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第39話「ルブルム沖海戦」
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アクセルが考案した作戦は、非常に単純なものだった。
ホワイトラビット号が囮になり敵船団を引きつけている間に、アクセル船団が回り込んで敵船団の背後を強襲するというものだ。
「ニャーたちが一番危ないニャー」
「お頭の兄貴は頭おかしいにゃ~」
「がっははは、出来ねぇってんなら役目は代わったっていいんだぜ?」
黒猫たちの文句をアクセルは豪快に笑い飛ばす。逆に「その程度か?」と言われた気分になり、黒猫たちは唸り声を上げて黙ってしまう。
「まぁ仕方ないかな、この船が一番目立つものね」
シャルルの言葉に横にいたヴァル爺も頷く。夜の帳が下り海上はすでに真っ暗だ。そんな中で、月明かりに照らされて白く輝くホワイトラビット号は、異様に目立つ存在だった。そんな船で回り込む側に参加すれば、どうぞ見つけてくださいと言っているようなものである。
「よし、信号弾を上げてくれ。符号は『集合せよ』だ」
「わかりました」
ヴァル爺は頷くとチャートルームに向かい、何か筒状の物を持って戻ってきた。それを空に向けるとトリガーを引く。バシュッと空気が抜けるような音と共に光の玉が打ち上がった。これは信号弾という魔導具で、主に光を使って夜間に僚船に指令を送る際に使う代物だ。
しばらくして周辺にいた六隻の海賊船が、ホワイトラビット号を取り囲むように集まってきた。その様子にシャルルは関心したように頷く。
「さすがアクセル兄の船団だね。こんなに暗い中でも、ここまで寄せて集まれるなんて凄いわ」
「ふふん、そうだろ?」
アクセルは自慢げに鼻を鳴らした。帆船において細かな操船は難しいものである。接触しないように集結するには、船乗りたちの高い練度がなければ難しいことだった。
集まった海賊船に、ランプの灯りを利用した光通信で指令を伝えていく。密封したランタンの蓋を開け閉めをして、灯りが漏れた長さで信号を送る夜間に有効な通信手段である。
作戦を伝えられたアクセル船団の海賊船は、速度を落としホワイトラビット号から離れていく。
「よし、あとはこの船で引きつけるぞ!」
「大丈夫、わたしたちに任せて! 面舵十五、南東に向けて!」
アクセルの言葉にシャルルが支持を飛ばす。ハンサムが復唱しながら舵を廻すと、ホワイトラビット号は南東に向けて回頭を始めた。
◇◇◆◇◇
その頃、海賊船ウゴルス号の甲板上 ――
ルブルムに奇襲を掛けてきた海賊船団は、ハルヴァー大海賊団に所属していない小さな海賊団が集まったものだった。彼らは港を独占して羽振りの良いハルヴァー大海賊団を妬み、今回の襲撃に至ったのだ。
「親分、出て来れたのは七隻みたいですぜ。情報通りレッドファングの野郎もいねぇ」
「おぅ、そうか! このまま一気に叩き潰して、港に停まっている船も焼いちまえば、ルブルムは俺たちのものだぜ」
手下の報告に髭面の海賊が嬉しそうに笑いながら答える。彼が今回の襲撃を企てたキャプテンヴコールである。アクセルが予想していた通り、レッドファング号の不在を狙った襲撃だった。
「しかし、あのクソ目立つ白い船はなんでしょうね? あんな船、アクセル船団にゃなかったと思いやすが」
「さぁな……だがあの船の周りに他の船が集まったところを見ると、おそらくアレが旗艦なんだろうよ。つまり、アレにアクセルの野郎が乗ってる可能が高ぇってことだ。あいつさえ潰しちまえば、他の連中なんて雑魚だぜ」
「なるほど、さすがキャプテン!」
「よし、全船に伝えろ。狙うのはあの白い船だ!」
「へい!」
手下はそう返事をすると、周りの船に伝令に走っていった。一人残ったキャプテンヴコールは、東に逸れていくホワイトラビット号を睨みつけながら歯軋りをする。
「アクセルのクソ野郎め、今日こそぶっ殺してやるぜぇ」
◇◇◆◇◇
南東に針路を取り風上に切り上がっているホワイトラビット号から見て、敵船団は左舷方向に見えていた。一部はホワイトラビット号に直進し、別働隊がホワイトラビット号の進路を塞ぐように東に向かって進んでいる。
「どうやら取り囲むつもりね。思ったよりバカじゃないみたい」
「油断すんなよ? 大海賊団に喧嘩を売る馬鹿でも、それなりにベテラン海賊だぜ」
アクセルの忠告にシャルルは微かに笑う。その顔には自信が満ち溢れていた。
「わかってるって、アクセル兄はそこで見ててよ。お前たち、火矢の準備! 灯りは洩れないように注意してね」
「にゃー!」
操帆に関わってない黒猫たちが火矢と万が一のために水桶が用意され、それを隠すように盾が配置される。
「取舵っ!」
シャルルの号令で回頭したホワイトラビット号は、今度は別れた二つの船団の中心辺りに針路を合わせる。その動きに反応して、敵船団はホワイトラビット号を挟むように展開していく。このまま直進すれば左右から砲撃を受ける形だ。
「よし、かき乱すよ! 反応遅れないでね」
「おぅ、ドンッと来いや!」
「ニャー!」
操舵士のハンサムと甲板員の黒猫たちが声をあげる。ホワイトラビット号から見て左舷に位置する船団のほうが少しだけ速度が速く、船団の先頭の船はそろそろ大砲の射程に入るところだった。
「面舵一杯!」
ホワイトラビット号が旋回を始めると同時に、敵船から砲撃の爆音が聞こえてきた。砲弾はホワイトラビット号の左舷付近に落ちて水柱をあげる。ホワイトラビット号はそのまま風上を切り上がるように進み、今度は別働隊に向かい始める。
「おい、追ってくるぜ?」
アクセルの言葉の通り、最初の砲撃を外した敵船団は離れていくホワイトラビット号を追いかけるように、風上に切り上がってきた。しかし、シャルルは特に気にしていない様子で、前方の別動隊を見つめている。
「取舵一杯! フォアマスト裏打たせて、艫流せっ!」
前方のマストの帆をすべてを風上に向け裏帆を打たせ減速することで、まるで曲芸のように急速に左旋回を開始するホワイトラビット号、それに合わせて別働隊からの砲弾が飛んできた。
その砲弾はホワイトラビット号の近くに着弾したが、船を揺らしただけで大きな損傷はない。しかし旋回中の減速で両船団に接近を許してしまい、挟まれる形になってしまった。
「適帆! 魔導動力炉を蹴っ飛ばせっ!」
「ニャー!」
全ての帆に風を孕み、さらに魔導航行を併用することで急加速したホワイトラビット号は敵船団の砲撃を三度躱した。二つの船団の間を抜けるように進むホワイトラビット号、その甲板上ではタイミングを見計らっていたシャルルが、船首で待機していたマギに合図を送る。
「マギ、今よ!」
「ダークミスト!」
掲げられたマギの杖を中心に暗闇の霧が溢れ出し、あっという間にホワイトラビット号を包み込んだ。
◇◇◆◇◇
海賊船ウゴルス号の甲板上 ――
急加速したホワイトラビット号が、忽然と姿を消したことで海賊船団内では動揺が走っていた。
「頭ぁ、白い船が突然消えましたぜ!?」
「そんな訳があるかっ! よく捜せっ!」
キャプテンヴコールが怒鳴り声を上げた瞬間、何も無い空間から火矢が降り注ぐ……本数としては数本、落ち着いて対処すれば問題なく消火できる本数である。しかし極度の緊張状態にあった甲板上において、その数本が致命的になる。
「うわぁぁぁ!? どこからだ? どこから撃ってきた!?」
「バケモノ……バケモノ船だ!」
「落ち着け! まずは火を消すんだっ!」
キャプテンヴコールが、落ち着かせようと声を張り上げるが混乱は広がる一方だった。その混乱は恐怖となり砲手たちにも伝播する。
「うわぁぁぁ! 撃てっ! 撃てぇ!」
何も見えないが火矢の発生源と思われる場所に、闇雲に砲撃を撃ちまくる砲手たち。そして運が悪いことに、その砲弾は同じように混乱していた別働隊の一隻に当たってしまう。突然攻撃された別働隊も、状況がわからないまま反撃を開始したことで敵船団は同士討ちを始めてしまったのだった。
「撃つなっ! アレは味方の船だっ!」
「やられる前にやっちまえぇ!」
最早キャプテンヴコールがいくら叫んだところで、場の混乱は治まるものではなかった。そして同士討ちを始めた両船団を取り囲むように、回りこんで来ていたアクセル船団が突撃して砲弾を叩き込み始めた。
こうなっては敵船団は為す術もなく、もはや海の藻屑と消えて行くのは時間の問題だった。
ホワイトラビット号が囮になり敵船団を引きつけている間に、アクセル船団が回り込んで敵船団の背後を強襲するというものだ。
「ニャーたちが一番危ないニャー」
「お頭の兄貴は頭おかしいにゃ~」
「がっははは、出来ねぇってんなら役目は代わったっていいんだぜ?」
黒猫たちの文句をアクセルは豪快に笑い飛ばす。逆に「その程度か?」と言われた気分になり、黒猫たちは唸り声を上げて黙ってしまう。
「まぁ仕方ないかな、この船が一番目立つものね」
シャルルの言葉に横にいたヴァル爺も頷く。夜の帳が下り海上はすでに真っ暗だ。そんな中で、月明かりに照らされて白く輝くホワイトラビット号は、異様に目立つ存在だった。そんな船で回り込む側に参加すれば、どうぞ見つけてくださいと言っているようなものである。
「よし、信号弾を上げてくれ。符号は『集合せよ』だ」
「わかりました」
ヴァル爺は頷くとチャートルームに向かい、何か筒状の物を持って戻ってきた。それを空に向けるとトリガーを引く。バシュッと空気が抜けるような音と共に光の玉が打ち上がった。これは信号弾という魔導具で、主に光を使って夜間に僚船に指令を送る際に使う代物だ。
しばらくして周辺にいた六隻の海賊船が、ホワイトラビット号を取り囲むように集まってきた。その様子にシャルルは関心したように頷く。
「さすがアクセル兄の船団だね。こんなに暗い中でも、ここまで寄せて集まれるなんて凄いわ」
「ふふん、そうだろ?」
アクセルは自慢げに鼻を鳴らした。帆船において細かな操船は難しいものである。接触しないように集結するには、船乗りたちの高い練度がなければ難しいことだった。
集まった海賊船に、ランプの灯りを利用した光通信で指令を伝えていく。密封したランタンの蓋を開け閉めをして、灯りが漏れた長さで信号を送る夜間に有効な通信手段である。
作戦を伝えられたアクセル船団の海賊船は、速度を落としホワイトラビット号から離れていく。
「よし、あとはこの船で引きつけるぞ!」
「大丈夫、わたしたちに任せて! 面舵十五、南東に向けて!」
アクセルの言葉にシャルルが支持を飛ばす。ハンサムが復唱しながら舵を廻すと、ホワイトラビット号は南東に向けて回頭を始めた。
◇◇◆◇◇
その頃、海賊船ウゴルス号の甲板上 ――
ルブルムに奇襲を掛けてきた海賊船団は、ハルヴァー大海賊団に所属していない小さな海賊団が集まったものだった。彼らは港を独占して羽振りの良いハルヴァー大海賊団を妬み、今回の襲撃に至ったのだ。
「親分、出て来れたのは七隻みたいですぜ。情報通りレッドファングの野郎もいねぇ」
「おぅ、そうか! このまま一気に叩き潰して、港に停まっている船も焼いちまえば、ルブルムは俺たちのものだぜ」
手下の報告に髭面の海賊が嬉しそうに笑いながら答える。彼が今回の襲撃を企てたキャプテンヴコールである。アクセルが予想していた通り、レッドファング号の不在を狙った襲撃だった。
「しかし、あのクソ目立つ白い船はなんでしょうね? あんな船、アクセル船団にゃなかったと思いやすが」
「さぁな……だがあの船の周りに他の船が集まったところを見ると、おそらくアレが旗艦なんだろうよ。つまり、アレにアクセルの野郎が乗ってる可能が高ぇってことだ。あいつさえ潰しちまえば、他の連中なんて雑魚だぜ」
「なるほど、さすがキャプテン!」
「よし、全船に伝えろ。狙うのはあの白い船だ!」
「へい!」
手下はそう返事をすると、周りの船に伝令に走っていった。一人残ったキャプテンヴコールは、東に逸れていくホワイトラビット号を睨みつけながら歯軋りをする。
「アクセルのクソ野郎め、今日こそぶっ殺してやるぜぇ」
◇◇◆◇◇
南東に針路を取り風上に切り上がっているホワイトラビット号から見て、敵船団は左舷方向に見えていた。一部はホワイトラビット号に直進し、別働隊がホワイトラビット号の進路を塞ぐように東に向かって進んでいる。
「どうやら取り囲むつもりね。思ったよりバカじゃないみたい」
「油断すんなよ? 大海賊団に喧嘩を売る馬鹿でも、それなりにベテラン海賊だぜ」
アクセルの忠告にシャルルは微かに笑う。その顔には自信が満ち溢れていた。
「わかってるって、アクセル兄はそこで見ててよ。お前たち、火矢の準備! 灯りは洩れないように注意してね」
「にゃー!」
操帆に関わってない黒猫たちが火矢と万が一のために水桶が用意され、それを隠すように盾が配置される。
「取舵っ!」
シャルルの号令で回頭したホワイトラビット号は、今度は別れた二つの船団の中心辺りに針路を合わせる。その動きに反応して、敵船団はホワイトラビット号を挟むように展開していく。このまま直進すれば左右から砲撃を受ける形だ。
「よし、かき乱すよ! 反応遅れないでね」
「おぅ、ドンッと来いや!」
「ニャー!」
操舵士のハンサムと甲板員の黒猫たちが声をあげる。ホワイトラビット号から見て左舷に位置する船団のほうが少しだけ速度が速く、船団の先頭の船はそろそろ大砲の射程に入るところだった。
「面舵一杯!」
ホワイトラビット号が旋回を始めると同時に、敵船から砲撃の爆音が聞こえてきた。砲弾はホワイトラビット号の左舷付近に落ちて水柱をあげる。ホワイトラビット号はそのまま風上を切り上がるように進み、今度は別働隊に向かい始める。
「おい、追ってくるぜ?」
アクセルの言葉の通り、最初の砲撃を外した敵船団は離れていくホワイトラビット号を追いかけるように、風上に切り上がってきた。しかし、シャルルは特に気にしていない様子で、前方の別動隊を見つめている。
「取舵一杯! フォアマスト裏打たせて、艫流せっ!」
前方のマストの帆をすべてを風上に向け裏帆を打たせ減速することで、まるで曲芸のように急速に左旋回を開始するホワイトラビット号、それに合わせて別働隊からの砲弾が飛んできた。
その砲弾はホワイトラビット号の近くに着弾したが、船を揺らしただけで大きな損傷はない。しかし旋回中の減速で両船団に接近を許してしまい、挟まれる形になってしまった。
「適帆! 魔導動力炉を蹴っ飛ばせっ!」
「ニャー!」
全ての帆に風を孕み、さらに魔導航行を併用することで急加速したホワイトラビット号は敵船団の砲撃を三度躱した。二つの船団の間を抜けるように進むホワイトラビット号、その甲板上ではタイミングを見計らっていたシャルルが、船首で待機していたマギに合図を送る。
「マギ、今よ!」
「ダークミスト!」
掲げられたマギの杖を中心に暗闇の霧が溢れ出し、あっという間にホワイトラビット号を包み込んだ。
◇◇◆◇◇
海賊船ウゴルス号の甲板上 ――
急加速したホワイトラビット号が、忽然と姿を消したことで海賊船団内では動揺が走っていた。
「頭ぁ、白い船が突然消えましたぜ!?」
「そんな訳があるかっ! よく捜せっ!」
キャプテンヴコールが怒鳴り声を上げた瞬間、何も無い空間から火矢が降り注ぐ……本数としては数本、落ち着いて対処すれば問題なく消火できる本数である。しかし極度の緊張状態にあった甲板上において、その数本が致命的になる。
「うわぁぁぁ!? どこからだ? どこから撃ってきた!?」
「バケモノ……バケモノ船だ!」
「落ち着け! まずは火を消すんだっ!」
キャプテンヴコールが、落ち着かせようと声を張り上げるが混乱は広がる一方だった。その混乱は恐怖となり砲手たちにも伝播する。
「うわぁぁぁ! 撃てっ! 撃てぇ!」
何も見えないが火矢の発生源と思われる場所に、闇雲に砲撃を撃ちまくる砲手たち。そして運が悪いことに、その砲弾は同じように混乱していた別働隊の一隻に当たってしまう。突然攻撃された別働隊も、状況がわからないまま反撃を開始したことで敵船団は同士討ちを始めてしまったのだった。
「撃つなっ! アレは味方の船だっ!」
「やられる前にやっちまえぇ!」
最早キャプテンヴコールがいくら叫んだところで、場の混乱は治まるものではなかった。そして同士討ちを始めた両船団を取り囲むように、回りこんで来ていたアクセル船団が突撃して砲弾を叩き込み始めた。
こうなっては敵船団は為す術もなく、もはや海の藻屑と消えて行くのは時間の問題だった。
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