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第2章
大切な宝物 ユーリside
しおりを挟む「アル!」
何度もアルの名を呼んだ
蹲り倒れたアルを抱き起こす
まだゼェハァゼェハァと苦しそうにするアル
薬を飲み込めるほどの力はない
「だいじょうぶ......だから......なかないで」
アルは振り絞る力を使って俺の頬に手を添えて親指で涙を拭ってくれた
アルを支えるのを右手にかえて俺はアルの手の上から左手を重ねた
自分が大変なくせに
「薬だ。アル飲んで。飲んでくれ」
薬を口に含んで何度かにわけてアルに与えた
口付けするように優しく
「夢じゃないの?」
薬をいれてからしばらくしたらアルから発した言葉
「バカだなぁ。夢じゃない。アルおかえり」
「そっかー夢じゃないんだ」
ニコッと笑ってアルの意識がなくなりすぅすぅと寝息が聞こえだした
ホッとした矢先
「うまくいったみたいね。ユーリ様」
「様はよしてよ。トムさん相変わらず意地悪だなぁ」
「アルちゃんのその赤い跡」
「きっちり償わしてやる。アルにしたこと全部」
「全員 貴族共々捕縛は完了してるけど拷問かける?」
「隣国にまでいってる可能性あるからね。トムさん得意でしょ。頼むよ」
「任せな。俺お得意のコレではかせてやる」
「彼氏は知ってんの?」
「俺が組み敷かれるのはあの研究バカだけさ」
「熱いねー」
「ほらさっさと撤収よ!」
俺は大事に眠るアルを横抱きで抱えて帰路についた
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