6 / 27
某国Ⅱ
しおりを挟む
「観測機より、シャイアンが巨大生物に襲撃されているとの報告!船体に多数の裂け目を確認したとのことです。」
エドワードがシャイアンに魚雷攻撃を許可してから数分、空母のCICでその声があがり周囲は一斉に騒めいた。艦隊の士官らは打ち合わせをしていたが、その報告を聞き駆け足で状況把握に入る。
「シャイアンより遭難信号を受信」
「観測機より続報、損害は大破の模様。」
「目標は未だシャイアンに取り付き、破壊行動を継続中です。」
通信兵らは総出でモニターに向かい、各所から上がってくる情報を集約、読み上げていた。
その状況下、エドワードは表情一つ変えることなく司令官の席からその光景を眺めていた。その姿に業を煮やした士官が、
「司令官!指示をお願いします!この混乱を見て何も思われないのですか!」
一人詰め寄り叱咤した。CICが一瞬、沈黙に包まれ周囲の視線がエドワードに注がれる。
「第七艦隊とはいえ、この程度か?自分達で考えて行動するくらい出来るだろ。一々俺の指示を待つな、少佐以上の階級者なら今回の作戦プランぐらい目を通してるだろ。プラン通りにやれ。」
静まり返った中、彼はCIC全体に聞こえるように声を張り上げた。数人の士官が俯く。
「了解。プラン通りに作戦を進めます。」
その中、艦隊に所属し、CICの中で一番階級の高いノーマット中佐が短く返事をした。エドワードはその返事に無言で府なずいて見せる。ノーマットはその仕草を確認し、
「戦闘救難隊、直ちに発艦。第二次攻撃隊は発艦後、巨大生物をシャイアンから引き離すよう攻撃を加えろ。第一攻撃隊の着艦準備、急がせろ。」
緊張気味な表情を見せながらも指示を飛ばし、CICは再び忙しく動き出した。
その光景をエドワードは見届け、後ろのスペースにいた空軍兵らに体を向け打ち合わせを始めた。ノーマットはその動きに気付き、一瞬不審に思ったが我に返りモニターに目を向けた。
「観測機より、目標の表皮硬度についての報告があがってきました。通常魚雷及び対艦ミサイルの攻撃では効果は確認出来なかったとのことです。」
直後、下士官が小走りで彼の元に駆け寄り報告してきた。それを聞きノーマットの表情が一気に曇った。モニターに再び目を戻すと第二次攻撃隊は後数分で攻撃圏内に入ることが分かった。決断する時間に猶予はなかった。しかしこのまま第二次攻撃隊に通常攻撃を命令したとしても、効果がないことからシャイアンから離れてくれないことは見えていた。
それはつまり潜水艦に残る兵を救助することは出来ず、戦闘救難隊を発艦させた意味がなくなることを示していた。ノーマットの頭の中は混乱し、気付けば声にならない声で悩んでいた。それを見、下士官が声を掛けようとした時だった。
「中佐。コロンバスを前に出せ。」
その声が上から降ってきた。顔を上げると司令官の席からエドワードが指示していた。
「ですが!コロンバスまで餌食になります!沈めたいんですか!」
ノーマットはすぐに反論した。しかしエドワードは気にすることなく、
「第七艦隊の現状は分かった。もういい。生き物一匹どうすることも出来ないのか。」
見兼ねたと言わんばかりに立ち上がり、愚痴をこぼした。艦隊司令を追放したのはどこのどいつだ。海軍士官らがそう思う中、エドワードは通信兵にコロンバスを前に出す指示を送るよう念押しをした。断ることの出来ない通信兵は恐る恐るコロンバスに命令を送る。
「コロンバスは無傷で、シャイアンの乗員を助ける。その代わり艦隊の戦力を使い、奴をシャイアンから離したら放火を集中させろ。いいな?」
ノーマットの目を見ながらも、エドワードは声を張り上げ全体に言い放った。
「イェッサー」
少しの間を空けた後、ノーマットはその一声を絞らせた。エドワードは返答を聞き、再び席に戻って行く。それを見、
「コロンバスの周囲に駆逐艦を展開。目標がシャイアンから離れた事を確認次第、トマホークによる攻撃を許可する。」
いま自分に出来る最善の指示。ノーマットはそう考え周囲に命令を下した。
「了解。シャイロー及びカーティス・ウィルバーをコロンバスの直掩にまわします。」
「第二次攻撃隊の半分をコロンバスの周囲に展開させます。」
担当の士官らは指示を受け、直ちに具体的な行動に移り始めた。通信兵だけではなく、自ら通信機を手に取り調整を行う士官も見えてきた。
「観測機より緊急。目標はシャイアンを離れ、コロンバスの方向に移動を開始。シャイロー及びカーティス・ウィルバー、戦闘態勢に移行します。」
その中、一人の通信兵が大きく後ろを振り向き報告してきた。餌に食いついた。誰しもがそう思いながらノーマットに視線を送った。
「よし。戦闘救難隊は総力をあげて生存者等の救助にあたれ!」
まずは友軍の救助が最優先だ。その思いからノーマットは反射的に言い放った。担当の隊員が忙しく動き始める。モニターに目を映すと救難機から送られてくる映像が流れていた。そこには見るも無残なシャイアンの姿があり、ノーマットは腹立たしい気持ちにかられた。
「目標!攻撃圏に入りました!」
その渦中、艦隊の火器管制官を担当している、少佐の階級章をつけた士官がモニターを凝視しつつ報告してきた。その内容にCIC内の緊張は一瞬にして高まった。ノーマットは思わずエドワードの顔を見る。彼はそれに気付き小さく頷いて見せた。それを見、
「表皮の一枚ぐらいはがして見せろよ、ファイヤー!」
緊張の高まりからか、ノーマットは怒鳴るような口調で叫んだ。
「艦隊指揮官からの攻撃許可降りました!」
ベルが鳴り響くカーティス・ウィルバーの艦内。その中のCICで一人の下士官が報告を飛ばしてきた。
「トマホーク発射!」
その声を聞き、艦長は直ちに命令を下した。直後、カーティス・ウィルバーの前部甲板より火柱が上がる。VLS(垂直発射装置)と呼ばれる兵装からトマホークミサイルが放たれた。周囲に発射炎から生まれる白煙が広がる。
その光景はカーティス・ウィルバーに限った事ではなく、周りの艦艇からも確認出来た。休む間もなく立て続けにトマホークが放たれる。CICでその光景を見ていた艦長は息を呑んでいた。これほど大規模な一斉攻撃は経験したことがなかったからだった。湾岸戦争やイラク戦争に従軍していた過去はあったが、これだけ短時間に集中的な攻撃を目にしたことなく、一体我々は何と戦っているんだという思いが強くなっていた。
「本艦搭載のトマホーク、全弾発射しました。」
その中、火器管制官が短く報告してきた。艦長は我に返り、その言葉に返答。通信機を手に取り、
「了解。これより本艦はコロンバスに密接し、艦載砲及びアスロックにて護衛を開始する。」
艦内オールの通信を使い指示を出す。マイク越しに伝わったその指示は素早く行動に移された。
「ブリッジよりCIC。了解。針路を北西に向け、コロンバスとの距離500を維持する。」
潮風が常時吹き込むブリッジで、航海長は双眼鏡を片手に報告を飛ばした。今日の海は荒れている。CICに通信を送った後、自ら見張り台に向かいそう感じた。
海軍に入隊して20年、数々の緊迫した現場に出向き、その海を見てきたが今回の海は何か違っていた。時折大きな白波が立ち、船が大きく揺れる。普段なら造作もないことだった。
しかしこの不気味さはなんだ。風が吹き涼しい位の環境だったが、彼は汗を流していた。近くにいた見張り員がその表情に首をかしげた。その直後、ほぼ進行方向にあたる方角の空が赤く染まった。肉眼で確認した見張り員は反射的に双眼鏡を覗き込む。
「こちらブリッジ!11方向、爆発炎を肉眼にて確認!」
食い入るように双眼鏡に目を押し付けながら無線機にそう怒鳴った。航海長はそれを見、直ちにブリッジ内に半身だけ戻し、無線を取りCICに指示を仰いだ。
「各駆逐艦のトマホーク。目標に命中。第二次攻撃隊、間もなくインターセプトします。」
空母ロナルド・レーガンのCIC内で、若い下士官がモニターを見つつ、声を上げた。
「効果を至急確認しろ。」
ノーマットは先程とは違い、落ち着いた声で対応した。発射したトマホークは全部で60発近く。散発的な目標であれば第二派攻撃が不可欠であるが、今回は一つの目標且つ、生物だ。艦載機による攻撃がとどめか、死体確認になるだろう。その思いからの姿勢であった。モニターから目を外し、エドワードに笑みを見せる。エドワードは鼻で笑って見せた。直後、
「中佐!観測機より、目標へのダメージは見受けられないとの事です!」
信じられないと言わんばかりに、担当の通信兵が声をあげた。士官らが一斉に、報告をあげた隊員の元に詰め寄る。ノーマットは言葉が出なかった。あれだけのトマホークを撃ち込んでも効果があげられないことに驚きが隠せなかった。CICは今までにないほど混乱の様相を見せる。
「落ち着け!騒ぐな。本艦隊と目標とはまだ充分な距離がある。海軍は撃ち続ければいいんだ。」
士官らが怒鳴り意見を投げ合っている中、エドワードがマイクを使いそう続けた。その場にいる全員の目がエドワードに向けられる。
「何か策でもあるんですか?」
ノーマットに代わり、少佐の階級章を付けた士官がそう問い質してきた。
「策が無ければこんなことは言ってはいない。私とて第七艦隊を潰して汚名を付けられたくはないからな。」
そう返答し、後ろにいた空軍士官らに合図を送った。それを見、士官らはモバイル式の電子機器を一斉に操作し始めた。その光景を不思議そうに見入っている中、
「対空レーダーに感あり!」
レーダー担当の下士官が不意に声を上げた。拍子抜けする士官もいる中、こんな時にどこの国だ。と表情が険しくなる者もおり、担当部署が状況把握に入る。
「識別信号確認。これは友軍です。空軍の・・・リーパーです!数30!目標に向け飛行しています!」
リーパー。それは米空軍で実戦配備されている無人攻撃機であった。距離からしてグアムのアンダーセン基地から飛んできたものだと悟った海軍士官らはエドワードに説明を求めた。
「あれにはカドミウム成分を融合させた特殊弾頭を搭載させている。原発事故を想定した装備で、まだ試験段階だったんだが、この際仕方なかったからな。」
少し肩を落とし、エドワードはそう口を開いた。と、言うのも、あれは虎の子の兵器、出来れば使いたくはなかったのだった。ソナー班からの報告でこの周辺海域には日本を始めとして中露の潜水艦が潜伏していることが明かされていた。それを知った上での使用許可には息苦しいものがあった。下手をすれば世界の戦争形態が変わってしまうキッカケにもなりえるからだ。
その思いがあったが、自分の判断を後悔しても仕方がなかった。エドワードは大きく息を吐き、リーパーに指示を与えている空軍士官らに指示を飛ばした。
「ラジャー。化学弾の安全装置解除・・・。FOX2!」
指示を受けた士官は行動に移し、無線に言い放った。一人の空軍士官の配慮で、CICのモニターにリーパーからの映像が映し出された。全員が映像を見、声を漏らす。映像には化学弾の直撃を受け、苦しむ生物の姿が映し出されていた。
「リーパー各機、一次攻撃完了。旋回後二次攻撃に移行します。」
大佐の階級章を付けた中年男性がエドワードに報告する。一次攻撃の様子から生物の動きが先程と比べて鈍くなってきていることは明らかだった。海軍兵らは手に汗を握る。しかし、
「目標周囲の海水温が・・急上昇しています・・。放射濃度も上がっています!」
衛星から気象状況等を観測していた下士官が、不意に不審な報告をあげてきた。
「あの生物が苦しんでる証拠だろ。気にするな。」
敵にとどめを刺すかどうかの盛り上がっている状況。その場を邪魔する訳にはいかないと、その下士官からの報告を、担当の士官はそう結論付けた。そして中央にその報告を上げることなく監視を続けるよう指示を出し、その下士官から離れて行った。だが、その異常はリーパーから送られてくる映像にも現れ出した。
「中将、目標周囲に白煙を視認。水蒸気によるものです。」
その異変に周囲の表情は険しくなった。
「リーパー各機、二次攻撃圏内に入りました。指示をお願いします。」
エドワードは眉をひそませながらも、攻撃を了承した。茶色い塊として海面から上半身を出していた生物が、いきなりの異変に水蒸気から見えなくなった。しかし命令は変わらない。空軍士官は発射命令を下した。直後、
「目標に高エネルギー反応!」
先程の報告を蹴られた下士官が、今度は悲鳴のような声をあげた。途端、大きな振動が彼らを襲った。
「ブリッジよりCIC!前方よりビームのような火線を確認!駆逐艦三隻が直撃!炎上中!」
その報告から数秒、目標からの攻撃によって空母の艦体が大きく揺れた。地震をイメージさせる激しい揺れ。その状態にCICにいた面々は、何が起こっているのか分かっていなかった。エドワードやノーマットも衝撃から床に叩きつけられていた。痛みが残る中、エドワードはリーパーから映像が送られていたモニターに目を移す。しかしそこには何も映っていなかった。
「中将・・・。リーパー全機。撃墜です。目標からの何らかの攻撃です・・・」
頭から流血した大佐が苦し紛れに報告してきた。周りに目を移すとCICはその機能を発揮出来る状態にはなかった。各種配線が千切れ、モニターにはひびが入っていた。隊員らも床や壁に叩きつけられ、あちこちで呻き声をあげている。まさに地獄絵図だった。耳を劈くような警報ベルが辺りに響き渡る。モニター全てがその意味を成さなくなった今、外の状況を掴める手段はなく、エドワードは不安にかられた。
間もなくして救助班がCIC内部に突入してきた。動けなくなった隊員らの手当てが始まる中、エドワードはまだ機能している無線機を探し、手に取った。救助隊員がその様子を見、手を差し伸べる。その姿勢に頭を軽く下げ、ブリッジに連絡を取った。
「エドワードだ。CICは機能停止。外の状況を教えてくれ。」
痛む箇所を左手で抑えつつ、力ない声で問い掛けた。
(中将殿。ご無事でしたか。現在艦長である私が艦隊の指揮を臨時で執っています。ブリッジまでお越し頂けますか?)
そう話す艦長の後ろは騒々しかった。その事からも現在の状況がどれだけ酷い事なのか察しがついた。
「分かった。向かおう。」
短く返事をし、通信を切った。そして近くにいた救助隊員にブリッジまで同伴を頼み、エドワードはCICを後にした。
(ベンフォールドよりコマンドリーダー!本艦の被害甚大。この通信を最後に総員退艦。救助を要請する!)
(コマンドリーダー、こちらシーホーク。上空より被害状況確認中。被害としては駆逐艦7隻が直撃を受け、内5隻は航行不能状態。本機も旋回後、救助活動に入る。)
(ワスプよりコマンドリーダー。本艦も救助活動に参上する。)
陽が沈みかけている太平洋に黒煙があがる。巨大生物から謎の攻撃を受けた第七艦隊は、混乱の度を極めていた。コマンドリーダーとなっている空母ロナルド・レーガンでは、その情報収集と今後の部隊運用について意見が錯綜していた。奇跡的にレーガンの船体にダメージはなかったが、CICがダウンしていた。そのため、現在ブリッジに指揮所が立てられている。
「第二次攻撃隊との通信は途絶しています。救難信号も確認出来ません。」
「観測機もやられました。目標に関する情報は皆無です。」
下士官らが書き殴ったであろう用紙を見つつ報告してきた。その内容に円陣を組んで会議をしていた士官達は頭を抱え込む。
「救助活動は後方部隊に任せて、残存艦艇及び、補給の終わっている第一次攻撃隊を向かわせましょう。弔い合戦です!」
その中、大尉の階級章を付けた士官が強気な口調で進言してきた。
「しかし、トマホークの直撃にすら耐える奴に、有能な攻撃プランがあるのか?空軍の話じゃ、もうリーパーの在庫は残っちゃいない。」
その場にいた最高階級者である少将が否定的な口調で返す。
「空軍など当てに出来ません。第一、無人機を飛ばしてくる時点で卑怯過ぎる。」
予想以上の損害に、士官達は思いの外苛立っていた。空軍に対する愚痴もこぼれはじめ、数人が止めにかかる。その直後、
「私は撤退を進言する。」
不意にその声が聞こえ、全員が振り返った。そこには下士官に介抱されながらブリッジに上がってきたエドワードの姿があった。
入室すると、全員が反射的に姿勢を正す。エドワードはそれを手で制し、続けるようにして、
「これだけの被害が出たんだ。私とて今の状況を見て、部下に死にに行けとは到底言えんよ。」
深い溜息をついてそう述べた。
「では、全艦反転ですか?」
艦隊司令部付きの士官が問いかける。
「私は海の男じゃないから航路をたてて等、詳しいことは分からん。しかし、この状況下で突っ込めとは言えないというだけだ。」
ブリッジから見える海を見つめ、そう口を開いた。その内容に周囲の士官は頷き、撤退の指示を各所に飛ばし始める。しかし、
「アクティブソナーを感知!奴です・・・。」
ソナー員の突発的な発言に、ブリッジは凍り付いた。まるで時間が止まったかのような錯覚に陥り、ソナー員に全員の視線が注がれる。
「本艦の・・・真下です・・・!」
それから数秒、その報告が全員の動きを完全に停止させた。エドワードも言葉が出なかった。
「衝撃にそなっ・・・!」
空母の艦長は我に返り、怒鳴ったが遅い行動だった。下から突き上げる揺れが乗組員を襲う。
エドワードはよろけながらも窓越しから外を見た。すると目の前には、空母の甲板を貫通する青白い光が飛び込んできたのだった。やがて光は、発艦待機していたF18戦闘機らを襲った。下から光を浴びた戦闘機は爆発し炎上。その度に大きな揺れが彼らを襲い、その行動を制限した。艦長はこの状況に艦内マイクを使い、退艦を叫ぶ。しかし艦長の声は乗組員の耳には届いていなかった。下から貫通している光は空母の船体を切断し、その状況に乗組員らは必死になって復旧活動を行っていた。しかし、自然に人間は抗う事は出来なかった。
懸命の復旧作業の甲斐なく、生物から発せられる謎の光を受け、空母ロナルド・レーガンは船体を二つに増やし、海に吸い込まれていった。
エドワードがシャイアンに魚雷攻撃を許可してから数分、空母のCICでその声があがり周囲は一斉に騒めいた。艦隊の士官らは打ち合わせをしていたが、その報告を聞き駆け足で状況把握に入る。
「シャイアンより遭難信号を受信」
「観測機より続報、損害は大破の模様。」
「目標は未だシャイアンに取り付き、破壊行動を継続中です。」
通信兵らは総出でモニターに向かい、各所から上がってくる情報を集約、読み上げていた。
その状況下、エドワードは表情一つ変えることなく司令官の席からその光景を眺めていた。その姿に業を煮やした士官が、
「司令官!指示をお願いします!この混乱を見て何も思われないのですか!」
一人詰め寄り叱咤した。CICが一瞬、沈黙に包まれ周囲の視線がエドワードに注がれる。
「第七艦隊とはいえ、この程度か?自分達で考えて行動するくらい出来るだろ。一々俺の指示を待つな、少佐以上の階級者なら今回の作戦プランぐらい目を通してるだろ。プラン通りにやれ。」
静まり返った中、彼はCIC全体に聞こえるように声を張り上げた。数人の士官が俯く。
「了解。プラン通りに作戦を進めます。」
その中、艦隊に所属し、CICの中で一番階級の高いノーマット中佐が短く返事をした。エドワードはその返事に無言で府なずいて見せる。ノーマットはその仕草を確認し、
「戦闘救難隊、直ちに発艦。第二次攻撃隊は発艦後、巨大生物をシャイアンから引き離すよう攻撃を加えろ。第一攻撃隊の着艦準備、急がせろ。」
緊張気味な表情を見せながらも指示を飛ばし、CICは再び忙しく動き出した。
その光景をエドワードは見届け、後ろのスペースにいた空軍兵らに体を向け打ち合わせを始めた。ノーマットはその動きに気付き、一瞬不審に思ったが我に返りモニターに目を向けた。
「観測機より、目標の表皮硬度についての報告があがってきました。通常魚雷及び対艦ミサイルの攻撃では効果は確認出来なかったとのことです。」
直後、下士官が小走りで彼の元に駆け寄り報告してきた。それを聞きノーマットの表情が一気に曇った。モニターに再び目を戻すと第二次攻撃隊は後数分で攻撃圏内に入ることが分かった。決断する時間に猶予はなかった。しかしこのまま第二次攻撃隊に通常攻撃を命令したとしても、効果がないことからシャイアンから離れてくれないことは見えていた。
それはつまり潜水艦に残る兵を救助することは出来ず、戦闘救難隊を発艦させた意味がなくなることを示していた。ノーマットの頭の中は混乱し、気付けば声にならない声で悩んでいた。それを見、下士官が声を掛けようとした時だった。
「中佐。コロンバスを前に出せ。」
その声が上から降ってきた。顔を上げると司令官の席からエドワードが指示していた。
「ですが!コロンバスまで餌食になります!沈めたいんですか!」
ノーマットはすぐに反論した。しかしエドワードは気にすることなく、
「第七艦隊の現状は分かった。もういい。生き物一匹どうすることも出来ないのか。」
見兼ねたと言わんばかりに立ち上がり、愚痴をこぼした。艦隊司令を追放したのはどこのどいつだ。海軍士官らがそう思う中、エドワードは通信兵にコロンバスを前に出す指示を送るよう念押しをした。断ることの出来ない通信兵は恐る恐るコロンバスに命令を送る。
「コロンバスは無傷で、シャイアンの乗員を助ける。その代わり艦隊の戦力を使い、奴をシャイアンから離したら放火を集中させろ。いいな?」
ノーマットの目を見ながらも、エドワードは声を張り上げ全体に言い放った。
「イェッサー」
少しの間を空けた後、ノーマットはその一声を絞らせた。エドワードは返答を聞き、再び席に戻って行く。それを見、
「コロンバスの周囲に駆逐艦を展開。目標がシャイアンから離れた事を確認次第、トマホークによる攻撃を許可する。」
いま自分に出来る最善の指示。ノーマットはそう考え周囲に命令を下した。
「了解。シャイロー及びカーティス・ウィルバーをコロンバスの直掩にまわします。」
「第二次攻撃隊の半分をコロンバスの周囲に展開させます。」
担当の士官らは指示を受け、直ちに具体的な行動に移り始めた。通信兵だけではなく、自ら通信機を手に取り調整を行う士官も見えてきた。
「観測機より緊急。目標はシャイアンを離れ、コロンバスの方向に移動を開始。シャイロー及びカーティス・ウィルバー、戦闘態勢に移行します。」
その中、一人の通信兵が大きく後ろを振り向き報告してきた。餌に食いついた。誰しもがそう思いながらノーマットに視線を送った。
「よし。戦闘救難隊は総力をあげて生存者等の救助にあたれ!」
まずは友軍の救助が最優先だ。その思いからノーマットは反射的に言い放った。担当の隊員が忙しく動き始める。モニターに目を映すと救難機から送られてくる映像が流れていた。そこには見るも無残なシャイアンの姿があり、ノーマットは腹立たしい気持ちにかられた。
「目標!攻撃圏に入りました!」
その渦中、艦隊の火器管制官を担当している、少佐の階級章をつけた士官がモニターを凝視しつつ報告してきた。その内容にCIC内の緊張は一瞬にして高まった。ノーマットは思わずエドワードの顔を見る。彼はそれに気付き小さく頷いて見せた。それを見、
「表皮の一枚ぐらいはがして見せろよ、ファイヤー!」
緊張の高まりからか、ノーマットは怒鳴るような口調で叫んだ。
「艦隊指揮官からの攻撃許可降りました!」
ベルが鳴り響くカーティス・ウィルバーの艦内。その中のCICで一人の下士官が報告を飛ばしてきた。
「トマホーク発射!」
その声を聞き、艦長は直ちに命令を下した。直後、カーティス・ウィルバーの前部甲板より火柱が上がる。VLS(垂直発射装置)と呼ばれる兵装からトマホークミサイルが放たれた。周囲に発射炎から生まれる白煙が広がる。
その光景はカーティス・ウィルバーに限った事ではなく、周りの艦艇からも確認出来た。休む間もなく立て続けにトマホークが放たれる。CICでその光景を見ていた艦長は息を呑んでいた。これほど大規模な一斉攻撃は経験したことがなかったからだった。湾岸戦争やイラク戦争に従軍していた過去はあったが、これだけ短時間に集中的な攻撃を目にしたことなく、一体我々は何と戦っているんだという思いが強くなっていた。
「本艦搭載のトマホーク、全弾発射しました。」
その中、火器管制官が短く報告してきた。艦長は我に返り、その言葉に返答。通信機を手に取り、
「了解。これより本艦はコロンバスに密接し、艦載砲及びアスロックにて護衛を開始する。」
艦内オールの通信を使い指示を出す。マイク越しに伝わったその指示は素早く行動に移された。
「ブリッジよりCIC。了解。針路を北西に向け、コロンバスとの距離500を維持する。」
潮風が常時吹き込むブリッジで、航海長は双眼鏡を片手に報告を飛ばした。今日の海は荒れている。CICに通信を送った後、自ら見張り台に向かいそう感じた。
海軍に入隊して20年、数々の緊迫した現場に出向き、その海を見てきたが今回の海は何か違っていた。時折大きな白波が立ち、船が大きく揺れる。普段なら造作もないことだった。
しかしこの不気味さはなんだ。風が吹き涼しい位の環境だったが、彼は汗を流していた。近くにいた見張り員がその表情に首をかしげた。その直後、ほぼ進行方向にあたる方角の空が赤く染まった。肉眼で確認した見張り員は反射的に双眼鏡を覗き込む。
「こちらブリッジ!11方向、爆発炎を肉眼にて確認!」
食い入るように双眼鏡に目を押し付けながら無線機にそう怒鳴った。航海長はそれを見、直ちにブリッジ内に半身だけ戻し、無線を取りCICに指示を仰いだ。
「各駆逐艦のトマホーク。目標に命中。第二次攻撃隊、間もなくインターセプトします。」
空母ロナルド・レーガンのCIC内で、若い下士官がモニターを見つつ、声を上げた。
「効果を至急確認しろ。」
ノーマットは先程とは違い、落ち着いた声で対応した。発射したトマホークは全部で60発近く。散発的な目標であれば第二派攻撃が不可欠であるが、今回は一つの目標且つ、生物だ。艦載機による攻撃がとどめか、死体確認になるだろう。その思いからの姿勢であった。モニターから目を外し、エドワードに笑みを見せる。エドワードは鼻で笑って見せた。直後、
「中佐!観測機より、目標へのダメージは見受けられないとの事です!」
信じられないと言わんばかりに、担当の通信兵が声をあげた。士官らが一斉に、報告をあげた隊員の元に詰め寄る。ノーマットは言葉が出なかった。あれだけのトマホークを撃ち込んでも効果があげられないことに驚きが隠せなかった。CICは今までにないほど混乱の様相を見せる。
「落ち着け!騒ぐな。本艦隊と目標とはまだ充分な距離がある。海軍は撃ち続ければいいんだ。」
士官らが怒鳴り意見を投げ合っている中、エドワードがマイクを使いそう続けた。その場にいる全員の目がエドワードに向けられる。
「何か策でもあるんですか?」
ノーマットに代わり、少佐の階級章を付けた士官がそう問い質してきた。
「策が無ければこんなことは言ってはいない。私とて第七艦隊を潰して汚名を付けられたくはないからな。」
そう返答し、後ろにいた空軍士官らに合図を送った。それを見、士官らはモバイル式の電子機器を一斉に操作し始めた。その光景を不思議そうに見入っている中、
「対空レーダーに感あり!」
レーダー担当の下士官が不意に声を上げた。拍子抜けする士官もいる中、こんな時にどこの国だ。と表情が険しくなる者もおり、担当部署が状況把握に入る。
「識別信号確認。これは友軍です。空軍の・・・リーパーです!数30!目標に向け飛行しています!」
リーパー。それは米空軍で実戦配備されている無人攻撃機であった。距離からしてグアムのアンダーセン基地から飛んできたものだと悟った海軍士官らはエドワードに説明を求めた。
「あれにはカドミウム成分を融合させた特殊弾頭を搭載させている。原発事故を想定した装備で、まだ試験段階だったんだが、この際仕方なかったからな。」
少し肩を落とし、エドワードはそう口を開いた。と、言うのも、あれは虎の子の兵器、出来れば使いたくはなかったのだった。ソナー班からの報告でこの周辺海域には日本を始めとして中露の潜水艦が潜伏していることが明かされていた。それを知った上での使用許可には息苦しいものがあった。下手をすれば世界の戦争形態が変わってしまうキッカケにもなりえるからだ。
その思いがあったが、自分の判断を後悔しても仕方がなかった。エドワードは大きく息を吐き、リーパーに指示を与えている空軍士官らに指示を飛ばした。
「ラジャー。化学弾の安全装置解除・・・。FOX2!」
指示を受けた士官は行動に移し、無線に言い放った。一人の空軍士官の配慮で、CICのモニターにリーパーからの映像が映し出された。全員が映像を見、声を漏らす。映像には化学弾の直撃を受け、苦しむ生物の姿が映し出されていた。
「リーパー各機、一次攻撃完了。旋回後二次攻撃に移行します。」
大佐の階級章を付けた中年男性がエドワードに報告する。一次攻撃の様子から生物の動きが先程と比べて鈍くなってきていることは明らかだった。海軍兵らは手に汗を握る。しかし、
「目標周囲の海水温が・・急上昇しています・・。放射濃度も上がっています!」
衛星から気象状況等を観測していた下士官が、不意に不審な報告をあげてきた。
「あの生物が苦しんでる証拠だろ。気にするな。」
敵にとどめを刺すかどうかの盛り上がっている状況。その場を邪魔する訳にはいかないと、その下士官からの報告を、担当の士官はそう結論付けた。そして中央にその報告を上げることなく監視を続けるよう指示を出し、その下士官から離れて行った。だが、その異常はリーパーから送られてくる映像にも現れ出した。
「中将、目標周囲に白煙を視認。水蒸気によるものです。」
その異変に周囲の表情は険しくなった。
「リーパー各機、二次攻撃圏内に入りました。指示をお願いします。」
エドワードは眉をひそませながらも、攻撃を了承した。茶色い塊として海面から上半身を出していた生物が、いきなりの異変に水蒸気から見えなくなった。しかし命令は変わらない。空軍士官は発射命令を下した。直後、
「目標に高エネルギー反応!」
先程の報告を蹴られた下士官が、今度は悲鳴のような声をあげた。途端、大きな振動が彼らを襲った。
「ブリッジよりCIC!前方よりビームのような火線を確認!駆逐艦三隻が直撃!炎上中!」
その報告から数秒、目標からの攻撃によって空母の艦体が大きく揺れた。地震をイメージさせる激しい揺れ。その状態にCICにいた面々は、何が起こっているのか分かっていなかった。エドワードやノーマットも衝撃から床に叩きつけられていた。痛みが残る中、エドワードはリーパーから映像が送られていたモニターに目を移す。しかしそこには何も映っていなかった。
「中将・・・。リーパー全機。撃墜です。目標からの何らかの攻撃です・・・」
頭から流血した大佐が苦し紛れに報告してきた。周りに目を移すとCICはその機能を発揮出来る状態にはなかった。各種配線が千切れ、モニターにはひびが入っていた。隊員らも床や壁に叩きつけられ、あちこちで呻き声をあげている。まさに地獄絵図だった。耳を劈くような警報ベルが辺りに響き渡る。モニター全てがその意味を成さなくなった今、外の状況を掴める手段はなく、エドワードは不安にかられた。
間もなくして救助班がCIC内部に突入してきた。動けなくなった隊員らの手当てが始まる中、エドワードはまだ機能している無線機を探し、手に取った。救助隊員がその様子を見、手を差し伸べる。その姿勢に頭を軽く下げ、ブリッジに連絡を取った。
「エドワードだ。CICは機能停止。外の状況を教えてくれ。」
痛む箇所を左手で抑えつつ、力ない声で問い掛けた。
(中将殿。ご無事でしたか。現在艦長である私が艦隊の指揮を臨時で執っています。ブリッジまでお越し頂けますか?)
そう話す艦長の後ろは騒々しかった。その事からも現在の状況がどれだけ酷い事なのか察しがついた。
「分かった。向かおう。」
短く返事をし、通信を切った。そして近くにいた救助隊員にブリッジまで同伴を頼み、エドワードはCICを後にした。
(ベンフォールドよりコマンドリーダー!本艦の被害甚大。この通信を最後に総員退艦。救助を要請する!)
(コマンドリーダー、こちらシーホーク。上空より被害状況確認中。被害としては駆逐艦7隻が直撃を受け、内5隻は航行不能状態。本機も旋回後、救助活動に入る。)
(ワスプよりコマンドリーダー。本艦も救助活動に参上する。)
陽が沈みかけている太平洋に黒煙があがる。巨大生物から謎の攻撃を受けた第七艦隊は、混乱の度を極めていた。コマンドリーダーとなっている空母ロナルド・レーガンでは、その情報収集と今後の部隊運用について意見が錯綜していた。奇跡的にレーガンの船体にダメージはなかったが、CICがダウンしていた。そのため、現在ブリッジに指揮所が立てられている。
「第二次攻撃隊との通信は途絶しています。救難信号も確認出来ません。」
「観測機もやられました。目標に関する情報は皆無です。」
下士官らが書き殴ったであろう用紙を見つつ報告してきた。その内容に円陣を組んで会議をしていた士官達は頭を抱え込む。
「救助活動は後方部隊に任せて、残存艦艇及び、補給の終わっている第一次攻撃隊を向かわせましょう。弔い合戦です!」
その中、大尉の階級章を付けた士官が強気な口調で進言してきた。
「しかし、トマホークの直撃にすら耐える奴に、有能な攻撃プランがあるのか?空軍の話じゃ、もうリーパーの在庫は残っちゃいない。」
その場にいた最高階級者である少将が否定的な口調で返す。
「空軍など当てに出来ません。第一、無人機を飛ばしてくる時点で卑怯過ぎる。」
予想以上の損害に、士官達は思いの外苛立っていた。空軍に対する愚痴もこぼれはじめ、数人が止めにかかる。その直後、
「私は撤退を進言する。」
不意にその声が聞こえ、全員が振り返った。そこには下士官に介抱されながらブリッジに上がってきたエドワードの姿があった。
入室すると、全員が反射的に姿勢を正す。エドワードはそれを手で制し、続けるようにして、
「これだけの被害が出たんだ。私とて今の状況を見て、部下に死にに行けとは到底言えんよ。」
深い溜息をついてそう述べた。
「では、全艦反転ですか?」
艦隊司令部付きの士官が問いかける。
「私は海の男じゃないから航路をたてて等、詳しいことは分からん。しかし、この状況下で突っ込めとは言えないというだけだ。」
ブリッジから見える海を見つめ、そう口を開いた。その内容に周囲の士官は頷き、撤退の指示を各所に飛ばし始める。しかし、
「アクティブソナーを感知!奴です・・・。」
ソナー員の突発的な発言に、ブリッジは凍り付いた。まるで時間が止まったかのような錯覚に陥り、ソナー員に全員の視線が注がれる。
「本艦の・・・真下です・・・!」
それから数秒、その報告が全員の動きを完全に停止させた。エドワードも言葉が出なかった。
「衝撃にそなっ・・・!」
空母の艦長は我に返り、怒鳴ったが遅い行動だった。下から突き上げる揺れが乗組員を襲う。
エドワードはよろけながらも窓越しから外を見た。すると目の前には、空母の甲板を貫通する青白い光が飛び込んできたのだった。やがて光は、発艦待機していたF18戦闘機らを襲った。下から光を浴びた戦闘機は爆発し炎上。その度に大きな揺れが彼らを襲い、その行動を制限した。艦長はこの状況に艦内マイクを使い、退艦を叫ぶ。しかし艦長の声は乗組員の耳には届いていなかった。下から貫通している光は空母の船体を切断し、その状況に乗組員らは必死になって復旧活動を行っていた。しかし、自然に人間は抗う事は出来なかった。
懸命の復旧作業の甲斐なく、生物から発せられる謎の光を受け、空母ロナルド・レーガンは船体を二つに増やし、海に吸い込まれていった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
全ての悩みを解決した先に
夢破れる
SF
「もし59歳の自分が、30年前の自分に人生の答えを教えられるとしたら――」
成功者となった未来の自分が、悩める過去の自分を救うために時を超えて出会う、
新しい形の自分探しストーリー。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜
華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日
この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。
札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。
渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。
この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。
一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。
そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。
この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。
この作品はフィクションです。
実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる