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第96話「航海士と買い物」
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翌日、約束通りホワイトラビット商会に訪れたのは、シャルルより少し年上の青年だった。茶色い髪を短く顔立ちも整った好青年と言った感じで、身長はあるが筋肉隆々というわけではなく引き絞った感じである。
「初めまして、この度レイモンド商会から出向することになった航海士のエインズです。若輩者ですがよろしくお願いします」
「シャルル・シーロードよ、色々大変だと思うけどよろしくね」
エインズとシャルルは挨拶をしながら握手を交わす。シャルルは続けて、ドーラたちの紹介をしていく。
「それでは貴方の雇い主たちを紹介するわ。こちらがサラマンデル族の族長ドーラ・サラマンデルで、赤い鱗が同じサラマンデル族のザラン戦士長よ」
「我らサラマンデル族とは余り関わらんだろうが、まぁよろしく頼むぞ」
ドーラは今回の交渉におけるシャルルとの繋ぎ役、ザラン戦士長はその護衛である。彼らは狩猟民であり、今後の交易などは主にカーマン族とレオ族の主導で行われることになっていた。
「こっちの黄鱗がレオ族の商人レードさん、交易の交渉事とかは主に彼らがやることになるわ」
「人族の方、よろしく頼みます」
握手を求めるレードにエインズは若干引き攣りながら応えた。レオ族はリザードマンの中でも小さい方だが、それでもエインズの頭一つは大きい。
「最後にカーマン族のアッテルさんよ。操船や操舵に関しては彼らカーマン族が担当するから、エインズさんとは一番関わることになるわ」
「おぅ、よろしく頼むぜ!」
アッテルがギザギザな歯を見せて笑うと、エインズの顔はさらに引き攣っていた。これは初めてリザードマンを見た人族全般の反応なため、リザードマンたちも特に気にした様子はない。
シャルルとしては今後が不安になるが、これからリザードマンの船に乗る以上は、彼には慣れて貰うしかないのだ。
「船の準備が整うまで後三日掛かるから、それまではうちの船で練習をして貰うことになる。ヴァル爺、お願いね」
「ではエインズとアッテルは、ホワイトラビット号で訓練じゃ」
「わ……わかりました、よろしくお願いします!」
ヴァル爺の鋭い眼光にエインズはピシッと背筋を伸ばす。それに釣られるようにアッテルも背筋を伸ばしていた。彼はここ数日ずっとヴァル爺に鍛えられているため、すでに頭が上がらなくなりつつあるようだ。
こうしてヴァル爺とハンサム、黒猫たち、そしてエインズとアッテルが操船訓練に向かうことになった。
「レードさんは、わたしとレイモンド商会のお店を廻ろっか? 紹介しないといけない店もまだまだあるからね。ドーラたちはどうする?」
「ここに居てもつまらぬし、我も付いていく」
こちら側はシャルルとカイル、レード、ドーラとザラン戦士長が参加することになり、彼女たちはさっそく出かけることにした。
◇◇◆◇◇
ホワイトラビット商会を出たシャルルたちは、その足でレイモンド商会の系列店に向かった。ホワイトラビット商会の商館と工房を合わせたものより、倍はあろうかという規模の店構えに、初めて見るレードは口を大きく開けて驚いていた。
「お……大きいな」
「ここは港区では一番大きな店だからね。レイモンド商会のお店だから主力の食料品が多いけど、武器や美術品なんかもあるはずだよ。衣服に関してはウチで買って欲しいけどね」
「はっはは、その際は是非お願いするよ」
そう大声で笑って了承するレード。彼はシャルルと同行することも多かったからか、彼女に対して少し砕けた態度を取るようになっていた。
「それでリザードマンの方々は何をお求めで?」
「まずは小麦粉! そして蜂蜜だっ!」
シャルルたちの話に割って入ってきたのはドーラだった。彼女はそのままカイルの頭を掴むとガシガシと撫で回す。
「うわぁ!? 何なんですか!」
「我らも美味い料理を作るのだ! ついでに、こいつもくれっ!」
「その子は非売品! あげないよっ!」
頬を膨らませたシャルルが、ピシャリと断るとドーラからカイルを剥ぎ取る。そして彼を抱き締めながらドーラを威嚇する。
「まったく油断も隙もないんだから……」
「はっはは、許せ」
まるで悪びれもなく笑うドーラに、シャルルは呆れたら様子で溜め息をついた。そこにレードが宥めるように割って入ってくる。
「まぁまぁ、お二人とも落ち着いて店に入りましょう」
「そうだね、まず一通り見て廻ろっか」
シャルルはそう言って、カイルを抱き締めたまま店の中に入っていく。後頭部に胸を押し付けられたままのカイルは、顔を真っ赤にしながら慌てている。
「ちょ!? 船長さん、当たってます! 離してください~」
「店内で騒がないの! いいから行くよ」
なし崩し的に店内に入ると、まずは小麦粉が積まれていた。中身が出ている分をザルで掬って漉しながらシャルルが解説を始める。
「小麦というか粉物を買うときは混ぜ物に注意してね。まぁ、この店は安心だけどね」
「ほぅ、小麦はグラン王国産が良いと聞きましたが……」
「あ~……今はちょっと難しいかも、あの国は揉め事の真っ最中だからね」
「ふん、人族はいつも争っているな」
ドーラが鼻を鳴らしながら呟く。長命種であり一種の超越者である彼女は、今まで何度もその手の話を聞いたことがあるのかもしれない。
「この国の北部にも穀倉地帯があるから、ここにあるのはそこからの物も多いわね」
「なるほど」
レードはシャルルの話を聞きながらメモを取っている。交易が始まれば彼らレオ族が中心となり、商売を進めなければならないので真剣だ。少しでも彼女から情報を引き出そうとしているのがわかる。
「あっちに香辛料なんかもあるけど、この街では少し割高かな? 行けるようになったら南方のほうが良い物を扱っているわ」
「しかし香辛料も欲しいから、少し高くても買いたいところだ」
「それなら量を買って割り引いて貰うしか……って、うげっ」
シャルルはこちらに向かってくる人影を見て顔を顰めると、ドーラの後ろに立っていたザラン戦士長の後ろに隠れる。その行動に彼は不思議そうに首を傾げる。
「キャプテンシャルル、どうしたのだ?」
「いや、ちょっと会いたくない人がいたから……」
「やぁ、シャルルさん! まさか、貴女が店に来てくれるなんてっ!」
笑顔で声を掛けてきたのはレーチェルの孫、アントニオ・レイモンドだった。シャルルに好意を抱いており度々彼女に迫っているが、シャルルにその気はないので苦手な相手だった。レイモンド商会やレーチェルとの関係もあり、きっぱりと断ることができないのが関係を難しくしていた。
「あら……アントニオさん、お久しぶりですね」
「はっははは、気軽にトニーと呼んでください。それで何かお探しですか? 貴女のために俺が用意しましょう!」
「あはは、今日はお客様を案内しているだけですから」
アントニオは、シャルルの周りを見て怪訝そうな表情を浮かべる。
「お客様とは、このリザードマンたちですか? そう言えば、お婆様から新しい顧客だと通達が来てましたね」
「シャルルよ、この男は何者だ?」
「あぁ、紹介するわ。こちらアントニオ・レイモンドさん。このあいだ会ったレーチェルさんのお孫さんよ」
「アントニオ・レイモンドだ。お嬢ちゃん、よろしくね」
ドーラのことを子供と勘違いしたアントニオは、ウィンクをしながら握手を求めた。ドーラの顔が一瞬固まる。シャルルは慌てて訂正しようとしたが、時すでに遅く……。
「うむ、ドーラ・サラマンデルだ。よろしく頼むぞ、小僧」
「くっ! つ……つぶれる!?」
ドーラの握手によってアントニオの手がメキメキと音を立てる。アントニオは苦悶の表情で手を振りほどいた。
「だ……大丈夫ですか?」
「あ、あぁ……これぐらい平気さ」
シャルルの前だからか格好つけているが、すでに目には涙を浮かべている。
「彼女は竜人族なんです。あんな姿ですが、わたしたちよりずっと年上なんですよ」
「な、なるほど……ちょっと急用を思い出したので失礼するが、ゆっくり見て行ってください」
アントニオは何とか笑顔を作ってそう言い残すと、右手を押さえながら足早に立ち去ってしまった。シャルルは少し困ったような表情を浮かべながらドーラに尋ねる。
「ケガさせてないよね?」
「人族がいかに脆弱でも、あの程度で砕けはせんだろう。面倒なのも消えたし、買い物の続きをするぞ」
「はぁ……あとで謝罪の手紙と何か贈り物でも考えておこう」
これ以上面倒事が増える前に、さっさと買い物を済ませてしまおうと心に決めるシャルルであった。
「初めまして、この度レイモンド商会から出向することになった航海士のエインズです。若輩者ですがよろしくお願いします」
「シャルル・シーロードよ、色々大変だと思うけどよろしくね」
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「それでは貴方の雇い主たちを紹介するわ。こちらがサラマンデル族の族長ドーラ・サラマンデルで、赤い鱗が同じサラマンデル族のザラン戦士長よ」
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ドーラは今回の交渉におけるシャルルとの繋ぎ役、ザラン戦士長はその護衛である。彼らは狩猟民であり、今後の交易などは主にカーマン族とレオ族の主導で行われることになっていた。
「こっちの黄鱗がレオ族の商人レードさん、交易の交渉事とかは主に彼らがやることになるわ」
「人族の方、よろしく頼みます」
握手を求めるレードにエインズは若干引き攣りながら応えた。レオ族はリザードマンの中でも小さい方だが、それでもエインズの頭一つは大きい。
「最後にカーマン族のアッテルさんよ。操船や操舵に関しては彼らカーマン族が担当するから、エインズさんとは一番関わることになるわ」
「おぅ、よろしく頼むぜ!」
アッテルがギザギザな歯を見せて笑うと、エインズの顔はさらに引き攣っていた。これは初めてリザードマンを見た人族全般の反応なため、リザードマンたちも特に気にした様子はない。
シャルルとしては今後が不安になるが、これからリザードマンの船に乗る以上は、彼には慣れて貰うしかないのだ。
「船の準備が整うまで後三日掛かるから、それまではうちの船で練習をして貰うことになる。ヴァル爺、お願いね」
「ではエインズとアッテルは、ホワイトラビット号で訓練じゃ」
「わ……わかりました、よろしくお願いします!」
ヴァル爺の鋭い眼光にエインズはピシッと背筋を伸ばす。それに釣られるようにアッテルも背筋を伸ばしていた。彼はここ数日ずっとヴァル爺に鍛えられているため、すでに頭が上がらなくなりつつあるようだ。
こうしてヴァル爺とハンサム、黒猫たち、そしてエインズとアッテルが操船訓練に向かうことになった。
「レードさんは、わたしとレイモンド商会のお店を廻ろっか? 紹介しないといけない店もまだまだあるからね。ドーラたちはどうする?」
「ここに居てもつまらぬし、我も付いていく」
こちら側はシャルルとカイル、レード、ドーラとザラン戦士長が参加することになり、彼女たちはさっそく出かけることにした。
◇◇◆◇◇
ホワイトラビット商会を出たシャルルたちは、その足でレイモンド商会の系列店に向かった。ホワイトラビット商会の商館と工房を合わせたものより、倍はあろうかという規模の店構えに、初めて見るレードは口を大きく開けて驚いていた。
「お……大きいな」
「ここは港区では一番大きな店だからね。レイモンド商会のお店だから主力の食料品が多いけど、武器や美術品なんかもあるはずだよ。衣服に関してはウチで買って欲しいけどね」
「はっはは、その際は是非お願いするよ」
そう大声で笑って了承するレード。彼はシャルルと同行することも多かったからか、彼女に対して少し砕けた態度を取るようになっていた。
「それでリザードマンの方々は何をお求めで?」
「まずは小麦粉! そして蜂蜜だっ!」
シャルルたちの話に割って入ってきたのはドーラだった。彼女はそのままカイルの頭を掴むとガシガシと撫で回す。
「うわぁ!? 何なんですか!」
「我らも美味い料理を作るのだ! ついでに、こいつもくれっ!」
「その子は非売品! あげないよっ!」
頬を膨らませたシャルルが、ピシャリと断るとドーラからカイルを剥ぎ取る。そして彼を抱き締めながらドーラを威嚇する。
「まったく油断も隙もないんだから……」
「はっはは、許せ」
まるで悪びれもなく笑うドーラに、シャルルは呆れたら様子で溜め息をついた。そこにレードが宥めるように割って入ってくる。
「まぁまぁ、お二人とも落ち着いて店に入りましょう」
「そうだね、まず一通り見て廻ろっか」
シャルルはそう言って、カイルを抱き締めたまま店の中に入っていく。後頭部に胸を押し付けられたままのカイルは、顔を真っ赤にしながら慌てている。
「ちょ!? 船長さん、当たってます! 離してください~」
「店内で騒がないの! いいから行くよ」
なし崩し的に店内に入ると、まずは小麦粉が積まれていた。中身が出ている分をザルで掬って漉しながらシャルルが解説を始める。
「小麦というか粉物を買うときは混ぜ物に注意してね。まぁ、この店は安心だけどね」
「ほぅ、小麦はグラン王国産が良いと聞きましたが……」
「あ~……今はちょっと難しいかも、あの国は揉め事の真っ最中だからね」
「ふん、人族はいつも争っているな」
ドーラが鼻を鳴らしながら呟く。長命種であり一種の超越者である彼女は、今まで何度もその手の話を聞いたことがあるのかもしれない。
「この国の北部にも穀倉地帯があるから、ここにあるのはそこからの物も多いわね」
「なるほど」
レードはシャルルの話を聞きながらメモを取っている。交易が始まれば彼らレオ族が中心となり、商売を進めなければならないので真剣だ。少しでも彼女から情報を引き出そうとしているのがわかる。
「あっちに香辛料なんかもあるけど、この街では少し割高かな? 行けるようになったら南方のほうが良い物を扱っているわ」
「しかし香辛料も欲しいから、少し高くても買いたいところだ」
「それなら量を買って割り引いて貰うしか……って、うげっ」
シャルルはこちらに向かってくる人影を見て顔を顰めると、ドーラの後ろに立っていたザラン戦士長の後ろに隠れる。その行動に彼は不思議そうに首を傾げる。
「キャプテンシャルル、どうしたのだ?」
「いや、ちょっと会いたくない人がいたから……」
「やぁ、シャルルさん! まさか、貴女が店に来てくれるなんてっ!」
笑顔で声を掛けてきたのはレーチェルの孫、アントニオ・レイモンドだった。シャルルに好意を抱いており度々彼女に迫っているが、シャルルにその気はないので苦手な相手だった。レイモンド商会やレーチェルとの関係もあり、きっぱりと断ることができないのが関係を難しくしていた。
「あら……アントニオさん、お久しぶりですね」
「はっははは、気軽にトニーと呼んでください。それで何かお探しですか? 貴女のために俺が用意しましょう!」
「あはは、今日はお客様を案内しているだけですから」
アントニオは、シャルルの周りを見て怪訝そうな表情を浮かべる。
「お客様とは、このリザードマンたちですか? そう言えば、お婆様から新しい顧客だと通達が来てましたね」
「シャルルよ、この男は何者だ?」
「あぁ、紹介するわ。こちらアントニオ・レイモンドさん。このあいだ会ったレーチェルさんのお孫さんよ」
「アントニオ・レイモンドだ。お嬢ちゃん、よろしくね」
ドーラのことを子供と勘違いしたアントニオは、ウィンクをしながら握手を求めた。ドーラの顔が一瞬固まる。シャルルは慌てて訂正しようとしたが、時すでに遅く……。
「うむ、ドーラ・サラマンデルだ。よろしく頼むぞ、小僧」
「くっ! つ……つぶれる!?」
ドーラの握手によってアントニオの手がメキメキと音を立てる。アントニオは苦悶の表情で手を振りほどいた。
「だ……大丈夫ですか?」
「あ、あぁ……これぐらい平気さ」
シャルルの前だからか格好つけているが、すでに目には涙を浮かべている。
「彼女は竜人族なんです。あんな姿ですが、わたしたちよりずっと年上なんですよ」
「な、なるほど……ちょっと急用を思い出したので失礼するが、ゆっくり見て行ってください」
アントニオは何とか笑顔を作ってそう言い残すと、右手を押さえながら足早に立ち去ってしまった。シャルルは少し困ったような表情を浮かべながらドーラに尋ねる。
「ケガさせてないよね?」
「人族がいかに脆弱でも、あの程度で砕けはせんだろう。面倒なのも消えたし、買い物の続きをするぞ」
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