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エメルロ侯爵家一族 視点
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ルルナ、いやルナと呼ぼう。あの子は過酷な人生だった。ルルナの命を救ってからも酷いものだった。ワシはその話を手紙で知った時には涙を流してしまった。ルナたんには感謝するだけでは足りん!
ワシは祖父としてルナたんとルルナたんを甘やかし溺愛するからのぅ。
だが、あの子にも家族ができ。笑顔で今は幸せだと言ってくれたあの可愛い笑顔を守ってやることも忘れんぞ!
それにしても、また今日も国境へローバル国の第2王子と婚約者と名乗る憎き『ルドルフ・メリデン・ローバルとブリアン・ダメンズ男爵』が来訪した。
あのアッホバード(ルドルフ殿下)と新種のメスオーク(ブリアン嬢)
何度来訪しようとも通させはしない!
「お前たち、ルナたんには……」
「ル、ルナたん?」
シーンとなる一室。ここには妻と長男家族、末っ子の息子がいるのだが。やってしまった。
「旦那様はルナ様のことを【ルナたん】や【ルルナたん】と1人で呟いてるのでございます」
い、いいではないか! 可愛いルナをルナたんと呼んでも!!
「おじい様、俺のことは呼び捨てですよね?
俺にもジェイドたんと呼んで欲しいとは言いませんが、ルナに許可を取ってからにした方がいいと存じます!」
「俺もそれに同感だな」
「ルナは承諾してくれるでしょうが、長として恥じない行動をするべきかと存じますわ」
長男家族は厳しいな。
「あぁーー、まぁ。ルナの許可次第ですね」
末っ子のベルナールまで言うのか!?
手厳しいのぉ。
「クリフ! わたくしもルナたんと呼びたいわ!
お手紙で許可を取り付けましょう!」
「その手があったか!」
さすが、ワシが愛するレイだ!
「その前に、あのアッホバードと新種のメスオークのことよ」
「絶対にスリチア国に入れてはならん!
あれらが神獣様と女神様の眷属マロン様の主ルナに近付き、神獣様とマロン様が激怒すれば……戦争になるだろう。勝負は一瞬で終わるだろうが、それだけは避けたい」
「あの2人ほんっとに、毎日飽きもせず騒ぎを起こすんだ。アレはもう本当に最悪だ!
俺が対応したらさ、新種のメスオークが突進して来たんだぜ!!」
「ははは、ジェイが驚いて避けたんだったな。
あれはまさにメスオーク!!」
ここで会議をしていると、聞きたくない知らせが来た。
「緊急です! 新種のメスオークをスリチア国のルナ様の冒険者ギルドで捕獲したとのことです!!」
この場にいた俺達は立ち上がり。
「ルナは無事なのか!?」
「はい。ルナさんは母親とドルバルさん、レイブンさんに守られ無事です。
メスオークは神獣様と素の姿になったマロン様が空中で脅し……急所を外し攻撃をしたようです。神獣様も毒を注入することなくお腹のど真ん中に尻尾を刺し気絶させ、ルルナ様が回復魔法を施したようです。が、肝が座った方なのか、攻撃される前は泣くことなく、空中でルナ様を睨みつけ暴言を吐いていたとのことです!
恐ろしいメスオークです」
「さすが神獣様とマロン様だ。
だが、何か対策はしなくてはならないな。騎士団の誰かを護衛に付けるのが良いだろう。
陛下に嘆願書をしたためよう」
その嘆願書はすぐに受理をされ、ルナの元へ騎士団の参謀であるレンルーク・フロスレン公爵様が護衛として来ることに。
ワシは祖父としてルナたんとルルナたんを甘やかし溺愛するからのぅ。
だが、あの子にも家族ができ。笑顔で今は幸せだと言ってくれたあの可愛い笑顔を守ってやることも忘れんぞ!
それにしても、また今日も国境へローバル国の第2王子と婚約者と名乗る憎き『ルドルフ・メリデン・ローバルとブリアン・ダメンズ男爵』が来訪した。
あのアッホバード(ルドルフ殿下)と新種のメスオーク(ブリアン嬢)
何度来訪しようとも通させはしない!
「お前たち、ルナたんには……」
「ル、ルナたん?」
シーンとなる一室。ここには妻と長男家族、末っ子の息子がいるのだが。やってしまった。
「旦那様はルナ様のことを【ルナたん】や【ルルナたん】と1人で呟いてるのでございます」
い、いいではないか! 可愛いルナをルナたんと呼んでも!!
「おじい様、俺のことは呼び捨てですよね?
俺にもジェイドたんと呼んで欲しいとは言いませんが、ルナに許可を取ってからにした方がいいと存じます!」
「俺もそれに同感だな」
「ルナは承諾してくれるでしょうが、長として恥じない行動をするべきかと存じますわ」
長男家族は厳しいな。
「あぁーー、まぁ。ルナの許可次第ですね」
末っ子のベルナールまで言うのか!?
手厳しいのぉ。
「クリフ! わたくしもルナたんと呼びたいわ!
お手紙で許可を取り付けましょう!」
「その手があったか!」
さすが、ワシが愛するレイだ!
「その前に、あのアッホバードと新種のメスオークのことよ」
「絶対にスリチア国に入れてはならん!
あれらが神獣様と女神様の眷属マロン様の主ルナに近付き、神獣様とマロン様が激怒すれば……戦争になるだろう。勝負は一瞬で終わるだろうが、それだけは避けたい」
「あの2人ほんっとに、毎日飽きもせず騒ぎを起こすんだ。アレはもう本当に最悪だ!
俺が対応したらさ、新種のメスオークが突進して来たんだぜ!!」
「ははは、ジェイが驚いて避けたんだったな。
あれはまさにメスオーク!!」
ここで会議をしていると、聞きたくない知らせが来た。
「緊急です! 新種のメスオークをスリチア国のルナ様の冒険者ギルドで捕獲したとのことです!!」
この場にいた俺達は立ち上がり。
「ルナは無事なのか!?」
「はい。ルナさんは母親とドルバルさん、レイブンさんに守られ無事です。
メスオークは神獣様と素の姿になったマロン様が空中で脅し……急所を外し攻撃をしたようです。神獣様も毒を注入することなくお腹のど真ん中に尻尾を刺し気絶させ、ルルナ様が回復魔法を施したようです。が、肝が座った方なのか、攻撃される前は泣くことなく、空中でルナ様を睨みつけ暴言を吐いていたとのことです!
恐ろしいメスオークです」
「さすが神獣様とマロン様だ。
だが、何か対策はしなくてはならないな。騎士団の誰かを護衛に付けるのが良いだろう。
陛下に嘆願書をしたためよう」
その嘆願書はすぐに受理をされ、ルナの元へ騎士団の参謀であるレンルーク・フロスレン公爵様が護衛として来ることに。
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