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第4章 【橘豊日尊】の【大王位即位】の儀式が【王太后炊屋姫】を始め、王族、大臣、大連、豪族・群臣参列の下、荘重盛大に挙行された!
〔43〕【太子】の知己を得ようと、訪れる客は引きも切らず、たまりかねて【刀自古姫】と共に逃げ出した!
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その舎人風の男は、地面に片膝をついて、【太子】に挨拶をした。
【刀自古姫】は【太子】に、その舎人風の男を紹介した。
「こちらの御人は【難波氏】の縁戚の朝鮮人であり、名を【淡水】と申します。」
「両親の仇討ちのために、【中臣家】に舎人となって潜り込み、見事仇討ち成就となりました!」
「敵は【中臣家】の家宰(侍従長)であり、【淡水殿】が逃げ出した際、12人の舎人に囲まれ、その全員を斬り殺した後、自らも深手の刀傷を受け、私と出会った時は息も絶え絶えでした。」
「なるほど、それで【姫】が神通力で、お助けになった、というわけですな!?」
【淡水】は片膝をついたままで、
「【王太子殿下】はまさに【弥勒仙花】とお見受けします。」
「私【淡水】は倭名を【迹見赤檮】と申します。」
「何卒、この私を【殿下】個人の舎人の端にお加えくださるよう、伏してお願い申し上げまする。」
「そなたは、その立ち居振る舞いからして、【新羅】の【花郎】であったのか!?」
「【新羅】の【弥勒仙花伝説】は承知しているが、そのような者ではない。」
「いずれにせよ、我が舎人となるを差し許す!」
「そなたの後片付けや準備が終わり次第、いつでも、この【宮】に参るがよい。」
「ハハーッ!誠にありがたき仰せ、感謝申し上げます!」
と言って、去って行った。
【厩戸王太子】は12歳になっていた。
その桁違いの記憶力と明哲なる思考回転の速さは宮中のみならず、都中から畏敬の対象となっていた。
更に、父親の【新大王即位】によって、その長子たる【厩戸王太子】の評判や注目度は、都のみならず、全国版になっていた。
故に、【太子】の知己を得ようと【池辺宮】に訪れる客は引きも切らずに続いた。
【太子】はたまりかねて、【刀自古姫】の祝賀の挨拶が終わるのを待ちかねて、遠出に逃げ出したのである。
【刀自古姫】は【太子】に、その舎人風の男を紹介した。
「こちらの御人は【難波氏】の縁戚の朝鮮人であり、名を【淡水】と申します。」
「両親の仇討ちのために、【中臣家】に舎人となって潜り込み、見事仇討ち成就となりました!」
「敵は【中臣家】の家宰(侍従長)であり、【淡水殿】が逃げ出した際、12人の舎人に囲まれ、その全員を斬り殺した後、自らも深手の刀傷を受け、私と出会った時は息も絶え絶えでした。」
「なるほど、それで【姫】が神通力で、お助けになった、というわけですな!?」
【淡水】は片膝をついたままで、
「【王太子殿下】はまさに【弥勒仙花】とお見受けします。」
「私【淡水】は倭名を【迹見赤檮】と申します。」
「何卒、この私を【殿下】個人の舎人の端にお加えくださるよう、伏してお願い申し上げまする。」
「そなたは、その立ち居振る舞いからして、【新羅】の【花郎】であったのか!?」
「【新羅】の【弥勒仙花伝説】は承知しているが、そのような者ではない。」
「いずれにせよ、我が舎人となるを差し許す!」
「そなたの後片付けや準備が終わり次第、いつでも、この【宮】に参るがよい。」
「ハハーッ!誠にありがたき仰せ、感謝申し上げます!」
と言って、去って行った。
【厩戸王太子】は12歳になっていた。
その桁違いの記憶力と明哲なる思考回転の速さは宮中のみならず、都中から畏敬の対象となっていた。
更に、父親の【新大王即位】によって、その長子たる【厩戸王太子】の評判や注目度は、都のみならず、全国版になっていた。
故に、【太子】の知己を得ようと【池辺宮】に訪れる客は引きも切らずに続いた。
【太子】はたまりかねて、【刀自古姫】の祝賀の挨拶が終わるのを待ちかねて、遠出に逃げ出したのである。
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