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呪い

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 今朝もオールはジンにお説教されながら政務へ行ってたな。

「グリ、フェン、おはよう。
 今日は、あの人達が来るのよ!」

 フェンの顔が、身体中からドス黒いオーラが見えるよ。

「グリは知らないよね?
 私がこんな風に歩けなくなった原因の人達が来るのよ」

 グリが私の足を見た時に目が光った?

「グリ?
 さっき目が光った様に見えたんだけど、何かあったの?」

 グリの言葉にビックリ!
 私の足から何かを感じると言って、近くで見ると『呪い』を受けているから魔法が効かない様だった。

「グリは……あの時、何が起こったのかが見えるの?」

「主にした光景は見えないが『呪い』のオーラだけは見える」
「呪い?
 私は呪いをかけられているの?」
「あぁ、それは確実に呪いだ。
 だが呪いをかけた者は……死んでいるな」
「えっ、死んでいる?
 急いで知らせなきゃ!
 きゃあっ!
 イタタッ!」

 グリとフェンが急いで駆けつけてくれた。

「どうされまし……ユア様!
  大丈夫ですか?
  誰か来て下さい!」
「メメル、私は大丈夫よ。
 それより大変なの、私の足に『呪い』がかけられてるの、急いで王様達に知らせなきゃ。
 私はオールに知らせに行くから、メメルは王様への報告をお願いしても良いかな?」
「畏まりました!」

 メメルは頷いた後、一瞬で消えていた。
 はやっ! もう居ないし。
 そんな事よりも、早くオールの所に……手が震えて力が……。

「主、オレ様かフェンに乗れ!
 急いでんだろ?
 オレ様が主とフェンを掴んで運んでやろう!」

 私とフェンはグリに掴まれて運ばれた。

「…………!!」
「…………!!」
 
 グリが政務室へ運んでくれたのだが、オールとジンは私が運ばれる格好とスカートの中が見えてるのを見て言葉を失った。
 スカートの中が見えたり見えなかったりと、ヒラヒラしながら飛んで来たから、今も丸見え状態です。
 その事に私だけが知らないらしい。
「やだっ、ユア様見えてますわ!
 ジン様見てはいけません!!」
 ジンは私のスカートの中を見ていたが、オールと目が合い、私から目をそらした。
 ジーナは慌ててジンの目を両手で隠した。
 オールは顔を真っ赤にして、ジンと同様に目をそらしてからグリに話した。

「グリ、ユアのスカートの中が見えてるからおろせ!」
「えぇっ!
 グリ、下ろして」

 私の言う事しか聞かないグリ。
 そんな下着の事より!

「オール、ジーナ、ジン!
 私のスカートや下着の事なんてどうでも良いのよ!
 私の足に『呪い』がかけられているってグリが教えてくれたの。
 あの時、私に何か変わった事は起きなかった?」

 ジンとオールは思い当たる事があった。
 ジーナが呟く様に言った。

「紫の光と黒っぽい光?
 治癒の光って……確か白っぽいはずですわよね?」
「まさか、あの時の黒に近い紫色の光、二度もありました!」
「確かに黒に近い紫色だったな!」

 オールとジンは、あの治癒講師?

「一度目は『発動準備』、二度目は『呪い』だ!
 だがこの術を使った者は、もうこの世にいなくなってるぞ」

 グリの言葉に、驚いている。
 私はさっき聞いたから。
 オールとジンはグリを見ていた。

「詳しい事は、神である『シオン』に聞く事だな」

 グリの言葉にオールは私を見て言った。

「謁見の間へ行こう!」
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