婚約破棄後のお話

愚か者には罰を6

「生意気な口を…！！俺を誰だと思ってる！この国次期王だぞ！」
「で？」

ふふふ。たかが次期王が旦那様に勝てると思はないでいただきたいです。
だって考えてみてください。次期王と、一騎当千の力を持つSランク冒険者である旦那様。力の差はバカでもわかります。周辺国もどちらの見方をすべきか、わかります。わからないのはこの国の人間だけでしょうね。

「っ…！！捕らえろ！！」

怒り狂ったバカどもが向かってきますが、相手を見て力の差がわからないあたりも愚かです。

「あっ」
「アレク？」

急にアレクがクスクスと笑い出しました。
因みに襲いかかってくる兵はアレクの結界に阻まれています。

「もう大丈夫だよ、リア。二人とも到着したみたい」

「「リア！！」」

バン！と大きな音を立てて扉が開かれました。

すぐに兵は蹴散らされ、二人に抱きしめられました。
あたたかくて、安心して緊張が緩んだのか涙が出てきました。ディノが不器用ながらも拭ってくれましたが、余計に溢れてしまいました。

あぁ、もう大丈夫。お家へ帰れる。愛しい旦那様たちがきてくれたから。