21 / 22
はじめて?
04*
しおりを挟む「……はいった……」
ふう、と雪哉が息を吐く。額には汗が滲んでいて、苦しそうだ。
「大丈夫?」
それなのに彼は梓のことを気遣う。梓が小さくうなずくと、そっと頭を撫でてくれた。
中が雪哉の熱でいっぱいになり、圧迫感がある。でも痛みは最初の時ほどではない。
「ちょっと、このままでいるから」
抱きしめられると、耳元で雪哉の息遣いが聞こえた。その呼吸はつらそうに繰り返される。
「わ、私……大丈夫だよ」
「え? でも」
起き上がり梓を見下ろす雪哉の目は見開かれていた。
「だから……続きして?」
痛いのはわかっている。でも、苦しそうにしている雪哉は見ていられない。気持ちが良いことを教えてくれた雪哉にこそ、気持ちよくなってもらいたい。
「……梓」
名前を呼ばれて、唇が重なった。甘いキスは身体をやわらかく溶かしてくれる。甘い舌先に夢中になっていると、雪哉がゆるく腰を揺さぶり始めた。
「……あっ」
中をこする熱に、声が漏れる。
「つらかったら言って」
こくこくと梓は頷く。
痛みや違和感は多少あるけれど、我慢ができる範囲だ。でもまだその程度。梓の身体は快感を覚えていない。
「……雪哉くん」
「ん? どうした?」
「……キス、して」
梓が好きなのは雪哉のキスだった。甘くて、とろけてしまうようなキス。
「っ……わかった」
目を細めた雪哉はすぐにキスをしてくれた。
「ん、んぅ」
唇を舐めて、食んで、中に舌をもぐり込ませて甘く絡める。梓も拙いなりに舌を動かしてみると、彼はちゃんと反応して受け入れてくれた。あまりの気持ちよさに梓は雪哉の首に手をまわして、抱き着いた。
身体が密着したことにより、つながっている場所からくちゅりと淫らな音が響いた。
「はぁ……動きやすくなってきた」
キスをしながら雪哉が律動する。腰を引いて、熱を押し込む。ゆっくりだったその動作は徐々に速さを増していく。違和感しかなかったはずの梓の身体だったけれど、内側の粘膜を雪哉の熱がこすれると、ぞくりとした、今までにない快感が梓を襲った。
「……っあ」
「ん? ここ気持ちいいの?」
雪哉は、梓が声を出した場所を熱でこすりあげる。
「わ、かんな……あんっ」
勝手に甘い声が出てしまって、梓は口を手で押さえた。
「だめ、聞かせて」
その手を強引に取り、ベッドへ縫い付ける。そのままごりごりと内側を突く。
「あ、ぅ……んっ!」
「よかった。気持ちよさそう」
梓は声を上げながら、腰を反らした。
「もっと動くよ」
雪哉の手が離れ、梓の腰を強く掴む。すると奥深くまで雪哉の熱が入ってくるのがわかった。中を行き来すると濡れた音が響き、内側からこみ上げるような熱が汗に変わる。
「あ、あっ……ん」
雪哉が動くたびに梓の声が漏れる。
1
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。
転生幼女。神獣と王子と、最強のおじさん傭兵団の中で生きる。
餡子・ロ・モティ
ファンタジー
ご連絡!
4巻発売にともない、7/27~28に177話までがレンタル版に切り替え予定です。
無料のWEB版はそれまでにお読みいただければと思います。
日程に余裕なく申し訳ありませんm(__)m
※おかげさまで小説版4巻もまもなく発売(7月末ごろ)! ありがとうございますm(__)m
※コミカライズも絶賛連載中! よろしくどうぞ<(_ _)>
~~~ ~~ ~~~
織宮優乃は、目が覚めると異世界にいた。
なぜか身体は幼女になっているけれど、何気なく出会った神獣には溺愛され、保護してくれた筋肉紳士なおじさん達も親切で気の良い人々だった。
優乃は流れでおじさんたちの部隊で生活することになる。
しかしそのおじさん達、実は複数の国家から騎士爵を賜るような凄腕で。
それどころか、表向きはただの傭兵団の一部隊のはずなのに、実は裏で各国の王室とも直接繋がっているような最強の特殊傭兵部隊だった。
彼らの隊には大国の一級王子たちまでもが御忍びで参加している始末。
おじさん、王子、神獣たち、周囲の人々に溺愛されながらも、波乱万丈な冒険とちょっとおかしな日常を平常心で生きぬいてゆく女性の物語。
【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
旦那様に離婚を突きつけられて身を引きましたが妊娠していました。
ゆらゆらぎ
恋愛
ある日、平民出身である侯爵夫人カトリーナは辺境へ行って二ヶ月間会っていない夫、ランドロフから執事を通して離縁届を突きつけられる。元の身分の差を考え気持ちを残しながらも大人しく身を引いたカトリーナ。
実家に戻り、兄の隣国行きについていくことになったが隣国アスファルタ王国に向かう旅の途中、急激に体調を崩したカトリーナは医師の診察を受けることに。
趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです
紫南
ファンタジー
魔法が衰退し、魔導具の補助なしに扱うことが出来なくなった世界。
公爵家の第二子として生まれたフィルズは、幼い頃から断片的に前世の記憶を夢で見ていた。
そのため、精神的にも早熟で、正妻とフィルズの母である第二夫人との折り合いの悪さに辟易する毎日。
ストレス解消のため、趣味だったパズル、プラモなどなど、細かい工作がしたいと、密かな不満が募っていく。
そこで、変身セットで身分を隠して活動開始。
自立心が高く、早々に冒険者の身分を手に入れ、コソコソと独自の魔導具を開発して、日々の暮らしに便利さを追加していく。
そんな中、この世界の神々から使命を与えられてーーー?
口は悪いが、見た目は母親似の美少女!?
ハイスペックな少年が世界を変えていく!
異世界改革ファンタジー!
息抜きに始めた作品です。
みなさんも息抜きにどうぞ◎
肩肘張らずに気楽に楽しんでほしい作品です!
傍若無人な姉の代わりに働かされていた妹、辺境領地に左遷されたと思ったら待っていたのは王子様でした!? ~無自覚天才錬金術師の辺境街づくり~
日之影ソラ
恋愛
【新作連載スタート!!】
https://ncode.syosetu.com/n1741iq/
https://www.alphapolis.co.jp/novel/516811515/430858199
【小説家になろうで先行公開中】
https://ncode.syosetu.com/n0091ip/
働かずパーティーに参加したり、男と遊んでばかりいる姉の代わりに宮廷で錬金術師として働き続けていた妹のルミナ。両親も、姉も、婚約者すら頼れない。一人で孤独に耐えながら、日夜働いていた彼女に対して、婚約者から突然の婚約破棄と、辺境への転属を告げられる。
地位も婚約者も失ってさぞ悲しむと期待した彼らが見たのは、あっさりと受け入れて荷造りを始めるルミナの姿で……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる