58 / 186
第2章 獄中生活
第五十四話
しおりを挟む
先頭開始。
「【咆哮】!」
開幕開始からの挑発スキルを僕は発動させた。
僕から発したエフェクトが周囲に走ると、ゴーレムナイト達が僕に向かってきた。
よし。挑発に乗って僕のところに向かって来るゴーレムナイト。
僕は竹刀を振りかぶると
「せあああああああ!!!」
先頭のゴーレムナイトに向かっていった。
僕の竹刀が淡く輝く。
大上段に振り下ろした【斬撃】がゴーレムナイトの頭に当たった!
僅かに減少するゴーレムナイトのHPゲージ。
(チッ…やっぱり竹刀じゃ火力不足か)
与えられたダメージは一割以下、一ドット二ドットくらいしか減っていない。
攻撃スキル使って1~2のダメージってところか。
やっぱりこの武器じゃ勝てない。
【斬撃】を放った技後硬直に陥る僕にゴーレムナイトの剣が正面三方向からきた。
みっつの衝撃と振動が僕の身体に響き渡る。
僕のHPゲージが二割近く削られた。
受けた感じ、ゴーレムナイトの攻撃力はそこまで強くない印象を受けた。
ゴーレムだけあって硬いけど火力はそうでもないようだ。
(これならいけるか?)
そう判断した僕はさらに一歩二歩と前に進み、【堅牢】を発動させた。
防御スキル【堅牢】VITを25%上昇させるスキル。
レベル1の効果時間は60秒。再使用時間は6秒。
レベルが上がる毎に効果時間が延び、クールタイムが短くなるから優先的にレベルを上げようと思ってたけど、その前にパクられちゃったからなぁ…:-(
【堅牢】で硬くなった僕を囲むように五体のゴーレムナイトが移動したのが見えた。
(僕が先頭不能前に成功するかな?)
一抹どころかかなりの不安を感じるけど、これくらいしか手が思いつかなった。
僕は防御に専念してなるべくダメージを減らすような立ち回りをし始めた。
竹刀で受けれる攻撃は竹刀で防ぎ、円を描くように竹刀を横薙ぎに振るう。
竹刀のくせに案外耐久力が高いせいか、ゴーレムナイトの剣を受けても破壊されないし硬い装甲に当たっても壊れることがなかった。
喰らうダメージは【堅牢】のお陰で目減りしたけど、そんなに長くは持たないだろう。
「カイ!アル!」
「おう!」
「了解!」
僕の号令を聞いたカイとアルフレッドが駆け寄ってきた。
視界の片隅に映るヴァイスとゼルのビーコンが移動を開始するのも確認できた。
「集中攻撃!」
「おう!」
「了解!」
僕の右後ろにいるゴーレムナイトの一体にカイとアルフレッドが二人がかりで竹刀を打ち込み始めた。
僕は前方にいる三体のゴーレムナイトと左後ろと右後ろにいるゴーレムナイトの攻撃を防ぐのに集中した。
五方向からくるゴーレムナイトの攻撃は剣のみの攻撃で比較的単調な攻撃パターンだった。
単調とはいえ五方向全てを捌くのは無理だけど、なるべく手にした竹刀でゴーレムナイトの剣を防いでいく。
まともに攻撃を喰らわないように防御に専念する。
ジリジリと僕のHPゲージが削れていく。
焦るな…!よく相手の動きを、パターンを見極めるんだ…!
自分自身にそう言い聞かせながら竹刀を振るい、身をかわしていく僕。
【堅牢】が解除された時は回避のみだけに専念し、クールタイムの6秒をなんとか死守する。
そしてクールタイムが過ぎたとき、僕は再び【堅牢】を発動させる。
それを何度か繰り返したその時………
「うおっ!?」
「こっち向いたよ!」
カイとアルフレッドの焦る声が聞こえた。
視線をそちらに向けると僕のタゲが外れたゴーレムナイトが背を向けてカイとアルフレッドに向かっていくのが見えた僕は
「【咆哮】!」
再度挑発スキルを発動させた。
エフェクトが周囲に巻き散っていくと僕に背を向けたゴーレムナイトが立ちとまり、再び僕の方へ振り向いた。
「おら!」
「はっ!」
背を向けたゴーレムナイトに向かってカイとアルフレッドが打ちかかるのを目にした僕は胸の内で安堵の息をついた。
カイとアルフレッドのレベルは【囚人】レベル10と11。
習得している職業やスキルも【商人】【村人】【鍛治師】【ゴロツキ】とかで戦闘に有効なスキルを有していなかった。
ぶっちゃけカイとアルフレッドにゴーレムナイトを倒せる力はないと思う。
けど、攻撃に専念してたおかげでカイとアルフレッドが攻撃していたゴーレムナイトのHPゲージが二割ほど減っているのが見えた。
いくら弱くても、チリと積もればなんとやらって感じで確実にダメージを蓄積していっていた。
このまま時間をかければ一体くらいは倒せると思うけど、僕のHPゲージはもう半分をきっていた。
このままじゃジリ貧で、そのうちやられちゃうのが目に見えている。
(やっぱりダメだったか…)
僕がそう諦めかけたその時、奇跡が起きた!
「兄貴!やりましたよ!」
ゼルの声が聞こえた。
それと同時に声がした方へ突っ込んでいく僕。
遮るようにゴーレムナイトがいるけれど、脇をすり抜けるように囲みを抜けて僕はゼルの元へ駆け寄った。
「兄貴!」
「貸して!」
「はい、どうぞ!」
僕はゼルが持っていた剣を受け取った。
ゼルがゴーレムナイトからぶんどった剣を手にした瞬間、システムメッセージが流れた。
『ファントムは【剣術士】を習得しました!』
『習得済みの剣士系スキルが解放されました』
ということは………
「【魔法剣・炎】!」
僕は手にしたゴーレムナイトの剣を振るうと剣が炎に包まれた。
よしよしよし!発動した!
どうやればいいのか一瞬忘れちゃったから言葉にしてみたけど、なんとかうまくできた。
ジリジリとMPが減少していくのがわかる。
たしか3秒にMP3消費するんだっけ?
レベル3の今は9秒でMP3消費に炎属性強化+3%だったと記憶している。
たとえ忘れていてもアトランティスは3の倍数系で強化されていくからわかりやすい計算式だ。
…ってそんなこと考えてる場合じゃないか。
「作戦続行!ゼルとヴァイスはまたぶんどれたらカイに渡して!カイとアルはまたゴーレムナイトに集中攻撃!」
「おう!」
「了解!」
「お任せ下さい!」
「了解………」
僕の指示に従いみんな再び動き始める。
作戦通りに僕はゴーレムナイトのタゲを挑発スキルで集めて、敵の敵視と攻撃を一身に受け続ける。
カイとアルフレッドはそのうちの一体を集中攻撃。
ゼルとヴァイスは【盗み】のスキルでゴーレムナイトから武器を奪うことに専念していた。
ゼルは【盗賊】系のスキル【盗み】のレベルが10とCSしている。
【盗み】スキルの中にレベル3で覚える【ぶんどり】というスキルがある。
【ぶんどり】は相手の武器又はアイテムをランダムで盗むスキル。
レベル1の成功確率は3%と低いし、対策されていたら更に確率は低くなるけど、ゼルは【盗み】をCSしていて【ぶんどり】の成功確率が30%まで上がっていた。
ゴーレムナイトは盗みに対する対策をしていないだろうし、アイテムも持ってないだろうから盗れるのは剣か盾の二択しかない。
ヴァイスも【囚人】レベル10ながらも窃盗の罪で塀に入ったおかげか【盗み】スキルを習得していた。
ヴァイスの場合はレベル2で【ぶんどり】を習得していなかった。
でも【ぶんどり】よりも下のスキル【かっぱらい】(効果、指定した相手の武器又はアイテムを盗む。確率1%)しか習得していたから、ダメ元でやらせている。
下手な鉄砲、かずうちゃ当たるみたいな感じ?
とりあえず成功したからこのまま続行だ。
竹刀より敵の武器の方が火力強いだろうしね。
【剣術士】を戦闘中に習得したおかげか体験版で習得した【魔法剣】を使えるようになったし結果オーライってことで: )
「【斬撃】!」
ゴーレムナイトに再び突っ込んでいった僕はカイとアルフレッドがダメージを与えていたゴーレムナイトに向かって炎をエンチャントした剣で【斬撃】を放った。
【魔法剣・炎】を付与された【斬撃】は赤い煌めきを宿したままゴーレムナイトを斬り裂いた。
袈裟懸けに斬られたゴーレムナイトはHPゲージが一気に三割ほど減り、身体に抉れたような深い傷ができた。
(よし!これならいける!)
確かな手応えを感じた僕は追撃の炎の剣をゴーレムナイトに振るった。
「【咆哮】!」
開幕開始からの挑発スキルを僕は発動させた。
僕から発したエフェクトが周囲に走ると、ゴーレムナイト達が僕に向かってきた。
よし。挑発に乗って僕のところに向かって来るゴーレムナイト。
僕は竹刀を振りかぶると
「せあああああああ!!!」
先頭のゴーレムナイトに向かっていった。
僕の竹刀が淡く輝く。
大上段に振り下ろした【斬撃】がゴーレムナイトの頭に当たった!
僅かに減少するゴーレムナイトのHPゲージ。
(チッ…やっぱり竹刀じゃ火力不足か)
与えられたダメージは一割以下、一ドット二ドットくらいしか減っていない。
攻撃スキル使って1~2のダメージってところか。
やっぱりこの武器じゃ勝てない。
【斬撃】を放った技後硬直に陥る僕にゴーレムナイトの剣が正面三方向からきた。
みっつの衝撃と振動が僕の身体に響き渡る。
僕のHPゲージが二割近く削られた。
受けた感じ、ゴーレムナイトの攻撃力はそこまで強くない印象を受けた。
ゴーレムだけあって硬いけど火力はそうでもないようだ。
(これならいけるか?)
そう判断した僕はさらに一歩二歩と前に進み、【堅牢】を発動させた。
防御スキル【堅牢】VITを25%上昇させるスキル。
レベル1の効果時間は60秒。再使用時間は6秒。
レベルが上がる毎に効果時間が延び、クールタイムが短くなるから優先的にレベルを上げようと思ってたけど、その前にパクられちゃったからなぁ…:-(
【堅牢】で硬くなった僕を囲むように五体のゴーレムナイトが移動したのが見えた。
(僕が先頭不能前に成功するかな?)
一抹どころかかなりの不安を感じるけど、これくらいしか手が思いつかなった。
僕は防御に専念してなるべくダメージを減らすような立ち回りをし始めた。
竹刀で受けれる攻撃は竹刀で防ぎ、円を描くように竹刀を横薙ぎに振るう。
竹刀のくせに案外耐久力が高いせいか、ゴーレムナイトの剣を受けても破壊されないし硬い装甲に当たっても壊れることがなかった。
喰らうダメージは【堅牢】のお陰で目減りしたけど、そんなに長くは持たないだろう。
「カイ!アル!」
「おう!」
「了解!」
僕の号令を聞いたカイとアルフレッドが駆け寄ってきた。
視界の片隅に映るヴァイスとゼルのビーコンが移動を開始するのも確認できた。
「集中攻撃!」
「おう!」
「了解!」
僕の右後ろにいるゴーレムナイトの一体にカイとアルフレッドが二人がかりで竹刀を打ち込み始めた。
僕は前方にいる三体のゴーレムナイトと左後ろと右後ろにいるゴーレムナイトの攻撃を防ぐのに集中した。
五方向からくるゴーレムナイトの攻撃は剣のみの攻撃で比較的単調な攻撃パターンだった。
単調とはいえ五方向全てを捌くのは無理だけど、なるべく手にした竹刀でゴーレムナイトの剣を防いでいく。
まともに攻撃を喰らわないように防御に専念する。
ジリジリと僕のHPゲージが削れていく。
焦るな…!よく相手の動きを、パターンを見極めるんだ…!
自分自身にそう言い聞かせながら竹刀を振るい、身をかわしていく僕。
【堅牢】が解除された時は回避のみだけに専念し、クールタイムの6秒をなんとか死守する。
そしてクールタイムが過ぎたとき、僕は再び【堅牢】を発動させる。
それを何度か繰り返したその時………
「うおっ!?」
「こっち向いたよ!」
カイとアルフレッドの焦る声が聞こえた。
視線をそちらに向けると僕のタゲが外れたゴーレムナイトが背を向けてカイとアルフレッドに向かっていくのが見えた僕は
「【咆哮】!」
再度挑発スキルを発動させた。
エフェクトが周囲に巻き散っていくと僕に背を向けたゴーレムナイトが立ちとまり、再び僕の方へ振り向いた。
「おら!」
「はっ!」
背を向けたゴーレムナイトに向かってカイとアルフレッドが打ちかかるのを目にした僕は胸の内で安堵の息をついた。
カイとアルフレッドのレベルは【囚人】レベル10と11。
習得している職業やスキルも【商人】【村人】【鍛治師】【ゴロツキ】とかで戦闘に有効なスキルを有していなかった。
ぶっちゃけカイとアルフレッドにゴーレムナイトを倒せる力はないと思う。
けど、攻撃に専念してたおかげでカイとアルフレッドが攻撃していたゴーレムナイトのHPゲージが二割ほど減っているのが見えた。
いくら弱くても、チリと積もればなんとやらって感じで確実にダメージを蓄積していっていた。
このまま時間をかければ一体くらいは倒せると思うけど、僕のHPゲージはもう半分をきっていた。
このままじゃジリ貧で、そのうちやられちゃうのが目に見えている。
(やっぱりダメだったか…)
僕がそう諦めかけたその時、奇跡が起きた!
「兄貴!やりましたよ!」
ゼルの声が聞こえた。
それと同時に声がした方へ突っ込んでいく僕。
遮るようにゴーレムナイトがいるけれど、脇をすり抜けるように囲みを抜けて僕はゼルの元へ駆け寄った。
「兄貴!」
「貸して!」
「はい、どうぞ!」
僕はゼルが持っていた剣を受け取った。
ゼルがゴーレムナイトからぶんどった剣を手にした瞬間、システムメッセージが流れた。
『ファントムは【剣術士】を習得しました!』
『習得済みの剣士系スキルが解放されました』
ということは………
「【魔法剣・炎】!」
僕は手にしたゴーレムナイトの剣を振るうと剣が炎に包まれた。
よしよしよし!発動した!
どうやればいいのか一瞬忘れちゃったから言葉にしてみたけど、なんとかうまくできた。
ジリジリとMPが減少していくのがわかる。
たしか3秒にMP3消費するんだっけ?
レベル3の今は9秒でMP3消費に炎属性強化+3%だったと記憶している。
たとえ忘れていてもアトランティスは3の倍数系で強化されていくからわかりやすい計算式だ。
…ってそんなこと考えてる場合じゃないか。
「作戦続行!ゼルとヴァイスはまたぶんどれたらカイに渡して!カイとアルはまたゴーレムナイトに集中攻撃!」
「おう!」
「了解!」
「お任せ下さい!」
「了解………」
僕の指示に従いみんな再び動き始める。
作戦通りに僕はゴーレムナイトのタゲを挑発スキルで集めて、敵の敵視と攻撃を一身に受け続ける。
カイとアルフレッドはそのうちの一体を集中攻撃。
ゼルとヴァイスは【盗み】のスキルでゴーレムナイトから武器を奪うことに専念していた。
ゼルは【盗賊】系のスキル【盗み】のレベルが10とCSしている。
【盗み】スキルの中にレベル3で覚える【ぶんどり】というスキルがある。
【ぶんどり】は相手の武器又はアイテムをランダムで盗むスキル。
レベル1の成功確率は3%と低いし、対策されていたら更に確率は低くなるけど、ゼルは【盗み】をCSしていて【ぶんどり】の成功確率が30%まで上がっていた。
ゴーレムナイトは盗みに対する対策をしていないだろうし、アイテムも持ってないだろうから盗れるのは剣か盾の二択しかない。
ヴァイスも【囚人】レベル10ながらも窃盗の罪で塀に入ったおかげか【盗み】スキルを習得していた。
ヴァイスの場合はレベル2で【ぶんどり】を習得していなかった。
でも【ぶんどり】よりも下のスキル【かっぱらい】(効果、指定した相手の武器又はアイテムを盗む。確率1%)しか習得していたから、ダメ元でやらせている。
下手な鉄砲、かずうちゃ当たるみたいな感じ?
とりあえず成功したからこのまま続行だ。
竹刀より敵の武器の方が火力強いだろうしね。
【剣術士】を戦闘中に習得したおかげか体験版で習得した【魔法剣】を使えるようになったし結果オーライってことで: )
「【斬撃】!」
ゴーレムナイトに再び突っ込んでいった僕はカイとアルフレッドがダメージを与えていたゴーレムナイトに向かって炎をエンチャントした剣で【斬撃】を放った。
【魔法剣・炎】を付与された【斬撃】は赤い煌めきを宿したままゴーレムナイトを斬り裂いた。
袈裟懸けに斬られたゴーレムナイトはHPゲージが一気に三割ほど減り、身体に抉れたような深い傷ができた。
(よし!これならいける!)
確かな手応えを感じた僕は追撃の炎の剣をゴーレムナイトに振るった。
0
お気に入りに追加
685
あなたにおすすめの小説
仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
【短編】妹は恋愛ドラマの主役の素質があるようなので姉の私は妹を主人公に小説を書くことにした
藤也いらいち
恋愛
恋愛ドラマの主役になれる素質が妹にはある。
かわいくて、明るく優しい妹は恋に学業に大忙し!!
とはならなかった。
恋愛に全く興味のない妹は、姉の私の思惑とは裏腹にゴーイングマイウェイ!絵の道を突き進む!
妹は恋愛ドラマの主役にならないらしいが素質は十分、彼女の周りにはキャラ立ちした多種多様のイケメンが集まって来る。
もったいない!私が妹を主人公にしたIFの世界のラブストーリーを書いてしまおう!
妹の周りに現れるイケメンたちよ!私の小説のために劇的にフラれてくれ!
父の浮気相手は私の親友でした。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるティセリアは、父の横暴に対して怒りを覚えていた。
彼は、妻であるティセリアの母を邪険に扱っていたのだ。
しかしそれでも、自分に対しては真っ当に父親として接してくれる彼に対して、ティセリアは複雑な思いを抱いていた。
そんな彼女が悩みを唯一打ち明けられるのは、親友であるイルーネだけだった。
その友情は、大切にしなければならない。ティセリアは日頃からそのように思っていたのである。
だが、そんな彼女の思いは一瞬で打ち砕かれることになった。
その親友は、あろうことかティセリアの父親と関係を持っていたのだ。
それによって、ティセリアの中で二人に対する情は崩れ去った。彼女にとっては、最早どちらも自身を裏切った人達でしかなくなっていたのだ。
Select Life Online~最後にゲームをはじめた出遅れ組
瑞多美音
SF
福引の景品が発売分最後のパッケージであると運営が認め話題になっているVRMMOゲームをたまたま手に入れた少女は……
「はあ、農業って結構重労働なんだ……筋力が足りないからなかなか進まないよー」※ STRにポイントを振れば解決することを思いつきません、根性で頑張ります。
「なんか、はじまりの街なのに外のモンスター強すぎだよね?めっちゃ、死に戻るんだけど……わたし弱すぎ?」※ここははじまりの街ではありません。
「裁縫かぁ。布……あ、畑で綿を育てて布を作ろう!」※布を売っていることを知りません。布から用意するものと思い込んでいます。
リアルラックが高いのに自分はついてないと思っている高山由莉奈(たかやまゆりな)。ついていないなーと言いつつ、ゲームのことを知らないままのんびり楽しくマイペースに過ごしていきます。
そのうち、STRにポイントを振れば解決することや布のこと、自身がどの街にいるか知り大変驚きますが、それでもマイペースは変わらず……どこかで話題になるかも?しれないそんな少女の物語です。
出遅れ組と言っていますが主人公はまったく気にしていません。
○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○
※VRMMO物ですが、作者はゲーム物執筆初心者です。つたない文章ではありますが広いお心で読んで頂けたら幸いです。
※1話約2000〜3000字程度です。時々長かったり短い話もあるかもしれません。
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
旦那様はチョロい方でした
白野佑奈
恋愛
転生先はすでに何年も前にハーレムエンドしたゲームの中。
そしてモブの私に紹介されたのは、ヒロインに惚れまくりの攻略者の一人。
ええ…嫌なんですけど。
嫌々一緒になった二人だけど、意外と旦那様は話せばわかる方…というか、いつの間にか溺愛って色々チョロすぎません?
※完結しましたので、他サイトにも掲載しております
悪役令嬢の双子の兄、妹の婿候補に貞操を奪われる
アマネ
BL
重度のシスコンである主人公、ロジェは、日に日に美しさに磨きがかかる双子の妹の将来を案じ、いてもたってもいられなくなって勝手に妹の結婚相手を探すことにした。
高等部へ進学して半年後、目星をつけていた第二王子のシリルと、友人としていい感じに仲良くなるロジェ。
そろそろ妹とくっつけよう……と画策していた矢先、突然シリルからキスをされ、愛の告白までされてしまう。
甘い雰囲気に流され、シリルと完全に致してしまう直前、思わず逃げ出したロジェ。
シリルとの仲が気まずいまま参加した城の舞踏会では、可愛い可愛い妹が、クラスメイトの女子に“悪役令嬢“呼ばわりされている現場に遭遇する。
何事かと物陰からロジェが見守る中、妹はクラスメイトに嵌められ、大勢の目の前で悪女に仕立てあげられてしまう。
クラスメイトのあまりの手口にこの上ない怒りを覚えると同時に、ロジェは前世の記憶を思い出した。
そして、この世界が、前世でプレイしていた18禁乙女ゲームの世界であることに気付くのだった。
※R15、R18要素のある話に*を付けています。
悪役令嬢に転生してストーリー無視で商才が開花しましたが、恋に奥手はなおりません。
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】乙女ゲームの悪役令嬢である公爵令嬢カロリーナ・シュタールに転生した主人公。
だけど、元はといえば都会が苦手な港町生まれの田舎娘。しかも、まったくの生まれたての赤ん坊に転生してしまったため、公爵令嬢としての記憶も経験もなく、アイデンティティは完全に日本の田舎娘。
高慢で横暴で他を圧倒する美貌で学園に君臨する悪役令嬢……に、育つ訳もなく当たり障りのない〈ふつうの令嬢〉として、乙女ゲームの舞台であった王立学園へと進学。
ゲームでカロリーナが強引に婚約者にしていた第2王子とも「ちょっといい感じ」程度で特に進展はなし。当然、断罪イベントもなく、都会が苦手なので亡き母の遺してくれた辺境の領地に移住する日を夢見て過ごし、無事卒業。
ところが母の愛したミカン畑が、安く買い叩かれて廃業の危機!? 途方にくれたけど、目のまえには海。それも、天然の良港! 一念発起して、港湾開発と海上交易へと乗り出してゆく!!
乙女ゲームの世界を舞台に、原作ストーリー無視で商才を開花させるけど、恋はちょっと苦手。
なのに、グイグイくる軽薄男爵との軽い会話なら逆にいける!
という不器用な主人公がおりなす、読み味軽快なサクセス&異世界恋愛ファンタジー!
*女性向けHOTランキング1位に掲載していただきました!(2024.9.1-2)たくさんの方にお読みいただき、ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる