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  第3章 【崇仏論】の【蘇我氏】と、【廃仏論】の【物部氏】との対立!

 〔19〕百済の【聖明王】の特使、【欽明大王】に謁見し、【釈迦仏】の金銅像を献上す!  

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  552年、百済の【聖明王】の特使、【欽明大王】に謁見した。

【大王】謁見の大広間には、【物部尾輿】大連や【蘇我稲目】大臣を始め、葛城、平群、巨勢、紀、大伴、中臣等の重臣が居並んでいた。


  百済の特使は【釈迦仏】の金銅像一体にハタ天蓋テンガイを添えて、経論若干巻を大王に献上した。

特使曰わく、

「大王陛下並びに、諸卿・御重臣方に、謹んで申し上げまする。」

「これはホトケと申して、【天竺】の神様でございます。」

「仏の説かれた法は、全ての法の中で最も優れ、高遠微妙、なかなか理解が難しく、あまりにも深遠であります。」

「これを崇拝信奉しますれば、霊験まことに新たかで、【百福即生】【百難即滅】【百病頓癒】【福徳果報】となります。」

「故に、天竺、その付近の国々、中国、さらには我が半島の国々、皆、信仰礼拝しているのでございます。」



「そんなに有り難い神様なのか!?」

と、大王は、しげしげと、この金色に輝く【釈迦仏】を凝視された。


  信仰については、この飛鳥時代の人々にとっては、現代人の想像も及ばないほど、重大な問題である。

しかも、大王には倭国固有の天神地祇の祭祀を主宰する職分がある。

即座に、信奉拒否ということも考えられたが、百済の【聖明王】からの献上品でもあり、外交儀礼上、無碍ムゲに断る訳にも行くまい・・・

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