるくる巻いてキュートだね。
胸に何かとまっている」
少し考えて目を凝らしよく見る。
(魔法?)
「あ!蝶のあざ!」
小年は、青い花にとまっていた蝶を見返した。
もう、そこに蝶はいなかった。
「残念。
蝶は、逃げたね」
爺は、励ますように言う。
「坊ちゃま、嘆くことはありません。
一つの命を救ったではありませんか。
安心なさいませ。
蝶の写真は、撮りましたで御座います」
爺は、少年にカメラの画面を見せた。
「そうなのか。
それは、良かった。
一つの誘いだ。
よし」
小年は、得心した。
爺は、携帯を取り出しアルペンの救助隊に連絡した。
つづく。
※この物語はフィクションです。人物、団体名、地名はは実在の名称とは関係ありません。
何か漫画のシナリオ書いてるみたいになりました。ごめんなさい。
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