142 / 145
第142話「我が艦が最強」
しおりを挟む
水門から出て来た女王に対して、エクス・グラン号は右舷を向け海を飲み込む月の島の唯一の出入口を塞いでいる形になっている。
エクス・グラン号から放たれた魔導砲は、女王が自動的に展開した魔導防殻によって防がれ、魔力が分散して掻き消されてしまった。
直撃を受けたと思って身構えていたシャルルも、その状況を信じられないと言った顔をして首を横に振っている。
「み……みんな、無事?」
「あぁ、魔導砲がまるでそよ風みたいだったぜ」
舵輪を握るハンサムも驚いていた様子だったが、ガディンクが自慢げに説明を始めた。
「ルナ・インスーラの水門に張られていた結界と同じものだ。超硬度の防殻の展開と共に魔導力の攻撃に対して、その源の魔力に干渉して分解する類の代物らしい。いったい何をどうすれば、こんな物を創り出せるのか……間違いなく作ったのは奇人変人の類だぜ」
「つまり、魔導砲みたいな魔力に関わる攻撃に対しては無敵ってこと?」
確認するような問い掛けに、ガディンクは頷きつつ補足する。
「あぁ、だが過信は禁物だぜ? 何せ目覚めたばかりの骨董品だ。いつ逝かれてもおかしくないからな」
「わかったよ、気を付けておく。さて、まずは外洋に出ないと話にならないね」
狭い内海ではまともに動けず、女王は真っ直ぐエクス・グラン号に向かうことしかできなかった。しかし外洋に出るためには、蓋になっているエクス・グラン号を排除しなければならない。
シャルルはキッと眉を吊り上げると、手を正面に突き出しながら指示を飛ばす。
「よし、このまま突っ込むよっ!」
「おいおい、マジか!? あそこでぶつけたら座礁するぞ?」
エクス・グラン号が陣取っている内海からの出入口は、おそらく女王の喫水ギリギリである。あの場所で下手に動けば間違いなく座礁する位置だった。ハンサムの心配に対して、シャルルは自信があるのかニヤリと笑う。
「親方、女王陛下の大砲の準備をお願い!」
「チャージに少し時間がかかるぞ。この船足だと発射前に衝突するぜ」
「大丈夫、わたしを信じてっ!」
ガディンクはシャルルを一瞥したが、そのまま何も言わずに女王陛下の対応へのチャージを開始した。船首の砲身に魔力の輝きが収束していく。
そして、その命令の結果はすぐに表れた。魔導砲をチャージしながら突っ込んでくる女王に対し、エクス・グラン号は急加速して回避行動に出たのだ。
「よし、ビビったわ! そのまま外洋に出るよ!」
「おぉ!」
道が開けたことにより、女王は海を飲み込む月の島を脱出し外洋に飛び出した。
それを待っていたエクス・グラン号は、旋回しながら飛び出して来た女王の右舷に向かって魔導砲を放ってくる。
しかし、その攻撃もこうかはなく、先程と同じように女王の防殻によって掻き消されてしまった。
「うさぎちゃん、あの艦が避けるってわかってたの?」
「うん、可能性は高いと思ってたよ。あのタイミングで意地を張って魔導砲を撃ってたら、こちらからの反撃を躱せないからね。まぁ、こっちは撃てなかったわけだけど」
完全にブラフなのだが、ここで重要なのは撃つというポーズを見せることで、反撃される可能性を認識させることなのだ。
「それに……あの艦を指揮しているのは、たぶんマルガ・オットーじゃないわ。ううん、追いかけて来ていた時は彼だったかもしれないけど、今は違うはずよ」
シャルルがそう判断したのにはわけがあった。マルガは根っからの商人であり、基本的に損得勘定で動いている。いくらシャルルへの恨みがあるとは言え、魔導砲を無効化するような船が出てくれば、彼なら即座に逃げ出すはずだった。
「姫さん、次はどうする? 船首を奴に向けるか?」
「そうだね、面舵一杯!」
シャルルたちが現在発見できている武装は、船首の女王陛下の大砲だけである。高威力の主砲だが撃つためにはチャージが必要で、狙いを付けるためには船首を敵艦に向けなければならない。双方とも大型船とは言え、動き回る船に狙いを付けるのは非常に難しかった。
対するエクス・グラン号は、船首と左舷の一部を除いて依然健在である。エクス・グラン号はグレートスカル号を沈めるために建造された戦艦であり、女王であっても油断できる相手ではなかった。
そこに望遠鏡でエクス・グラン号を監視していた黒猫から報告が飛んでくる。
「また、あのばら撒いてくる攻撃にゃ!」
シャルルが確認するとドラウヴンカノンの砲身を女王に向け、三発の砲弾を撃ち出していた。魔導砲が効かないのであれば、実弾兵器を使ってくるのは当然の流れだった。
シャルルは望遠鏡から顔を離すと、振り向きながらマギを呼ぶ。
「マギッ!」
「は~い……風よ、風よ、風の精霊よ。彼の敵を弾き飛ばせ……ウインドバースト!」
マギの杖から発生した突風が飛んできた砲弾を迎え撃つ。その突風により速度を失った砲弾は想定より早く落下を始め、散弾も女王に届かず海面に落ちていく。
「その攻撃は一度見たよっ! わかっていれば対策の仕方はいくらでもあるんだから」
「ざまぁみろにゃ~!」
ドラウヴンカノンによってひどい怪我を負った黒猫たちは、海中に沈んだ砲弾に歓喜の声を上げるのだった。
◇◇◆◇◇
一方、エクス・グラン号の甲板 ――
ドラウヴンカノンを撃ち落とされたことに、フーガが顔を顰めながら歯軋りをする。
「くっ、あの風魔法……まさかハイエルフが乗っているのかっ!?」
人族やその他の種族でも魔法を使える者はいるが、あれほどの魔法を瞬時に放てるのはエルフ族ぐらいなものである。その中でも導師に選ばれるような魔法に長けたエルフが、高貴なエルフと呼ばれていた。
「魔導砲をチャージしつつ砲弾を浴びせろっ!」
フーガの指示に従い、エクス・グラン号は旋回しながら通常砲弾をばら撒き始めた。ドラウヴンカノンの散弾とは違い砲弾ほどの大きさであれば、魔導防殻によって防がれるがそれでも構わず撃ち続ける。
「そのまま撃ち続けろ! あの船を覆うほどの巨大な防殻だ、消費も段違いのはずだ」
フーガはとても常識的な尺度で対策を考えている。魔導艦を相手にする時、防殻を貫く方法がなければ魔力切れを狙うしかないのだ。その為には延々と防殻を展開させ続ける必要がある。
しかし、いくら撃ち続けても一向に防殻が弱まる気配はなく、フーガの顔色がみるみると変わっていく。すでに通常の戦艦であればもちろんのこと、エクス・グラン号ですら防殻を維持できないほど砲弾を撃ち込んでいた。
「馬鹿なっ! いったい、どういうことだ!? まさか魔力を無尽蔵に生み出せるとでも言うつもりか?」
彼はこの時点で目の前で相手にしている船が、常識では測れない存在であることに、ようやく気が付くことができたのだ。そして彼の優秀な頭脳が、このままでは絶対に勝てないことを悟ってしまった。
「離脱するか? いや、背を向けた瞬間、背後から主砲に撃ち抜かれるだけだ。こうなれば……」
フーガは目を瞑ったままぶつぶつと考え込み、やがて目を開けると覚悟を決めた表情で命令を下す。
「針路を北に向けろっ! 左舷の魔導砲にすべての魔力を集中しろっ!」
「き……北ですか!? あの船の正面に出ることになりますが……」
船乗りの心配も当然のことだった。女王の船首の魔導砲には、すでに魔力をチャージする光が輝いているのだ。その眼前に出ろという指示を出されて、困惑するのも無理はない状況だった。
「魔導砲は撃たせるっ! 撃つタイミングは防殻が消えるはずだ、そこを狙い撃つのだっ!」
その作戦は相打ち狙いと言うことであり、エクス・グラン号も無事では済まないことを示していた。船乗りたちも、このままではどうせ逃げられないと悟っており、フーガの策に一縷の希望を託すことにしたのだった。
「よし、我が艦が最強であると証明するのだっ!」
エクス・グラン号から放たれた魔導砲は、女王が自動的に展開した魔導防殻によって防がれ、魔力が分散して掻き消されてしまった。
直撃を受けたと思って身構えていたシャルルも、その状況を信じられないと言った顔をして首を横に振っている。
「み……みんな、無事?」
「あぁ、魔導砲がまるでそよ風みたいだったぜ」
舵輪を握るハンサムも驚いていた様子だったが、ガディンクが自慢げに説明を始めた。
「ルナ・インスーラの水門に張られていた結界と同じものだ。超硬度の防殻の展開と共に魔導力の攻撃に対して、その源の魔力に干渉して分解する類の代物らしい。いったい何をどうすれば、こんな物を創り出せるのか……間違いなく作ったのは奇人変人の類だぜ」
「つまり、魔導砲みたいな魔力に関わる攻撃に対しては無敵ってこと?」
確認するような問い掛けに、ガディンクは頷きつつ補足する。
「あぁ、だが過信は禁物だぜ? 何せ目覚めたばかりの骨董品だ。いつ逝かれてもおかしくないからな」
「わかったよ、気を付けておく。さて、まずは外洋に出ないと話にならないね」
狭い内海ではまともに動けず、女王は真っ直ぐエクス・グラン号に向かうことしかできなかった。しかし外洋に出るためには、蓋になっているエクス・グラン号を排除しなければならない。
シャルルはキッと眉を吊り上げると、手を正面に突き出しながら指示を飛ばす。
「よし、このまま突っ込むよっ!」
「おいおい、マジか!? あそこでぶつけたら座礁するぞ?」
エクス・グラン号が陣取っている内海からの出入口は、おそらく女王の喫水ギリギリである。あの場所で下手に動けば間違いなく座礁する位置だった。ハンサムの心配に対して、シャルルは自信があるのかニヤリと笑う。
「親方、女王陛下の大砲の準備をお願い!」
「チャージに少し時間がかかるぞ。この船足だと発射前に衝突するぜ」
「大丈夫、わたしを信じてっ!」
ガディンクはシャルルを一瞥したが、そのまま何も言わずに女王陛下の対応へのチャージを開始した。船首の砲身に魔力の輝きが収束していく。
そして、その命令の結果はすぐに表れた。魔導砲をチャージしながら突っ込んでくる女王に対し、エクス・グラン号は急加速して回避行動に出たのだ。
「よし、ビビったわ! そのまま外洋に出るよ!」
「おぉ!」
道が開けたことにより、女王は海を飲み込む月の島を脱出し外洋に飛び出した。
それを待っていたエクス・グラン号は、旋回しながら飛び出して来た女王の右舷に向かって魔導砲を放ってくる。
しかし、その攻撃もこうかはなく、先程と同じように女王の防殻によって掻き消されてしまった。
「うさぎちゃん、あの艦が避けるってわかってたの?」
「うん、可能性は高いと思ってたよ。あのタイミングで意地を張って魔導砲を撃ってたら、こちらからの反撃を躱せないからね。まぁ、こっちは撃てなかったわけだけど」
完全にブラフなのだが、ここで重要なのは撃つというポーズを見せることで、反撃される可能性を認識させることなのだ。
「それに……あの艦を指揮しているのは、たぶんマルガ・オットーじゃないわ。ううん、追いかけて来ていた時は彼だったかもしれないけど、今は違うはずよ」
シャルルがそう判断したのにはわけがあった。マルガは根っからの商人であり、基本的に損得勘定で動いている。いくらシャルルへの恨みがあるとは言え、魔導砲を無効化するような船が出てくれば、彼なら即座に逃げ出すはずだった。
「姫さん、次はどうする? 船首を奴に向けるか?」
「そうだね、面舵一杯!」
シャルルたちが現在発見できている武装は、船首の女王陛下の大砲だけである。高威力の主砲だが撃つためにはチャージが必要で、狙いを付けるためには船首を敵艦に向けなければならない。双方とも大型船とは言え、動き回る船に狙いを付けるのは非常に難しかった。
対するエクス・グラン号は、船首と左舷の一部を除いて依然健在である。エクス・グラン号はグレートスカル号を沈めるために建造された戦艦であり、女王であっても油断できる相手ではなかった。
そこに望遠鏡でエクス・グラン号を監視していた黒猫から報告が飛んでくる。
「また、あのばら撒いてくる攻撃にゃ!」
シャルルが確認するとドラウヴンカノンの砲身を女王に向け、三発の砲弾を撃ち出していた。魔導砲が効かないのであれば、実弾兵器を使ってくるのは当然の流れだった。
シャルルは望遠鏡から顔を離すと、振り向きながらマギを呼ぶ。
「マギッ!」
「は~い……風よ、風よ、風の精霊よ。彼の敵を弾き飛ばせ……ウインドバースト!」
マギの杖から発生した突風が飛んできた砲弾を迎え撃つ。その突風により速度を失った砲弾は想定より早く落下を始め、散弾も女王に届かず海面に落ちていく。
「その攻撃は一度見たよっ! わかっていれば対策の仕方はいくらでもあるんだから」
「ざまぁみろにゃ~!」
ドラウヴンカノンによってひどい怪我を負った黒猫たちは、海中に沈んだ砲弾に歓喜の声を上げるのだった。
◇◇◆◇◇
一方、エクス・グラン号の甲板 ――
ドラウヴンカノンを撃ち落とされたことに、フーガが顔を顰めながら歯軋りをする。
「くっ、あの風魔法……まさかハイエルフが乗っているのかっ!?」
人族やその他の種族でも魔法を使える者はいるが、あれほどの魔法を瞬時に放てるのはエルフ族ぐらいなものである。その中でも導師に選ばれるような魔法に長けたエルフが、高貴なエルフと呼ばれていた。
「魔導砲をチャージしつつ砲弾を浴びせろっ!」
フーガの指示に従い、エクス・グラン号は旋回しながら通常砲弾をばら撒き始めた。ドラウヴンカノンの散弾とは違い砲弾ほどの大きさであれば、魔導防殻によって防がれるがそれでも構わず撃ち続ける。
「そのまま撃ち続けろ! あの船を覆うほどの巨大な防殻だ、消費も段違いのはずだ」
フーガはとても常識的な尺度で対策を考えている。魔導艦を相手にする時、防殻を貫く方法がなければ魔力切れを狙うしかないのだ。その為には延々と防殻を展開させ続ける必要がある。
しかし、いくら撃ち続けても一向に防殻が弱まる気配はなく、フーガの顔色がみるみると変わっていく。すでに通常の戦艦であればもちろんのこと、エクス・グラン号ですら防殻を維持できないほど砲弾を撃ち込んでいた。
「馬鹿なっ! いったい、どういうことだ!? まさか魔力を無尽蔵に生み出せるとでも言うつもりか?」
彼はこの時点で目の前で相手にしている船が、常識では測れない存在であることに、ようやく気が付くことができたのだ。そして彼の優秀な頭脳が、このままでは絶対に勝てないことを悟ってしまった。
「離脱するか? いや、背を向けた瞬間、背後から主砲に撃ち抜かれるだけだ。こうなれば……」
フーガは目を瞑ったままぶつぶつと考え込み、やがて目を開けると覚悟を決めた表情で命令を下す。
「針路を北に向けろっ! 左舷の魔導砲にすべての魔力を集中しろっ!」
「き……北ですか!? あの船の正面に出ることになりますが……」
船乗りの心配も当然のことだった。女王の船首の魔導砲には、すでに魔力をチャージする光が輝いているのだ。その眼前に出ろという指示を出されて、困惑するのも無理はない状況だった。
「魔導砲は撃たせるっ! 撃つタイミングは防殻が消えるはずだ、そこを狙い撃つのだっ!」
その作戦は相打ち狙いと言うことであり、エクス・グラン号も無事では済まないことを示していた。船乗りたちも、このままではどうせ逃げられないと悟っており、フーガの策に一縷の希望を託すことにしたのだった。
「よし、我が艦が最強であると証明するのだっ!」
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
聖女の妹は無能ですが、幸せなので今更代われと言われても困ります!
ユウ
ファンタジー
侯爵令嬢のサーシャは平凡な令嬢だった。
姉は国一番の美女で、才色兼備で聖女と謡われる存在。
対する妹のサーシャは姉とは月スッポンだった。
能力も乏しく、学問の才能もない無能。
侯爵家の出来損ないで社交界でも馬鹿にされ憐れみの視線を向けられ完璧を望む姉にも叱られる日々だった。
人は皆何の才能もない哀れな令嬢と言われるのだが、領地で自由に育ち優しい婚約者とも仲睦まじく過ごしていた。
姉や他人が勝手に憐れんでいるだけでサーシャは実に自由だった。
そんな折姉のジャネットがサーシャを妬むようになり、聖女を変われと言い出すのだが――。
異世界民泊始めました。~異世界からの旅行客を美味しいお店にご案内~
maa坊/中野雅博
ファンタジー
藤間伸介は遺産として相続した祖母の大きな屋敷を持て余していた。
親戚が色々相続する中彼に残されたのは祖母の別宅、あまり整備されていない(というか廃墟)の屋敷が一つ。
まあ末の孫ならこれぐらいでも仕方ないと思うが完全に持て余していた。しかも祖母の遺言「売ってはならない」という厳命があり、簡単に手放すことも出来ずにいた。そんなある日、屋敷を掃除していた際に奥の裏口を叩く謎の音。出てみればコスプレをしているのか?というような耳の長いエルフがそこにいた。
「このお屋敷を民泊に役立てませんか?」
エルフは異世界から来たという。今は異世界は地球ブーム。各地にゲートを開き、宿泊施設を用意し観光するのがブームだという。その一つとしてかつて伸介の家が登録されていたという。渋る彼だが管理費も馬鹿にならず首を縦に振ることに。そこにやって来る様々な種族。果たして彼は無事彼らを宿泊させることができるのだろうか?
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
生まれ変わり大魔法使いの自由気まま生活?いえ、生きる為には、働かなくてはいけません。
光子
ファンタジー
昔むかしーーそう遠くない50年程前まで、この世界は魔王に襲われ、人類は滅亡の一手を辿っていた。
だが、そんな世界を救ったのが、大魔法使い《サクラ》だった。
彼女は、命をかけて魔王を封印し、世界を救った。
ーーーそれから50年後。
「……あ、思い出した」
すっかり平和になった世界。
その世界で、貧乏家庭で育った5人兄弟姉妹の真ん中《ヒナキ》は、財政難な家族を救う為、貴族様達金持ちが多く通う超一流学校に、就職に有利な魔法使いになる為に入学を決意!
女子生徒達の過度な嫌がらせや、王子様の意地悪で生意気な態度をスルーしつつ懸命に魔法の勉学に励んでいたら、ある日突然、前世の記憶が蘇った。
そう。私の前世は、大魔法使いサクラ。
もし生まれ変わったらなら、私が取り戻した平和を堪能するために、自由気ままな生活をしよう!そう決めていたのに、現実は、生きる為には、お金が必要。そう、働かなきゃならない!
それならせめて、学校生活を楽しみつつ、卒業したらホワイトな就職先を見付けようと決意を新たに、いつか自由気ままな生活を送れるようになるために、頑張る!
不定期更新していきます。
よろしくお願いします。
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました
如月 雪名
ファンタジー
★2024年9月19日に2巻発売&コミカライズ化決定!(web版とは設定が異なる部分があります)
🔷第16回ファンタジー小説大賞。5/3207位で『特別賞』を受賞しました!!応援ありがとうございます(*^_^*)
💛小説家になろう累計PV1,830万以上達成!!
※感想欄を読まれる方は、申し訳ありませんがネタバレが多いのでご注意下さい<m(__)m>
スーパーの帰り道、突然異世界へ転移させられた、椎名 沙良(しいな さら)48歳。
残された封筒には【詫び状】と書かれており、自分がカルドサリ王国のハンフリー公爵家、リーシャ・ハンフリー、第一令嬢12歳となっているのを知る。
いきなり異世界で他人とし生きる事になったが、現状が非常によろしくない。
リーシャの母親は既に亡くなっており、後妻に虐待され納屋で監禁生活を送っていたからだ。
どうにか家庭環境を改善しようと、与えられた4つの能力(ホーム・アイテムBOX・マッピング・召喚)を使用し、早々に公爵家を出て冒険者となる。
虐待されていたため貧弱な体と体力しかないが、冒険者となり自由を手にし頑張っていく。
F級冒険者となった初日の稼ぎは、肉(角ウサギ)の配達料・鉄貨2枚(200円)。
それでもE級に上がるため200回頑張る。
同じ年頃の子供達に、からかわれたりしながらも着実に依頼をこなす日々。
チートな能力(ホームで自宅に帰れる)を隠しながら、町で路上生活をしている子供達を助けていく事に。
冒険者で稼いだお金で家を購入し、住む所を与え子供達を笑顔にする。
そんな彼女の行いを見守っていた冒険者や町人達は……。
やがて支援は町中から届くようになった。
F級冒険者からC級冒険者へと、地球から勝手に召喚した兄の椎名 賢也(しいな けんや)50歳と共に頑張り続け、4年半後ダンジョンへと進む。
ダンジョンの最終深部。
ダンジョンマスターとして再会した兄の親友(享年45)旭 尚人(あさひ なおと)も加わり、ついに3人で迷宮都市へ。
テイムした仲間のシルバー(シルバーウルフ)・ハニー(ハニービー)・フォレスト(迷宮タイガー)と一緒に楽しくダンジョン攻略中。
どこか気が抜けて心温まる? そんな冒険です。
残念ながら恋愛要素は皆無です。
【完結】魔獣の公女様
nao
ファンタジー
「どうして?ナディア」
さっきまで、同じベッドで眠っていた妹の事を思う。
イースデール公国 公女のリディア=イースデールは、1ヶ月後 マルコシアス帝国の王太子アラン=マルコシアスに嫁ぐ予定だった。
妹に魔獣に変えられてしまった公女様の物語です。
ノロノロ更新になりそうですが、よろしくお願いします。
ファンタジー小説大賞にエントリーさせていただきました。
たくさんの人に読んでもらえると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる