博学英才の【太子】と、【日御子】の超常能力を受け継いだ【刀自古姫御子】

第２章 稀代の英才【厩戸王太子】誕生す！！

〔１６〕幼い【刀自古姫】が【太子】の足の傷を、未熟ながら、【他浄治癒力神技】で治す！

　　【太子】と【蝦夷】と【刀自古姫】が【蘇我家】の庭園を走り回っていた。

その時、先頭を走っていた【太子】は庭石につまづいて、勢いよく、転倒してしまった。

そして、右足のすねを負傷し，座り込んでいた。


　　追いついた【姫】が心配気に覗きこむと、傷口の皮膚が裂け、出血していた。

【姫】は、右手を太陽光にかざし、その手のひらを【太子】の傷口にかざした。

「痛いのー痛いのー遠いお山へ飛んで行けー！！」

と言うや否や、【姫】の右手から、清烈な白銀の光が照射された。

すると，傷口からの出血は止まり、傷口は塞がり、きれいな瘡蓋カサブタになっていた。

「ウワー！すげーや！」
「もう、痛くもなんともないや！！」
「ありがとう！」

【太子】は【姫】の顔を見上げて、礼を言うと、【姫】はニコッと微笑んで、見つめ返した。

二人は、しばらく見つめあっていた・・・

【太子】９歳【刀自古姫】７歳の春であった・・・


　　えっ！【蝦夷】１０歳は・・・？二人に背を向け、うつむいていた・・・