倭国女王・日御子の波乱万丈の生涯

第４章 【ヤマト軍団】と【タニハ王家】

〔４０〕【レイカ】による【タニハ王国建国譚】≪４≫

　　【レイカ姫】の御前に平伏した、この男にしてみれば、天上の【日輪の女神】のことなど、噂にすら聞いていないが、【祭壇】を一瞬にして燃やした【神技】は認めざるを得ず、全面降伏せざるを得なかった。


「そなたがこの地の長オサか！？｣


「ハハーッ！｣


「【日輪の女神】は天上におわす【八百万神々ヤオヨロズノカミガミ】の頂点に君臨される御方ぞ！！｣


「ハハーッ！｣


「その御方が【天壌無窮の神勅】を発令なさった。｣
「この地は我らが国家に組み込まれる。｣
「よろしいな！！｣


「ハハーッ！｣


レイカ姫の一行が立ち去るまで、その男を始め、その場に居た全員が、土下座したまま、頭を上げることはなかった。



　　こうして，勢力を拡大させながら、【丹後半島】のみならず、【若狭湾岸一帯】をも制圧して、当初、予定していた【能登方面】への遠征は断念し、南下に切り替えたのである。


南下して行ったのは、冬の【能登方面・北陸一帯】の凍えるような寒さに、温室育ちの姫君達には、耐え切れなかったから、とも云われている。


しかしながら、早期に南下して行った、おかげでか、【強大な敵】とも相見アイマミえず、【淡海の湖アフミノウミ（琵琶湖の古称）】の全域及び周辺域をも傘下に収め、湖南に盤石かつ強固な本拠地を築くことが出来た、とも云えよう。


レイカ姫は女ながら、否、女であれはこそ､【無血統一】という偉業を成し遂げた、とも云えよう。