博学英才の【太子】と、【日御子】の超常能力を受け継いだ【刀自古姫御子】

第８章 【蘇我家】の重臣で、帰化人部曲の長【漢直駒】、【馬子】の気持ちを忖度して、【大王】を暗殺す！！

〔１１８〕【漢駒】は【大王暗殺犯】として、処刑される！

　　　【漢駒】は【大王弑逆犯】として、１０日間拘置の後、斬首の刑に処せられた。

当初、【太子】を始め重臣や王族の大半は、【大王】の『大猪斬首発言』を伝え聞いた【馬子】が先手を打って、【蘇我家】の陪臣である【漢駒】をして【大王】を暗殺せしめた、と思い込んでいた。

【日本書紀】にも、高校の日本史参考書にも、【馬子】は天皇（大王）を暗殺しても、罪に問われない程の大権力者であった、とある！


　　この千年以上、正しいとされてきた【通説】に、風穴を開けるような【異説】が、２１世紀になって少数ながら出現した！

【丁未の乱】で【物部守屋】を射殺した【迹見赤檮トミノイチイ】が新羅からの帰化人であるが故の恩賞授与中止事件や、大猪斬首発言で、主君【馬子】の気持ちを忖度ソンタクして【大王暗殺】した、というのは少々無理がある。

また、【馬子】自身にとっては、【大王】は政敵である前に、娘婿である。

その娘婿を【大王弑逆犯】という汚名を着てまで、暗殺に、踏みきるだろうか！

【馬子】程の権力者ならば、暗殺せずとも、【大王退位】に追い込む方がはるかに容易であろう。


　　【漢駒】は幼少時から、幼なじみの【河上郎女】と将来を誓い合った仲であり、【王后】となってからも、忘れられず、奪い返そうとして、【王宮】に忍び込み、【王后】と手に手を取ったところ、【大王】に見咎トガめられてしまった！

やむを得ず、手傷を負わそうとして、誤って殺してしまった。


　　勿論、これは私見であり、一つの【説】である。