8 / 33
第一章
冒険の始まり7
しおりを挟む
「どーやったの?どーやったの?」
「うーん・・・。説明しても誠二君が理解できないであろう内容なんだよねぇ・・・。たぶん翻訳できないと思う。」
「・・・?翻訳って?」
誠二は首を傾げた。
「誠二君の世界の言葉と、この世界の言葉はまったく違うの。最初会ったとき、わたしたちは君に理解できない言葉で話してたでしょ?」
誠二が頷くのを見て、ディヤイアンは歩きながら杖を消し、机に着くと、先ほどと同じ椅子に座った。今度は普通に。
「今、君がつけている額飾りがあるでしょう?それが翻訳機の働きをしているの。
わたしたちが話した言葉のイメージを、その額の石に封じてある術の力で、君の頭の中に直接送り込んでいるの。
うーん・・・。だから、翻訳とはちょっと違うか。頭に流れ込んでくるイメージを、君が知っている言葉に変換しているのは君自身だから。」
「えーっと、なんとなく?わかった・・・と思う。んじゃ、オレの言葉はどうやって聞いてんの?」
腕を組み、小首をかしげながら誠二は聞いた。
「わたしたちも同じだよ。君みたいな額飾りじゃないんだ。この耳飾りがそうなの。」
そう言ったディヤイアンの両耳には、黄色い石があった。誠二は、それを見て頷いた。
「ふーん・・・。」
まだよくわかっていないような顔をしている誠二を見て、ディヤイアンは彼の顔を見た。
「あ、そーだ。実践してみよう。
誠二君、ちょっと額飾りをはずしてみて?」
にこにこ笑うディヤイアンの指示に従い、誠二は額飾りを頭からはずした。すると、ディヤイアンは話し出した。
「ドゥイ ヤイオ オムヅンディスティエムドゥ ティアン バイディドゥ バアウワァ エ ティエルク ティイ?」
「え?え??えぇ???」
頭の上にサークレットを掲げ持った状態で固まっている誠二に、ディヤイアンは立ち上がって誠二の横に行くと、自分の手をそえて、再び額飾りを彼の頭に戻した。
「・・・。こんな感じになるの。聞いたことのない言葉が聞こえたでしょ?
地球では、どんなに探してもこの言語はないよ。」
ディヤイアンは面白そうに笑った。誠二は呆然としつつ、頷いた。
「ほんと。全然わかんなかった・・・。」
そんな誠二を見て、ディヤイアンは、少し苦笑いをしながら続けた。
「後、注意してほしいのは、今のことでわかったと思うんだけど、額というか肌に石が当たっている状態じゃないとイメージを送り込めないの。だからできるだけはずさないようにね?
ちなみに、誠二君がはずそうと思わない限り、外れないような術がかかっているから。」
誠二は大きく頷いた。
「OK。・・・ねぇ、これって魔法?」
「うん、そうだよ。」
「うわー、すげー。
んじゃ、ディヤイアンちゃんって、魔法使い?エクーディアさんは?」
再び目をきらきらさせた誠二は、身を乗り出して聞いた。
「うん。わたしは魔法使いだよ。で、得意なのは回復魔法。他にもこの世界で知られている魔法は殆ど使えるよ。
それからエクーディアは剣士だよ。よっぽどのことが無い限り魔法は使わない。戦闘に関しては、それだけの腕を持っているからね。
あ、言い忘れてたけど、この国の人は、一般的な魔法なら誰でも使えるんだよ。」
「へー。すげー。」
「うーん・・・。説明しても誠二君が理解できないであろう内容なんだよねぇ・・・。たぶん翻訳できないと思う。」
「・・・?翻訳って?」
誠二は首を傾げた。
「誠二君の世界の言葉と、この世界の言葉はまったく違うの。最初会ったとき、わたしたちは君に理解できない言葉で話してたでしょ?」
誠二が頷くのを見て、ディヤイアンは歩きながら杖を消し、机に着くと、先ほどと同じ椅子に座った。今度は普通に。
「今、君がつけている額飾りがあるでしょう?それが翻訳機の働きをしているの。
わたしたちが話した言葉のイメージを、その額の石に封じてある術の力で、君の頭の中に直接送り込んでいるの。
うーん・・・。だから、翻訳とはちょっと違うか。頭に流れ込んでくるイメージを、君が知っている言葉に変換しているのは君自身だから。」
「えーっと、なんとなく?わかった・・・と思う。んじゃ、オレの言葉はどうやって聞いてんの?」
腕を組み、小首をかしげながら誠二は聞いた。
「わたしたちも同じだよ。君みたいな額飾りじゃないんだ。この耳飾りがそうなの。」
そう言ったディヤイアンの両耳には、黄色い石があった。誠二は、それを見て頷いた。
「ふーん・・・。」
まだよくわかっていないような顔をしている誠二を見て、ディヤイアンは彼の顔を見た。
「あ、そーだ。実践してみよう。
誠二君、ちょっと額飾りをはずしてみて?」
にこにこ笑うディヤイアンの指示に従い、誠二は額飾りを頭からはずした。すると、ディヤイアンは話し出した。
「ドゥイ ヤイオ オムヅンディスティエムドゥ ティアン バイディドゥ バアウワァ エ ティエルク ティイ?」
「え?え??えぇ???」
頭の上にサークレットを掲げ持った状態で固まっている誠二に、ディヤイアンは立ち上がって誠二の横に行くと、自分の手をそえて、再び額飾りを彼の頭に戻した。
「・・・。こんな感じになるの。聞いたことのない言葉が聞こえたでしょ?
地球では、どんなに探してもこの言語はないよ。」
ディヤイアンは面白そうに笑った。誠二は呆然としつつ、頷いた。
「ほんと。全然わかんなかった・・・。」
そんな誠二を見て、ディヤイアンは、少し苦笑いをしながら続けた。
「後、注意してほしいのは、今のことでわかったと思うんだけど、額というか肌に石が当たっている状態じゃないとイメージを送り込めないの。だからできるだけはずさないようにね?
ちなみに、誠二君がはずそうと思わない限り、外れないような術がかかっているから。」
誠二は大きく頷いた。
「OK。・・・ねぇ、これって魔法?」
「うん、そうだよ。」
「うわー、すげー。
んじゃ、ディヤイアンちゃんって、魔法使い?エクーディアさんは?」
再び目をきらきらさせた誠二は、身を乗り出して聞いた。
「うん。わたしは魔法使いだよ。で、得意なのは回復魔法。他にもこの世界で知られている魔法は殆ど使えるよ。
それからエクーディアは剣士だよ。よっぽどのことが無い限り魔法は使わない。戦闘に関しては、それだけの腕を持っているからね。
あ、言い忘れてたけど、この国の人は、一般的な魔法なら誰でも使えるんだよ。」
「へー。すげー。」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】後妻に入ったら、夫のむすめが……でした
仲村 嘉高
恋愛
「むすめの世話をして欲しい」
夫からの求婚の言葉は、愛の言葉では無かったけれど、幼い娘を大切にする誠実な人だと思い、受け入れる事にした。
結婚前の顔合わせを「疲れて出かけたくないと言われた」や「今日はベッドから起きられないようだ」と、何度も反故にされた。
それでも、本当に申し訳なさそうに謝るので、「体が弱いならしょうがないわよ」と許してしまった。
結婚式は、お互いの親戚のみ。
なぜならお互い再婚だから。
そして、結婚式が終わり、新居へ……?
一緒に馬車に乗ったその方は誰ですか?
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる