604 / 704
第3章 【崇仏論】の【蘇我氏】と、【廃仏論】の【物部氏】との対立!
〔19〕百済の【聖明王】の特使、【欽明大王】に謁見し、【釈迦仏】の金銅像を献上す!
しおりを挟む
552年、百済の【聖明王】の特使、【欽明大王】に謁見した。
【大王】謁見の大広間には、【物部尾輿】大連や【蘇我稲目】大臣を始め、葛城、平群、巨勢、紀、大伴、中臣等の重臣が居並んでいた。
百済の特使は【釈迦仏】の金銅像一体に幡や天蓋を添えて、経論若干巻を大王に献上した。
特使曰わく、
「大王陛下並びに、諸卿・御重臣方に、謹んで申し上げまする。」
「これは仏と申して、【天竺】の神様でございます。」
「仏の説かれた法は、全ての法の中で最も優れ、高遠微妙、なかなか理解が難しく、あまりにも深遠であります。」
「これを崇拝信奉しますれば、霊験まことに新たかで、【百福即生】【百難即滅】【百病頓癒】【福徳果報】となります。」
「故に、天竺、その付近の国々、中国、さらには我が半島の国々、皆、信仰礼拝しているのでございます。」
「そんなに有り難い神様なのか!?」
と、大王は、しげしげと、この金色に輝く【釈迦仏】を凝視された。
信仰については、この飛鳥時代の人々にとっては、現代人の想像も及ばないほど、重大な問題である。
しかも、大王には倭国固有の天神地祇の祭祀を主宰する職分がある。
即座に、信奉拒否ということも考えられたが、百済の【聖明王】からの献上品でもあり、外交儀礼上、無碍に断る訳にも行くまい・・・
【大王】謁見の大広間には、【物部尾輿】大連や【蘇我稲目】大臣を始め、葛城、平群、巨勢、紀、大伴、中臣等の重臣が居並んでいた。
百済の特使は【釈迦仏】の金銅像一体に幡や天蓋を添えて、経論若干巻を大王に献上した。
特使曰わく、
「大王陛下並びに、諸卿・御重臣方に、謹んで申し上げまする。」
「これは仏と申して、【天竺】の神様でございます。」
「仏の説かれた法は、全ての法の中で最も優れ、高遠微妙、なかなか理解が難しく、あまりにも深遠であります。」
「これを崇拝信奉しますれば、霊験まことに新たかで、【百福即生】【百難即滅】【百病頓癒】【福徳果報】となります。」
「故に、天竺、その付近の国々、中国、さらには我が半島の国々、皆、信仰礼拝しているのでございます。」
「そんなに有り難い神様なのか!?」
と、大王は、しげしげと、この金色に輝く【釈迦仏】を凝視された。
信仰については、この飛鳥時代の人々にとっては、現代人の想像も及ばないほど、重大な問題である。
しかも、大王には倭国固有の天神地祇の祭祀を主宰する職分がある。
即座に、信奉拒否ということも考えられたが、百済の【聖明王】からの献上品でもあり、外交儀礼上、無碍に断る訳にも行くまい・・・
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説
第一機動部隊
桑名 裕輝
歴史・時代
突如アメリカ軍陸上攻撃機によって帝都が壊滅的損害を受けた後に宣戦布告を受けた大日本帝国。
祖国のため、そして愛する者のため大日本帝国の精鋭である第一機動部隊が米国太平洋艦隊重要拠点グアムを叩く。
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を
Matchlock-Gunners【マッチロック・ガナーズ】
井戸 正善
歴史・時代
「銃など武士が持つものではない」
江戸幕府がもたらした長い泰平の世は、侍の在り方を実力よりも理想の方へと押しやる。
刀と共にあるべきという理想にかぶれた藩は、御側衆鉄砲組頭の影山に人員整理を命じた。
その方針変更に反発しつつも影山は従うが、御側衆鉄砲組のうち二十名は老中たちに恨みを募らせたまま行方知れずとなった。
大量の弾丸と火薬とともに。
それから三年。
力づくで藩主の前に来た影山は、視察などで城を出た三名の老中たちは今頃死んでいるだろうと宣言する。
銃口を向けたまま、彼は藩主に向けて自分たちの計画を語り始めた。
侍ではないと指を差され、ないがしろにされた者たちの復讐譚を。
【古物商であり火縄銃修復師であった亡き知人を偲んで】
倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯
古代雅之
歴史・時代
A.D.2世紀中頃、古代イト国女王にして、神の御技を持つ超絶的予知能力者がいた。
女王は、崩御・昇天する1ヶ月前に、【天壌無窮の神勅】を発令した。
つまり、『この豊葦原瑞穂国 (日本の古称)全土は本来、女王の子孫が治めるべき土地である。』との空前絶後の大号令である。
この女王〔2世紀の日輪の御子〕の子孫の中から、邦国史上、空前絶後の【女性英雄神】となる【日御子〔日輪の御子〕】が誕生した。
この作品は3世紀の【倭国女王・日御子】の波乱万丈の生涯の物語である。
ちなみに、【卑弥呼】【邪馬台国】は3世紀の【文字】を持つ超大国が、【文字】を持たない辺境の弱小蛮国を蔑んで、勝手に名付けた【蔑称文字】であるので、この作品では【日御子〔卑弥呼〕】【ヤマト〔邪馬台〕国】と記している。
言い換えれば、我ら日本民族の始祖であり、古代の女性英雄神【天照大御神】は、当時の中国から【卑弥呼】と蔑まされていたのである。
卑弥呼【蔑称固有名詞】ではなく、日御子【尊称複数普通名詞】である。
【古代史】は、その遺跡や遺物が未発見であるが故に、多種多様の【説】が百花繚乱の如く、乱舞している。それはそれで良いと思う。
【自説】に固執する余り、【他説】を批判するのは如何なものであろうか!?
この作品でも、多くの【自説】を網羅しているので、【フィクション小説】として、御笑読いただければ幸いである。
土方歳三ら、西南戦争に参戦す
山家
歴史・時代
榎本艦隊北上せず。
それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。
生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。
また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。
そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。
土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。
そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。
(「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です)
淡々忠勇
香月しを
歴史・時代
新撰組副長である土方歳三には、斎藤一という部下がいた。
仕事を淡々とこなし、何事も素っ気ない男であるが、実際は土方を尊敬しているし、友情らしきものも感じている。そんな斎藤を、土方もまた信頼し、友情を感じていた。
完結まで、毎日更新いたします!
殺伐としたりほのぼのしたり、怪しげな雰囲気になったりしながら、二人の男が自分の道を歩いていくまでのお話。ほんのりコメディタッチ。
残酷な表現が時々ありますので(お侍さん達の話ですからね)R15をつけさせていただきます。
あッ、二人はあくまでも友情で結ばれておりますよ。友情ね。
★作品の無断転載や引用を禁じます。多言語に変えての転載や引用も許可しません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる