強引組長は雇われ婚約者を淫らに愛す

10 愛おしい人

とめどない欲望＊

　まだまだ物足りない二人は、ベッドルームへ移動し、ベッドへなだれ込む。お互いを求める気持ちは変わらない。むしろ、バスルームでの刺激的な行為に二人の欲望は高ぶっていた。

「んっ、虎将さんっ」
「春子、春子……」
　虎将の大きな身体が覆いかぶさる。

　春子に口づけをすると、身体にも丁寧にキスを落としていく。熱い息が肌にふれ、こそばゆい。
　先ほどの衝動的な行為と違って、一度達したからか虎将には余裕があった。それでも逞しく勃ち上がった性器の先端からは、とろりとした液体が漏れている。
　虎将の熱い手が春子の乳房を両手で包みながら、首筋や鎖骨に唇を落とす。乳房の膨らみにもキスを落としていき、敏感になった突起にキスをした。

「あぁ……っ」
　春子は甘い刺激に奥を疼かせる。唇でふれるだけではなく口に含み、舌のざらざらした部分で丹念に舐られると、自然と太腿を擦り合わせていた。
　ちゅ、と音を立てて乳首を吸い上げる。
「っふ……は、ぅ……」
　気持ちがよくて、自然と胸を彼に押しつけてしまう。いやらしい女だと思われたくはないのに、欲望のまま彼を求めていた。

「可愛いな……」
　虎将は口角を上げ、春子に見せつけるように赤く尖った先端に舌を這わせる。

「んっ、ぁ……あ……」
　飴玉を舐めるように先端をしゃぶられる。優しく、時折歯を立てて刺激を与えられ、快感に腰がくねる。
「はぁ……とまらねぇ」

　虎将の熱い息が、素肌にふれる。それだけでぞくりと身体が震える。虎将の唇が離れると、濡れた先端が視界に入り、自分の身体なのにいやらしい光景にごくりと息を飲んだ。
　虎将の唇は下がっていき、春子の腹にもキスをしていく。春子の太腿にまでキスをし、両脚を広げられる。虎将は春子の両脚を抱え、自分の肩にかける。

「ひゃあっ！」

　秘部が虎将の前に晒される。
　虎将は躊躇なく春子の媚肉を指先で広げる。内側の潤った部分に、虎将の舌が這う。

「んんっ……はぁ……！」
　大きな快感に、必死に意識を繋ぎとめる。頭の中が沸騰しているみたいに熱く、ぼんやりとしてうまく物事を考えられない。
　虎将は春子の秘部を舐りながら、指先で蜜をすくい、くちゅくちゅと音を立てて秘部に擦りつける。そのまま指が春子の中へと入ってくる。二本の指をまるで彼の熱を挿入しているかのように出し入れが繰り返され、いやらしい水音が響く。
　あまりに大きな快感に、春子は首を横に振る。けれど、虎将は当然見えていないので容赦なく春子に刺激を与え続ける。

「あ、あぁっ！」
　虎将の熱い舌が花芯にふれると、腰が浮いた。
「……さっき俺ので擦って気持ち良さそうにしてたとこ」
　今度は虎将の舌は花芯ばかりを舐る。腫れて敏感な花芯は弾けてしまいそうなほど膨れている。

「あっ、待っ……虎将さん……だめぇ……」
　手を伸ばし、彼の頭を押さえようとするけれど、手が届かない。
「こんなにして、だめなわけがないだろう」
「やっ、そこでしゃべらないで……っ」
「気持ちいいんだろ？」
「……っ、や、ぁ……っ！」

　腰がくねる。気持ちがいいのに、大きな快感に耐えきれず逃れたくもなる。足をバタバタ動かそうとしても、虎将の強い力ではどうにもならない。それどころか、春子が悶えるたびに舌や指の動きが激しくなっていく。

「んっ、あっ、もう……っ」
　ぞくぞくとした快感がせり上がる。
「あっ……また、いっちゃう……っ」
　達してしまいそうなのに、虎将はやめてくれない。次第に突き抜けていく感覚が限界まで達し、腰をガクガクと震わせた。
「んっ、は、はぁ……」
　絶頂の余韻に、身体が痙攣する。ようやく唇を離した虎将は、自分の濡れた口元を拭う。

「……はぁ……虎将さん……ひどい……」
　春子が絶頂の余韻に浸っている間に、虎将は再び春子の両脚を抱え、間に身体を滑りこませる。

「どうしてだ？」
「少しくらい、とめてくれてもいいのに……」
　春子が恨みがましく虎将を軽く睨む。それなのに、虎将は目を細めて微笑んだ。
「悪かった。隅々まで春子を愛したいんだよ」
「う……」
　そんなことを言われてしまったら、責めることができなくなる。春子の様子を見て、さらに虎将はうれしそうに笑った。

「……挿れるぞ」
　春子は黙ったまま、こくりと頷いた。

　虎将はすぐに避妊具をつけ、春子の蜜口に先端を押し付ける。蜜を入り口にこすりつけるようにぐりぐりと動き、中を広げていく。

「ぅ、あ……あっ」
　暴力的なほど逞しい熱杭が春子の中へと入ってくる。圧迫感に息を呑む。お互い息が荒い。
「は、ぁ……虎将さんで、いっぱい……」

　身体だけではなく心が、愛おしさで満たされていく。やはり擦っているだけとは違う。奥まで繋がれて、彼の温度を感じることで、春子は心の底から幸せを感じている。

「ああ。春子の中……俺を締め付ける。……大丈夫か？」
　虎将も、快感を堪えるように眉間に皺を寄せている。春子はまた、虎将の目を見て黙ったまま二度頷く。
「……なら、よかった……く……ッ」

　虎将が熱い息を吐き、我慢ができないようにゆるゆると動き始める。大きく張り出した虎将のカリが春子の壁を擦り上げる。出し入れをするたびに引っかかり、気持ちが良い場所に当たる。

「んっ、は……あっ、あっ……」
　ベッドの軋む音と甘い嬌声が暗い寝室に響く。
「……ここに、俺のが入ってるのわかるか？」
　虎将の手が、春子の腹を撫でる。
「わかります……んっ」
　腹の中は、彼の熱で満たされている。内側から温度も伝わってくるくらいだ。虎将が満足そうに笑うと、激しい律動に変わっていく。

「あ……っ、虎将さん……！」

　強く粘膜が擦れ合い、春子の中をかき混ぜるように動くため、滴る蜜で濡れた音がする。全身は敏感になり、内側の粘膜も敏感だ。擦られるたびに身体が揺れる。

「腰、動いてるぞ。気持ちいいのか？」
「ん……だ、って……、勝手に……」
「もっと奥がいいんだろ」
　虎将は春子の両脚を抱え直し、奥へ届くようにぐりぐりと押し進める。
「ひゃぅっ！」
　奥の壁を彼の先端が叩き、腰がのけ反る。その勢いのまま、彼は腰を前後に揺らす。
「あっ、んっ……んん、はぅ……ん！」
「……は、ぁ……」

　律動を繰り返すうちに、虎将の呼吸が荒くなっていく。見上げると熱に浮かれた瞳と目が合う。
　揺さぶられながら見つめ合うと、欲望と愛おしさが高まっていく。愛する人と身体を繋げることにこれほどの喜びを感じることができるなんて……。

「虎将さん……っ」

　春子は愛おしさから彼に手を伸ばし、首の後ろに回す。
　すると身体が密着し、乳房が彼の胸で潰れる。尖った先端がこすれ、思わぬ刺激がおとずれた。

「あっ、ああっ、んあっ」
　抱きしめ合っているので、春子の声が虎将の耳元で響く。すると虎将の腰が震え、逞しい滾りが膨張し、春子の内側を圧迫する。

「あっ……大き……っ！」
　苦しいほどの快感に息を詰める。蜜口がきゅっと締まり、彼の熱を締め付ける。
「……っ……や、ば……締まる」

　虎将も限界が近いのか、額に脂汗が滲んでいる。
　一定のリズムを刻んでいた彼の腰つきが不規則なものに変わり、力強く突き上げる。

「んっ、あ、あっ」
　彼の動きに合わせて声が漏れる。痺れるような快感が二人を追い詰めた。
「っ、もう……」
　虎将の切羽詰まった声が聞こえ、息をひゅっと吸い込んだ。
「くっ――っ！」
　虎将が呻く。息を詰め、しばらくビクビクと腰を震わせていた。避妊具越しに、長い時間をかけて欲望を吐き出す。
「……春子」

　荒い呼吸を繰り返しながら優しく唇が落ちてきて、重い身体がのしかかった。