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  第7章 587年 8月2日 【泊瀬部若雀王子】の【大王位即位】の儀が挙行された!

 〔96〕【泊瀬部大王】は【馬子大臣】に対して、政治的信条の違いから来る圧迫感や個人的恨みが次第に蓄積していった!  

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  【大王】は、同母兄の【穴穂部王子】暗殺の真相を知らされてはいなかった。

というより知る由もなかったのである。

【穴穂部王子】は【用明大王弑逆】の主犯として、粛正されたのである。

実行犯は【佐伯連】、【土師連】、【的臣】の3人ではあるが、命令したのは【炊屋王太后】である。

更に、【厩戸王太子】、【蘇我馬子大臣】は共謀共同正犯である。


  本来なら、【大王弑逆】犯は一族一門全員処刑される訳であるが、そうなると、主犯の実弟である【泊瀬部】現大王は処刑されていたことになる。

共謀共同正犯の【物部】、【中臣】一族にまで累が及ぶことになり、【朝廷】の屋台骨が揺らぎかねない、との【太子】の判断で、【用明大王弑逆事犯】は内密にされたのである。


  そういう訳で【大王】は実兄の【穴穂部】暗殺の黒幕は【馬子大臣】であると推察し、年数の経過と共に確信へと、変貌を遂げたのである。

【厩戸】に対しては、共同正犯とは露ほども疑わず、自分を【大王位】に推挙してくれた恩人として、むしろ感謝して、愚痴をこぼせる唯一の相手と、見なしているほどである。
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