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39 十年越しの想い*
しおりを挟む仕事帰り、会社近くのホテルに向かった。
きっと二人ともどちらかの家に行く余裕もなかった。
ホテルといってもビジネスホテルやラブホテルではなく、亘が高級ホテルを予約してくれていた。ホテル内の豪華な装飾に感嘆の息を漏らし、客室に入ってからも高層階のその場所は窓から見える景色が絶景で、うっとりとしてしまう。けれど背後から亘に抱きしめられ、もう亘のことしか考えられなくなっていた。
振り返ると甘くくちびるが重なる。
「ん……」
あれほど躊躇していたキスを、こんなに情熱的にしてくれるなんて。里帆はうれしくて泣きそうになる。
「里帆、好きだよ」
あれだけ迷っていた亘がはっきりそう言ってくれると熱いものが込み上げてくる。
「私も亘くんが好き……信じてくれる?」
「うん。今までごめん」
咥内に入ってくる熱い舌が里帆のそれをすくい絡める。熱いキスをしながら亘に誘導され、ベッドに座った。
濃厚なキスに里帆がくたりと身体を弛緩させると、亘は里帆に小さなキスをしながら、押し倒す。胸にふれ、服を脱がし始めた。
「あ、シャワーは……」
「いいから。せっかく里帆と繋がったんだ。我慢したくない」
亘の熱い眼差しが里帆の胸に刺さる。きゅっと締め付けられた。
キスをしながら、里帆の服は乱れていく。服の中に亘の手が入り、胸のふくらみを包む。下着をずらして先端をこりこりと弄った。
「んっ」
片方の手はスカートをまくり上げ、ストッキング越しに秘部にふれる。
「キスで……濡れた?」
「やっ」
「可愛い」
ちゅ、と音を立ててキスをする。亘は里帆の下腹部にかがむ。スカートをたくし上げて、するりとストッキングと下着を脱がしてしまった。
「わ、亘くん?」
里帆が戸惑っていると亘は里帆の足を開き、下腹部に顔をうずめた。
「えっ」
ぐに、と広げられる秘部。その場所に亘の息がかかり、ぞくぞくとした。それだけでなく、亘は秘部にキスをした。
「ひゃっ、え、そんなとこ、やだ!」
里帆は腰をびくんと浮かせた。
「だーめ。前に俺のも舐めてくれただろ? 俺も舐めさせて」
がっちりと足を掴んでいて、里帆は動くことができない。その間も亘は里帆の淫らな秘部にキスをし続けていた。そのたびにびくびくと腰が揺れる。
「ここすごい、熱い」
「や、舌で……だめぇっ」
ぐに、と舌先が蜜口をなぞる。浅く中に入ってくる舌に、里帆の身体は勝手に蜜を洩らす。くちゅくちゅと音がして、さらに亘はその蜜を、音を立てて吸い上げる。
「……はやく、ここに挿れたい」
「っ、ば、ばかぁ」
そう言いながらも亘は秘部への愛撫をやめない。里帆の目にはすでに涙が浮かび、全身に力が入らない。ただ亘が秘部を舐めているのを受け入れ、喘ぐだけだ。浅いところを舌先で舐めまわしたり、秘部を開いて、溢れた蜜と一緒にキスをする。里帆は手をぎゅっとにぎって、快感に耐えていた。
「ここ赤くなってて……やらしい」
「ん、あっ!」
隠れた花芯を、ぺろりと舐める。里帆の腰が大きく跳ねた。
「あ、だめ……亘くん、そこ、おかしくなっちゃう」
いやいやと首を振る。花芯に刺激を与えられると快感の大きな波が来ることはもうわかっていたし、今も実際、限界が来てしまいそうだった。
「いいよ、見せて。おかしくなるとこ」
「や、やぁ」
亘はうれしそうに笑い、里帆の花芯を舌先で弄ぶ。やめてほしいのに、蜜は溢れるばかりだ。舐めるだけではなく亘は花芯を唇で食む。
「ぁ、あっ――!」
花芯を吸われ、その瞬間、里帆は果てていた。
ベッドの上でくたりと身体を預けていると、亘は荒い息を吐きながら立ち上がり、唇を拭う。ぼんやりと見上げたその姿はやけに扇情的で全身が痺れた。
高く反りかえった熱に、ゴムをつけ始める。どこに持っていたんだろうと、眺めていると「里帆のところのゴムだよ」と口元を緩めた。挑発するような目に、里帆はうっとりと亘を見つめる。
「そんな目されると無理だ……挿れるよ」
亘に足を抱えられ、蜜口に亘の熱が当たる。蜜口を広げ、押し込まれる熱。
「あ、んんーっ!」
衝動のまま一気に奥まで貫かれていた。ぎちぎちに里帆の中を埋める熱に、里帆は浅い息を吐いた。
「あ、あぅ」
敏感な身体は痙攣する。知らないうちに亘の熱をぎゅっと締め付けていた。
「は、ぁ……里帆の中、すごい……熱くてきつい」
「いま、だめ、だから……」
どこもかしこも敏感だ。亘の熱が入っているのはもちろん、汗ばんだ大きな手でふれられるだけでいつ達してしまうかわからないくらいだ。
「……ッ、動くよ」
「えっ」
まだ中はびくびくと痙攣していたが、亘の顔が必死だったので見惚れるだけで抵抗はできなかった。亘は腰を揺すり始める。挿れた時は激しかったのに、揺さぶりはゆるく、安心した。亘は里帆の身体の横に手をつきながら中をかき混ぜる。
「あ、あんっ……亘、くん」
濡れた音と肌がぶつかる音が部屋中に響く。
「……外、誰か通るかもしれないね」
「えっ……」
「っ、すごい、締まった……こういうの好き?」
亘が眉根を寄せながらも、ぐりぐりと深く奥を突いた。
「ち、違……やだ、もうやめよ? 亘くん」
「……大丈夫だって。最上階なんてめったに来ない」
亘はさらに激しく揺さぶり始める。腰を押し付け、奥の奥まで届くように貫いてくる熱。
普段のやさしさからは到底想像できない荒々しい動きだ。里帆は甘い声をあげながら揺さぶられる。繋がっている場所からはぐちゅぐちゅと音がして、蜜が溢れシーツへと垂れる。
「っ、もう……いく……」
「あ、あっ、あ」
亘が苦しげに息を吐く。じっと、里帆を見つめるその目は情欲をはっきりと表していて、里帆はより一層奥がうずいた。
「く……っ、ン……!」
亘がびくびくと腰を震わせる。
ずるりと抜かれる熱に、里帆は終わった合図だと思い深く息を吐く。
余韻に浸っていると、亘に腕を掴まれた。
「……ごめん、もう一回」
「え、待って、亘く」
亘に身体を持ち上げられ、抱え上げられる。ソファに座った亘は里帆を抱きしめ、いつの間にかゴムを新しくしていた屹立が、里帆の蜜口を下から押し上げる。
「あ、はいっちゃう……っ」
ゆっくりと挿ってくる硬い熱。不安定な体勢に、里帆は亘に抱き着いていた。密着するとさらにスムーズに、ぬるりと飲み込んでしまった。
「……、すごい、気持ちいい」
亘が忙しない息を吐き、里帆のお尻を持ち上げ、揺さぶる。抱き着いているせいで亘の息遣いが鼓膜をくすぐり、快感はさらに強くなる。
「ひゃ、ぅ、あ」
「っ……里帆の声、やばい」
「あ……熱い……っ」
中に埋まっている亘の熱の、質量が増した。すでに圧迫していたそれは、さらに里帆の中をいっぱいにする。
「もっと、欲しい……里帆っ」
「やっ激しい、よお……っ」
下からがつがつと突き上げられながら里帆はぎゅっと亘を抱きしめる。息が耳に入ってきて、ぞくぞくと背筋が震える。
「ねえ、里帆、キスしよ」
「え……ふぁ、あ、む」
里帆は少しだけ身体を起こし舌を絡め合いながら、亘が里帆の身体を上下に揺する。上からも下からも与えられる刺激に里帆の腰は勝手に揺れ始める。自分で気持ちのいい場所を探してしまう。
「里帆、えろすぎ……いつからそんな子になったの」
「亘くんの、せいっ」
「いいよ。俺だけの前で、もっと乱れて」
ごりごりと中を抉られ、激しく揺さぶられる。胸が亘の胸でこすれ、それすらも快感になっていた。
「……里帆の奥、さわりたい」
「ああっ!」
最奥まで届くくらい、膨れた亘の熱が奥を叩く。目の奥がチカチカと光って、限界を知らせる。
「あ、やだ……なんか、だめっ」
「イって、里帆」
「あ、ぅ!」
「里帆、好きだ――」
亘の切羽詰まった声が、里帆の快感を限界まで引き出す。里帆はびくんびくんと腰をのけ反り、絶頂を迎えた。亘に痛いくらい強く抱きしめられ、亘の熱は里帆の中でびくびくと脈打っていた。
「は、ぁ……」
「ん……え、嘘」
まだ中には亘が入ったままで、ゆるやかに腰を揺らし始める。亘は二度達したはずなのに、まだ中の熱は強張ったままだった。後ろ頭を抱き寄せられ、舌を絡めるキスをしながら中をかき混ぜる。
「里帆、今日は一晩中しよう」
「え……本気?」
「本気」
亘の動きは止まりそうもない。
「でも……」
里帆は戸惑いつつも断る理由が浮かばず、再び亘の首に手を回す。
長いすれ違いの時間を埋めるように、二人は朝まで抱き合っていた。
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