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  【豊御食炊屋大王】にとって【大王位】などは、二の次、三の次であって、最大の野望は【次期大王】の正妃に、自らの息女【貝蛸姫】をえることにあった。

当初、【貝蛸姫】は我が儘で、【厩戸】より2歳年上だったがため、【厩戸】が妃として、貰ってくれるなら、第二夫人でも良しとしていたのだった。

この縁談話を【太子】の宮に、持って行こうとした、まさにその日、先方から、まさかの【大王位】就任要請が舞い降りたのだった。


  『太子伝歴』によると、「【王太后】は女の身で政治のことはよくわからないし、前例も無いことだし、再三再四、辞退された」と、ある。
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