上 下
44 / 186
第1章 ギルド入会

第四十一話

しおりを挟む
 マリアさん先導のもと僕らはアトラスの街から西へ向かった。
 草原を抜けると森があり街道沿いにしばらく進むと川を渡る橋があった。
 幅の広い吊り橋で下の川まで10メートルくらいはある。
 渡るのにけっこう勇気が必要な橋だけど目的地は橋の下。
 
 「ここの川にいるカニのモンスターがスライムと同じ魔核なのですよ」

 そう言いながら河川敷のほうへ降りていくマリアさん。
 僕とちーずプリンさんはマリアさんの後を追った。
 なだらかな坂を慎重に降りていくと先に降りたマリアさんがこちらを手招きしていた。
 すでにマリアさんは背中から大剣を抜き放って肩に担いでいる。
 
「ほら。あそこにいるサワガニがお目当てのモンスターですよ」

 マリアさんが指差す方向には確かにカニがいた。

「……アレってホントにサワガニなの?」

 ちーずプリンさんがぽつりと呟いた。
 信じられないような口ぶりと表情を浮かべて少し離れた先にいるサワガニを見つめているちーずプリンさん。
 確かに僕の目にもあれはサワガニに見える。
 ただ、大型犬くらいだ……。

「日本にしかいない固有種がなんでこんな所に!?」

 驚きの声をあげるちーずプリンさん。
 うん?驚くとこそこ!?

「サワガニは魔核の他に天ぷらや素揚げにして食べると美味しいモンスターですよ」

 そんなプチ情報を言ったマリアさんは大剣を肩に担いでサワガニに向かって駆け出した。

「せいやああああああ!!!」

 飛びかかったマリアさんの大剣がサワガニの甲羅を直撃した!
 甲羅が砕け飛び散りポリゴンのカケラへと消え去っていった。

「一撃…!?」

 相変わらずすごい火力だ…。
 この前一緒にPT組んでた時より強くなってない?
 ちーずプリンさんも驚いてるし…(苦笑)
 一瞬にして戦闘が終わりシステムメッセージが流れる。

『サワガニを倒した!』
『パーティーメンバーそれぞれにEXPを16獲得しました』
『【カニの足】を6獲得しました』
『【カニのハサミ】を2獲得しました』
『【魔核(極小)】を獲得しました』

 おお!いきなりドロップした!

「サワガニの甲羅を部位破壊すると魔核を取りやすいです。甲羅を傷つけずに倒すことです」

 僕らに説明するマリアさん。
 僕は少し残念そうな表情を浮かべるマリアさんを見てふとあることを思った。

「あれ?もしかしてマリアちゃんはコレ食べたいの?」

 僕の言いたかったことを先にちーずプリンさんがマリアさんに言った。
 マリアさんは頰を染め恥ずかしそうな顔をした。

「はい………。正直に白状しますけど、私好きなんです。サワガニの素揚げ///」
「じゃあ集めようよー」
「いえ、【魔核】を取るには甲羅を破壊しないと取れません。甲羅を破壊せずに倒してしまうと【カニの死体】を取れる代わりに魔核は取れなくなるんです…」

 ……なるほど。つまり僕らが集めようとしている【魔核(極小)】は部位破壊ボーナスみたいなものか。
 逆に素揚げとかにして食べたい場合は部位破壊せずに倒さなければいけないと…。
 ていうかドロップアイテムが【カニの死体】ってなんかイヤだな…。
 確かに死体だけどもうちょっと言い方を考えなかったのだろうか……。

「ファントムさん、魔核っていくつ必要なの?」

 ちーずプリンさんが僕に尋ねてきた。

「えっと、10個ほど必要なんですけど…」
「それなら10個集めたら今度はカニの死体集めようよ!」
「えっ!?いいのですか…?」

 僕のほうを伺うように言うマリアさんに僕は頷いた。

「ええ。もちろんいいですよ」

 ぱあー!っと輝くような笑顔を見せるマリアさん。

「ありがとうございます!さあ!ガンガン狩りますよー!」

 次なる獲物を求めてマリアさんが駆け出して行ってしまった…。


 目を爛々に輝かせてサワガニを探すマリアさんは狩人と化していた。
 少し引くくらいのテンションでサワガニを見つけては大剣で粉砕。
 
「あたしら必要なくない?」

 そう呟くちーずプリンさんに激しく同意…。
 僕とちーずプリンさんの出る幕がない速さでサワガニを倒していくマリアさん。
 システムメッセージがその度に浮かび上がっていき順調に魔核をドロップしていく。
 そして………

『サワガニを倒した!』
『パーティーメンバーそれぞれにEXPを16獲得しました』
『【カニの足】を6獲得しました』
『【魔核(極小)】を獲得しました』
『ファントムのLVが6から7に上がりました!』
『SPを7獲得しました!』
『ちーずプリンのLVが4から5に上がりました!』
『SPを5獲得しました!』

 とうとう僕らのレベルが上がってしまった…。
 経験値を同等に分配するシステムだからなにもしなくても経験値は入ってくる。
 
「これってさー、パワーレベリングって言うんでしょ?」
「ええまあ…そうなりますかね」

 ちーずプリンの問いかけに僕は頷いた。
 パワーレベリング。高レベルのPCプレイヤーの力を借りて通常よりも早いスピードで経験値稼ぎをすることを、初心者同然のちーずプリンさんがよく知ってたなと僕は変な感心をしてしまった。
 下水道の時もそうだったけどマリアさんは一人で突っ走る傾向が強い。
 こちらがなにも言わないと一人で全部片付けてしまいそうだ。
 
「ぶっちゃけ楽だね」
「まあ確かに楽ですけど、PLはレベルが上がり安くなる反面、PSを訓練する機会が減りますからね。あまり上手くならないまま強くなってしまいますから一概に良いとは言えませんけど…」

 それにここは仮想現実の世界だ。仮想体アバターとはいえ自分の身体。
 現実で自分の身体を動かすことと変わりない世界で、ろくな戦闘経験を重ねずにPSを疎かにしているとこの先やっていけなくなる可能性大だ。
 いや、確実にやっていけなくなる。
 普通のゲームのようにコントローラーやキーボードで訓練するよりも難易度は高いからPSを磨くことは必須だ。
 特に判断力と操作技量を鍛えないと…。

「あ、ちなみにこういうMMORPGでは他のPCが敵を倒してる側でPLをすると一気に敵数が減ってしまうので他のPCに嫌がられますから気をつけたほうがいいですよ。PLって大抵周りのPCから好まれない行為だし」
「ほえー」

 僕がそう説明すると、ちーずプリンさんは感嘆の声を出した?
 
「流石ファントムさん。引きこもりのネトゲーマーは物知りですね♪」
「ひ、引きこもりのネトゲーマーって…」

 そんな風に思われていたのか…。
 まあ否定はしないし、別に悪意があって言った感じでもなかったし、まあいっか。

「あ、ごめん!悪気があって言ったわけじゃないんですよ?いつもログインしてるからそう思っただけだし、あたしも似たようなものだからそうなんじゃないかと勝手に思っただけで…」

 僕が少し落ち込んだのを見たちーずプリンさんが慌てた様子で早口にフォローの言葉を口にした。

「別に気にしてないんでいいですよ。ところで…」

 僕はマリアさんのほうに視線を向けて言った。
 嬉々として大剣を振るうマリアさんがまた一体サワガニを倒していた。

「……マリアさんの勢いがすごすぎて言えませんでしたし、今さら感がありますけど僕らも参戦しますか?」
「参戦はいいけど、あたしらが手を出す間もなく倒しちゃってるんですど…」

 苦笑するちーずプリンさん。
 確かにほぼ一撃で倒してるマリアさんの加勢は必要ないだろう。

「あっちは彼女に任せて、僕らは反対側の方を探していきましょう」
「ああはいそういうことねー。了解でーす!」

 僕らはマリアさんから少し離れた所で目当てのサワガニを探すことにした。



 前衛は僕。後衛はちーずプリンさん。
 僕が挑発スキルで敵を引きつけて、ちーずプリンさんが魔法で攻撃と予め決めていたんだけど………

「業火よ爆ぜろ、【ファイアーボール】!」

 ちーずプリンさんの放った火の玉がサワガニに直撃!
 サワガニのHPゲージが一気に減り光のカケラとなって砕けた。
 一撃か…。弱すぎる。
 もしかしてサワガニは水属性かな?だから火属性が弱点だったとか?
 システムメッセージが流れるがそこにお目当ての魔核はドロップしなかった。
 代わりにドロップしたのは【カニの死体】

「ファントムさんが攻撃して甲羅割る?」
「それもいいですけど、僕らはカニの死体を集めましょうか」

 マリアさんが甲羅ごと砕いて倒すだろうから魔核はどの道手に入る。
 効率を考えると僕らはカニの死体を集めたほうがいいだろう。

「そうだねー。オッケー了解でーす!」

 その後の戦闘はちーずプリンさんの魔法でサワガニを倒しまくった。
 

しばらくしてマリアさんが【魔核(極小)】10個をドロップした。
 僕らもその頃には【カニの死体】を4個ドロップしていた。

「ありがとうございます!早速今日のお夕飯にしますね♪」

 喜ぶマリアさんを見られて、僕とちーずプリンさんは顔を見合わせて笑いあった。
 不思議と緊張はせず自然に目を合わせて笑いあえた。
 そのことが何気に僕は嬉しかった。





 目的を達した僕らはアトラスの街に帰って来た時、空はもう赤らんでいた。

「ファントムさん。に連絡取れますか?」
「え?今からですか?」
「はい。嫌なことは早く済ませましょう」

 なんだか得体の知れない迫力がある笑みを浮かべて言うマリアさんに僕は一瞬気圧され固まってしまった。

「あ、ログインしてるからあたしが連絡するね♪」

 道中、事情を知っているちーずプリンさんがメニューを開いてなにやら打ち込んでいる。
 どうやら代わりにドンペリキングさんに連絡してくれたようだ。

「いま組合にいるって。今から行くってメールしたから早く行こう!」
「はい!」

 勢い込むマリアさんとちーずプリンさん。
 僕は二人の後ろを追いかけるようについていった。



 冒険者組合に着くと、ドンペリキングさんは右側にあるクエストボードの前にいた。
 masatoといちご大福、あとTKという見知らぬギルメンも一緒にいた。
 あの時はキレてたから大丈夫だったけど、今は早鐘のように胸が緊張で高鳴っていた。
 できることなら近寄りたくない。関わりたくないのが本音だ。
 でもマリアさんがドンペリキングの方へ恐れることなく真っ直ぐ向かい、ちーずプリンさんがその後に続いている。
 ここまできたら男子的には逃げちゃダメだろう。

(逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ…)

 こういう時に陥った時に使う僕のお決まりのセリフを心の中で呟きながら僕も後に続いた。
 
「おう、来たの?なになに、ファントムっちも一緒じゃん」

 僕らに気づいたドンペリキング。
 そちらに向かってくる僕にドンペリキングさんは手を挙げて応えている。
 いつもと変わらない態度。何事もなかったかのように佇んでいた。
 それを見て僕は「ああ…。この人は良くも悪くもこういう人なんだな…」と思った。
 その隣でこちらを睨みつけているmasatoといちご大福のほうがまだリアクションだと思った。
 揉めた相手がその日のうちに会いに来たんだ。
 謝罪をするか話を蒸し返してまた揉めるかの二択しかない。
 僕らの場合は謝罪は論外。話を蒸し返しても平行線。どちらの選択もありえない。
 取る為に会いに来ただけだ。

 先に向き合っていたマリアさんとちーずプリンさんが左右に分かれて僕を中央に立たせた。

「で、どしたよ?」

 気さくに話しかけてくるドンペリキング。
 僕は渇いた口の中を湿らしてひとつ静かに深呼吸をした。
 緊張からきている鼓動と震えを押し殺しながら僕は口を開いた。

「………魔核10個、持ってきました」
「おおマジで!速いな!たった半日くらいでもう集めてきたの!?いやーさすがファントムっちGJだぜ!」

 僕の肩に手を置いてパシパシ労わるように叩くドンペリキング。
 僕はそれを軽く受け流して、メニューのアイテムストレージから【魔核(極小)】を取り出した。
 魔核は極小というだけあって、おはじきくらいの大きさしかない。
 僕の手のひらに10個乗せたままドンペリキングの方に差し出した。
 
「これでいいですね?」
「おう!ありがとなファントムっち」

 礼を言いながらドンペリキングが手を伸ばす。
 これで一応、責任は取った。
 もう揉め事は沢山だ…。
 そう思っていたその時、急に横手から細い手が伸びてきた。
 マリアさんが僕の手のひらにあった魔核をドンペリキングより先に取り上げた!

「「!?」」

 驚く僕とドンペリキング。
 魔核を取り上げたマリアさんは魔核をジャラジャラと手の中で転がしながら微笑んでいた。

「シスターの…」
「喋らないでください。空気が穢れます」

 ドンペリキングの言葉をマリアさんの発した声が遮った。
 有無も言わなさぬ圧力を感じて誰も言葉を発せなかった。
 
ファントムさんが一所懸命集めたモノです」

 正確にはマリアさんがほぼ一人で集めましたんですけどね。ということを胸の内で呟く僕。
 口にする気はないし、もう気軽に口を開く状況になってない。
 マリアさんから発しているこのがそれを許していない。
 顔は笑ってるけど目が笑ってない。垂れ気味の緑色の瞳が燃え盛るようにギラついてる…。
 視線で人を射殺すスキルでも持ってるんじゃないかってくらい怖かった…。
 その視線を受けているドンペリキングは青ざめた顔で立ち竦んでいた。

「それをご理解したうえで…!」

 マリアさんは魔核を持った右手を大きく振りかぶると、ドンペリキングに向かって投げつけた!

「っ!?」

 投げ放たれた魔核はドンペリキングの顔面にばら撒かれ床に散らばっていった。
 マリアさんの瞳からが消え、僕の方にいつもの笑みを浮かべて微笑んだ。

「さあ、ファントムさん帰りましょう」
「い、イエスマム!」

 僕は軍隊式の敬礼をしてマリアさんに返事を返した。

 呆然と立ち尽くしているドンペリキング達を置いて、僕らは冒険者組合を後にした。
 この後ちーずプリンさんとともに孤児院でマリアさんに夕食をご馳走される予定だ。
 夕食のメニューは今日狩ったマッスルベアーのステーキとサワガニの素揚げだそうだ。
 今から楽しみだ。と思いながら歩く僕は失念していた。
 という恐ろしさを…!
 また死にたくなったのは言うまでもない…(苦笑)
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

【短編】妹は恋愛ドラマの主役の素質があるようなので姉の私は妹を主人公に小説を書くことにした

藤也いらいち
恋愛
恋愛ドラマの主役になれる素質が妹にはある。 かわいくて、明るく優しい妹は恋に学業に大忙し!! とはならなかった。 恋愛に全く興味のない妹は、姉の私の思惑とは裏腹にゴーイングマイウェイ!絵の道を突き進む! 妹は恋愛ドラマの主役にならないらしいが素質は十分、彼女の周りにはキャラ立ちした多種多様のイケメンが集まって来る。 もったいない!私が妹を主人公にしたIFの世界のラブストーリーを書いてしまおう! 妹の周りに現れるイケメンたちよ!私の小説のために劇的にフラれてくれ!

父の浮気相手は私の親友でした。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるティセリアは、父の横暴に対して怒りを覚えていた。 彼は、妻であるティセリアの母を邪険に扱っていたのだ。 しかしそれでも、自分に対しては真っ当に父親として接してくれる彼に対して、ティセリアは複雑な思いを抱いていた。 そんな彼女が悩みを唯一打ち明けられるのは、親友であるイルーネだけだった。 その友情は、大切にしなければならない。ティセリアは日頃からそのように思っていたのである。 だが、そんな彼女の思いは一瞬で打ち砕かれることになった。 その親友は、あろうことかティセリアの父親と関係を持っていたのだ。 それによって、ティセリアの中で二人に対する情は崩れ去った。彼女にとっては、最早どちらも自身を裏切った人達でしかなくなっていたのだ。

Select Life Online~最後にゲームをはじめた出遅れ組

瑞多美音
SF
 福引の景品が発売分最後のパッケージであると運営が認め話題になっているVRMMOゲームをたまたま手に入れた少女は……  「はあ、農業って結構重労働なんだ……筋力が足りないからなかなか進まないよー」※ STRにポイントを振れば解決することを思いつきません、根性で頑張ります。  「なんか、はじまりの街なのに外のモンスター強すぎだよね?めっちゃ、死に戻るんだけど……わたし弱すぎ?」※ここははじまりの街ではありません。  「裁縫かぁ。布……あ、畑で綿を育てて布を作ろう!」※布を売っていることを知りません。布から用意するものと思い込んでいます。  リアルラックが高いのに自分はついてないと思っている高山由莉奈(たかやまゆりな)。ついていないなーと言いつつ、ゲームのことを知らないままのんびり楽しくマイペースに過ごしていきます。  そのうち、STRにポイントを振れば解決することや布のこと、自身がどの街にいるか知り大変驚きますが、それでもマイペースは変わらず……どこかで話題になるかも?しれないそんな少女の物語です。  出遅れ組と言っていますが主人公はまったく気にしていません。      ○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○  ※VRMMO物ですが、作者はゲーム物執筆初心者です。つたない文章ではありますが広いお心で読んで頂けたら幸いです。  ※1話約2000〜3000字程度です。時々長かったり短い話もあるかもしれません。

兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜

藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。 __婚約破棄、大歓迎だ。 そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った! 勝負は一瞬!王子は場外へ! シスコン兄と無自覚ブラコン妹。 そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。 周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!? 短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。

旦那様はチョロい方でした

白野佑奈
恋愛
転生先はすでに何年も前にハーレムエンドしたゲームの中。 そしてモブの私に紹介されたのは、ヒロインに惚れまくりの攻略者の一人。 ええ…嫌なんですけど。 嫌々一緒になった二人だけど、意外と旦那様は話せばわかる方…というか、いつの間にか溺愛って色々チョロすぎません? ※完結しましたので、他サイトにも掲載しております

悪役令嬢の双子の兄、妹の婿候補に貞操を奪われる

アマネ
BL
 重度のシスコンである主人公、ロジェは、日に日に美しさに磨きがかかる双子の妹の将来を案じ、いてもたってもいられなくなって勝手に妹の結婚相手を探すことにした。    高等部へ進学して半年後、目星をつけていた第二王子のシリルと、友人としていい感じに仲良くなるロジェ。  そろそろ妹とくっつけよう……と画策していた矢先、突然シリルからキスをされ、愛の告白までされてしまう。  甘い雰囲気に流され、シリルと完全に致してしまう直前、思わず逃げ出したロジェ。  シリルとの仲が気まずいまま参加した城の舞踏会では、可愛い可愛い妹が、クラスメイトの女子に“悪役令嬢“呼ばわりされている現場に遭遇する。  何事かと物陰からロジェが見守る中、妹はクラスメイトに嵌められ、大勢の目の前で悪女に仕立てあげられてしまう。  クラスメイトのあまりの手口にこの上ない怒りを覚えると同時に、ロジェは前世の記憶を思い出した。  そして、この世界が、前世でプレイしていた18禁乙女ゲームの世界であることに気付くのだった。 ※R15、R18要素のある話に*を付けています。

悪役令嬢に転生してストーリー無視で商才が開花しましたが、恋に奥手はなおりません。

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】乙女ゲームの悪役令嬢である公爵令嬢カロリーナ・シュタールに転生した主人公。 だけど、元はといえば都会が苦手な港町生まれの田舎娘。しかも、まったくの生まれたての赤ん坊に転生してしまったため、公爵令嬢としての記憶も経験もなく、アイデンティティは完全に日本の田舎娘。 高慢で横暴で他を圧倒する美貌で学園に君臨する悪役令嬢……に、育つ訳もなく当たり障りのない〈ふつうの令嬢〉として、乙女ゲームの舞台であった王立学園へと進学。 ゲームでカロリーナが強引に婚約者にしていた第2王子とも「ちょっといい感じ」程度で特に進展はなし。当然、断罪イベントもなく、都会が苦手なので亡き母の遺してくれた辺境の領地に移住する日を夢見て過ごし、無事卒業。 ところが母の愛したミカン畑が、安く買い叩かれて廃業の危機!? 途方にくれたけど、目のまえには海。それも、天然の良港! 一念発起して、港湾開発と海上交易へと乗り出してゆく!! 乙女ゲームの世界を舞台に、原作ストーリー無視で商才を開花させるけど、恋はちょっと苦手。 なのに、グイグイくる軽薄男爵との軽い会話なら逆にいける! という不器用な主人公がおりなす、読み味軽快なサクセス&異世界恋愛ファンタジー! *女性向けHOTランキング1位に掲載していただきました!(2024.9.1-2)たくさんの方にお読みいただき、ありがとうございます!

処理中です...