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「っ、そ、た……くん」
颯太に腕を掴まれて誘導されたのは大きく膨らみ上がった颯太の熱だった。優花の奥深くまで突き上げてきたことを思い出して顔が熱を持っていく。これから同じことをするのに、最後まで正気を保てるか不安になってきた。
「優花さん、触って欲しいな」
頭を優しく撫でられるとその言葉にあらがうことは出来なかった。
大きく足を開いた颯太の股の間に身を屈めると、目の前にははちきれんばかりの颯太の熱がある。カチャリ、とベルトを外す手が滑る。こんなことをするのは初めてで、知らないうちに手が汗をかいていた。
「緊張してる?」
「……うん。こんなことするの、颯太くんが初めてだから」
ジッとチャックを下ろすとクロノボクサーパンツが見える。染みが出来ているのを見て、優花の鼓動はさらに早くなった。
「っ、ホントに?」
「本当だよ。だって……」
ゴクリ、と颯太が鍔を飲み込む音が聞こえた。見上げて見ると、感極まったのか頬を桃色に染めて我慢している颯太の表情があった。優花はそんな切なげな颯太の表情を見ていると悪戯心がむくりと湧きあがってきた。いつも年下の颯太に翻弄される優花だけれど、たまには年上である余裕を見せたいと、思ってしまったのだ。
「触るだけでいいの?」
「え……」
優花の問いかけに颯太は呆けたように答えた。優花はにこりと微笑むとボクサーパンツから颯太の熱を取りだして、その熱を手の平で包んだ。
「あっ、ゆうか、さんっ……」
颯太の熱の先からはすでにぬるりとした液体が漏れていた。それを指で絡め取ると優花は優しく擦り始めた。
「颯太くん、気持ちいい?」
「は、あっ、うん。すっごい気持ち良い」
蕩けるような表情で返事をされて優花の中で愛おしさが胸いっぱいにこみ上げてくる。もっと何かをしてあげたいと、優花は口を開いて、その先端を口に含んだ。
「ちょ、あっ、優花さんっ、そんな……」
頬にかかった髪を耳にかけて颯太を見上げれば、颯太は今にも泣き出しそうな顔をしていた。なんだか楽しくなってきた優花はその熱を吸い上げる。
「んくっ……あ、ダメ、だってば、優花さんっ!」
颯太の腰に力が入った。限界が近いのだろうと感じたが颯太に引き剥がされてしまう。はぁと、息使いの荒い颯太の熱は固く、反り上がっていた。
「嬉しいけど、これ以上はダメ。イくなら優花さんの中じゃないと嫌だ」
肩を掴まれるとそのままソファに押し倒される。余裕のない表情はどこか切なげで、優花の大好きな颯太の瞳はいつかの夜のように怪しい雰囲気を纏っていた。
「食べられるのはやっぱり合わないみたい。だから優花さんをおいしくいただくね」
妖艶な笑みを浮かべると颯太は優花の足を開き、その熱をこすりつけてきた。
「ねぇ、触ってないのに、もうぬるぬるだよ。僕のを舐めながら、想像してた? このまま入っちゃうかな?」
颯太が優しく優花の入り口に触れる。優花自身も驚くほど蜜がとろりと溢れ出てきた。颯太の熱を咥えているだけでそれを受け入れたくて仕方がなかったのだ。
「んっ、あっ……」
颯太の熱が蜜壷の突起をぬるりと擦る。入り口擦られるだけでひくひくとその熱を受け入れたくて腰が揺れてしまう。
「優花さんも準備バッチリだね、じゃあお邪魔しますっと」
「あっ、んぁ!」
颯太の熱が入ってくる思わず自分の下腹部を押さえていると、颯太の手の平が重なった。
「わかる? ここにどんどん入っていくの。はぁ……すごっ、優花さんの中、熱い……」
蜜壷が燃えるように熱い。それと同時に大きな質量が入り込んできて溶けてしまいそうになる。重なった颯太の手が今繋がっているんだと実感させてくれていた。
「へへ、なんかもー、優花さんの中、僕の形になっちゃったのかなってくらい、ぴったり収まって、気持ちいー」
へにょり、と笑った颯太は大きな犬のように見えた。さっきからころころと表情を変える颯太を見ていると、好きの気持ちが大きくなっていく。可愛かったり、真面目だったり。獣のように猛々しいと覆えば、妖艶に怪しく笑う。どんな颯太も愛おしく思えて、こんなに好きになっていたのだと実感した。
「颯太くん、大好き」
溢れ出た気持ちが言葉に変わる。するとそれを聞いた颯太も瞳を細めて笑った。
「僕も。これからもずーっと、優花さんのこと大好き」
甘えるように優花の頬にキスをした。それを合図に颯太は動き出した。
あの夜のように何度も何度も思いをぶつけるようなその激しさに、優花も応えようと必死にしがみついたのだった。
二人が付き合い始めて初めての夏。
夏のオブジェがお披露目になった日、二人は客としてデパートを訪れていた。
「わぁ……。春も素敵でしたけど、夏のオブジェも素敵だね。こう、懐かしい感じって言うか」
「でしょ。なんか優花さんとエッチしたあと、学生の頃のこと思い出して、こっちのラフ出したら好評だったんだ」
夏と言えばリゾート。デパートも水着売り場は南国の雰囲気にまとめられていて客の購買意欲をかきたてようとするものだ。けれど優花の働くフロアは別だった。どこか学生時代を思い出すようなベンチに、駄菓子屋の様な小さな軒下を作った。まるでここでアイスでも食べている学生カップルがいるのではないかと、そんなノスタルジックな雰囲気に仕上がっていた。
「初恋……まではいかないけど、誰かを純粋に好きになったときの気持ちに似てるなって思って」
繋がれた手にぎゅっと力がこめられた。颯太が過去にどんな人と付き合ってきたのかはわからない。けれど優花も颯太といるといろんなことを忘れて、ただ目の前の人を好きだというクリアな気持ちで満たされていた。
「私も。颯太くんといると、綺麗な気持ちでいられる気がする」
「優花さんはいつもキレイだよ?」
「そうじゃなくて、って嬉しいけど、気持ちの問題!」
颯太は優花には甘い。そして優花も甘えてくる颯太には優しい。お互いがお互いを必要としていて、こうなることは必然だったのかもしれない。
「って、そろそろお昼食べよ! 映画に間に合わないよ」
「ほんとだ。今日は何食べようか?」
「颯太くんとならなんでも!」
そう言うと優花は颯太の手を引いてレストラン街へと向かっていった。
大好きな人とご飯を食べる時間が幸せ。
そう思える人と出会えたことに感謝しながら、今日も食事をするのだった。
颯太に腕を掴まれて誘導されたのは大きく膨らみ上がった颯太の熱だった。優花の奥深くまで突き上げてきたことを思い出して顔が熱を持っていく。これから同じことをするのに、最後まで正気を保てるか不安になってきた。
「優花さん、触って欲しいな」
頭を優しく撫でられるとその言葉にあらがうことは出来なかった。
大きく足を開いた颯太の股の間に身を屈めると、目の前にははちきれんばかりの颯太の熱がある。カチャリ、とベルトを外す手が滑る。こんなことをするのは初めてで、知らないうちに手が汗をかいていた。
「緊張してる?」
「……うん。こんなことするの、颯太くんが初めてだから」
ジッとチャックを下ろすとクロノボクサーパンツが見える。染みが出来ているのを見て、優花の鼓動はさらに早くなった。
「っ、ホントに?」
「本当だよ。だって……」
ゴクリ、と颯太が鍔を飲み込む音が聞こえた。見上げて見ると、感極まったのか頬を桃色に染めて我慢している颯太の表情があった。優花はそんな切なげな颯太の表情を見ていると悪戯心がむくりと湧きあがってきた。いつも年下の颯太に翻弄される優花だけれど、たまには年上である余裕を見せたいと、思ってしまったのだ。
「触るだけでいいの?」
「え……」
優花の問いかけに颯太は呆けたように答えた。優花はにこりと微笑むとボクサーパンツから颯太の熱を取りだして、その熱を手の平で包んだ。
「あっ、ゆうか、さんっ……」
颯太の熱の先からはすでにぬるりとした液体が漏れていた。それを指で絡め取ると優花は優しく擦り始めた。
「颯太くん、気持ちいい?」
「は、あっ、うん。すっごい気持ち良い」
蕩けるような表情で返事をされて優花の中で愛おしさが胸いっぱいにこみ上げてくる。もっと何かをしてあげたいと、優花は口を開いて、その先端を口に含んだ。
「ちょ、あっ、優花さんっ、そんな……」
頬にかかった髪を耳にかけて颯太を見上げれば、颯太は今にも泣き出しそうな顔をしていた。なんだか楽しくなってきた優花はその熱を吸い上げる。
「んくっ……あ、ダメ、だってば、優花さんっ!」
颯太の腰に力が入った。限界が近いのだろうと感じたが颯太に引き剥がされてしまう。はぁと、息使いの荒い颯太の熱は固く、反り上がっていた。
「嬉しいけど、これ以上はダメ。イくなら優花さんの中じゃないと嫌だ」
肩を掴まれるとそのままソファに押し倒される。余裕のない表情はどこか切なげで、優花の大好きな颯太の瞳はいつかの夜のように怪しい雰囲気を纏っていた。
「食べられるのはやっぱり合わないみたい。だから優花さんをおいしくいただくね」
妖艶な笑みを浮かべると颯太は優花の足を開き、その熱をこすりつけてきた。
「ねぇ、触ってないのに、もうぬるぬるだよ。僕のを舐めながら、想像してた? このまま入っちゃうかな?」
颯太が優しく優花の入り口に触れる。優花自身も驚くほど蜜がとろりと溢れ出てきた。颯太の熱を咥えているだけでそれを受け入れたくて仕方がなかったのだ。
「んっ、あっ……」
颯太の熱が蜜壷の突起をぬるりと擦る。入り口擦られるだけでひくひくとその熱を受け入れたくて腰が揺れてしまう。
「優花さんも準備バッチリだね、じゃあお邪魔しますっと」
「あっ、んぁ!」
颯太の熱が入ってくる思わず自分の下腹部を押さえていると、颯太の手の平が重なった。
「わかる? ここにどんどん入っていくの。はぁ……すごっ、優花さんの中、熱い……」
蜜壷が燃えるように熱い。それと同時に大きな質量が入り込んできて溶けてしまいそうになる。重なった颯太の手が今繋がっているんだと実感させてくれていた。
「へへ、なんかもー、優花さんの中、僕の形になっちゃったのかなってくらい、ぴったり収まって、気持ちいー」
へにょり、と笑った颯太は大きな犬のように見えた。さっきからころころと表情を変える颯太を見ていると、好きの気持ちが大きくなっていく。可愛かったり、真面目だったり。獣のように猛々しいと覆えば、妖艶に怪しく笑う。どんな颯太も愛おしく思えて、こんなに好きになっていたのだと実感した。
「颯太くん、大好き」
溢れ出た気持ちが言葉に変わる。するとそれを聞いた颯太も瞳を細めて笑った。
「僕も。これからもずーっと、優花さんのこと大好き」
甘えるように優花の頬にキスをした。それを合図に颯太は動き出した。
あの夜のように何度も何度も思いをぶつけるようなその激しさに、優花も応えようと必死にしがみついたのだった。
二人が付き合い始めて初めての夏。
夏のオブジェがお披露目になった日、二人は客としてデパートを訪れていた。
「わぁ……。春も素敵でしたけど、夏のオブジェも素敵だね。こう、懐かしい感じって言うか」
「でしょ。なんか優花さんとエッチしたあと、学生の頃のこと思い出して、こっちのラフ出したら好評だったんだ」
夏と言えばリゾート。デパートも水着売り場は南国の雰囲気にまとめられていて客の購買意欲をかきたてようとするものだ。けれど優花の働くフロアは別だった。どこか学生時代を思い出すようなベンチに、駄菓子屋の様な小さな軒下を作った。まるでここでアイスでも食べている学生カップルがいるのではないかと、そんなノスタルジックな雰囲気に仕上がっていた。
「初恋……まではいかないけど、誰かを純粋に好きになったときの気持ちに似てるなって思って」
繋がれた手にぎゅっと力がこめられた。颯太が過去にどんな人と付き合ってきたのかはわからない。けれど優花も颯太といるといろんなことを忘れて、ただ目の前の人を好きだというクリアな気持ちで満たされていた。
「私も。颯太くんといると、綺麗な気持ちでいられる気がする」
「優花さんはいつもキレイだよ?」
「そうじゃなくて、って嬉しいけど、気持ちの問題!」
颯太は優花には甘い。そして優花も甘えてくる颯太には優しい。お互いがお互いを必要としていて、こうなることは必然だったのかもしれない。
「って、そろそろお昼食べよ! 映画に間に合わないよ」
「ほんとだ。今日は何食べようか?」
「颯太くんとならなんでも!」
そう言うと優花は颯太の手を引いてレストラン街へと向かっていった。
大好きな人とご飯を食べる時間が幸せ。
そう思える人と出会えたことに感謝しながら、今日も食事をするのだった。
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