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  第6章 587年『衣摺の戦い』において、【物部守屋】討ち取られ、ここに【物部本宗家】滅亡す!

 〔84〕【丁未の乱(衣摺の戦い)】勃発す!【4】

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  【太子】は今年、もうすぐ15歳になるが、この時点では14歳である。

その言動だけを見れば、立派な大人以上の才覚・識見があるが、髪形は少年の【ひさご花】とて、タガねて、額に結んだものである。

その髪束を解いて、仏法守護の【四天王の木像】を込めて、頭上に結い直した上、白いハチマキで固定したのである。

まさに、その直後、【太子】の頭の中に、【姫】からの言霊がこだました。

・・・ヤブの上を通り越して、二十数本の【矢】が飛んで来ます!・・・

・・・二十を数える内に逃げて下さい!・・・


  【太子】は大声で叫んだ!

「【四天王】の仰せじゃーっ!!」

「【矢】が飛んで来るぞーッ!」

「この広場の中央にいたら、危ないぞーッ!」

「広場のフチ、木陰や林に逃げ込めーッ!」


  【太子】の頭の中で【姫】の言霊の【数】が読み上げられて行く!

・・・十四、十五、十六・・・

と同時に、【太子】は広場の中央に向かって、一目散に白馬を走らせ、手綱を引き絞り、【守護神剣】を抜いた!

・・・十八、十九、二十・・・

【姫】の『二十』という読み上げと同時に、藪の上の向こう側から、【太子】の頭上に、二十数本の矢が飛来して来た!

と、いうより、広場全体に降り注いだ二十数本の矢が、【太子】の額の【四天王木像】に収束されて飛来して来た、かのように見えた。

二本立ちした白馬にマタがって、剣を抜いた【太子】はさながら【四天王】が乗り移ったかの如く、黄金色の光彩を放ち、剣を二度振り抜くと、二十数本の矢は失速し、地面に落ちていった

 
  広場には、まだ、逃げ遅れた者十数人がいた。

その中に、乗馬に不慣れな【竹田王子】と【難波王子】及び、手綱を預かる舎人達で、皆、『命の恩人』と【厩戸王太子】と【四天王】には感謝していたのである。


  
 








  
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