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仲間と共に旅に

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 この連中がウザすぎて我慢の限界だった。

 そうだなあ、王都だけに防護壁をすると他の国からも防護の要請が来ると分かっていたので、王都から順番に仕方なしで防護壁を付けて行くか。

「あぁーー、はいはいはい。
 分かりましたよ、防護壁だけ付けるからその後の事は自分達でして下さいよ!
 それ以外は聞きません!
 了承しないのなら知りません!!」

「おいっ、ミオ!
 こんな奴等の為に魔力を使わなくて良い」

「ここにずっと居座られるよりましだもの」


 私は王様の目を見て言葉を待った。

 王子と王女はイライラした顔で歯ぎしりをしながら私を睨んでいる。

 私は「はぁーー」と溜息を吐いて後ろを振り返った時だった、王様の焦った声が聞こえた。


「ま、待ってくれ。
 頼む! 夜になると魔獣どもが徘徊するんだ」

「もう私達に関わらないって約束してくれますか?
 口約束ではなくて念書もお願いします。
 では王様とお付きの方だけの出入りを許します。
 こちらへどうぞ」

「ミオ、俺も行くからな」

「パパありがとう。
 ルシアとゼクスのおじさんも同席をしてもらっても良いかな?
 この世界の念書がよく分からないから教えてくれると助かります」

「分かった、同席しよう」

「念書は簡単だよ」


 王様の隣には、お付きの人が1人……あとは背後も周りもダン、バズ、レオ、アール、叔父さん、ボブさん、冒険者の皆、王様の前に私は座り念書を置いた。

 私の両隣にはルシアのおじさん、ゼクスのおじさんが座っている。


「念書を読んで署名をお願いします」

「これで良いか?」

「……、うむ。
 問題ないだろう」

「この1枚は王様が大切に保管していて下さい。
 もう1枚は我々が保管します」

「それでは、外まで送ります。
 王様が防護壁から出ると同時に王都へ向かいます。
 誰でも出入り可能にしておくので安心して下さい。
 あと! ダルーズ・グレッグと一緒にいる2人は不正をしていますので今一度調査が必要だと思います」

「……ありがとう。
 調査をしよう、本当にありがとう!」


 私は笑顔で王様と握手をし、手を振って見送った。

 皆の方に向き、王都から順番に防護壁をしたい事とそれをするのに時間がかかるから長旅になる事。

 心配していたレオが付いて来るのは分かってた、驚いたのはアリアの事だった。

 アリアは私と同行の許可があっさりとおりた。

 だってボブさんが一緒だから。

 あとはお馴染みのパパ、バズ、ルシア、ゼクスが来てくれるんだよ? 初めて会った時の事を思い出すよ。


「ルシア、気を付けて。
 ……ミオがいるから大丈夫だと思うが、元気に帰って来るんだぞ」

「お父様……はい、無事にゼクスと帰って来るわ。
 帰って来たら、ミオと合同の結婚式なのよね? 楽しみだわ」

「ゼクス、女性を守るんだぞ?
 そして無事に帰って来い!」

「はははっ、分かってるよ」


 アリアは家族で抱き合ってた、私はその家族愛が羨ましかった。

 少し俯いた時、叔父さんと叔母さん、アールが私を優しく抱きしめてくれた。


「ミーちゃん、私達は家族よ。
 昔からずっと家族だったのよ。
 レオと結婚するんだから本物の家族、そしてダンも家族……ミーちゃんを害する者はいないから大丈夫」

「可愛いお姫様、レオだけではなく皆を頼るんだよ」

「皆がいるから大丈夫だろうけど、気を付けて……笑顔で帰って来るのを待っている」

「うん、うんっ!
 ありがとう!!」


 準備も終わり、さあ行きますか。


「フライ!
 ……皆、行って来ます!!」


 防護壁を張る旅がいつ終わるのかは分からないが、私達は笑顔で飛び立った。
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