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フォーエバーフォールインラブ

コトの裏側①

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◆◆◆


 
 吉岡は本社に戻って、仕事の続きをしていた。
 さっきは思わず、少し言い過ぎてしまった……
 朱美以外の作家の進捗は今月も順調だが、彼女のスランプは悩ましい問題だった。感じたままに思ったことをそのまま口にしてしまったが、あれから時折 後悔の念が込み上げてくる。 いつも彼女は自分で自分を追い込みながら、瀬戸際状態でストーリーを考えているのに、自分がそこに拍車をかけてどうするのだ。吉岡が浮かない表情をしていると、背後から突然こう声をかけられた。

「吉岡、今日は神宮寺先生のところにはいいのかい? 」

「ええ、まあ。先ほど会って喋りましたし 」

「ああ、それもそうだったな。君がここにいるのは珍しいからつい…… 」

「あはは、まあ、そうですね…… 」

 コーヒーを片手に吉岡に声をかけたのは、週刊キャンディー編集長の鵜飼だった。彼は吉岡が週刊誌の記者として疲弊しきっていたときに、手を差しのべてくれた恩人だ。

「せっかくだし、今日は早く帰りなさい。いつも神宮寺先生に付きっきりなんだから。たまには家でゆっくりした方がいい 」

「ええ、まあ…… 」

 編集長はそう言いながら、吉岡の背中をバチッと叩くと、自分の部屋へと戻って行く。
 鵜飼には絶対に頭が上がらない。
 吉岡はため息をつきながら、ちらりと時計を確認した。こんな時間に家に帰れることは、そうそうない。
 …………
 たまには部屋を片付けて、ゆっくり寝て自分も気持ちを切り替えるか。

 そう吉岡が決意を決めて、デスクの上を片付け始めたとき、スマホから一本のメールを受信する音が鳴り響いた。
 なんだ……?
 今時、個人アドレスにメールなんて……
 迷惑メールの類いだろうか。
 吉岡は少し警戒しながらもスマホを手に取ると、その中身をチェックした。

「なんだこれ…… 」

 そしてそのメールに添付された写真を見るや否や、吉岡はムッとした表情を浮かべると、荷物をまとめてすぐさま会社を後にしたのだった。

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