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第三話 私のためとは言っても限度ってものが
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「……くっ」
「大丈夫ですか?」
「大、丈、夫……」
持ってきた荷物を無事に格納したので、いざ七年ぶりにドレスを着たのだけれども。そう言えば、ドレスって布を大量に使って作ったものだから結構重量があった。コルセットで締め上げられるのはまだ大丈夫だったのだが、この質量を失念していた。重い。
「靴は踵が高くない物に致しましょう。スカートの中は分かりませんから」
「そうね……」
「大丈夫そうならば、そちらをお召しのまま旦那様と夕食の予定になっておりますが」
「ノワール様が用意して下さったのだもの、華麗に着こなしてみせ……ひぎゃああ!」
「エクレール様!?」
たっぷりした布に大きく足を取られ、盛大に転んでしまった。流石のローヌも心配そうな表情だ。
「布が、布が足に纏わりつく……動きづらい……」
「感覚が戻るまで時間が掛かるでしょうし、今晩は無理せずとも」
「うーん……でも、今から別のドレスを改めて準備するってなったら、それはそれで大変なんじゃ」
「夏用のドレスがあっただろう? あれなら今のドレスほど生地が多くないから、それを着ればいい」
突如第三の声が響いたので、ローヌと二人でそろって振り返った。開いたドアから顔を覗かせているのは、執務を行っていた筈のノワール様。
「なぜこちらにいらっしゃるのですか? それに、いくら夫婦になるとは言えお召し替え中の女性の部屋に無断で立ち入るなど」
「他のドレスがあるのですか?」
ローヌがお説教を始めようとしたのを制して、先にそちらの方を確認した。彼が無断で執務室を抜け出してきたのならば、じきにブランが連れ戻しに来る筈だ。それならば、その前に確認しておかないといけない。
「あるぞ。いつエクレールを見つけて連れて帰っても大丈夫なように、季節に合わせたドレスは七年前から一通り揃えている」
「季節に合わせて一通り……」
サイズは平均サイズのみで各季節一着ずつだとしたら、春夏秋冬で合わせて四着ある計算になる。ノワール様の領はこの数年豊作なので、ドレス四着なら確かに用意出来なくもないだろうが……ドレスのトレンドというものは毎年変わるし、年を経れば身長や体型も変わっていく。その辺りを見越して適宜作り直していたとすれば、相当な経費になるのではないだろうか。経費を暗算しかけたが、金額が壮大になりそうで恐ろしくなったので途中で思考を打ち切った。
「ありがとうございます。どちらに保管してあるのですか?」
「城内の倉庫に保管してある。メイド達に言って持って来させるから、エクレールはそのまま待っていてくれ」
ノワール様がそうおっしゃったのとドアがノックされたのはほぼ同時だった。着替え自体は終わっているので、どうぞと入室を促す。入ってきたのは予想通りブランだ。
「……やはりこちらでしたか」
「休憩を挟まないと執務の効率が悪くなるだろう」
「それは確かですが、そのために城内を端から端まで移動するのは如何なものかと思いますけどね」
「そんなに離れているの?」
「いるんです。そして、執務はまだまだ残っています」
「ブラン、余計な事を言うな」
「何が余計なものですか。さあ執務室に帰りますよ」
「嫌だ。俺はエクレールのドレスを見繕わないといけない」
「それならローヌの方が適任でしょう」
「俺との夕食の際にエクレールが着るドレスだぞ? 俺が選ばないで誰が選ぶ」
「実際にドレスを着るのはエクレール様なのですから、ご本人が選ぶべきと思いますが」
必死に抵抗するノワール様と、冷静に論破していくブラン。そんな二人を尻目に、ローヌは廊下を歩いていたメイドに声を掛け指示を出していた。南の倉庫から奥様の夏用ドレスを全部持ってきて……全部? 私の聞き間違いだろうか。
「お二人とも、いつまで言い争ってらっしゃるんです?」
指示を出し終えたローヌが、二人の会話に割って入った。冷静で、感情が分かりづらい声音だけれども……だからだろうか、有無を言わせぬ圧がある。
「これが結婚式で着るエクレール様のドレスでしたら、勿論ノワール様にもご同席頂きますよ。一生に一度の晴れ舞台で着る衣装ですからね」
「ローヌ」
「ですが、今回の衣装はあくまでも夕食の際に着るドレスです。そして、来客がある訳でもこちらが出向く訳でもない、日常の中で着るドレスです」
「それはそうだが」
「そう言ったドレスでしたら、わたくし共が責任を持って選定からお召し替えまでお手伝い致します。ですので、ノワール様はノワール様にしか出来ない業務を優先なさいませ」
落ち着いた、けれども迫力のあるローヌの言葉の前ではノワール様もそれ以上の抵抗は出来ないみたいだった。今も昔も、ベテランのメイド長というのは強い存在に変わりないらしい。
「私からもお願いします、ノワール様」
「エクレール」
「ローヌ達と一緒に選んだドレスで綺麗に着飾って、一緒に食事出来るのを楽しみにしております」
「……エクレールは何を着ていてもいつでも綺麗だぞ」
「そして、あの……」
「何だ!?」
「……結婚式のドレスは、一緒に選んで頂けますか?」
「ああ! 勿論だ!」
力強い返事を頂き、彼の両手に力強く私の両手を包まれる。嬉しそうにきらきらと光るライムグリーンが、うっすら赤い頬が、不謹慎だけど可愛らしいと思った。
「ひとまずは、今日の夕食を楽しみにしていますね」
「分かった。エクレールを待たせないよう速攻で終わらせてくるから」
「ありがとうございます」
「よし、帰るぞブラン」
そう言ってさっさと部屋を出て行ったノワール様を、ブランが溜め息をつきつつ追いかけていく。入れ替わるようにメイド達がやってきたので招き入れると、六人で十五着のドレスを持って来てくれていた。
「……これ、夏用だけよね?」
「夏用だけですよ」
「各季節、同じだけあるの?」
「ありますね」
「……誰も止めなかったの?」
「あの方が止めて聞くと思いますか?」
「……」
つまり、少なくとも五十着以上用意されているという事か。ドレス達が無駄にならずに済んだというだけでも、私がここに来た意味があったのでは……とすら思ってしまう。
(……まぁ、当面ドレスの心配はしなくて済みそうって事で)
そう前向きに捉えておこう。人生何が起こるかなんて誰にも分からないのだから、ぱっぱと切り替えて目の前の物事を柔軟に受け止めていくのが大事だ。
「ええと、気を取り直して」
「はい」
「選んでいきましょう。食事の際に着るのだから、スカート部分の布が少ないだけではなくてお腹周りにゆとりがある方が良いわよね」
「そうですね。それでしたら、こちらの淡いグリーンの物かこちらの……」
ローヌと話しながら、他のメイド達の手も借りてドレスを選んでいく。最終的に内布がシルクで出来たベージュのドレスに決めて、アクセントとしてウエストにグリーンのリボンを結んでもらった。髪はハーフアップにして端を少しだけ編み込んでもらって、ブラウンのバレッタで留めてもらう。無事に準備が出来たので、メイドの一人に案内してもらいながらローヌと食堂の方へ向かった。
「エクレール!」
「ノワール様」
食堂の扉の前で待っていたら、ノワール様が勢いよく現れた。その後で、少し遅れてブランもやってくる。
「無事全部終わらせてきたぞ」
「お疲れ様です……少し息を切らしているようですが」
「早く会いたくて走ってきた」
その言葉に、私の顔は熱くなってローヌの眉間には皺が寄った。そんなローヌの視線から逃れるように、ノワール様は私の肩を抱いて食堂へと誘導する。
「再会した時に来ていた服も愛らしくて似合っていたが、やっぱりエクレールにはドレスが似合うな」
「ありがとうございます。髪もメイド達が結ってくれて……仕上げにバレッタを付けてくれました」
「ああ、このバレッタは俺が視察先で買ったやつだな」
「そうなのですか?」
「エクレールの髪に映えると思ったから」
「……そうだったのですね。こんなに沢山、申し訳ないくらいです」
「気にする事はない。俺がしたくてやった事だし……このくらいしか出来なかったから」
ノワール様はそう呟くと、私を椅子に座らせて自分の席の方へ行ってしまった。もう一度視線が合った時には、もう普段通りの彼に戻っていたのでそれ以上切り出せずに夕食を食べ始める。
(……それを言うならば、今の私こそ彼のために何が出来るのだろう)
そう思って、夕食を食べている間ずっと考えていたけれども。具体的な良い案は、最後まで出てこなかった。
「大丈夫ですか?」
「大、丈、夫……」
持ってきた荷物を無事に格納したので、いざ七年ぶりにドレスを着たのだけれども。そう言えば、ドレスって布を大量に使って作ったものだから結構重量があった。コルセットで締め上げられるのはまだ大丈夫だったのだが、この質量を失念していた。重い。
「靴は踵が高くない物に致しましょう。スカートの中は分かりませんから」
「そうね……」
「大丈夫そうならば、そちらをお召しのまま旦那様と夕食の予定になっておりますが」
「ノワール様が用意して下さったのだもの、華麗に着こなしてみせ……ひぎゃああ!」
「エクレール様!?」
たっぷりした布に大きく足を取られ、盛大に転んでしまった。流石のローヌも心配そうな表情だ。
「布が、布が足に纏わりつく……動きづらい……」
「感覚が戻るまで時間が掛かるでしょうし、今晩は無理せずとも」
「うーん……でも、今から別のドレスを改めて準備するってなったら、それはそれで大変なんじゃ」
「夏用のドレスがあっただろう? あれなら今のドレスほど生地が多くないから、それを着ればいい」
突如第三の声が響いたので、ローヌと二人でそろって振り返った。開いたドアから顔を覗かせているのは、執務を行っていた筈のノワール様。
「なぜこちらにいらっしゃるのですか? それに、いくら夫婦になるとは言えお召し替え中の女性の部屋に無断で立ち入るなど」
「他のドレスがあるのですか?」
ローヌがお説教を始めようとしたのを制して、先にそちらの方を確認した。彼が無断で執務室を抜け出してきたのならば、じきにブランが連れ戻しに来る筈だ。それならば、その前に確認しておかないといけない。
「あるぞ。いつエクレールを見つけて連れて帰っても大丈夫なように、季節に合わせたドレスは七年前から一通り揃えている」
「季節に合わせて一通り……」
サイズは平均サイズのみで各季節一着ずつだとしたら、春夏秋冬で合わせて四着ある計算になる。ノワール様の領はこの数年豊作なので、ドレス四着なら確かに用意出来なくもないだろうが……ドレスのトレンドというものは毎年変わるし、年を経れば身長や体型も変わっていく。その辺りを見越して適宜作り直していたとすれば、相当な経費になるのではないだろうか。経費を暗算しかけたが、金額が壮大になりそうで恐ろしくなったので途中で思考を打ち切った。
「ありがとうございます。どちらに保管してあるのですか?」
「城内の倉庫に保管してある。メイド達に言って持って来させるから、エクレールはそのまま待っていてくれ」
ノワール様がそうおっしゃったのとドアがノックされたのはほぼ同時だった。着替え自体は終わっているので、どうぞと入室を促す。入ってきたのは予想通りブランだ。
「……やはりこちらでしたか」
「休憩を挟まないと執務の効率が悪くなるだろう」
「それは確かですが、そのために城内を端から端まで移動するのは如何なものかと思いますけどね」
「そんなに離れているの?」
「いるんです。そして、執務はまだまだ残っています」
「ブラン、余計な事を言うな」
「何が余計なものですか。さあ執務室に帰りますよ」
「嫌だ。俺はエクレールのドレスを見繕わないといけない」
「それならローヌの方が適任でしょう」
「俺との夕食の際にエクレールが着るドレスだぞ? 俺が選ばないで誰が選ぶ」
「実際にドレスを着るのはエクレール様なのですから、ご本人が選ぶべきと思いますが」
必死に抵抗するノワール様と、冷静に論破していくブラン。そんな二人を尻目に、ローヌは廊下を歩いていたメイドに声を掛け指示を出していた。南の倉庫から奥様の夏用ドレスを全部持ってきて……全部? 私の聞き間違いだろうか。
「お二人とも、いつまで言い争ってらっしゃるんです?」
指示を出し終えたローヌが、二人の会話に割って入った。冷静で、感情が分かりづらい声音だけれども……だからだろうか、有無を言わせぬ圧がある。
「これが結婚式で着るエクレール様のドレスでしたら、勿論ノワール様にもご同席頂きますよ。一生に一度の晴れ舞台で着る衣装ですからね」
「ローヌ」
「ですが、今回の衣装はあくまでも夕食の際に着るドレスです。そして、来客がある訳でもこちらが出向く訳でもない、日常の中で着るドレスです」
「それはそうだが」
「そう言ったドレスでしたら、わたくし共が責任を持って選定からお召し替えまでお手伝い致します。ですので、ノワール様はノワール様にしか出来ない業務を優先なさいませ」
落ち着いた、けれども迫力のあるローヌの言葉の前ではノワール様もそれ以上の抵抗は出来ないみたいだった。今も昔も、ベテランのメイド長というのは強い存在に変わりないらしい。
「私からもお願いします、ノワール様」
「エクレール」
「ローヌ達と一緒に選んだドレスで綺麗に着飾って、一緒に食事出来るのを楽しみにしております」
「……エクレールは何を着ていてもいつでも綺麗だぞ」
「そして、あの……」
「何だ!?」
「……結婚式のドレスは、一緒に選んで頂けますか?」
「ああ! 勿論だ!」
力強い返事を頂き、彼の両手に力強く私の両手を包まれる。嬉しそうにきらきらと光るライムグリーンが、うっすら赤い頬が、不謹慎だけど可愛らしいと思った。
「ひとまずは、今日の夕食を楽しみにしていますね」
「分かった。エクレールを待たせないよう速攻で終わらせてくるから」
「ありがとうございます」
「よし、帰るぞブラン」
そう言ってさっさと部屋を出て行ったノワール様を、ブランが溜め息をつきつつ追いかけていく。入れ替わるようにメイド達がやってきたので招き入れると、六人で十五着のドレスを持って来てくれていた。
「……これ、夏用だけよね?」
「夏用だけですよ」
「各季節、同じだけあるの?」
「ありますね」
「……誰も止めなかったの?」
「あの方が止めて聞くと思いますか?」
「……」
つまり、少なくとも五十着以上用意されているという事か。ドレス達が無駄にならずに済んだというだけでも、私がここに来た意味があったのでは……とすら思ってしまう。
(……まぁ、当面ドレスの心配はしなくて済みそうって事で)
そう前向きに捉えておこう。人生何が起こるかなんて誰にも分からないのだから、ぱっぱと切り替えて目の前の物事を柔軟に受け止めていくのが大事だ。
「ええと、気を取り直して」
「はい」
「選んでいきましょう。食事の際に着るのだから、スカート部分の布が少ないだけではなくてお腹周りにゆとりがある方が良いわよね」
「そうですね。それでしたら、こちらの淡いグリーンの物かこちらの……」
ローヌと話しながら、他のメイド達の手も借りてドレスを選んでいく。最終的に内布がシルクで出来たベージュのドレスに決めて、アクセントとしてウエストにグリーンのリボンを結んでもらった。髪はハーフアップにして端を少しだけ編み込んでもらって、ブラウンのバレッタで留めてもらう。無事に準備が出来たので、メイドの一人に案内してもらいながらローヌと食堂の方へ向かった。
「エクレール!」
「ノワール様」
食堂の扉の前で待っていたら、ノワール様が勢いよく現れた。その後で、少し遅れてブランもやってくる。
「無事全部終わらせてきたぞ」
「お疲れ様です……少し息を切らしているようですが」
「早く会いたくて走ってきた」
その言葉に、私の顔は熱くなってローヌの眉間には皺が寄った。そんなローヌの視線から逃れるように、ノワール様は私の肩を抱いて食堂へと誘導する。
「再会した時に来ていた服も愛らしくて似合っていたが、やっぱりエクレールにはドレスが似合うな」
「ありがとうございます。髪もメイド達が結ってくれて……仕上げにバレッタを付けてくれました」
「ああ、このバレッタは俺が視察先で買ったやつだな」
「そうなのですか?」
「エクレールの髪に映えると思ったから」
「……そうだったのですね。こんなに沢山、申し訳ないくらいです」
「気にする事はない。俺がしたくてやった事だし……このくらいしか出来なかったから」
ノワール様はそう呟くと、私を椅子に座らせて自分の席の方へ行ってしまった。もう一度視線が合った時には、もう普段通りの彼に戻っていたのでそれ以上切り出せずに夕食を食べ始める。
(……それを言うならば、今の私こそ彼のために何が出来るのだろう)
そう思って、夕食を食べている間ずっと考えていたけれども。具体的な良い案は、最後まで出てこなかった。
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